よしもとばななのレビュー一覧

  • 海のふた

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    夏の終わりに毎年読みたくなる本No.1
    久しぶりに夏の終わりに読めてやっぱり良かった。
    忘れてたものを思い出しました。

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    2024年10月19日
  • どんぐり姉妹

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    よしもとばななの中で一番好きなのがこの本。
    どん子さんとぐり子さんの姉妹が人の気持ちに寄り添って寄り添われてそっと生きてる感じがすごく好き。

    お姉さんのどん子さんは恋愛の始まるときの「息をしているだけでも楽しい」時期が大好きで、それを何度も何度も繰り返してるちょっと不思議な人なんだけど
    それを

    「私はその思い出を全部持ってお墓に入るのが楽しみなの。老後はこれまでの彼氏をひとりひとり思い出して、ぽわんとして過ごしたいの」

    ってまるで宝物のコレクションを眺めるみたいにちょっと俯瞰して見ている感じがすごくよくて、わたしもこの話を読んでから、元気で体が動くうちは楽しいこともうれしいことも悲しいこ

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    2024年10月16日
  • 王国―その3 ひみつの花園―

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    “日々がだらだらと、ただ心の中の荒れた畑の土が元に戻るまでじっと待っているしかないように、過ぎていった。とにかく放っておいてほしかったのだ。毎日が過ぎていく中で、一滴一滴、なにか大丈夫になるための水がたくわえられていく…..それだけをつないでいたのだ。”

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    2024年09月20日
  • 王国―その2 痛み、失われたものの影、そして魔法―

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    “なくなったものを惜しんでいるばかりで、得たものを考える余裕がなかった。ちょうど、閉じられたドアの前でじたばたして悲しんでいたら、新しいドアがすぐそこにあったというような気持ちだった。何かが終われば必ず何かがはじまっている。それを見るかみないかだけが私の自由なのだ。ドアが開いた匂い、新しい匂いの中で、私はあせらずにゆっくり立ち上がり、少しずつ歩きながら、何かを探し続けよう。”

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    2024年09月20日
  • 王国―その1 アンドロメダ・ハイツ―

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    この世界が大好きだったことを思い出して、久しぶりに読み返した。優しくて透明で美しい文章と一人ひとりの登場人物、すべてが愛おしい。

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    2024年09月20日
  • デッドエンドの思い出

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    表題作のデットエンドの思い出が自分の現在の心境と重なり、とてもささった。
    自問自答しながら問題に向き合い、時に人の力を借りながら前に進もうとするミミちゃんえらい。
    人生の行き詰まりの時にしか見られない景色もわるくないなあと思えて、なんだか励まされた気持ちになった。

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    2024年08月15日
  • ジュージュー

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    よしもとばななさんの作品には飲食店で働く人がよく出てくる。

    本作は下町の老舗ハンバーグ店ジュージューが舞台。そこに集まる人々をよしもとばななさんの透き通った目がひっそりと見守っている。

    大人になるとどうしたって背負うものが増えていって、そういうものにがんじがらめになっている自分にうんざりするけど、この作品の主人公みたいに澄んだ目で見てみたらまた違った自分でいられるのかもしれない。

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    2024年07月15日
  • デッドエンドの思い出

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    辛く切ないラブストーリーの短編集。悲しみで感受性が鋭くなっている時の自然描写が心にしみた。表紙にもなっている、いちょうの枯れ葉の光り輝く様子は印象的で、よしもとばななの世界、好きだなと改めて思った。

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    2024年07月12日
  • まぼろしハワイ

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    死後の世界、ハワイの世界、私たちが生きている世界。
    それぞれの世界がばななさんの世界観とマッチして表現されていることが素晴らしいと感じた。
    ハワイには行ったことが無いが、ばななさんはきっと「リゾート地」とは違ったことをハワイに感じているのだろう。
    いつか本書を持ってハワイに行ってみたい。

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    2024年06月22日
  • 小さな幸せ46こ

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    ついついスマホを開いてしまうときに読むのにちょうどいい本。ひとつひとつのエピソードが短いのにしっかり温度感が伝わってきて素敵。ちょっと元気をもらえた。

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    2024年06月18日
  • 小さな幸せ46こ

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    ご両親との別れ
    私も母とはあまり仲が良くないが、いなくなったら、きっと寂しいんだろうなぁと思いながら、読んだ。私はおばあちゃん子だったので、死んだおばあちゃんがいつも一緒にいるような感じ、とてもよくわかる。

    犬や猫、亀…
    ばななさん家は、たくさんの動物を飼っている。一匹一匹個性があるところが可愛らしく、また、全く気にしていないようで、人間の一挙手一挙足を感じて動いているところが、この上なく愛おしい。

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    2024年06月11日
  • 海のふた

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    ネタバレ

    親、友達、親しんだ自然。
    そういうものを、私たちは「ずっとあるもの」だと思ってしまうことがあると思う。
    変わらずにずっとあるものだと。

    しかし、ずっと変わらずに存在するというのは難しい。
    人も自然も、いつかは変わってしまう。
    命には必ず終わりが来て、消えていく。

    それでも、信じたことを少しずつ続けていけば、「変わらないもの」を作れるかもしれない。
    そういう希望が心に灯るような小説だった。

    この作品を読んで、壮大な自然と向き合ったときのような気持ちになった。
    変わるものと変わらないもの。
    私の中に渦巻いているもの。
    そういうもの全てをどっしりと包み込んでくれるような、懐の大きさを感じた。

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    2024年06月09日
  • デッドエンドの思い出

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    誰もがそれぞれ持っている、人には言わないけれど「人生ってこうだよな」と感じていることが、短編の物語に澱みなく込められています。

    同じテーマの作品はたくさんあると思うのですが、クサくならずにスッと心に入ってくるところに作者の力量を感じます。

    素敵な友だちに出逢ったような読後感でした。

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    2024年06月08日
  • サウスポイント

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    私は初期のよしもとばななさんの作品が好きだとばかり思っていたのに、だいすきになってしまったこの本の初版は2011年らしく驚いた。

    主人公は破天荒で破滅的な家庭に育ち、なかなか気を休められなかった幼い頃に同じく破天荒な家の男の子と惹かれ合います。
    しかし家の事情で離れ離れになり、懸命に大人になって自分の生活を手に入れた頃とある歌を聞くことになります。
    そしてその歌は昔、自分が好きだった男の子に宛てた手紙が歌詞で‥というお話だった。



    よしもとばななさんの作中に出てくる美しい人たちへの表現が好き。
    艶艶な黒髪でとか、桜色の唇とか、透き通るような肌とか、まつ毛のびっしり生えた大きな瞳とか、そ

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    2024年05月12日
  • 王国―その4 アナザー・ワールド―

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    ネタバレ

    あとがきに、【直感と本能を信じ、自分を保つことをたえず続けていけないと、生きていくのが困難になるのではないか】と思いが綴られていました。
    直感と本能…大人になった今こそ大切にして、大きな選択をしていく必要があるのではないかと思いました。なんだか原点に帰らせてくれる本。
    自分に自信がなくなった時、自分を雑に扱いそうになった時にはこの本を読んで、自分のこと・自然をまた信じたい。

    P121.
    人は人に捨てられたりなんかしない。
    自分が自分を捨てることしかできないよ。

    P122.
    自分は自分のよしとすることを、静かに、もくもくとするしかないし、自分のよしとしないことが起きたら静かに離れればいい。

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    2024年05月05日
  • 王国―その3 ひみつの花園―

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    その3は恋愛について書かれていた印象。
    別れた彼のことを考えると目の前が暗くなるという表現がまさにでした。
    人の種類・部類についても描かれていて、なぜか共感。言葉にするのは難しいけれど、幹のしっかりとした芯のある恋愛や人間関係を築いてみたいと思わされました。
    人を好きになった先にある恐怖。ずっと・永遠という言葉を信じる怖さについて少し書かれていた部分があり、共感。
    優しく、おしゃれに、深く、恋や愛、人間関係について自然も交えながら書かれている本。読めば読むほど深みが増しそう。

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    2024年04月26日
  • 王国―その2 痛み、失われたものの影、そして魔法―

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    ・大切なものを離さないよあにぎゅっとつかむのではなくて、お互いが気持ちいいと思えるくらいの力加減
    ・今しかないから出し惜しみなく生きていく
    この2つのようなことが書かれている部分に深く共感し、胸が熱くなりました。
    そして、植物を愛でたくなり、家にある観葉植物に話しかけるようになりました。
    優しい言葉で温かい物語なのに、なぜか言葉が心にくる、、。王国シリーズは私のお気に入りになりました。

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    2024年04月26日
  • みずうみ

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    気持ちの暴力が少ない人たちが愛し合うとこんなに思いやりに溢れて、相手の気持ちを重んじて想い合うことができるんだなと思った

    本当に「あぶなっかしいふたりだというのに、薄い氷の上を歩いているような、どちらかが転んだら共倒れになるくらい、弱々しい組み合わせ」な2人がお互いにお互いを支え合って前に進めてて本当によかった。

    パリでも幸せに暮らしてね

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    2024年04月24日
  • 小さな幸せ46こ

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    個人的には好きなショートショートのエッセイです。
    面白いし、ちゃんと話としてオチもつけてます。

    長編を期待してる人々じゃなかったら面白いと思います。

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    2024年04月23日
  • ハゴロモ

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    高校生以来の再読。内容は何も覚えてなくて、ただ好きな小説のひとつという印象だけ残っていた。

    久しぶりに読んでみたら、よしもとばななの言葉選びや文体が懐かしく、当時と変わらず好きだと思えた。

    あとがきに書いてある通り、どうにもほっとできない気持ちの中にいる人が、ふと読んで、何のメッセージを受け取るでもなく、ただちょっとだけ苦しみのペースを落とすことができるような、そんな本。

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    2024年04月14日