よしもとばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
随分昔、子どもの頃に読んで印象的だった「とかげ」がリメイクされていたと聞いて手に取りました。
併録されているとかげと読み比べると、うんうん、確かに本筋もところどころの描写もそのまま、仕事への取り組み方、人との関わり合い方、生きる事への姿勢がより深く描写されて「人」が彼らに落とす「影」の部分と、それにより浮かび上がる光がより感じられる物語が繰り広げられているな、と。
ぎゅっと削ぎ落とされた濃密な空気の詰まったとかげ、そこからより一歩深く闇と光が色鮮やかに見えてくるひとかげ、どちらからもよさが手に取るように伝わって心地よくやわらかに胸に落とされる光と影を感じました。 -
Posted by ブクログ
2013年11月24日、京都精華大学創立45周年記念事業として行われたダライ・ラマ法王による講演会二日目に、よしもとばななさんの朗読がありました。先日、この動画をYouTubeで観たのですが「小さないじわる」という言葉と説明にドキッとさせられました。私自身がこの「小さないじわる」に身に覚えがあったからです。小さないじわる、とても的を得ていて自省を促す言葉です。
「小さないじわる」について、ばななさんはもっと詳しく著書に書いてないだろうか?と探し当てたのが本書です。結果的に本書は、あくまで講演録だったのですが、この「小さないじわる」を自制するためのアイテムとして、有効に活用していこうと思い -
Posted by ブクログ
自分が親から貰った愛情を
きちんと受け取りなおすこと
自分を客観視すること
そんな通過儀礼を、
この一冊通じて体験したような気がした
自分が決めた愛のイデアみたいな像があって
それに当てはまらないものは
見て見ぬ振りをしてきていた
ほんとうはこの世の中は
愛でいっぱい溢れているのに
悲しい思い出がなければ、幸せになれる訳じゃない
受ける歯車と渡す歯車がかみ合わないだけで
人ってこんなに孤独になってしまうものなんだなぁ
未来に心奪われるのは過去に捕らわれるのと一緒
ただ、今ここの、特別でも何でもない
一つ一つの手の動き、話す言葉、噛み締める味わいが
人生を形作って乗り越えさせてくれる
毎日