よしもとばななのレビュー一覧
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雫石が、森から都会へと環境が変わって行くと同時に心も変化し、色々なことを学んでいく。
TVに中毒になって気づかないうちに、自分の目の前にある事から逃れていたり、人の感情がその空気にまで伝わって周りを変えてしまうことを学んだり、私も雫石と一緒にこの本から沢山学ぶ事が多かった。そして真一郎との関係も気になって早く続きが読みたいと思ってしまう。
最近好きになった吉本ばなな。どんどんハマってしまう。凄い私よりも周りを敏感に観察していて、そこから感じ取ったことを本に吐き出しているのではと思う。物語なんだけど為になることが多すぎる。学校の先生にオススメされただけある作品だった。 -
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ネタバレばななさんがあとがきで、弱っている時にしか価値がないとも言えるが、弱っている時にじんわりしみてくる気がする小説だと書いていた。出会うべき時にこの小説に出会えた気がする。なんとなくずっと苦しくて落ち込む数日間を過ごしてたのに、この本を読んだらホッとした。川とか山とか、親しい人との繋がりとか、本当に大事にすべきものが人間にはあると思います。(この本読んでTwitter消せた!!)
「でも私だって、実のところ、もしもみんなが等しく鳩を愛するだけの世界だとしたら、私はそこに住んで幸せだろうか?っていつでも考えてしまうもの。別の考えに触れたときの感じは、やっぱりいつでも衝撃的で、自分の世界が広がってい -
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よしもとばななの中で一番好きなのがこの本。
どん子さんとぐり子さんの姉妹が人の気持ちに寄り添って寄り添われてそっと生きてる感じがすごく好き。
お姉さんのどん子さんは恋愛の始まるときの「息をしているだけでも楽しい」時期が大好きで、それを何度も何度も繰り返してるちょっと不思議な人なんだけど
それを
「私はその思い出を全部持ってお墓に入るのが楽しみなの。老後はこれまでの彼氏をひとりひとり思い出して、ぽわんとして過ごしたいの」
ってまるで宝物のコレクションを眺めるみたいにちょっと俯瞰して見ている感じがすごくよくて、わたしもこの話を読んでから、元気で体が動くうちは楽しいこともうれしいことも悲しいこ -
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ネタバレ親、友達、親しんだ自然。
そういうものを、私たちは「ずっとあるもの」だと思ってしまうことがあると思う。
変わらずにずっとあるものだと。
しかし、ずっと変わらずに存在するというのは難しい。
人も自然も、いつかは変わってしまう。
命には必ず終わりが来て、消えていく。
それでも、信じたことを少しずつ続けていけば、「変わらないもの」を作れるかもしれない。
そういう希望が心に灯るような小説だった。
この作品を読んで、壮大な自然と向き合ったときのような気持ちになった。
変わるものと変わらないもの。
私の中に渦巻いているもの。
そういうもの全てをどっしりと包み込んでくれるような、懐の大きさを感じた。