あらすじ
街はずれの廃屋みたいなビルに住む、変わり者で有名なアルゼンチンババア。母を亡くしてからしばらくして、みつこは自分の父親がアルゼンチンババアとつきあっているという噂を耳にする。思い切ってアルゼンチンビルを訪ねたみつこが目にした、風変りで愛しい光景。哀しみを乗り越えていっそう輝く命と、真の幸福の姿を描く大傑作。
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安易ではあるけれど実父を思い出した。
最後は自由に暮らしてた実父を懐かしんでしまった。
本当の理由なんて他者には何もわからないし、起こってしまったことから何かを読み取るしかない。
読み終えてそんなことを思った。
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短くて読みやすかったです。
絵も可愛く大人の絵本みたいでした。
じわっとそしてふんわりとした世界で他人にも自分にも優しくしたくなるような気分になりました。
また読みたい本です。
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「母が死んだ時、私の平凡だった世界は消えた。
そして今までカーテンの向こうにあったものすごいものが突然姿を現した。」
死という悲しみを受け入れ生きていく
命の物語
「アルゼンチンババア」というインパクト大で謎のタイトルとは裏腹に、心の深い部分を優しく包まれるような物語です。
簡単な分かりやすい言葉を使っているのに、なんという深い物語なのでしょう。
ばななさんの文章って、すごいなぁ。
この本は巻末に奈良美智さんのイラストが描かれていて、大人の絵本という雰囲気。
短いストーリーなので、手元に置いて何度も読み返すのが向いている本かもしれません。
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章ごとのイルカが可愛かった。
アルゼンチンビルすごい空間だな。そして、ユリさんも。自分らしく生きてて、言葉にできる人に人間が惹きつけられるのも分かる。そして、そういう人ほど関わらない人から見たら少し浮いた変な人なんだろうなぁ
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短いのだけど最初に引き込まれたのが、お母さんが亡くなった時のシーン。お母さんの体から魂がいなくなったときに、ああ、お母さんはこれに乗って旅をしていたんだ、と思う描写がとてもいんしょうにのこりました。その文章を読んだだけで、なんだか自分も自分の体を車をメンテナンスするように大切に扱うようになった気すらします。自分も家の中を片付けられなくて、だけど何が幸せかっていうところの軸をちゃんと生きたいと思った。ここに出てくるお父さんはかっこいい。
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100ページにも満たない短い作品だったけど、じんわり心に響く素敵な作品だった。
印象に残った文章♪
⚪︎「懐かしさって、全てが変わってしまってから初めて芽生えるものなんだ、と私は思った。」
⚪︎「好きな人がいつまでも、死なないで、いつまでも今日が続いてほしいって、そう思ったのよ」
吉本ばななさん好きだなぁ♡
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吉本ばななの作品はこれが初めて。
とても読みやすく優しい文体。
無機質ですごく低調に感じる地の文でも体温がある不思議。
説教臭くない、前向きになれる本。
自分も死ぬのならばそれまでに曼荼羅を作りたい
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きっと家族を亡くした経験のある人は、グッとくるものがあると思う。
形が変わっても家族は家族。
ユリさんみたいな人がいてくれたらなんと心強いことだろうか。
噂や見た目ではなく、意識の深いところで、人と人が繋がっているお話。
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電車乗りつつパラパラ読んじゃったもんだから、多分短いストーリーの中で感じ取らなきゃいけないことを全て感じ取れていない気がする。悔やまれます。
すごく奇妙ながらもあったかい作品。一見世間からは非難されそうな親父の生き方もババアによってあったかくなる。それを素直に感じ取る主人公も素晴らしい。懐が深い。
全体的に深い内容。な気がする。
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タイトルのインパクトと昔、映画を観たような…確か鈴木京香さんだだたような。よしもとばななさんの作品なんだあ。実直なお父さんが、妻を亡くしてすぐにアルゼンチンババアに走るという内容には、納得できないところもあるけど、とにかく言葉がきらめく。
ー人は死ぬ瞬間まで生きている。決して心の中で葬ってはいけないー
-人は体に乗って旅していたんだ-
-好きな人が、いつまでも,死なないで、いつまでも今日が続いて欲しい-
素敵だな。言葉にすいこまれるな。
ほっとするな
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イメージがしやすい。
お父さんの曼荼羅談の世界観は是非石の曼荼羅を拝見してみたいと思った。まぁ、アルゼンチンババアの話ではなく、アルゼンチンババアを解した自分自身の本質に近づいた感じに近いのかなと思う。
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母が亡くなって 父が誰もが知ってる廃屋に住む
変わり者で有名なアルゼンチンババアと付き合ってると知るって、普通だったらだいぶドロドロした
感情になりそうなのに、どろどろ一切なし。
そこでは感情が優しく素直に溢れ出る。
家中汚れて臭いのに、なぜか誰もがユリさんに
心落ち着く。そんな人と出会えたら素敵だなぁ。
お父さんの
二代目アルゼンチンジジイは笑った。
言葉がとっても優しくて素敵な本でした。
最後の奈良美智さんの絵も素敵でした。
欲を言えばもっとユリさんを知りたかったなぁ。
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すごくよかったー奈良美智さんの絵もとても好き
こころあたたまるなぁ
今までこの世にいなかった人が縁あってこの世にやってきて、自分を好きになってくれた、それだけでもう胸がいっぱいだ
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役所広司さんが出演している映画の原作。妻を失うことを受け入れてたち直るまでの父とアルゼンチンババアと家族の物語。寂しさの癒しかたにはいろんなやり方があるんだなと思った。
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亡くなったときにおおきな贈り物を受け取った
というところ、
ほんとうに好き。
この連鎖であってほしい、この世界の命のつながりは。
血がつながっていなくとも。
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初めから胸が揺さぶられるフレーズが多く、引き込まれた。読み進めるのが全く苦にならず、どんどんと読み進められた。心の揺れが繊細で、抽象的な世界観で、読む人に柔軟に寄り添ってくれそうだ。
話が短いのですぐ読み終わるが、残しておきたいフレーズで溢れていて満足だった。
父の生き方が切なかった。染みた。
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国民的作家なのに、よしもとばななさんの本って読んだことないなあ、と思って、インパクトのあるタイトルの本作を手に取った。(もう一冊は「デッドエンドの思い出」)
わずか80頁(プラス奈良美智さんの挿画)
奥さんを亡くした後のお父さんとその恋人(渾名:アルゼンチンババア)と娘のお話。周囲のことばに惑わされず、自分の価値観に忠実に生きることの素晴らしさとしんどさとその他諸々。初めての作品なので、よしもとばなな的なのか否かはよくわからないけれど、不思議なあたたかさを感じる本だった。
P76 ユリさんのことば
「どうして人が遺跡を作るのか知ってる?」
「好きな人がいつまでも、死なないで、いつまでも今日が続いてほしいって、そう思ったのよ」
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すぐに犯そうとしてくる従兄弟、怖すぎる。しかも通報したのに警察叱られて終わりとかありえない。普通にトラウマになるし二度と会いたくないと思うんだけど…。
妻を失ってから半年でアルゼンチンババアの家に入り浸る父、私だったらめちゃくちゃ嫌だけどな。ユリさんの高齢出産には驚いたし、父ももうお爺さんで、子供が可哀想に思えた。みつこの適応能力が高過ぎる。
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めちゃくちゃ短くて、気づいたら読み終わっていた。
最後の数ページは奈良美智さんが書いた絵なのも良かった。
主人公がお父さんがアルゼンチンババアと暮らしていることにあまり抵抗も持たず、反対もしなかったのが奇妙だった。そんな得体の知れないおばさんの元で父親が暮らすなんて、簡単に承諾はできない話だ。
だけど、アルゼンチンババアの元で暮らしたおかげでお父さんは亡くなった妻のためにイルカの墓石を掘り出したのだから結果オーライなのかも知れない。
イルカの墓石、かわいくていいな
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映画化されたことでこの作品の存在を知りました。
母親と死別した女の子が主人公。
彼女の父親と、風変わりな女性=通称“アルゼンチンババア”の間に生まれた愛を通して物語は展開します。
淡々と進むストーリーの中に温もりを感じます。
人を好きになるって、いいことです。
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綺麗なフレーズが並ぶ面白い本だったが、あまりにも短い(何か制約があった?)
感情移入しにくく、いとこの登場もあまり意味がない気がした。
詩集のような本だった。
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短い作品ながら人生観などを学ぶことができる作品。「人は死ぬ瞬間まで生きている、決して心の中で葬ってはいけない」など教訓めいた言葉も多い。
言われてみれば、生きている間でも「あいつはもうだめだ」みたいに、どこかで見切りをつけてしまっている。いつまでも尾を引く関係も考えものだが、そのあたりのバランス感覚が非常に難しい。
ただ、心の拠り所というかそうした存在を持つべきということだけははっきりしている。空虚感、疎外感は一度や二度は感じるもの。そうしたときに黙って傍にいてくれる存在というもののあたたかさを感じることができる。
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私はよく、
この楽しい時間は一生続かないのだなって寂しさを抱いてしまったり、
まだ起こっていない未来を考えて不安になってしまうことがある。
それは
楽しい家族との時間や
少しづつ私を忘れる祖母の姿を見た時、
年老いていくけど忙しそうな母の姿、
無趣味な父を見たとき。
でも、この作品を読んで
そんな恐ろしいことわしているのは自分なのだと気がついた。
今を大切に、楽しく、強く生きなくては。
Posted by ブクログ
*
もしかしたらこの恋は、父なりの、人生に対する怒りからきているものなのかもしれない、と私は初めて思った。
*
街はずれの廃屋みたいなビルに住む"アルゼンチンババア"と自分の父親が付き合っている噂を耳にしたみつこは思い切ってビルを訪れる。
.
タイトルに興味ひかれたのと、あらすじでさらに読みたくなった。
インパクトがあるタイトルとは対照的に優しい暖かさもある作品。
.
見た目やら周りの噂に流されず、目で見たものと自分の気持ちを信じ関わることって大切。
Posted by ブクログ
ページ数が少ないこともあって
最初から最後まで時間の流れが止まらないというか
まるで、みつこの絵日記でも読んでいるような
不思議な感覚。
なんだろう、これ…この感じは初めてかも。
派手な化粧に古ぼけたしみだらけの服に
散らかり放題の部屋は
他人からしてみれば拒否したくなるようなもの…
だけど訪れた人はいつのまにかそれを受け入れてしまう。
アルゼンチンババアはいつだって自然体で
みんなを包み込んでしまうから。
自分の気持ちや言い分だけではやってはいけない。
でもだからといって自分の感情をないものにしたり
本当は傷ついているのに平気なふりをしたり
本当は悲しいのに大丈夫って言ってみたり
そんなことしなくていいんだよって
言われてる気がして
何があっても我慢してグッとこらえて
空回りばっかりしていたここ数年の自分が
救われるような気持ちだった。
大事な人たちとの今日が続く。
それはみんなが願うことなんじゃないかな。
その願いを、祈りを表現したばななさんの言葉も
とっても好きだった。
Posted by ブクログ
「お母さんの体からお母さんの魂がいなくなった時、私はその冷たい体を見て思ったのだ。ああ、お母さんはこれに乗って旅をしていたんだ。だから、私も、私の体を、ちょうど車のメンテナンスするように大切に扱うようになった。」
以前友達が、死んだらどうなるんだろうと怖がっていました。そのとき私はいまいちピンとくる答えを見つけられなかったけれど、この捉え方は生きているうちも死んでからもやさしく、しあわせだと思いました。また友達とこのことについて話したいです。
「母が1日に何回かお茶を運んでいくと、父は手を休める。忙しいからそこに置いとけ、ということは滅多になかった。」
理想の夫婦像!結婚相手について考える時、外せない想像になりました笑。 ささいなコマをすくいあげるのはさすがよしもとばななさん。こういう気付き方がとても好きです。
「どうして人が遺跡を作るのか知ってる?
好きな人がいつまでも、死なないで、いつまでも今日が続いてほしいって、そう思ったのよ」
ロマンチック〜!ユリさんにぴったりのセリフです。こんな風に世界のあらゆるものに対して愛情をくばって生きられたらなあと思います。
「そうか、お父さんにとって幸せという感じはちょっと上のほうにあるのか、と私は変なところにじんときてしまった。」
これもすてきな気付きのひとつです。わたしはどこを見てしあわせと言うのか、将来がたのしみです。
Posted by ブクログ
なんだろう、これはアルゼンチンビルの埃っぽさやお父さんの第二の人生や…雑多な色々なものをそのまま受け止めれば良いのだろうか?
大切な人が亡くなること、その人なしで生きていくこと、供養をすること、残った人の心に残るもの。