よしもとばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
よしもとばななの中で一番好きなのがこの本。
どん子さんとぐり子さんの姉妹が人の気持ちに寄り添って寄り添われてそっと生きてる感じがすごく好き。
お姉さんのどん子さんは恋愛の始まるときの「息をしているだけでも楽しい」時期が大好きで、それを何度も何度も繰り返してるちょっと不思議な人なんだけど
それを
「私はその思い出を全部持ってお墓に入るのが楽しみなの。老後はこれまでの彼氏をひとりひとり思い出して、ぽわんとして過ごしたいの」
ってまるで宝物のコレクションを眺めるみたいにちょっと俯瞰して見ている感じがすごくよくて、わたしもこの話を読んでから、元気で体が動くうちは楽しいこともうれしいことも悲しいことも嫌なことも、とにかくたくさん体験して覚えていて、老後にそれらを思い出して咀嚼していく生き方をしたいって思っているのよね。
考えることとか感じることって自分の中で完結するからいつどこで何をしていてもできるでしょ。
そういうのを愉しめるような人生を送りたいなって思える大切なお話です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ親、友達、親しんだ自然。
そういうものを、私たちは「ずっとあるもの」だと思ってしまうことがあると思う。
変わらずにずっとあるものだと。
しかし、ずっと変わらずに存在するというのは難しい。
人も自然も、いつかは変わってしまう。
命には必ず終わりが来て、消えていく。
それでも、信じたことを少しずつ続けていけば、「変わらないもの」を作れるかもしれない。
そういう希望が心に灯るような小説だった。
この作品を読んで、壮大な自然と向き合ったときのような気持ちになった。
変わるものと変わらないもの。
私の中に渦巻いているもの。
そういうもの全てをどっしりと包み込んでくれるような、懐の大きさを感じた。
自然と身体が親密に繋がっていて、大きな時間の中で生きている。
そういう感覚を、よしもとばななさんの作品は思い出させてくれる。
目の前のことで精一杯な私に、穏やかな気持ちを与えてくれた。
名嘉睦稔さんの版画もとても美しく、鮮やかなエネルギーを感じた。
夏直前のこの時期に読めて良かったと思う。 -
Posted by ブクログ
私は初期のよしもとばななさんの作品が好きだとばかり思っていたのに、だいすきになってしまったこの本の初版は2011年らしく驚いた。
主人公は破天荒で破滅的な家庭に育ち、なかなか気を休められなかった幼い頃に同じく破天荒な家の男の子と惹かれ合います。
しかし家の事情で離れ離れになり、懸命に大人になって自分の生活を手に入れた頃とある歌を聞くことになります。
そしてその歌は昔、自分が好きだった男の子に宛てた手紙が歌詞で‥というお話だった。
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よしもとばななさんの作中に出てくる美しい人たちへの表現が好き。
艶艶な黒髪でとか、桜色の唇とか、透き通るような肌とか、まつ毛のびっしり生えた大きな瞳とか、そんなありきたりな容姿なんかを言及するんじゃなくて、内側から発光するような引力を文章にできるのがすごい。
そしていつものように美味しそうな食べ物たち。はちみつ(加熱しないはちみつなんて!白いなんて!)とかうるさそうに見えて裏手の森の音の聞こえる居酒屋のだし卵とか、丁寧に人のためにつくるパエリアとか。
ハワイの描写も美しくて、想像していてとてもたのしかった。あえて写真を検索しないで、ただいつか行きたいなあって思った。
周囲の人に気を取られがちだけど、早くに大人にならなくてはいけなかった主人公の、愛がなかったわけではないけど辛かった過去もじんわりと癒されていったのに安心した。
ひさびさに、よしもとばななさんの作品を読むとそのきらきらが体中に満ちる感じを味わって、とてもしあわせになった。
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ところで主人公は"てとらちゃん"と言って、はじめはひらがなのぽてぽてしたこの名前に馴染めなかった。けれど物語を最後まで読んでこの子の名前がてとらであることにとっても納得した。
名前にすると、響きもとてもかわいい!
テトラポット:
消波ブロックは、海岸や河川などの護岸や水制を目的に設置するコンクリートブロック。
波消しブロックと呼ばれることもある。
Wikipediaより引用 -
Posted by ブクログ
ネタバレあとがきに、【直感と本能を信じ、自分を保つことをたえず続けていけないと、生きていくのが困難になるのではないか】と思いが綴られていました。
直感と本能…大人になった今こそ大切にして、大きな選択をしていく必要があるのではないかと思いました。なんだか原点に帰らせてくれる本。
自分に自信がなくなった時、自分を雑に扱いそうになった時にはこの本を読んで、自分のこと・自然をまた信じたい。
P121.
人は人に捨てられたりなんかしない。
自分が自分を捨てることしかできないよ。
P122.
自分は自分のよしとすることを、静かに、もくもくとするしかないし、自分のよしとしないことが起きたら静かに離れればいい。
P157.
この人の何かをこの世に続けさせたい
P210
みんな、実はいろんなものに愛されたり、支えられたりしてるのに、ちっぽけな自分の悩みでいっぱいになっているのな。人間てほんとに贅沢なものだよ。