あらすじ
「父が入院している病院の階段をのぼるときいつも逃げ出したかった。死にゆこうとしている父に会うのがこわかった」。父の脚をさすれば一瞬温かくなった感触、ぼけた母が最後まで孫と話したがったこと。老いや死に向かう流れの中にも笑顔と喜びがあった。愛する父母との最後を過ごした“すばらしい日々”が胸に迫る。発見と癒しに満ちたエッセイ。
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「生きててくれるだけで、いいものなんだよね~」ー心のおばあちゃん
ただ遊ぶ
逃げても逃げなくてもどっちがいいということもない。それぞれの人生がつくいていくだけ。
すこやかさの種をまく。ーすこやかに
もの自体になんの意味もない。そのものを使う人の輝きが宿る。
いつのまにかそうなって自然にそこにある。-びわ
「家族に困ったことがあったからって、楽しいことをやめるという考えはあまりよくない。」吉本隆明 -テニスの教え
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日々の小さな幸せなカケラにいっぱい気づかせてくれるエッセイ。
ばななさんの家族や親しい人たちとのこと。嬉しかったこと。悲しかったこと。
しんみりと優しい気持ちなりました。
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散りばめられているキラキラした事
ふと読むとじわっと涙が出てしまう。
言葉にあまりにも合いすぎたすばらしい愛に溢れた写真とともに
後から思うとあれは幸せだったんだとか、なんだか人生のすばらしい時間や思い出がばななさんの言葉で溢れていて
まだそこまで人生を過ごしていないけど、こんな風に思ったり、ここに書かれている人達みたいに過ごしたいなと思う
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心が暖かくなる本。水のようにさらっと読めるけれども、水が光を反射してキラキラと輝くように人が生きていく上で大切なことがたくさん詰まっている、そんな本。読んでよかったと思える本です。
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こんなにさらっと読んでしまったけど、もっと丁寧に、陽の光が差す部屋で、噛み締めながら読みたいな
気をつけないとあっという間に過ぎてしまう日常の一つ一つを掴まえて、そのきらめきを知ることは、きっと日々の余裕がなくなってしまうであろう社会人生活の中でも忘れないようにしなきゃ、と思う
今の私は「体が勝手に」「逃げても逃げなくても」がお気に入り
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両親の死など内容は悲しいものも多かったが、それでもばななさんの優しさが溢れる作品。
エッセイなのに涙を堪えながら読んだ。
潮さんの挿絵(写真)も素晴らしかった。
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約150頁のエッセイ。2時間とかからず読めてしまった。ところどころ生命力を感じる写真のページがあるのがまたよかった。
震災や、両親や飼い犬、友人を亡くした経験を経てのエッセイとあって、著者にとって辛い時期であったことはたしかだけど、そんななかにもすばらしい瞬間はあるという意味が込められたタイトル。
表紙カバーの写真は、なんとなく楽譜みたいなイメージでぼんやり認識していたけど、エッセイを読んだらまったく違うものと気づいてはっとした。
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よしもとばななさんの作品は日常の中の小さな幸せや、忘れかけていた大切なことを気付かせてくれる。道端の植物や近所の人、両親、自分の周りにはいろんなものや人で溢れていていつもそこに在る。あたりまえに生きている日常がキラキラしていて宝物なんだと思えるようになりたい。先の事ばかり不安になるけど、ふと振り返る時間を作っていきたいなと感じた。
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ばななさんの言葉ひとつひとつに嘘がなくて、純粋で、キラキラしていて、いつの間にかその綺麗な文章を涙しながら読みました。
まるで自分の心の汚い部分が排出された気分。
繰り返し何回も読みたくなる、素敵なエッセイでした。
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初めてエッセイというジャンルの本を読んだ。
自分の気持ちを言語化して、素直に表現できる、とても尊敬していて大切な友達が、吉本ばななさんを好きだったのが、この本を読んだきっかけだった。
この本の中での言葉の紡がれ方とか、心情の表され方とかが、友達のそれにも重なって温かい気持ちになった。
短編集のようなもので、夜眠る前に読みたいし、何度でも読み返したい。
"ポジティブシンキングをがんばるのではなく、なるべく日々をハッピーでいることしかないんだと思う。自分を不幸にするのは自分の責任だから。"
"なにもかもが「こんな感じ」っていうのの幸せ。毎日こんなことがちょっとだけあるといいなと思う。"
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【自由研究】人はなぜ老いるのか?⑥完
「人がいちばん恐れているのはきっとあの夜が来ることなんだろうと思う。だからみな宗教にすがったり、お祈りしたり、健康診断に行ったりするんだろう」(本書より)
***
そもそも自分がこの自由研究を始めたきっかけは、親や親戚が高齢で病気がちになったことでした。
歳だからしょうがないのか?なぜ長く生きて病に苦しまなくてはならないのか…?
*
人は死があるからこそ懸命に生きると私は思っていますが、果たして自分が老いたときもそう言えるのか?…甚だ自信がありません。
「そのときに私たちはあんな美しい顔をしているだろうか?よれよれかもしれないけど生き様が全部出た佇まいを持っているだろうか。
そうであれたらいいと思う。」
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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生と死について優しく述べられていた。
死はそれほど恐れるものではないし、日々は美しさに溢れている。
人の物や仕草には魂が宿っている。
大切な存在を慈しみ、生きていられる今日はすばらしい日々に間違いないと思った。
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p33、パンダ焼きが出てきた。近所の廃墟になっているお店の窓に、はがれかけたシールで「パンダ焼き」とあって、何だろうと思っていた。これか!意外なところで遭遇。
「米粉のもちもち感がいっぱいで、枝豆のあんが入っていて熱々でものすごくおいしい」
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年を重ねる寂しさ、近しい人を亡くした悲しみ。
切ないけど、家族が元気で健康な今を「すばらしい日々」と感じずにはいられない。
もし、いざ、という日が来たら…ばななさんの本に支えてもらえる気がする。
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とりとめのない日常をすくうようにして書かれたエッセイだけど、紙背には“死”への気配が終始漂う。死があるから生が肯定されるし、過去になるから記憶は美しくなる。今を生きようとすると、手のひらからすり抜けてしまう。その儚さと、日常の尊さに気付かされる。
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悲しみ・淋しさ・孤独感・不安·····身の上に起きた辛い事、それを時間が過ぎて振り返った時に、どの時間も、どの感情も「愛おしい」と語れるように私も日々を積み重ねて行きたい。とても大きな悲しみや、支えきれない淋しさでなくとも・・・日常のチョット、辛いな・・・の「チョット」な出来事も逃げずに向き合って、少し進んで振り返った時に「苦しかったな、でも頑張ったな」て、愛おしく思いたい。何も大きな事は出来ないけど、嫌でも進んで行く時間を大事にするぐらいは出来るかな。
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キッチンもツグミも死を意識した作品だが、エッセイを読むと、その味わいがさらに増すように思う。
この方の小説を私自身はあまり好きではないけれど、このエッセイの中で語られる、自然で意識しないことの良さ、には本当に共感できる。
そして、もうこの歳50代になると本当に納得できることだけで生きていきたいという思いが募ってくる。そんな気持ちを強めてくれるエッセイでした。