あらすじ
幸せってどういう感じなの?
人の心の中にはどれだけの宝が眠っているのだろうか――。時が流れても忘れ得ぬ、かけがえのない一瞬を鮮やかに描いた傑作短篇集
感情タグBEST3
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吉本ばななさんの作品に対して、高嶺の花みたいなイメージがあって読んでいなかったんだけど、なんということでしょう、めちゃくちゃ読みやすい!!けど軽くない!そして、短編集なのに、一つ一つのお話が全然物足りなくない!!
グッとくる文章がたくさんで、私の宝物の一冊になった。
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素敵な言葉の表現が…
ばななさんだなぁ
少女時代のスヨンさん主演だってので
映画の方も見てみました…
カリグラフィーをやってみたくなりました〜♡
本は黄金色の銀杏の季節でしたが、
映画では桜の季節でした。
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BKBがおすすめしてたから読んだ!
やっぱり最高!
すごい壮絶な主人公たちなんだけど
優しい言葉と文体で癒される。
ばな姉節最高
短編集って当たり外れ多少あるのに
今回全てのお話最高でした
特によかったのは幽霊の家かな
最高のラブストーリーって感じ
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「おかあさーん!」
まるで木々や太陽の光や道で会う猫みたいに、いとおしく見える。
そのことに私は愕然として、何回でも空を見上げた。体があって、ここにいて、空を見ている私。私のいる空間。
遠くに光る夕焼けみたいにきれいな、私の、一回しかないこの体に宿っている命のことを。(P、111)
あったかくなんかない
「ううん、僕、中にいる人の、そのまた中にある明るさが、外に写っているから明るくてあったかくかんじるんじゃないかと思うんだ。だって、電気がついていても淋しいことって、たくさんあるもの。」(P、157)
デッドエンドの思い出
家族とか、仕事とか、友達だとか、婚約者とかなんとかいうものは、自分に眠るそうした恐ろしいほうの色彩から自分を守るためにはりめぐらされた蜘蛛の巣のようなものなんだな、と思った。そのネットがたくさんあるほど、下に落ちなくてすむし、うまくすれば下があることなんて気づかないで一生を終えることだってできる。(P、223)
自分がとらえたいものが、その人の世界なんだ、きっと。(P、224)
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2006年ということは今から20年前くらいに書かれた本。
なのに、まったく違和感がない。
いつの日か読んでものすごく好きだった本だったことを思い出した。
アリス・マンローの短編集のよう。
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色んな傷が抉られながら優しく包まれる感じ。人間関係において、終わりのない地獄はないと希望を持たせてくれたような気がする作品。示唆に富む表現が多くて、とても学びが多かった。
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もう、大好きですこの作品。
ふとよしもとばななの作品が読みたくなって、近くにあった書店にふらっと寄ってたまたま手に取った作品。
帰宅後に読んで驚くほど面白かったです。私はサクサクと内容が入ってきました。
短編。全部話は繋がってないですが、タイトルの通りデッドエンド=行き止まり、袋小路 な人生を送った人たちが切り取られていました。
1度どん底に落ちたからこそ出会うしあわせの形を見ることの出来るユニークな作品だと思います。
そしてこの本を読んで自分自身を振り返るきっかけにもなりました。
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「おかあさーん!」なんか今の心情とリンクしてぼろぼろ泣いちゃった。私を失った世界でも幸せに生きる私の好きな人のことを考えて、とてつもなく寂しくなって、ここで生きていたいと思った。
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切ないけれどとても温かい作品。泣きながら読んだ。自分だけの痛みだと思いがちな、それでいて言語化できずに胸につかえるようなモヤモヤを、綺麗でまっすぐな言葉で形にしてくれている。色々と上手くいかない日々や、孤独や不安で冷えた心に「独りじゃないよ」「かっこ悪くても生きてていいんだよ」と毛布をかけてもらったような気がする。
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幸せという言葉が食べ物や天気、透明、黄色やオレンジなど色で表現されている書き方がさらに温かい気持ちになり物語に入り込みやすかった。
幸せとは何か?考えてもすぐに答えられるものではないけど何気ない日常、変わらない生活、今周りにいる人それぞれが混ざり合って私があるんだと気付く。
辛い経験やこれから起こる不安いろんな出来事があってもその中で生きる意味や幸せだったと思い出せることがあるのならば、きっとこれから大丈夫だと元気をもらえます。
もの悲しい、しかし悲しいばかりでもない、あれ、薄く光る希望的なものがそこにはある、みたいな話の収められ短編集。
よくよく考えると出てくる人たちめちゃくちゃ大変な目にあってるじゃん
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この装丁を見たとき、絶対秋に読もうって誓った今。
紅葉が見頃の季節に読み終えました。
どの短編も別れや死別などつらいラブストーリーが多くて、だけど手を差し伸べてくれる人がひとりでもいたらじんわりと温かい日常を取り戻してくれるんだっていうことに気づける。
のび太とドラえもんのような関係って、親友のような家族のような安心する関係なんだよね。
そんな関係性が一番目指すべきところ。とてもよく分かる。
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初めてよしもとばななさん読んだ!好きな作家の1人になりそう。
なんやろ、ばななさんの文章は心にぐっとくるなあ。
読んでいて感性が養われた気がする。
「幽霊の家」の2人の関係性が、お互い自立していていいなと思った。女の子の男の子への心情の変化が繊細に書かれててキュン×2一気によしもとさんの世界に引き込まれた。
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「なんでこんな辛いものをお金を出して読んでるんだ!」と思うでしょ?というあとがき。
うーん。たしかに笑
この秋に読めたのはよかった。ちょっと悲しいときに悲しさに浸っていいんだよ、と言われてるようで。
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よしもとばなな自身が、表題作を書けたことについて「小説家になって良かった」と語っている作品。
タイトルの通り、まさにデットエンドのような展開を迎える主人公の、再生の物語。
幸せの象徴としてふと思い出してしまうような景色を、自分も何個も作っていきたいなと思えた読後感想。
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金沢一人旅の相棒で持って行った。
1泊2日で読めた!
デッドエンドの思い出というタイトルだけあって、どの話も切なかった⋯
でもその中にも、希望や活力、成長を感じれた。
過去の辛いことも今後の糧になる。
「のび太とドラえもん」の関係が理想なんやな笑
結構分かる気がする。
しかもかなり理想。お互いが自然にいれる。
居て当たり前の存在。
派手な幸せはいらない。
時には贅沢したいとは思うけど、日々の小さな幸せを感じれるようになりたい。
まだまだ時間かかりそう⋯
Posted by ブクログ
デッドエンドと聞くと何となく
マイナスのイメージがあるんだけど
本書はマイナス感どころか明るさがある。
物語はどれもちょっと切ないのだけれど
あたたかな光があって希望がある。
ばななさんの独特な文章表現や世界観もあるのだけど不思議な感じだ。
私は本書の中の5編のうち表題の
『デッドエンドの思い出』が好きだ。
ミミと西山君との会話で幸せっていうと何を思い浮かべるかという問いに
「のび太くんとドラえもん」と答えたミミ
何かすごく「いいな」と思った。
いつも一緒にいるのが当たり前で深い絆で結ばれている。
でも本当はそんな当たり前の毎日が幸せなんだ
と勝手に自分なりの解釈しちゃったんだけど。
家族が病気で入院したときにつくづく思ったんだよねこれ。
西山君やミミがいっていたように
『心の中の宝箱』 私にもあるのだろうか?
よーく考えないと霞みがかかっていて思い出せないけど私が死ぬときに宝箱の中身がキラキラと輝ける光景であってほしい。
なんてちょっと思ってしまった。
Posted by ブクログ
幸福感で胸がいっぱいになっちゃったよ…!
短編集なのですが、特に好きだったのは1作目の「幽霊の家」
読んでいる間ずっと幸せだった
どうでも良いことを落ち着いて安心しきった雰囲気で話す2人の空気感
会うタイミングや体の相性も合うちょうど良い感
別れが決まっているのに離れたくなくて、でも今この時間は幸せだと感じるしっとりとした切なさ
自分を変えたいともがき、実際に変わって帰ってきた岩倉くん。(『孤独と自立を知っている大人の鋭い目になっていた』というのがまた素敵)
何回も読み直してこのあたたかさを自分の中に落とし込みたい物語だ
あとがきで『つらく切ないラブストーリーばかり。なんでこんなつらいものをお金を出して読んでいるのだ!と思ったかもしれないけど…』とあったけど、私はつらいだなんて思わなかった
確かに、親の離婚、心中に巻き込まれた友達、レイプ、恋人の浮気…などなどつらい過去を持つ主人公ばかりだった
でも作品全体がそれこそ桃色でまろやかなあたたかい空気感纏っていて、幸福感で包まれていたと思うんだよなあ
上記のつらい状況に私が巡り合わせたことがなくて、現実感を持って読まなかったのも大きいとは思う
タイトルの『デッドエンド』って、直訳して死んだ終わりってこと?と思ったけど、それだと本の内容と合わないと思って検索したら「行き止まり、袋小路」と出てきた
なるほど、もう再開することはない幸福だった2人のことだから袋小路→デッドエンド
もしくは2人が出会って2週間過ごしたお店の名前が「袋小路」だからなのか…
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あの出来事は今考えても防ぎようがなかったように思う。そんなフレーズがあって。止めようのない出来事。それが自分の中を壊していくけど、回復へ向けて自分の奥に置き去りにした悲しみも一緒に昇華されていく。苦しいことが突然起こってその時は自分ではどうしようもなく前に進まない。でも回復を求めていく道中でこれがなかったら置き去りにしてしまったままにしてあったかもしれない。大きな衝撃って苦しいけど大事なことである時があるのかな。
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初めて、よしもとばななさんの本を読みました。
手を繋いでいつものお店で半分こづつご飯を食べる老夫婦、祖母の優しさ、干渉しない気遣いなど、どの作品も優しさで包まれていました。
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5つの短編集。 どれもラブストーリーだけど、別れを描いてる。 打ちのめされたり、 舞い上がったり、 そんな感情や葛藤を なじませていく過程を見ているようだった。 堂々巡りの悩みをしている時って誰しもあると思うけど、それを全部口にはしないよね。 その心の経過をていねいに綴って書かれている。文章は話し言葉で、整いすぎていなくて、それがとてもリアル。 共感もできたし、肯定された気がした。
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どこかあったかくて切なくて、この雰囲気はどうやったら出せるんだろう。
目の前のことばかりじゃなくてもっと大きな流れの中で生きて、大切にしてくれる人を大切にしていきたい。
自分がとらえたいものが、その人の世界なんだ、きっと。
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women on their way to healingをテーマにした5篇の短編集。どの作品にも、温かくて柔らかい日常のきらめきがそっと息づいている。亡くなった元大家さんの老夫婦が現れる家に暮らす青年との話「幽霊の家」が人生の思いがけない巡り合わせを感じさせてくれて一番の好みだけれど、いちょうの金色がまざまざと思い浮かぶ「デッドエンドの思い出」も印象的だった。
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こんなにも有名なのに、何故か1冊も読んだことがなかったよしもとばななさん。
「あの本、読みました?」に出演されていた際のお話が面白かったので、ご本人が満足されているという本作を選びました。
恋愛小説はあまり好まないこともあり、文体に慣れるのに少し苦労しました。読みやすいのに頭に入れるには少し力を入れて読まないといけない感じ。けれど途中で投げ出す気にはなりませんでした。
切ないラブストーリーながらも、先々幸せが訪れそうな雰囲気で終わる短編集でした。しかしながら世の中に数多ある「希望と再生」とか「傷付いたあなたの心に寄り添う」的なものとは一線を画すレベル。
これがよしもとばななさんの魅力なのでしょうか。
表題作の中にあった
「誰にも何にも期待してなくて、何も目指してなかったから、たまたますごくうまく輝いてしまった日々」
という表現が私自身の経験に見事に当てはまり、昔のことを思い出して少しの間しんみりさせてもらえました。
もう1冊読んでみて、またこういう表現に出会えたらファンになってしまうかも。引き続きよしもとばななさんの人気の理由を探してみたいと思います。
Posted by ブクログ
悲しいことや辛いことがあっても日常を取り戻していく彼女達から安心していいよというメッセージを受け取った気がしました。
まるで毛布にくるまれているような柔らかい感覚のする結末でした。
Posted by ブクログ
「アルゼンチンババア」に続いて、よしもとばななの短編集を読む。作者本人にとって(少なくとも発表時点で)一番の自信作で、かつ自叙伝的要素を含むお気に入りの作品とのこと。
五篇いづれも切ない話なのだが、中でも、「あったかくなんかない」のまことくんが印象深い。草むしりひとつとっても、まことくんがやったところだけ神々しい、というくだりがなんともよい。
次に「おかあさーん!」の女性編集者。幼児虐待の話はどんな筋書きであっても(最後は救われるのであっても)、読むだけで心の負担が大きい。
表題作の「デッドエンド」は、作中登場するバー「袋小路」の英語。(最初、ハッピーエンドの対義語のバッドエンドのひどいやつかと誤解した。。)
車に留まらず婚約破棄の慰謝料もふんだくってやればいいのに、と西山くんに同調してしまった。
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短編集なのでさらっと読めた。どれも少し切ない話だけど前向きになれるような、そんな捉え方もあるか!と思えるような話。最初の「幽霊の家」がよかった。
Posted by ブクログ
よしもとばななさんの作品を初めて読みました。 切なかったり苦しかったりのラブストーリー5編の短編集。 登場人物がちょっとのんびりしてたり危機感が無いように見えたりするけど、淡々と物事を見つめる様子に、自分の出来事を重ねて見たりして切なくなったりしてしまいました。 身の回りの大事な人をもっと大事にしたいと思うようになりました。