よしもとばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
" ママといっしょに寝ても、ママはだれよりも遠かったし、ママにおんぶされて寝ても受け止められている感じはなかったなあ。そんなことを思い出した。ママは私を愛しているけれど、たいていいつもそれどころではない。自分がハイでいられるかどうか、それがママの人生の最重要事項だった。それからママは自分以外にはほとんど興味がない。でも、優しいママなんていうのが幻想だっていうのももうわかっていた。例えばここの家の人たちだってきっと単にとことん空気が読めない人たちで、自分勝手。
パパは死ぬまで私の名前を呼んでいたけれど、お酒に酔ったような状態だったのは確かだ。自分に娘がいるという気持ちにも酔っていた -
Posted by ブクログ
『人間ってそんなにはがんばれないものだから…。そして、がんばるために生まれてきたわけじゃないから』。
この世を日々生きていくことは大変です。それは主として人と人との関係性によるものではないでしょうか?もちろん、何もない無人島での暮らしが一番とも思いませんが、人と人とが関わり合う暮らしの中では常に利害関係から生じる軋みが発生してもしまいます。
学校で、職場で、そして家庭の中で、私たちはそれでも日々を生きていくために、さまざまに想いをめぐらします。その中で正しいと思う選択を日々繰り返していく私たち。とは言え、全てが思い通りになるわけではありません。どんなに思っても、どんなに願っても自分の力では -
Posted by ブクログ
ネタバレ読みやすくて親近感の湧くような、あたたかく抽象的な言葉だけど、正直でしっかり頭にイメージが飛んでくる、そんな本だった。
やわらかい日差しが入るカフェの角の席で、モーニングのスープを飲みながら、この本を読んでいる時間こそが、小さいけど確実なわたしの幸せな気がした。
以下、書籍より抜粋
- 便利になることは、極端な温度差を味わわなくなること
→感想:だるさのしあわせが失われていく感じ、そんな危機感に人は「昔はこうだったのに、、」「昔は今と違って〜」と、忘れたくなくて、誰かに忘れて欲しくなくて話すのかもしれない
- 思い過ごしの類ではなく、そうであってほしいというものでもなく、身体感覚として生々 -
Posted by ブクログ
よしもとばななさんによる沖縄旅行者としての沖縄短編集。
沖縄の古本屋で買って、沖縄旅行中のゆっくり流れる時間の中で読みました。
分量のメインはタイトルにもなっている、「なんくるない」。主人公のバツイチ桃子が、長年の”都会的”な夫に合わせた生活からか、離婚を切り出されてしまった悲しみからか、都会での生活が息苦しくなり、沖縄旅行で新たな出会いをするお話。
感想を書こうとするとありきたりになってしまうけれど、ありきたりもっとのんびりと、どんくさく生きてもいいんだぁと思わせてくれる小説。
私が1番好きだったのは、「ちんぬくじゅうしい」。子供目線から親同士のすれ違いを不安に感じる様がすごくしっくりき