よしもとばななのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ぶかっこうだけれどいとおしい家族の関係、形に捕らわれない恋愛や人との距離の取り方、心の傷ついた優しい人たちとの魂の交流、そしてオカルト。
作者の本は久しぶりに読みましたが、なるほどこれはばなな節全開だなぁ。この人は確かにこういう小説を書く人だ、とすんなり腑に落ちるようなお話だなぁというのが読んでいての素直な感想。
『小説』としては捉えどころのない物語にどこか戸惑いながらも、この作者にしか描けない孤独や愛との向き合い方・それを経て、命を身ごもる事でゆるやかに変化していく体と心についてが丁寧に描かれていて、心地よい流れに身を任せる事が出来た一冊。
奇妙な三角関係の流れ着く先も含めて皆、ふりかかる -
Posted by ブクログ
14歳の夕子のはつ恋の相手は20代後半の絵の先生。ちょっとずつ、歩みよって、仲良くなっていくふたりは・・・
14歳を相手にしている時点でちょっとヤバいかな?と思いそうだけれど
夕子ちゃんは、エキセントリックな両親のせいか大人っぽく、
けれども14歳らしい純情さ、素直さも持っていて、
キュウくんも惹かれてしまうのは仕方ないかな、と思う。
キュウくんも年齢なりの恋愛経験はあり、ずいぶん年下の彼女との交際(?)は多少躊躇しているようですが。
大体、年上の恋人を持つ人は、精神的に大人っぽいものですよね。
年齢差があるのに、ほのぼの交流をつづけていく2人がほほえましいです。 -
Posted by ブクログ
久しぶりによしもとばななを読んだ。魂の似ている人同士が自立しながらも自然な形で支え合って生きている姿がとてもうつくしくて、作品を読みすすめるたびに自分の中がきれいな水で満たされ浄化されていくような感覚に陥った。3巻で、主人公の雫石が恋人の真一郎と別れるくだりはちょっと切なかった。たとえ惹かれあったとしても、その人に最も相応しい場所が他にあるのなら、そこにいてもらう方がよい。
また、この本を読んでいる時に、本の持ち主の友人にとあることをぼんやりと相談したら、「自分に嘘をつかず、物語が展開するのを見た方がいい」というようなことを言ってもらった。この本を思い出す時はこの言葉もきっと思い返されるのだろ -
Posted by ブクログ
「小さな自由さえ思いつけなくなってしまった、
そんな世代にこそ言いたい。
自分だけの
ものすごい、
でっかい、
たくさんの、
お墓に入るときに
にんまりしちゃうような
思い出を作ろう!と。」
山西さんの表紙が凄くあってる
よしもとばななのエッセイすごくすき。
小説もそうだけど、本当に大切なことをたくさん教えてくれる。
自分だけの宝物入れに残しておきたい言葉たちがたくさん!
辛いとき、悲しいとき、
もうだめだって思ったとき
読み返せばいつも、希望を見せてくれる。
その希望は、本当はいつも私自身が持っているものなんだ。
「こうやって人はなじんでいくんだと思っ