よしもとばななのレビュー一覧

  • スウィート・ヒアアフター

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    ネタバレ

    事故に遭い大怪我をし、恋人も失い絶望に思えたけど、それでもありのまま今を受け入れて生きていく上で感じること、むしろ事故があって死にかけたからこそ深く感じられる生きていることの有り難みを教えてくれるお話でした。
    普通に考えればどん底に落ちてしまいそうな話だけど、それでも生きていくことを諦めなければ確かにある幸せ、喜び、そういうものに出会えるんだと勇気づけてくれました。
    苦しみを超えた先にある、初めて見える世界って本当に確かにあるんだろうなと希望をもらえました。

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    2025年07月30日
  • 海のふた

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    大事なものは目に見えるとは限らない。人との繋がりこそ財産、雄大な自然も。きらきらしている夏の思い出はとても美しい。
    同じ瞬間、同じ季節はないからこそ廃れていくものもあれば新しく生まれるものもある。

    まりちゃんはじめちゃんの紡ぐ言葉たちが綺麗。

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    2025年07月18日
  • デッドエンドの思い出

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    デッドエンドと聞くと何となく
    マイナスのイメージがあるんだけど
    本書はマイナス感どころか明るさがある。
    物語はどれもちょっと切ないのだけれど
    あたたかな光があって希望がある。
    ばななさんの独特な文章表現や世界観もあるのだけど不思議な感じだ。

     私は本書の中の5編のうち表題の
    『デッドエンドの思い出』が好きだ。
    ミミと西山君との会話で幸せっていうと何を思い浮かべるかという問いに
    「のび太くんとドラえもん」と答えたミミ
    何かすごく「いいな」と思った。
    いつも一緒にいるのが当たり前で深い絆で結ばれている。
    でも本当はそんな当たり前の毎日が幸せなんだ
    と勝手に自分なりの解釈しちゃったんだけど。
    家族

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    2025年07月01日
  • 海のふた

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    ほんとうに大切なこと、大切にしないといけないものを思い出させてくれた。忘れてしまっていた感覚がじんわりと私の中に戻ってきた。
    夏の始まりの一冊に選んで良かったなぁ。
    私の夏もきらきらさせてやる。楽しいだけじゃなく、何かを見つけられる夏に。

    ●ただ、いつのまにかあせっていた自分の状態には気づいた。
    毎日のことに追い立てられて、生涯に一回だけしかないこの夏を、予想がつくものであってほしいと思って、自分で自分を狭くしようとしていた。ほんとうは時間はみんな自分だけのためにあるのに、自分で型にはめようとしていた。

    ●それはなんということのない光景だったけれど、そういうのがいちばん心に残るものだ。

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    2025年07月01日
  • ジュージュー

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    おんおん泣くことは無かったけれど、
    常にうっすら涙ぐむ感覚のまま読み終えました。

    ばななさんの作品の登場人物は、皆芯があって強い。けど繊細でか弱くて、優しくて、自分があるからこそ冷静でどこか冷めて感じる部分もあって、、いのちの大切さや儚さを、知っている人達だと思う。

    みんな似て感じるけど
    優しくて素直な人たちだったな。

    亡くなった人へ話しかけた言葉は海の中の気泡が上昇していくように、空に向かって、小さな泡のように登っていくのだろうか、的な表現がなんか記憶に残った。

    そうだといいな。

    後から見返して探したけどどのページか見つからない。

    ー読み終えたのは2024年1月ー

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    2025年06月27日
  • デッドエンドの思い出

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    幸福感で胸がいっぱいになっちゃったよ…!

    短編集なのですが、特に好きだったのは1作目の「幽霊の家」
    読んでいる間ずっと幸せだった
    どうでも良いことを落ち着いて安心しきった雰囲気で話す2人の空気感
    会うタイミングや体の相性も合うちょうど良い感
    別れが決まっているのに離れたくなくて、でも今この時間は幸せだと感じるしっとりとした切なさ
    自分を変えたいともがき、実際に変わって帰ってきた岩倉くん。(『孤独と自立を知っている大人の鋭い目になっていた』というのがまた素敵)
    何回も読み直してこのあたたかさを自分の中に落とし込みたい物語だ

    あとがきで『つらく切ないラブストーリーばかり。なんでこんなつらいもの

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    2025年06月23日
  • チエちゃんと私

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    優しい本。
    人から押しつけられる価値観、そういうものはどうでもよくて、自分が好きなこと、好きな生き方をみつけていく。
    それが自分の幸せであって、生き甲斐なのだ。
    人生ってすばらしい。

    よい一日をお過ごしください。

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    2025年06月17日
  • 彼女について

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    近しい人が亡くなったとき、誰しも少なからず後悔が残るのかもしれない。そういうものを優しく溶かして受け入れやすくしてくれるような物語でした。

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    2025年06月09日
  • 海のふた

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    ボクが幼いころに失ってしまった抽象的な感覚が、この本にはぎっしり詰まっているように感じた。輪郭は朧げだけれど、あたたかく大切なモノ。そんなモノをボクは、成長の過程でおっことしてきたんだろうって。

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    2025年05月31日
  • 海のふた

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    文章が過去形なのが印象的だったし、すごく新鮮だった。
    この本を読んでいると、大好きな友達に会ってお喋りしたくなるし、海に行きたくなる。
    だからこそはじめちゃんなんだよ的な文章がステキ〜!!って思った。自分のことも誰かのこともそう思えるようになろう!って心に沁みた。
    もう一回読みたい^_^

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    2025年05月12日
  • サーカスナイト

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    主人公のさやかは周りの人に支えてもらいながら生きているように見えて周りの人をしっかり支えてあげられる女性。登場人物がみな軸がぶれない。憧れの人ばかりで埋め尽くされた素敵な物語でした。悲しいけど幸せ。登山という趣味にもすごく憧れる。
    ※生きている限りはちゃんと生きる

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    2025年04月18日
  • ハゴロモ

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    ネタバレ


    恋愛するということ
    誰かとともに生きるということは
    ひとりではないということ

    誰かの人生が自分の一部となり
    自分の人生は誰かの一部となる

    しかし、その誰かと離れたとき
    私はひとりであること
    もともとひとりであったことを
    思い出す

    愛人と離れた主人公が
    自分自身の人生を生きはじめる

    そこには彼女が生まれ育った土地
    家族、街の人々、友情、
    彼女自身に関わる人間関係があった

    愛人とともにあった生活を失い
    ぽっかりと空虚で透明になっていた彼女が
    自身の過去や周りの人々と向き合う中で
    様々な記憶や感情を取り戻し
    色鮮やかになっていくように感じられた

    それは″生きる″ということを
    思い出して

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    2025年04月17日
  • すばらしい日々

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    約150頁のエッセイ。2時間とかからず読めてしまった。ところどころ生命力を感じる写真のページがあるのがまたよかった。

    震災や、両親や飼い犬、友人を亡くした経験を経てのエッセイとあって、著者にとって辛い時期であったことはたしかだけど、そんななかにもすばらしい瞬間はあるという意味が込められたタイトル。

    表紙カバーの写真は、なんとなく楽譜みたいなイメージでぼんやり認識していたけど、エッセイを読んだらまったく違うものと気づいてはっとした。

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    2025年04月15日
  • ひとかげ

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    最後の一文が、好き。
    暗さを抱えた2人の、少し寂しくて頼りないかもしれないけど、ほんのりと温かなこれからを願って。

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    2025年04月10日
  • デッドエンドの思い出

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    あの出来事は今考えても防ぎようがなかったように思う。そんなフレーズがあって。止めようのない出来事。それが自分の中を壊していくけど、回復へ向けて自分の奥に置き去りにした悲しみも一緒に昇華されていく。苦しいことが突然起こってその時は自分ではどうしようもなく前に進まない。でも回復を求めていく道中でこれがなかったら置き去りにしてしまったままにしてあったかもしれない。大きな衝撃って苦しいけど大事なことである時があるのかな。

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    2025年04月09日
  • ハゴロモ

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    誰しも心にぽっかり穴が空いてしまうことがあって、そこを優しく温かく埋めてくれるようなお話しでした。ちょうど穴が空いていたので空虚な気持ちで過ごしている人の心にちょうどハマるかもしれない。

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    2025年04月09日
  • 海のふた

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    よしもとばななさんの作品は4冊目くらいだけど、気負わず読めるのがいい。あまりカロリーを消費しないから疲れてるときとか頭が回らないかもみたいなときでも読める。
    この作品は挿絵で版画がちょこちょこ入っていてそれがまたいい風合いで良い。悲しいことやどうにもならないことはあるけど、いつまでも悲観してないで、受け止めて、前を向いていくことがテーマかな。自然に触れたくなった。

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    2025年04月02日
  • スウィート・ヒアアフター

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    「この世はなんて美しい、激しく緑が伸びる夏もあれば、すぐにあんなに寒く美しい別世界のような季節がまためぐってきて、あの椿の赤や落ち葉の黄色を眺めることができる。人間はいつでも巨大な劇場にいるみたいなものだと思う。心の中のきれいなエネルギーを世界に返すことが観劇のチケット代だ。」

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    2025年03月26日
  • 王国―その3 ひみつの花園―

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    慎一郎とのお別れには胸が締め付けられた。この3話はお別れのお話だった。失恋したら心に響きそう。私は、まだそんなに人生を経験してないので、キュッとなるぐらいだった。でも本当に涙目になる作品だった。真一郎との恋が淡い

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    2025年03月25日
  • チエちゃんと私

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    チエちゃんの強さ、真っ直ぐさには見習うべきところがあるな、とおもった。小説の中では、何の生涯もないと書かれていたが、私は普段関わっている自閉症の子が思い浮かんだ。それぞれの特性をしっかり分かってくれて、愛してくれる それは他人でも身内でも存在自体がありがたいこと きっと、チエちゃんは心から感謝してると思った

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    2025年03月18日