よしもとばななのレビュー一覧
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WEBサイトをまとめたものを含め、ばななさんのエッセイは数多くでていますが、その中でもこの本はだいぶ性格が違う気がします。
この本より前に出ているエッセイは、
わりと読んだ人が思わず笑ってしまうような内容が多かったと思うのですが、今回は違います。
話がちょっと大きくなってしまいますが、
「いまの日本という国で生きるというのはどういうことか」を、
自然と考えさせられてしまうような内容です。真剣。
私が一番好きなのは、「単純に、バカみたいに」という章。
もっと自分の人生を大切に、慈しんで生きようよ、
人と比べたり、生き急いだってしかたがないよ。
っていう著者のメッセージがじんわり心に染みわたりま -
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王国、念願の続編です
雫石と楓、片岡にこどもができてます。片岡ノニ。
石の魔法が使える子。そのノニの目線で物語りは進んでいきます
ノニから語られる雫石はほんとうにどうしようもない母親で植物馬鹿でがさつで、やっぱりでもママってすごいみたいな感じ。だから最初戸惑いました。シリーズ通して雫石の成長を見ていたわたしとしてはそれが雫石ではないようで。むしろノニが雫石のようで。
真一郎くんのことも、真一郎と別れるきっかけになったあの女性のことも、雫石から語る感じでは美しい感じなのに、実際はやっぱ腹黒いこと考えてたんだなーって
ノニが旅先で出会う猫の女王の家来であったキノ。
キノに出会ったことで -
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最近のよしもとばななの本、途中で読むのをやめてしまってた。
なんだか、いつも同じ話の感じがしたり、
スピリチュアルとか宗教とか、なじみでないものに入って行けなくて。
でもこの『王国』、まさにスピリチュアルなものが出てくるしいつもの調子なのだけど、要所要所はっとさせられる記述や展開があって、登場人物たちもなんだか愛すべき人たちで、すごく沁みた。
よしもとばななの小説は、現実的ではないようなきれいな台詞が並ぶので、少女マンガだとかリアルじゃないと思う人はいるかもしれないけど、それはちょっと違う。
多分彼女の小説は、伝えたい事や言いたい事を物語にのせて書いているので、それがリアルだとかそうじゃ -
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うんと前のヒロスエバッシングのときのことを、覚えている。
そのときは、今ののりピーの比ではなく、いい大人がよってたかって、といった感じだった。
初めて読んだのは美容院で。
髪結ってもらいながら、読んでて、涙でそうになった。ヒロスエの中学の担任のコメント。
あのときの、なんといっていいのかわからない、大人たちのよってたかっての、くだらない、弱いものいじめの、を蚊帳の外からみていた、私たちのいいたかったことを、ヒロスエの担任が、すぱっといいあてていた。
すごい。愛情。
この文章を、ずっとずっとさがしていて、自分林真理子さんのエッセーかと思って勘違いしていたら、大好きなばななさんだったなんて。 -
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13別れというものにだけは、慣れることはない。・・・自然のなりゆきでやってきた別れをひきのばすことはできない。この生き方なのにもしも形だけで続けていくよしたら、自分と相手双方の人生を冒涜したことになってしまう。
76ほんの少しの違いで、縁とはすごく強固であったり、さりげなかったり、いつもそこにあるようでいて、急にうしなわれたりするものだ。
104エスプレッソは一日のいろいろな時間に一瞬の句読点をうつためにだけある。
108毎日が新鮮で楽しいのだか、苦しみはそれとは別物だ。
111今まで「与えること」に必死で、愛を受け取ることには謙虚であろうと思いすぎていた実は傲慢な私にとって、それは最 -