よしもとばななのレビュー一覧

  • 王国―その1 アンドロメダ・ハイツ―

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    今まで読んだ中で一番よしもとばなな色が強かった気がする

    よしもとばななの本は、字数を割くポイントが自分に合っているんだなと思った
    優しさとか、温かさとか、そういう大切なものを、ものすごく丁寧に、いろんな角度からいろんな言葉で書いていて、やっぱり素敵だなと
    そこに費やされている字数から、そのものの深さや尊さがわかる

    安直なので部屋にパキラを置きたくなったし、なんならサボテンとお話しできないだろうかとか考えてる

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    2022年01月19日
  • アルゼンチンババア

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    電車乗りつつパラパラ読んじゃったもんだから、多分短いストーリーの中で感じ取らなきゃいけないことを全て感じ取れていない気がする。悔やまれます。

    すごく奇妙ながらもあったかい作品。一見世間からは非難されそうな親父の生き方もババアによってあったかくなる。それを素直に感じ取る主人公も素晴らしい。懐が深い。

    全体的に深い内容。な気がする。

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    2022年01月06日
  • Q人生って?

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    大好きなよしもとばななさんのエッセイ。
    約10個ほどのテーマを扱う中で、以下が一番胸に沁みた、今一番の興味関心はここにあるのだと感じた。

    P30
    どうしても毎日会わなくてはいけない環境に、苦手な人がいます。どういう心構えでいたらいいと思いますか?

    私なら、まずそこを離れることを考えます。
    (中略)
    そして、ここは肝心ですが、もしもどこにいっても苦手な人がいてしまう場合、もはや問題は自分のほうにあります。素直に認めるしかないです。
    (中略)
    生きていれば、必ず苦手な人は自分のいちばん近い円の一個外側くらいにはいるものです。
    (中略)
    そして自分にいちばん近い円の中にいる人たちのすばらしさを思

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    2021年12月14日
  • 鳥たち

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    いつものばなな作品とは随分ちがった重苦しい一冊。

    禍々しいような、怨念のような、
    何とも言えない空気が全編に漂っている。
    そして、まこちゃんは、
    とにかく人よりずっと辛い経験をして
    周りの子たちよりひどく大人であるような感じで
    毎日をようやっと生きている。
    でもほんとうは、ひどく幼いままでもあることを
    終盤で見つけなおしていく。
    他にも増して会話での説明文が延々と続くのが
    現実的でないような気もするけど、
    本当はこのくらい人は言語化して
    コミュニケーションを取っていかないと
    お互いのことなんてわからないのかもしれない。
    嵯峨のすがすがしいところは
    なんだか1番救われたように感じた。
    明るい、

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    2021年12月13日
  • まぼろしハワイ

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    私はハワイに行ったことがないので、独特な甘い香りとか、風とか、そういうものがわからないけど、行ってみたいなぁと思った。
    開放的にしてくれたり、過去を思い出して浸ってみたり、まったりのんびりしたり。そういうことができる特別な場所なんだろうな。少なくともよしもとばなさんにとっては。
    みんな寂しいのに、温かい。そういう話がつまってる。

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    2021年12月10日
  • 花のベッドでひるねして

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    なんとなくいつもとちがうな、と思ったら
    お父様を亡くされたあと書いた小説とのこと。
    あとがきを読んですごく腑に落ちた。
    いつも死はそこにあるのだけど、
    いつも以上に淋しさや恐怖がひたひたと
    傍に寄ってくるようなリアルな感覚があったから。

    おじいちゃんもとっても素敵だけど
    お母さんとお父さんもとても素敵だなぁ。
    あたたかい、キラキラしたものを
    いっぱいいただいた気持ちになりました。

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    2021年12月01日
  • イルカ

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    前半は趣旨がよく分からずモヤモヤしてたけど、
    後半はさくさく進んで最終的に癒されたからよかった。

    主人公の行動や感情にまったく共感できないけど、
    感情移入させられてしまう不思議な感じ。

    子供を産むって奇跡。
    自分もいつか経験したい。

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    2021年11月07日
  • サウスポイント

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    ーパンケーキ屋が終わって、甘い粉の匂いがする彼女が玄関に入ってきて、おふくろはまだアトリエにいて、じゃあごはんでも作りましょうってことになって、彼女が夕食のしたくを始めると、幸彦がウッドデッキに出てひたすらウクレレをひいて、まずポキが出てきて、みんなビールを飲み出して、その頃にはおふくろがアトリエから出てきて、何か温かいものができるのを待っている時間は、とてもいいものだったんだよ。ハワイにいるということのなかでもかなり上のほうに入る、いい時間だった。ー


    わたしはばななさんの、日常のなかにあるまぶしくてあったかい、幸福を言語化してくれるところが強烈にすきで、それを見つけると、はっとしてそのこ

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    2021年11月07日
  • 彼女について

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    重く、非現実的なストーリーだったけど、
    吉本ばななの表現が好きで、
    次はどんなステキな言葉が出てくるんだろう、
    っていう気持ちで読み進められた感じ。

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    “今、いっしょにいる人があることが、いつも一人で行動している私を和ませた。隣にいる人にちょっとしたことをその場でしゃべれるのはいい、そう思った。”

    “それでも、誰かが自分のために、普通に思いやりを持って動いてくれることがこんなに嬉しいなんて思わなかった。”

    “土台って何ですか?”
    “この世は生きるに値すると思う力よ。抱きしめられたこと、かわいがられたこと。それからいろいろな天気の日のいろいろな思い出を持っていること。おいしいも

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    2021年10月24日
  • ひとかげ

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    神様は優しくなんかない、しいない。
    悲しい世界でも、恋をする とかげと僕
    おやすみを言える相手がいるの幸せだなと感じた

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    2021年10月04日
  • サーカスナイト

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    ばななさんの言葉は、いつもわたしを救ってくれる。
    わたしの人生をいい具合に認めてくれる気がする。
    たからものにしたくなるような大切な言葉を拾い集めてはおまもりにして、ノートにのこす。
    以下、サーカスナイトのわたしのメモ。



    私はなにもしていないでふらふらしていたようで、実はいろんなことをしながらちゃんと歩いてきたんだ、と思った。

    それに、私こそが子どもを育てながら子ども時代をじっくりと取り戻しているのだと思う。

    「だいじな人を失うと、人はそこに何か深い意味をどうしても見いだしたくなるから。」
    楽しそうに見えるから大丈夫と言うことはない。
    ただ楽しそうでない自分がいやなのでそうふるまっ

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    2021年09月27日
  • まぼろしハワイ

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    ハワイに関する3つの短編集
    「家族」や「喪失」などの共通点もある

    3つの短編(中編)+掌編的なあとがき
    ・まぼろしハワイ
    ・姉さんと僕
    ・銀の月の下で
    ・波



    ・まぼろしハワイ
    高校卒業まで父子家庭だった女の子が大学卒業前に父を亡くし、8歳上の義母とハワイに行くお話


    両親を失ったオハナと、フラダンサーのあざみさん
    まったく親子には見えない年の差だし、2人の認識もそう思ってないんじゃなかろうか?

    あざみさんを育てたハワイという土地
    そして母のように慕うマサコさん

    マサコさんが小さい子供を亡くした事があって聞けば答えてくれる事を確信しながらも尋ねないところがなぜか心に響いた
    聞いては

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    2021年09月01日
  • まぼろしハワイ

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    夏らしいタイトルにひかれて。TSUGUMI、N・P、それらとはまた違った夏。これは常夏。
    アムリタで東南アジアの常夏のもつ感じが描かれていたが、あの感じを追い求めた結果生まれたものだと思う。単なる常夏のリゾート地がみせる能天気なお気楽以上に、常夏の島のもつ気だるくもどこかさびしく、それでいてそのまま受け入れてくれるような不思議な感じに魅せられていたのだと思う。それはゴーギャンがタヒチで見つけたものであり、似たような感じだと、松村栄子さんの明日、旅人の木の下でのシンガポールのむっとする暑さのような。
    ハワイという常夏の世界は、よしもとさんらしさに強く出会ってしまう、そんな場所なのかなと思う。出て

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    2021年08月15日
  • チエちゃんと私

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    どうにもならない自分を抱えて生きること。自分がどういうわけか存在してしまっていること。問い続けること、擦れて疲れてしまったとき、よしもとさんのことばは、自分という端的な事実をそのままに描いてくれる。
    今回は誰かと暮らすということ、誰かと生活を共にするということの在り様を静かに語っているように思える。誰かと暮らすということは自分のやってきたこと、自分ではいいと思っていたことがそうではなかったり、相手に対して調整しなければならない。年月が経てばたつほど、生活はどうしてか固定されていき、調整することが苦痛にすらなることがある。
    だからこそ、そんな生活を誰かと共にできるということはこの上なく有難いこと

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    2021年08月15日
  • アルゼンチンババア

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    タイトルのインパクトと昔、映画を観たような…確か鈴木京香さんだだたような。よしもとばななさんの作品なんだあ。実直なお父さんが、妻を亡くしてすぐにアルゼンチンババアに走るという内容には、納得できないところもあるけど、とにかく言葉がきらめく。
    ー人は死ぬ瞬間まで生きている。決して心の中で葬ってはいけないー
    -人は体に乗って旅していたんだ-
    -好きな人が、いつまでも,死なないで、いつまでも今日が続いて欲しい-
    素敵だな。言葉にすいこまれるな。
    ほっとするな

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    2021年08月12日
  • なんくるない

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    沖縄に行きたい!!

    あの日差し、時間の流れ、夜の孤独感、全部が恋しくなった。
    あの場所にいて感じたことが、言葉になって少しずつ腑に落ちてきた気がする。

    恋の始まりっていいな〜

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    2021年07月07日
  • ひとかげ

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    ずーっと昔に読んだ本。
    改めてもう一度読んでみた。

    惹かれるべくして惹かれたんだろう2人、淡々とした語りで語られる事実は壮絶で、でもその様子をイメージするにはちょうど良い語りに感じた。
    昔に書かれたとかげをもう一度書き直されたひとかげ。
    どちらを先に読むかでまた印象は変わるのだろうが、私は本の順に読み、ひとかげのほうがしっくりときた。

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    2021年07月04日
  • すぐそこのたからもの

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    働きながらの3歳との時間は、ともすると楽になる日を心の片隅で待ち望みながら、本当にあっというまに時間が過ぎていくけれど、芸術家の感性でとらえた家族との時間にふれることで、自分自身の感性もすこし拡張されたように思う。

    この時間の貴重さ。切実さ。ただ忙しくやりすごすには、あまりにももったいないということに気付かされる。若かりし日の敏感さをなんとか掘り起こして、解像度高く、あますことなく、感じておきたい。受け止めておきたい。すべてに気付いていたい。忘れていたことを思い出した。

    芸術家の子育てエッセイは、こういう役割があるんだなと思い、もっと読もうと思った。

    よしものばななの本は若い頃何冊か読

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    2021年06月24日
  • みずうみ

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    いままで急激な展開とか、人間関係の複雑なものとかを読んでたから、落ち着いた。
    同調する、結婚する、sexする、なんかそうしないといけないみたいな、パートナーってのはそういうものと決めつけられてる気がしてすごい嫌だったけど、自分の求めるパートナーのあり方を肯定された気がしてすごい嬉しかった。
    焦らなきゃ行けないと思ってたけど、焦る必要は全くないなって思った。

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    2021年06月19日
  • みずうみ

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    切なく、儚く、でも永遠に残るを感じる作品でした。
    全体的にとても好きです。

    飛行機の中で、光る雲の海を見ているような…
    きれいすぎて悲しい気持ちととてもよく似ている。
    自分がこの世界にいられるのが、大きな目で見たら実はそう長い時間ではないと気づいてしまうときの感じに、よく似ている。

    このくだりがいいです。

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    2021年06月14日