よしもとばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレよしもとばなな作品を初めて読んだのは二年前の六月。「キッチン」を読んだ。それまでばなな作品に触れたことがなくて今さら読んでもなあと思うところもあったけれど、それでも手に取った。王道すぎるものには一度乗り遅れるとなかなか手が出しづらい。でもそれでも手を取らせてくれたのは友人のひとりのSが面白いと言っていたからだったような気がする。
そんなSがふと、この本を「読みませんか」と言ってくれた。今ではよしもとばななが大好きな僕はありがたく貸してもらうことにした。
主人公のまりちゃんがとても好きになった。まりちゃんの一人称で書かれた物語だから彼女の素敵さを表立って素敵だと言っていないところがとくに好きだ。はじめちゃんがまりちゃんにかける言葉でどきっとするほど印象的なものがある。
「なんだか、まりちゃんにそう言ってもらったら、突然、全てがなんでもないことに思えてきたよ」
社会の理不尽さに面して傷つくことになったはじめちゃんと接していき、まりちゃんは怒りそして疑問を感じる。彼女は生まれ育った寂れている町でかき氷屋を開きながら考える。
ほんとうは折り合いなんてつけなくてもいいはずのものに、折り合いをつけることが当然とされている。正直者が馬鹿を見るなんて言うけれどこんなひどい話はないはずなのに。
まりちゃんが一つ一つに向き合ってくれることによって、ああやっぱおかしかったんだと、知らずのうちに諦めようとしていたことをもう一度素直に受け止められた。ありがとうまりちゃん。 -
Posted by ブクログ
【読み終わって感じたこと】
よしもとばななさんの綴る言葉は、とっても優しくて温もりがある。生きることは素晴らしいことで、だけど苦しいこともある。それでも私たちはやっぱり、自分の大好きな人やものをめいっぱい愛することをやめられないんだと思う。それこそが人の本質であってほしいなと思った。
【印象に残ったシーン】
「人を傷つけて得たものって、きっと小さなしみみたいに人生につきまとうよ。(中略)誇り高い人生にはならないから。」
とまりちゃんが、家のことで傷ついているはじめちゃんに伝えるシーン。私の胸に刺さる言葉だった。
【好きなセリフ】
「毎日のように会えることって、ものすごいことなのだ。お互いがちゃんと生きていること。約束もしていないのに同じ場所にいること。誰も決めてくれたわけじゃない。」
人も自然も、全ての存在は当たり前じゃない。こういう気持ちを持って生きることができたら、きっと世界はもっと輝いて見えるだろうなと思った。 -
Posted by ブクログ
大好きなよしもとばななさんのエッセイ。
約10個ほどのテーマを扱う中で、以下が一番胸に沁みた、今一番の興味関心はここにあるのだと感じた。
P30
どうしても毎日会わなくてはいけない環境に、苦手な人がいます。どういう心構えでいたらいいと思いますか?
私なら、まずそこを離れることを考えます。
(中略)
そして、ここは肝心ですが、もしもどこにいっても苦手な人がいてしまう場合、もはや問題は自分のほうにあります。素直に認めるしかないです。
(中略)
生きていれば、必ず苦手な人は自分のいちばん近い円の一個外側くらいにはいるものです。
(中略)
そして自分にいちばん近い円の中にいる人たちのすばらしさを思って、その人たちと過ごす時間の中で癒されることで調整します。
そのためにも、いちばん近い円の人とは仲良くありたいし、うそのない素直な関係でいるようにしたいです。 -
Posted by ブクログ
いつものばなな作品とは随分ちがった重苦しい一冊。
禍々しいような、怨念のような、
何とも言えない空気が全編に漂っている。
そして、まこちゃんは、
とにかく人よりずっと辛い経験をして
周りの子たちよりひどく大人であるような感じで
毎日をようやっと生きている。
でもほんとうは、ひどく幼いままでもあることを
終盤で見つけなおしていく。
他にも増して会話での説明文が延々と続くのが
現実的でないような気もするけど、
本当はこのくらい人は言語化して
コミュニケーションを取っていかないと
お互いのことなんてわからないのかもしれない。
嵯峨のすがすがしいところは
なんだか1番救われたように感じた。
明るい、未来への気持ちで
幸せに赤ちゃんを授かってほしい。