よしもとばななのレビュー一覧
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今年はばななさんの本をたくさん読んで、その作風に何度も温かい気持ちや救われた気持ちになったから、ばななさん自身の本も読もうと前々から気になってたこの本を読んでみた
ばななさんのHPに寄せられた読者の悩みをばはなさんが答えていく
それをまとめた本なんだけど、ばななさんの物語でもひしひし感じる優しさあたたかさがある一方で、すごく現実的でシビアな話もあって、そのギャップには驚いてしまったな…
ただ、なんとなく感じるのはばななさんは人生経験を重ねて良い歳の重ね方をした人だということ
(27歳の小娘が何言ってんだとは自分でも思う)
中年ゆえの余裕や落ち着き、知見をひしひしと感じて、こういうことを言える大人になりたいと私は思いました -
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文庫版あとがきに書いてあった、「弱っているときにしか価値がないともいえるが、弱っているときにじんわりとしみてくる気がする」という言葉が、まさにぴったりな表現だと感じました。
この言葉自体は著者自身の作品に対しての評ですが、よしもとばななさんの作品全体にあてはまる言葉ではないかと思います。
ストーリーのなかでなにか大きな出来事が起こるというよりは、登場人物がゆっくりと時間をかけて回復していく様子が描かれている。リアルな人間の姿ですよね。
だからこそ、平坦でおもしろくないと感じる人もいるとは思います。ただ、人生の重みに耐えられなくなったときに読むと静かに寄り添ってくれるような、そんなお話が多いと感じます。
こちらの「ハゴロモ」も同じように、人と人との繋がりの、ほのかな温もりを感じられるお話でした。 -
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ネタバレ大好きなママが死んでしまった主人公。
過去に壮絶な経験をしたのであろう中島くんとの出会い。
付き合っていると言えるのかどうか、でも毎日一緒にいるような不思議な関係。
どうまとめたらいいのか分からないくらい、いい意味で物語の中に境目がなくて、起承転結というほどの話の転換もないのだけど、ただ水の上に浮かんでいるうちに流されて遠くまで来てしまったような読後感。
文量も多くないので、さらっと読めて、まとまった時間が取れない人にもおすすめだなと思いました。
ばななさんの作品は、作品に流れてる空気感がとても心地いい印象。
ほんの一瞬の、秋の過ごしやすい気候みたいな、そういう空気感が閉じ込められていて、重たくなくてくどくなくて、でも軽すぎないからいいなと思ったりします。 -
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こんなにも有名なのに、何故か1冊も読んだことがなかったよしもとばななさん。
「あの本、読みました?」に出演されていた際のお話が面白かったので、ご本人が満足されているという本作を選びました。
恋愛小説はあまり好まないこともあり、文体に慣れるのに少し苦労しました。読みやすいのに頭に入れるには少し力を入れて読まないといけない感じ。けれど途中で投げ出す気にはなりませんでした。
切ないラブストーリーながらも、先々幸せが訪れそうな雰囲気で終わる短編集でした。しかしながら世の中に数多ある「希望と再生」とか「傷付いたあなたの心に寄り添う」的なものとは一線を画すレベル。
これがよしもとばななさんの魅力なのでしょうか。
表題作の中にあった
「誰にも何にも期待してなくて、何も目指してなかったから、たまたますごくうまく輝いてしまった日々」
という表現が私自身の経験に見事に当てはまり、昔のことを思い出して少しの間しんみりさせてもらえました。
もう1冊読んでみて、またこういう表現に出会えたらファンになってしまうかも。引き続きよしもとばななさんの人気の理由を探してみたいと思います。 -
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ネタバレ以前読んだ吉本氏の『鳥たち』という作品が、半カルト集団の生き残り・自死遺族を扱う、とてもドロドロとしたものだったので、今回も重たいのかなあと戦々恐々としつつ臨みました。
ところが、何でしょうか、本作品も独特のアクは有りましたが、希望が感じられる、読み口良い作品であったと思います。
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本作は母親を亡くしたちひろが、恋人未満の天才引きこもり的な中島くんとの仲を徐々に深めてゆく話。
で、中島くんもまた幼少期に負った傷を抱えて生きているのだが、ちひろはその傷にアプローチせず、彼から話が出るのをゆっくり待つ姿勢を取る。そして彼から話を打ち明けられて、徐々に中島くんにもちひろにも変化が訪れてゆくが…。
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捉えどころのない、章区切りのないスタイルは前回読んだ『鳥たち』と一緒でしたが、今回はそれが良い方向に作用したように感じました。
ちひろと中島くんの仲がまんじりともしない様子は、章区切りがあると、あああそこでやっぱ変化があるのかなとか勝手に想像がついちゃうのですが、本作のように区切りが無いと、展開は常に想像外であり、あたかも映画でも見ているかのような、展開の驚きを味わえたと思います。
そして恐ろしい過去の事実と不可思議な体験とともに、二人の将来が開けてゆく、という明るい展望が読み口を更に良いものにしていたと思います。
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ただ、相変わらず沈殿しているテーマは、暗め。
カルト教団に誘拐された過去を持つ中島君は自分の心を殺すことで精神の安寧を保つ(洗脳を回避する)ことに成功。
さらにその後カルトを救出されたあとも、心配性に輪をかけた母親の溺愛に辟易としつつも、彼女の死までそれに付き合った。要するに心の傷に更に塩を塗り込んで、鎧をまとった心を育て上げてしまった。
頭では理解しているなかで、心を殺してきたため、当然コニュ障的な人間(でも学問はできる、というか心を殺して打ち込む)になってしまった。
そういう人に寄り添える人が近くに居ないという状況こそ、自由過ぎる・紐帯を持たない現代の病根なのかもしれません。
そこまでではないにせよ心に傷を負うちひろはそんな中島くんに寄り添う姿が、ほっこり。
霊能力者とかも出てくるけど、やはり本作の主人公かつキーパーソンはちひろの心のひろさ。
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ということでよしもとばなな氏の作品でした。
作風全般は凄い好きというわけではないのですが、今回のは結構好きな感じでした。
今後もぼちぼちと渉猟してゆきたいと思います。 -
Posted by ブクログ
国民的作家なのに、よしもとばななさんの本って読んだことないなあ、と思って、インパクトのあるタイトルの本作を手に取った。(もう一冊は「デッドエンドの思い出」)
わずか80頁(プラス奈良美智さんの挿画)
奥さんを亡くした後のお父さんとその恋人(渾名:アルゼンチンババア)と娘のお話。周囲のことばに惑わされず、自分の価値観に忠実に生きることの素晴らしさとしんどさとその他諸々。初めての作品なので、よしもとばなな的なのか否かはよくわからないけれど、不思議なあたたかさを感じる本だった。
P76 ユリさんのことば
「どうして人が遺跡を作るのか知ってる?」
「好きな人がいつまでも、死なないで、いつまでも今日が続いてほしいって、そう思ったのよ」