よしもとばななのレビュー一覧
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さやかの義理のお母さん、すっごく素敵な人だなあ。
どんなことも自然に受け止めて自分で解釈して慌てない、憧れる。
バリ島出身だったり登山やスポーツが趣味だったり、自然に近い精神の人が多く出てくる。
自分も母がそんな側面も持っている上に田舎育ちだったので、懐かしい気持ちも持ちつつ読んだ。
スピリチュアルな感覚についてはあまり共感できないが、人の想いが伝染して大きな力になる、というのはわかる気がする。
年を経たらスピリチュアルもわかるようになるものなのか…?
"人はたまにふるさとを訪れたほうがいいのよ。そうすると思ってもみないくらい素直に、気持ちが原点に返っていくから。"
上 -
Posted by ブクログ
ちょっとスピリチュアル過ぎると感じた。
主人公が夢で出会った男の子と大人になって再会する一点でもかなりそうだが、バスターミナルの神様おばあちゃんや、その娘である占い師のさらに娘であるるみちゃんの3世代で登場人物のほとんどがスピリチュアルだった。
東京での恋愛に失敗して地元に戻った主人公が、その冴えない生活の中で段々と生きるリズムと人生観を取り戻していく姿は良いストーリーだった。
せっかく、実直な暮らしと周囲の人との繊細な思いやりが時間と共に生活を癒す様を描いているのに、その理由づけが偶然と個々人の心がけに還元されず、謎の夢の縁や川のある町の雰囲気やスピリチュアルなパワーのあるとされた人々の -
Posted by ブクログ
吉本ばななさんの初読み。
フォロワーさんのレビューを見て、手に取った一冊。
今まで読んだ本とは、全然種類が異なっていて、一口で趣味が「読書」と言っても、好きな作者や作風が異なると全然わかりあえないこともあるだろうなと感じました笑
本書についての印象ですが、繊細で丁寧という感じです。(吉本ばななさんの作風全体に言えることだったらすみません)
わかる人にだけわかる世界観という感じ?
私が好きだったシーンは、養子として進一を引き取ったみつこの両親がお金をもらわなかったことについて触れるところ。
「お金では買えない縁をもらったんだから、お金に変えたらバチがあたる、とママはよく言っていた。」
こう -
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ネタバレ「ひとかげ」の方が、文章に温かみが増して、情報量が増えており好きだった。とかげの自分の向いていないをやる(例えばエアロビクスのインストラクター)スタイルは斬新で面白いと思った。私もインストラクターの類は向いていないし、全くもってやりたいと思わないがあえて挑戦することによって自分の本当に苦手なことが見えてくるのかもなあと思った。もしかしたら私もインストラクターに向いているかもしれない。
とかげと主人公の閉塞的な空間は、すこし息が詰まりそうな感じもあったがそこがいいと感じた。
とかげが主人公としか話をしないのも、主人公が浮気をしたらとかげに呪われてもいいと思うところもいい意味で年齢にそぐわない思い -
Posted by ブクログ
「長いスパンの中で見てほしいという気持ちと、今を生きて欲しい気持ちが交錯する。そのバランスこそが人生だなと思う。」
「小さな幸せは、たくさん集まるといつの間にかセイフティネットになるのだと思う。小さい女の子がしゃがんで小石を数えるみたいな無心さで幸せを見つけられたら、その人はどんな境遇にあっても決して不幸にはならない。」
「そこがそんなふうに変わったことによって、あの頃が永久に保存された、そんな気がする。積み重ねていくものも大切だけど、急に断ち切られたからこそ残るものもある.」
「いろんなことを乗り越えた後でこんな時間が待っているのなら、全然かまわない。このほうがよっぽどいい、そう思えた。」