よしもとばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ(1-3巻、同じレビューを書きます)
私が学生だった頃、よしもとばなな氏といえば、吉本隆明氏のご令嬢ということで、昭和の知識人の家庭で育まれた文芸界のホープ、よく言えばサラブレッド、悪く言えば二世、みたいな印象でした。
ここにきて幾つか作品を読むと、結構ねっとりと心の底を描写しつつ、しかも恋愛がらみの作品が多いことが分かりました。
つまりクセがある。大分ね。
好き嫌いでいうと、とても好きともいえないのですが、私の書籍の買い方というのは、結構一気に買ってしまうことが多いことから、過去に一気買いしたものを今般読み進めようと本作品を手に取ったものです。
・・・
結論から言うと、結構ハマりました。
スピリチュアルな感じのエッセンスを濃い目にブレンドするのが氏の特徴かと思います。そうした精神世界の話を入れ込むのは好き嫌いがあるかとは思うのですが、今回の作品はわたくし的には結構好きかもです。
・・・
どういう背景か、両親がおらず、祖母に育てられた主人公雫石。祖母も祖母で、未だ色気を匂わす一方、雫石ととともに山奥に引っ込み、山の草や実からなる茶を客に提供し細々と生きているという設定。
その生活はやや貧しいながら自然と共に生のリズムを刻むような生活。
そして山のふもとで開発が始まり、薬草茶の原料となる草木に本来の力が失われつつあると分かると祖母はさっさと商売を畳むことを決意。山を引き払い、ネットで出会った彼氏のいるマルタ島へと渡る。
一人残された雫石は山を下りて初めての一人暮らしをするも、占い師の楓、その彼氏の片岡さん、シャボテン園で働く真一郎くんなどと出逢い、導かれるようにして人生を歩むことに。
・・・
こうして振り返ると、主人公雫石の自己陶冶小説なのですが、個人的には彼女の「受け止める」姿勢になんというか感銘を受けました。
無菌室のような山奥から世俗へと降りてくる。世の中には汚い人もいる。清い人もいる。不倫もあるし、結婚も離婚もある。
そういうものに当初はあてられていたものの、次第に文脈や想像とともに受け止め、消化するようになる。
その受容のしかたは非常にホーリスティックで、全体が運命論みたいな向きも感じられますが、他方で、全てに正誤はなくあるがままを受け取るという従容とした老子的ニュアンスも感じられました。
その受け止め方は、思い込みと決めつけで相手を憎しみとともに見下げるのではなく、飽くまでフラットに受け入れる態度。そういう姿勢の主人公に好感が持てました。
彼氏の真一郎くんと別れる雫石の、「あるべきところに収まるようになったのだ」(自分ではなくほかの人とそもそも一緒になる運命みたいな)という達観はちょっとすごい。20代そこそこでそういう達観しているのは先ずあり得ない話とは思いますが、自分の元から去る・しかも半ば裏切りのような形で去る人をも赦せる人間、すごいと思います。そんな広い心持ちになりたいゆえ、いっそう心に響いたのかもしれませんが。
・・・
ということで、よしもと作品はこれで三作目。
三巻まとめて買ったのですが、実は第四巻もあるそうですね。これも早々に読まねば、と思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ(1-3巻、同じレビューを書きます)
私が学生だった頃、よしもとばなな氏といえば、吉本隆明氏のご令嬢ということで、昭和の知識人の家庭で育まれた文芸界のホープ、よく言えばサラブレッド、悪く言えば二世、みたいな印象でした。
ここにきて幾つか作品を読むと、結構ねっとりと心の底を描写しつつ、しかも恋愛がらみの作品が多いことが分かりました。
つまりクセがある。大分ね。
好き嫌いでいうと、とても好きともいえないのですが、私の書籍の買い方というのは、結構一気に買ってしまうことが多いことから、過去に一気買いしたものを今般読み進めようと本作品を手に取ったものです。
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結論から言うと、結構ハマりました。
スピリチュアルな感じのエッセンスを濃い目にブレンドするのが氏の特徴かと思います。そうした精神世界の話を入れ込むのは好き嫌いがあるかとは思うのですが、今回の作品はわたくし的には結構好きかもです。
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どういう背景か、両親がおらず、祖母に育てられた主人公雫石。祖母も祖母で、未だ色気を匂わす一方、雫石ととともに山奥に引っ込み、山の草や実からなる茶を客に提供し細々と生きているという設定。
その生活はやや貧しいながら自然と共に生のリズムを刻むような生活。
そして山のふもとで開発が始まり、薬草茶の原料となる草木に本来の力が失われつつあると分かると祖母はさっさと商売を畳むことを決意。山を引き払い、ネットで出会った彼氏のいるマルタ島へと渡る。
一人残された雫石は山を下りて初めての一人暮らしをするも、占い師の楓、その彼氏の片岡さん、シャボテン園で働く真一郎くんなどと出逢い、導かれるようにして人生を歩むことに。
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こうして振り返ると、主人公雫石の自己陶冶小説なのですが、個人的には彼女の「受け止める」姿勢になんというか感銘を受けました。
無菌室のような山奥から世俗へと降りてくる。世の中には汚い人もいる。清い人もいる。不倫もあるし、結婚も離婚もある。
そういうものに当初はあてられていたものの、次第に文脈や想像とともに受け止め、消化するようになる。
その受容のしかたは非常にホーリスティックで、全体が運命論みたいな向きも感じられますが、他方で、全てに正誤はなくあるがままを受け取るという従容とした老子的ニュアンスも感じられました。
その受け止め方は、思い込みと決めつけで相手を憎しみとともに見下げるのではなく、飽くまでフラットに受け入れる態度。そういう姿勢の主人公に好感が持てました。
彼氏の真一郎くんと別れる雫石の、「あるべきところに収まるようになったのだ」(自分ではなくほかの人とそもそも一緒になる運命みたいな)という達観はちょっとすごい。20代そこそこでそういう達観しているのは先ずあり得ない話とは思いますが、自分の元から去る・しかも半ば裏切りのような形で去る人をも赦せる人間、すごいと思います。そんな広い心持ちになりたいゆえ、いっそう心に響いたのかもしれませんが。
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ということで、よしもと作品はこれで三作目。
三巻まとめて買ったのですが、実は第四巻もあるそうですね。これも早々に読まねば、と思います。 -
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ネタバレ(1-3巻、同じレビューを書きます)
私が学生だった頃、よしもとばなな氏といえば、吉本隆明氏のご令嬢ということで、昭和の知識人の家庭で育まれた文芸界のホープ、よく言えばサラブレッド、悪く言えば二世、みたいな印象でした。
ここにきて幾つか作品を読むと、結構ねっとりと心の底を描写しつつ、しかも恋愛がらみの作品が多いことが分かりました。
つまりクセがある。大分ね。
好き嫌いでいうと、とても好きともいえないのですが、私の書籍の買い方というのは、結構一気に買ってしまうことが多いことから、過去に一気買いしたものを今般読み進めようと本作品を手に取ったものです。
・・・
結論から言うと、結構ハマりました。
スピリチュアルな感じのエッセンスを濃い目にブレンドするのが氏の特徴かと思います。そうした精神世界の話を入れ込むのは好き嫌いがあるかとは思うのですが、今回の作品はわたくし的には結構好きかもです。
・・・
どういう背景か、両親がおらず、祖母に育てられた主人公雫石。祖母も祖母で、未だ色気を匂わす一方、雫石ととともに山奥に引っ込み、山の草や実からなる茶を客に提供し細々と生きているという設定。
その生活はやや貧しいながら自然と共に生のリズムを刻むような生活。
そして山のふもとで開発が始まり、薬草茶の原料となる草木に本来の力が失われつつあると分かると祖母はさっさと商売を畳むことを決意。山を引き払い、ネットで出会った彼氏のいるマルタ島へと渡る。
一人残された雫石は山を下りて初めての一人暮らしをするも、占い師の楓、その彼氏の片岡さん、シャボテン園で働く真一郎くんなどと出逢い、導かれるようにして人生を歩むことに。
・・・
こうして振り返ると、主人公雫石の自己陶冶小説なのですが、個人的には彼女の「受け止める」姿勢になんというか感銘を受けました。
無菌室のような山奥から世俗へと降りてくる。世の中には汚い人もいる。清い人もいる。不倫もあるし、結婚も離婚もある。
そういうものに当初はあてられていたものの、次第に文脈や想像とともに受け止め、消化するようになる。
その受容のしかたは非常にホーリスティックで、全体が運命論みたいな向きも感じられますが、他方で、全てに正誤はなくあるがままを受け取るという従容とした老子的ニュアンスも感じられました。
その受け止め方は、思い込みと決めつけで相手を憎しみとともに見下げるのではなく、飽くまでフラットに受け入れる態度。そういう姿勢の主人公に好感が持てました。
彼氏の真一郎くんと別れる雫石の、「あるべきところに収まるようになったのだ」(自分ではなくほかの人とそもそも一緒になる運命みたいな)という達観はちょっとすごい。20代そこそこでそういう達観しているのは先ずあり得ない話とは思いますが、自分の元から去る・しかも半ば裏切りのような形で去る人をも赦せる人間、すごいと思います。そんな広い心持ちになりたいゆえ、いっそう心に響いたのかもしれませんが。
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ということで、よしもと作品はこれで三作目。
三巻まとめて買ったのですが、実は第四巻もあるそうですね。これも早々に読まねば、と思います。 -
Posted by ブクログ
今年はばななさんの本をたくさん読んで、その作風に何度も温かい気持ちや救われた気持ちになったから、ばななさん自身の本も読もうと前々から気になってたこの本を読んでみた
ばななさんのHPに寄せられた読者の悩みをばはなさんが答えていく
それをまとめた本なんだけど、ばななさんの物語でもひしひし感じる優しさあたたかさがある一方で、すごく現実的でシビアな話もあって、そのギャップには驚いてしまったな…
ただ、なんとなく感じるのはばななさんは人生経験を重ねて良い歳の重ね方をした人だということ
(27歳の小娘が何言ってんだとは自分でも思う)
中年ゆえの余裕や落ち着き、知見をひしひしと感じて、こういうことを言える大人になりたいと私は思いました -
Posted by ブクログ
文庫版あとがきに書いてあった、「弱っているときにしか価値がないともいえるが、弱っているときにじんわりとしみてくる気がする」という言葉が、まさにぴったりな表現だと感じました。
この言葉自体は著者自身の作品に対しての評ですが、よしもとばななさんの作品全体にあてはまる言葉ではないかと思います。
ストーリーのなかでなにか大きな出来事が起こるというよりは、登場人物がゆっくりと時間をかけて回復していく様子が描かれている。リアルな人間の姿ですよね。
だからこそ、平坦でおもしろくないと感じる人もいるとは思います。ただ、人生の重みに耐えられなくなったときに読むと静かに寄り添ってくれるような、そんなお話が多いと感じます。
こちらの「ハゴロモ」も同じように、人と人との繋がりの、ほのかな温もりを感じられるお話でした。