よしもとばななのレビュー一覧
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「アルゼンチンババア」に続いて、よしもとばななの短編集を読む。作者本人にとって(少なくとも発表時点で)一番の自信作で、かつ自叙伝的要素を含むお気に入りの作品とのこと。
五篇いづれも切ない話なのだが、中でも、「あったかくなんかない」のまことくんが印象深い。草むしりひとつとっても、まことくんがやったところだけ神々しい、というくだりがなんともよい。
次に「おかあさーん!」の女性編集者。幼児虐待の話はどんな筋書きであっても(最後は救われるのであっても)、読むだけで心の負担が大きい。
表題作の「デッドエンド」は、作中登場するバー「袋小路」の英語。(最初、ハッピーエンドの対義語のバッドエンドのひどい -
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国民的作家なのに、よしもとばななさんの本って読んだことないなあ、と思って、インパクトのあるタイトルの本作を手に取った。(もう一冊は「デッドエンドの思い出」)
わずか80頁(プラス奈良美智さんの挿画)
奥さんを亡くした後のお父さんとその恋人(渾名:アルゼンチンババア)と娘のお話。周囲のことばに惑わされず、自分の価値観に忠実に生きることの素晴らしさとしんどさとその他諸々。初めての作品なので、よしもとばなな的なのか否かはよくわからないけれど、不思議なあたたかさを感じる本だった。
P76 ユリさんのことば
「どうして人が遺跡を作るのか知ってる?」
「好きな人がいつまでも、死なないで、い -
Posted by ブクログ
ネタバレよしもとばなな氏は1987年に『キッチン』でデビュー。
その後ヒットを連作。父親は批評家の吉本隆明氏。
なお本作は2014年の作品。
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主人公の女子大生まことは、彼氏の嵯峨の子を宿すことを夢見つつ演劇に没頭する。
まことと嵯峨はどちらも親を自殺で亡くした遺児。彼らはいわゆる新興宗教のような共同生活を米国で送っていた。そのトップが亡くなり、それを追うように嵯峨の母親が後を追い、そしてまことの母親も、ある日ふつっと自死してしまう。
彼らはその後日本に送還され、施設を経て世に出るが、その経験の衝撃の大きさ故周囲からは浮いてしまう。
まことは子どもより死を選んだ母親への複雑な気持ちを克服