よしもとばななのレビュー一覧

  • みずうみ

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    ネタバレ

    大好きなママが死んでしまった主人公。
    過去に壮絶な経験をしたのであろう中島くんとの出会い。
    付き合っていると言えるのかどうか、でも毎日一緒にいるような不思議な関係。

    どうまとめたらいいのか分からないくらい、いい意味で物語の中に境目がなくて、起承転結というほどの話の転換もないのだけど、ただ水の上に浮かんでいるうちに流されて遠くまで来てしまったような読後感。

    文量も多くないので、さらっと読めて、まとまった時間が取れない人にもおすすめだなと思いました。

    ばななさんの作品は、作品に流れてる空気感がとても心地いい印象。
    ほんの一瞬の、秋の過ごしやすい気候みたいな、そういう空気感が閉じ込められていて

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    2025年09月19日
  • デッドエンドの思い出

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    こんなにも有名なのに、何故か1冊も読んだことがなかったよしもとばななさん。
    「あの本、読みました?」に出演されていた際のお話が面白かったので、ご本人が満足されているという本作を選びました。

    恋愛小説はあまり好まないこともあり、文体に慣れるのに少し苦労しました。読みやすいのに頭に入れるには少し力を入れて読まないといけない感じ。けれど途中で投げ出す気にはなりませんでした。

    切ないラブストーリーながらも、先々幸せが訪れそうな雰囲気で終わる短編集でした。しかしながら世の中に数多ある「希望と再生」とか「傷付いたあなたの心に寄り添う」的なものとは一線を画すレベル。
    これがよしもとばななさんの魅力なので

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    2025年09月16日
  • デッドエンドの思い出

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    悲しいことや辛いことがあっても日常を取り戻していく彼女達から安心していいよというメッセージを受け取った気がしました。
    まるで毛布にくるまれているような柔らかい感覚のする結末でした。

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    2025年09月12日
  • みずうみ

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    ネタバレ

    以前読んだ吉本氏の『鳥たち』という作品が、半カルト集団の生き残り・自死遺族を扱う、とてもドロドロとしたものだったので、今回も重たいのかなあと戦々恐々としつつ臨みました。

    ところが、何でしょうか、本作品も独特のアクは有りましたが、希望が感じられる、読み口良い作品であったと思います。

    ・・・
    本作は母親を亡くしたちひろが、恋人未満の天才引きこもり的な中島くんとの仲を徐々に深めてゆく話。

    で、中島くんもまた幼少期に負った傷を抱えて生きているのだが、ちひろはその傷にアプローチせず、彼から話が出るのをゆっくり待つ姿勢を取る。そして彼から話を打ち明けられて、徐々に中島くんにもちひろにも変化が訪れてゆ

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    2025年09月03日
  • スナックちどり

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    気ままに、かっちりしすぎず、気の向くままにゆったりと過ごすことも大事なんだな〜と
    安心できる居場所のありがたさとかが、さっと読める量で感じることができた

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    2025年08月11日
  • 小さな幸せ46こ

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    まだ若造の私にはあまりこれが幸せだと共感できるものが少なかったように感じる。
    それでも私より長く生きている分、さまざまなことを学び、感じていているんだなと。
    私が言語化できていないような感情をうまく言語化している部分もあって共感できた
    そして、大雑把なところとか誕生日とか、私との共通点も感じられてとても人間味と現実味があるなと思った

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    2025年07月21日
  • スウィート・ヒアアフター

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    よしもとばななさん好きなんだけど、今の自分には馴染まなかったみたい。でも、心に残るフレーズはいくつもあったな。よしもとばななさんの、死をテーマにしたりしているのにやわらかな光に包まれるような世界観好きだな。

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    2025年07月18日
  • ハゴロモ

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    自然の風景の表現が素敵で引き込まれた。「人の、意図しない優しさは、さりげない言葉の数々は、羽衣なのだと私は思った」という一文が印象的だった。少し終わり方に心残りがあったが、逆にそういう終わり方の方がハッピーエンドでもバッドエンドでもなく良かった。

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    2025年07月02日
  • デッドエンドの思い出

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    「アルゼンチンババア」に続いて、よしもとばななの短編集を読む。作者本人にとって(少なくとも発表時点で)一番の自信作で、かつ自叙伝的要素を含むお気に入りの作品とのこと。

    五篇いづれも切ない話なのだが、中でも、「あったかくなんかない」のまことくんが印象深い。草むしりひとつとっても、まことくんがやったところだけ神々しい、というくだりがなんともよい。

    次に「おかあさーん!」の女性編集者。幼児虐待の話はどんな筋書きであっても(最後は救われるのであっても)、読むだけで心の負担が大きい。

    表題作の「デッドエンド」は、作中登場するバー「袋小路」の英語。(最初、ハッピーエンドの対義語のバッドエンドのひどい

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    2025年06月30日
  • ゆめみるハワイ

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    『サウスポイント』など、ハワイを題材にした吉本ばなな作品は読んだことあるけどエッセイは初めて読んだ。やっぱりすごいパワーがある土地なんだろうな。行ってみたいです。

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    2025年06月23日
  • スナックちどり

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    それぞれ違う傷心を抱えた2人が、触れたり触れなかったりして心の隙間を埋め合うように旅をするお話、まさによしもとばななを読んでいる感じがしました。

    普段は作者と作品を結びつけながら読むことは好みませんが、この作品においてはあとがきを読んで完結といった印象を持ちました。

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    2025年06月18日
  • アルゼンチンババア

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    国民的作家なのに、よしもとばななさんの本って読んだことないなあ、と思って、インパクトのあるタイトルの本作を手に取った。(もう一冊は「デッドエンドの思い出」)

    わずか80頁(プラス奈良美智さんの挿画)

    奥さんを亡くした後のお父さんとその恋人(渾名:アルゼンチンババア)と娘のお話。周囲のことばに惑わされず、自分の価値観に忠実に生きることの素晴らしさとしんどさとその他諸々。初めての作品なので、よしもとばなな的なのか否かはよくわからないけれど、不思議なあたたかさを感じる本だった。


    P76 ユリさんのことば

    「どうして人が遺跡を作るのか知ってる?」

    「好きな人がいつまでも、死なないで、い

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    2025年06月17日
  • ジュージュー

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    2025/05/30
    下町が舞台なんだけど、死について考えさせられる描写もあり、全体的にきれいな静謐さを感じた話だった。あとがきで「悲しい話」だと、よしもとばななさんは言っていたが、私はそうは思わなかった。最後は、全員少しだけ気持ちが上向きで終わっていてよかったと思った。

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    2025年06月01日
  • 鳥たち

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    ずっと不穏な空気でしたが、段々と空気澄んでいくようで、なかなか味わえない感覚だったと思います。

    悲しいことがあったらまた読みたいです。

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    2025年05月29日
  • みずうみ

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    ネタバレ

    「星の子」を思い出した。
    いわゆる2世と呼ばれる子どもたちの視点ではなく、直で影響を受けている人たちの話を読むとしたら危険だろうか。

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    2025年05月25日
  • High and dry (はつ恋)

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    14歳の女の子の、初恋のお話。
    1人っ子なのとか、共通点があって
    なんとなくわかる気がしたところもあったなぁ

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    2025年05月24日
  • まぼろしハワイ

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    鬱病で旦那様と中学生のひとり息子を残して命を絶った、ハワイが大好きだった女友達のことを思い出しました。家族、親子…人と人の繋がりは血縁による時系列だけでなくて、年齢も性別も国籍も超えた大きな自然に抱かれながら、たまたま同じ時に生まれ、一期一会で出会い、手を繋いでいるんだな…声を出して笑ったり、美味しいものを一緒に食べたり、愛し合ったり、憎み合ったりしながら生きている時間を共有することの愛おしさを感じます。

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    2025年05月24日
  • Q人生って?

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    人生におけるさまざまなQに対して、よしもとばななさんが答えていく一冊。共感できるアンサーもあれば、できないアンサーもあったけれど、人が抱える悩みをみていると自分の悩みがありふれたものに感じ、少し心が軽くなった。夜寝るとき一度死んで、朝起きたら生き返るくらいの気持ちで生きられたらどんなにいいだろう、という一節に深く共感する。

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    2025年05月07日
  • なんくるない

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    よしもとばななさん作品5個目くらい。
    共通してるのは根底にあるスピリチュアルな雰囲気と、読みやすくてやさしい文章ながらもはっとさせられる視点。表現を変えて伝えたいことを丁寧に描かれている印象。

    『なんくるない』は沖縄が舞台で、都会で暮らす人が忘れかけていた大切なことを南国の自然とあたたかい人たちに囲まれて思い出すような、自分を取り戻すような前向きな作品集だった。

    ほかの作品もいくつか先に読んでいたので、刊行順に読めばよかったかなという心残りはある。次のばななさん作品は『すばらしい日々』を読みます。

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    2025年04月15日
  • 鳥たち

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    ネタバレ

    よしもとばなな氏は1987年に『キッチン』でデビュー。
    その後ヒットを連作。父親は批評家の吉本隆明氏。
    なお本作は2014年の作品。

    ・・・
    主人公の女子大生まことは、彼氏の嵯峨の子を宿すことを夢見つつ演劇に没頭する。

    まことと嵯峨はどちらも親を自殺で亡くした遺児。彼らはいわゆる新興宗教のような共同生活を米国で送っていた。そのトップが亡くなり、それを追うように嵯峨の母親が後を追い、そしてまことの母親も、ある日ふつっと自死してしまう。

    彼らはその後日本に送還され、施設を経て世に出るが、その経験の衝撃の大きさ故周囲からは浮いてしまう。

    まことは子どもより死を選んだ母親への複雑な気持ちを克服

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    2025年04月13日