よしもとばななのレビュー一覧
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ネタバレ吉本ばななは、人間の細かい心情だけでなく、自然の繊細な美しさを描くのにも非常に長けていると実感した作品。まだ訪れたことのないハワイに行きたくて仕方なくなった。
現実はそんなうまくいかないよ、と突っ込みたくなるぐらいファンタジーな物語であるが、距離は遠く隔たっていて連絡もしていなくても、強い「念」には人と人をつなぐエネルギーがあるというくだりには、若干の勇気をもらった。
また、同じ状況であっても、不安を感じるテトラと、愛をまっすぐ信じる珠彦、という対比も、愛のよろこびと不安に対する男女の捉え方の違いを表している。
繰り返しになるが、確かに夢物語ではある。だが、いずれ思いを馳せる人と行きたい -
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よしもとばなな続き。尚、帯には著者コメント「とても幸せな小説」とあり、確かに幸せっぽい感じ(描写)は随所で見られるのだけれど、結構複雑な家庭環境と家族間のトラブルや葛藤を書かれてたりする。そういったことひとつひとつに主人公が折をつけていく話ではあるのだけど、単純にポジティブに読めばそうなんだけど、これから自分が家族を築いていく上で、私達の言動ひとつひとつに対してどう感じ、それがどう影響するのか、とか考えると少し怖いよう。だってこの主人公は、考え方は大人(所詮すべての大人は「子供が歳を重ね経験を積んだり積まなかったりして結果大人になった、もともとの子供」であるという前提での”大人”)だし、客観視
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Posted by ブクログ
はじめは、いまの私はよしもとばななを受けつけないな思いながら、ただ字を追うだけの読書だった。つまらないなー。早く終わらないかなーと。ものすごくよしもとばななの話にはいりこめるときとまったく受け付けないときがある。いまは後者だなと。
ところが読み進めるうちに、ばななワールドにどっぷりでした。ああこんなことってあるのね。だめだと思ってたのにすっかりばななワールド。雫石とおなじように光につつまれているような感覚。(お風呂にはいってきもちよく半身浴中ってのも効果的だったかしら?)人はひとりでは生きていないのですね。いろんな人とのつながりが感じられてハッピーになった。でも自分の現在をおもって暗くなる私。 -
Posted by ブクログ
吉本ばななのハワイに惚れ込んだエッセイ。もうすぐ行くからなぁと観光的な、パンケーキ的なものには興味が薄いので、エッセイでもと。彼女のレンズを通してみるハワイの魅力は包み込むような愛。自分らしくいられる土地という。
人の文章は本当に示唆に富むなぁ。自分らしくいられるのがハワイだけなら、人生の中で殆どの時間を自分らしくいられないことになる。お金持ちでしょっちゅう行ければ別だけど。今を前向きに、そして偶には天国に近い場所で過ごす。包み込まれるような感覚は、非常によくわかる。柔らかな気候と、ピュアな水と日差し。これに、美味しい料理とお買物まで。バリにもグアムにもない魅力は、圧倒的だ。
ばななさん