よしもとばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
内地の人が沖縄を訪れて…、という4つの短編。沖縄での「巨大な美しさの中に飲み込まれていってしまう」(p.26)体験の中で、それぞれの主人公が何を感じるかという話。「なにかに感謝したくなるような滋味深い四つの物語の贈りもの」と裏表紙には書かれている。
沖縄のことばで「なんくるないさー」というのは、英訳するとLet it be.くらいだろうか。コロナ騒動で絵に描いたようにピリピリしている今の日本と何とも対照的な感じ。おれはここ2年前くらい?に人生で初めて沖縄に行き、そこから沖縄に4回くらい行っている。それくらいあの独特な雰囲気というのに病みつきになっているが、海や公設市場の雰囲気が思い出されて -
Posted by ブクログ
ネタバレあとがきにあった、
『多分この小説は、昭和の偏屈なおばさんから
平成の偏屈なおばあさんへと移行していく過程での
私が全身で見聞きした
「日本が病んで終わっていくことに抗う表現を
細々と続ける」全ての表現者への「応援そして評論」
のようなものなんだと思っています。』
という筆者自身のこの言葉に尽きる小説。
自分はばななさんほどには多分、今の日本が
そこまで病んでいるとは思っていないのだと思う。
そして、オカルトチックな精神論に嫌悪感はないけれど
距離は保っているのだと思う。
だから登場人物たちに共感ができない。
特にまこちゃんやその周囲の女性たちの
他人との距離感が気持ち悪いとさえ思う。
いき -
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじだけ読んだら何てことないんだよね~。小学生のころの初恋の相手に大きくなって再会したというはなし。
だけど、よしもとばななの文章はどうしてこんなに心に染み渡るんだろう。
平易で、優しい言葉で紡がれる、まさに紡ぐという言葉がピッタリの文章が、いつどんな気持ちで読んでも、その時の自分にちょうどいいかたちで寄り添ってくれる。
何か所かで涙し、何度も立ち止まり言葉を反芻しました。
やっぱり、ばななさん好きだわ~。
この作品全体に流れるウクレレの響き、ハワイの光と風に癒されました←聴いたことも行ったこともないけど。
ウクレレ弾いてみたくなったけど、ハワイの自然と溶け合う音と書かれていたから、日本