よしもとばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
途中でもう読まずに返却してしまおうかと何度か思った。けれど読み終えた今はおだやかな気持ちでいる。あとがきがさりげなくいい。余韻に浸っている。今回は文章や人物の行動や気持ちに入っていく事ができなかった。読んでいて自分が置き去りにされていくような気分だった。所々、自分にしみてくる気づきの言葉があってちょこちょこ救われるのだけれど、お話にはついてゆけなかったかな。別世界で遠いなぁというかんじ。ノニが自分の死ぬ時の事を思い浮かべるシーンが好きだ。自分も心の中にそれまで見た光景をたくさん思い浮かべながら死にたいな。それから「今日は今日の光だけを見て、精一杯身体も心も動かして、とにかくただ生きるんだよ。」
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Posted by ブクログ
ネタバレ女としての生生しさを個人的には感じた作品。
ばななさんの私小説とも思えるような内容で、素直で淡々とした文面から
日常とその中にある非日常が伝わってくる。
男と女の違いというものを、否応なしに考えた。
やはりまったく変な意味でなく、役割が違う生き物なのだと改めて思った。
人間と言っても動物なのだから、本能というものはある。
雄は戦い、雌は守る。
そういう役割分担がきちんと出来ているのだ。
現代は女が戦いながら守ることもしなければいけなくて
というような記述にははっとした。
また性別の違いを抜きにしても、本能について考えさせられた。
『現代化』でセンサーが鈍ってきていて
霊感や直感、第六感だと -
Posted by ブクログ
雑誌連載を本にまとめたエッセイ。
特に心に残ったのは、
『そのひとことが』と『日々に学ぶ』。
本人にとっては何気ない一言でも
本気で真摯な気持ちで言ってくれた一言が
大袈裟でなく闇から救い上げてくれる一言になる
ということは実はよくあることで。
同情で言ってくれた訳でなくて
本当にそう思っているというだけで響く。
自分も誰かにとってのそんなひとことを
言えていたらいいなと思う。
犬の散歩をしている人 というのは
ただ歩いている人よりも話しかけやすい、と思う。
歩いている目的がはっきりしているし
多分時間の余裕も心の余裕も多少あるはずで、
犬の散歩のさせ方や犬の顔で
なんとなく飼い主の人間