よしもとばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
王国の続き。楓の子どもの話。
設定は突飛すぎる!
猫の女王の妻に先立たれ、猫探し業をする絵描き。
楓の子どもはレズで失恋してるし。
まぁでも相変わらず心地よい感覚はたくさん。
あぁ、あの場所で、あの人と過ごした、あの時間はなんて素敵な時間だったのだろう。
自分は自分のよしとすることを、静かに、もくもくとするしかないし、自分のよしとしない事が起きたら、静かに離れればいい。
ただ自然の様子を眺める時間を人生に取り入れようか。
あの人のことが好きなのは、あたしに何かを与えてくれるからじゃなくって、あの人の生き方そのものが好きだからなんだよなぁ。 -
Posted by ブクログ
もともとは「とかげ」という小説だったのを、セルフリメイクした「ひとかげ」。
単行本だと、「ひとかげ」のあとに、中紙の色を変えて「とかげ」も収録されている。たのしい趣向だと思う。昔に読んだ本を、年取ってから再読するたのしみがあるように、作者の側で小説を編みなおすという試みもまた、年月の流れを感じてしみじみと面白い。
「とかげ」は読んでいなかったので、「ひとかげ」が最初、ということになったが、
このどこにもいけない閉塞感、からまり、もがき、何とかしようと思いながらも、過去と、知らぬ間に引き受けていた罪悪感は思うようには振り払えず、ずぶずぶと沈んでいく… というどうしようもなさに、とても惹かれた。