あらすじ
育児も家事も、小説執筆も社長業も忙しくて心がなくなりそうだった時。陶器のカップの美味しいコーヒーを車の中に持ち込み飲んでみたら、新しい風が吹いてきた――。人生は思い通りにならないけれど、一つ普段と違うことをしてみると、異なる景色が見えてくる。自分なりの人生をカスタマイズすることの歓びが見つかり、しなやかで丈夫な心が育つ。
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Posted by ブクログ
阪神淡路大震災後について。家族との日常、思い出、日々感じていることなどを綴ったエッセイ。
夜眠る前に少しずつ読み進めていました。
いろんな人のエッセイを読んできたけど、やっぱり自分にはばななさんのエッセイが一番しっくりくる。
20代、30代、40代と…いつ読んでも心地よく、言葉がスッと心に入ってくる感じは変わらない。
考え方に共感したり、和んだり、しんみりしたり。気になるフレーズもたくさん!
読んで少し元気をもらえました。
『自分の人生は自分のものだ』
『そのときはなんでもない、いつもそこにあるどうでもいいようなものでも、なくなってみると大きな思い出としてずっしり残るものがある』
『一瞬でもいいし、軽い力でもいい。でも本気でだれかがぐっとそこにいてくれたら、人はなんとかなる。人には人の力が必要なのだと思うし、人にしてあげたそういうことが積み重なっていつかその人を救うと思う』
『義務感でいやいややらなくてはいけないことは、ひとつやふたつ人生にはだれだってもちろんあるだろう。それはなるべくさくっと終えて、楽しいことに少しでも近いことを多くやるようにする。すると、なぜか効率がよくなるし気持ちが明るいからうまくまわるようになるのだった』
Posted by ブクログ
ばななさんの人生が見えてくる。
日本だけでなく、世界のばななとなったばななさん。
それでも、思ったほどお母さんからは祝福はされない。
一方で、ばななさんの本が実家の本棚に並べられている。
女性の一人暮らしに必要なもの、と言っておとうさんから工具をプレゼントしてもらう。ばななさんの宝物。
同居していた彼が、それをそのへんに(=適当に)片付ける。
「私はそのとき別に怒っていなかった。でも理屈ではなく腹の底から「こりゃ無理だな」と思ったのだ」
そうそう。
近所のお花見も、小さかった頃の実家の自由なくらしも。
いろいろと、もう戻ってこないんだなあ、と(自分と重ねてちょっと思うところがあったりして)。
昔はよかったなあ、なんて思うのはそんなにいけないことでしょうか。
昔は自然も、時間も、自由も、なんかいっぱいあったなあ、、、とおもいます。
ばななさん、ありがとうございます。
Posted by ブクログ
信じられないくらい仕事がしんどくて、全てどうでもよ。と思った時に手に取った本。言葉ってすごいなと。私は言葉にほんとに影響を受けやすいんだなと。自分を持ちたい。自分の考えを持ちたい。自分の意志を持ちたい。いつの間にか誰にどう思われるか、だけを考えてたなと。「カラクリ」を何回か読み返した。今目の前にあることを大切に、“今”自分が思ってる気持ちを大切にしよう、したい。目の前にあるいまを大事にしよう。『こうしたほうが、ああしたほうが』は一旦置いとこう。
Posted by ブクログ
生きていると嬉しいことや悲しいこと、とにかく色んなことがあるけれど、日々の出来事の中にあるきらめきを大切にしよう。そして、自分の魂が汚れて(汚されて)しまわないように守っていこう、と思いました。
よしもとばななさんの文章はやっぱりすごいですね。圧倒的な力がある(技巧的な意味ではなく)。
風景の描写には色彩を感じるし、切ない、愛しい、苦しい、などの感情は、読んでいるこちらの胸まで締めつけるよう。
良いエッセイ本でした。
Posted by ブクログ
ばななさんの考えと私の考えは違うところもあるけれど、ふと開いたページに私が言葉で表せなかったけどずっと感じてたことが書いてある。だからつい、読んでしまう。
2016.3.8
Posted by ブクログ
ばななさんの感受性の豊かさ、繊細さが発揮された作品。正直な文章な分、もやっとする部分もしばしば。扉1の言葉が秀逸。「雨には雨の幸せがあり、寒くても空気が澄んでいるのを味わい、寝不足なら寝るのを楽しみにしよう。その場の楽しいこと、美しいことをじっと数えよう。」
Posted by ブクログ
いろんな雑誌などに寄稿された内容。芯は通っているけれど、震災の話から清四郎の話まで、内容は様々。あの震災後の空気感を体感した人は、その感覚が呼び覚まされる感じ。