よしもとばななのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
【本の内容】
由美子は久しぶりに会ったいとこの昇一と旅に出る。
魔女だった母からかけられた呪いを解くために。
両親の過去にまつわる忌まわしい記憶と、自分の存在を揺るがす真実と向き合うために。
著者が自らの死生観を注ぎ込み、たとえ救いがなくてもきれいな感情を失わずに生きる一人の女の子を描く。
暗い世界に小さな光をともす物語。
[ 目次 ]
[ POP ]
双子の姉妹を母親に持ついとこ同士の由美子と昇一。
大人になった昇一が突然、由美子の前にあらわれたのは、過去の忌まわしい出来事から、由美子を解放するためだった。
身近で根源的な幸せと、慈しみの大切さを教えてくれる、愛と救済の物語 -
Posted by ブクログ
【本の内容】
恋人と初めて結ばれたあと、東京を離れ、傷ついた女性たちが集う海辺の寺へ向かった小説家キミコ。
外の世界から切り離された、忙しくも静かな生活。
その後訪れた別荘で、キミコは自分が妊娠していることを思いがけない人物から告げられる。
まだこの世にやってきていないある魂との出会いを、やさしく、繊細に描いた長編小説。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
-
Posted by ブクログ
小さい頃に両親を失ったどん子とぐり子が、
WEBに、メールの返事をする、他愛のないやりとりがテーマのサイトを作るお話。
わりとふんわりとしていて、
もちろん、ばななさんらしい切なさも混じっている小説。
日々、生活する中で、そのスピード感に合わせて、
擦り減っていったり、破壊されていったり、異次元に葬られたりする、
でも、実は大事な他愛のない会話やこころごとに支えられている、こころの部分。
それって生きていくうえでの、その人の豊かさに関係している。
気の利いた冗談やウィットに富んだ話ができるわけじゃなくても、
その人の心の中に息づくいろいろなきらきらしていたりどろどろしていたりする記憶が、 -
Posted by ブクログ
無理心中に巻き込まれて死んだ父。残された妻と娘のよっちゃんの悲しみや怒りが生々しい。
関東圏に住んだことがないので下北沢という場所の土地柄みたいなものがさっぱり分からず残念だけど、どん底の2人にとっては下北沢で口にした麦のサラダや甘い茄子カレーが救われるきっかけになった。人間、美味しく食べられるうちはまだ大丈夫だ。
心中って殺人なんだな、と再認識。かの太宰治氏も何度か心中しようとして、女性だけ死なせちゃったりしてたな…自分が死ぬまで他人を巻き込み続ける人は怖いなぁ。自殺にしたって、周りの残された人々はもしもワールドの中で取り返しのつかないことを悔やみ続けるのだし。
新谷くんと慎重に距離を -
Posted by ブクログ
様々なテーマを綴ったエッセイ。
相変わらず、日々の生活の中から人生の大切なことを見つけ出すのが天才的だと思った。ばななさんは「これこれこういうことがあって幸せです!」と幸せアピールするのではなく、「辛いこともあるけれど、見方を変えたら幸せなことってたくさんあるよ」と背中を押してくれるような感じが読んでいてとても救われる。
ただ、「今の日本はここがだめだ」と常々考えてるような点が所々あり、日本に住んでいる身としては悲しい気持ちになる。おそらくばななさんは日本をけなしたいわけじゃなくて海外の素晴らしかった点を伝えたいだけなのだろうけど…。それと、自分たちの単なる非常識な行動を、今の日本では融通