よしもとばななのレビュー一覧
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あっという間にその3まで終わっちゃった。
何かちょっと痛かった。
それまで通じ合えてた(それが錯覚だとしても)誰かとの関係が、思いも寄らないきっかけで壊れてしまうということ。
一旦壊れてしまうともう、何を言っても話し合っても元には戻らないということ。
それまでは大好きで、少し話せば解るような関係だったはずが、どう頑張っても解り合えなくなってしまう…という経験が私も何度かあるけれど、それはきっと関係にひびが入ってしまった瞬間に、相手への信頼とか愛情が揺らいでしまうせいなのだと思う。
人は変わらないのにそうなってしまうのはやはり、心の内側の問題だ。
…なんてことを考えながら読んだ。
悲しくなったけれど、そういうものだ、という妙な納得もあった。
世俗で生きていれば、周りが“普遍”とか“常識”の枠に当て嵌めようと色々言ってきたりもするけれど、自分の人生なのだから、最後には自分が納得出来ればいいのだと思う。
この物語の主要な人物たちは、まったく普遍的ではないし、常識からも外れている。でもそれが自分なのだと底の方でみんな腹を決めているからこそ、きらきらと輝いて見えるのだと思った。
それでもたまに表面の部分が揺らいだりするところも、人間らしくて素晴らしい。
何だかまたぼんやりしたレビューになってしまった。
とりあえず、勇気をもらった、ということ。
続編というか、アナザーストーリーがあるので、次はそれに進みます。 -
Posted by ブクログ
「『自分は自分だけだし、自分だからこそいいこともあるんだし』と自分だけはせめて思ってあげてください」(p96) 今の自分の状況ともよく重なって、勇気をいただいたことばでした。
女性の社会進出の苦労を問われた質問で、「てきとうでワイルドになっても、いいと思うのです」と言ってのける懐の大きさがあるかと思えば、包み込むような優しさもあって、救われたエッセイでした。嘘偽りのない、着飾りのないことばに心の汚れが落とされる感じがしました。
ダメな自分も受け入れて、前に進んでいけるような人間になりたいと思います。考え方自体で、人生をもっと得できる気がする! -
Posted by ブクログ
そうかぁ。こういうことになるのか。
その2を読んでいた時にはこの展開は予想できなかった。
でもそういうこともあるなと、諦めにも似た感覚もある。
自分を冷静に客観的に見ることはなんて難しいのだろう。
何かに執着してしまって、意固地になっている自分の強がりをどうやって見抜いて脱力させればいいのか。
打ちのめされた後、どう生きるのか。
雫石はすごいなぁと思う。
とても柔軟で清らかだ。
楓も片岡さんも、おばあちゃんも、みんな柔らかい。
やはりこの物語はとても優しい。
力を入れすぎてガチガチになった心と身体をほぐしてくれる。
力んでいたなと気付かせてくれる本だと思う。 -
Posted by ブクログ
雫石とおばあちゃん、雫石と楓、雫石と片岡さん、雫石と真一郎くん、その全ての関係が美しくて読んでいて幸せな気持ちになる。
雫石がそれぞれのことを、それぞれに愛しているのが分かる。
一つとして同じ関係も同じ愛情もない。
人との関係って本当に代わりのないものなんだ。
そのことが本当には解ってなかったなと反省。
そして雫石がテレビを見て発見したこと。
「あんなよどみを、あんなくささを飲み込んでもびくともしないなんて、そしてあの人たちが夜に光るコケ類のようにちゃんとそれぞれの美しさを持って生きることを許されているなんて、世界とはなんと包容力があって、すごい浄化作用を持っているのだろう。」
「私はただここで小さく輝いて、消えていくだけ。小さな小さな物語を作って。それでいい。」
この発見に私も許された気がした。
ここで生きていることを。
私のことも飲み込んでいるこの世界に。
そしてその世界で一緒に生きている人(雫石のような)に。 -
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著者が文庫版のあとがきのなかで、
「なんちゅー悲しい話を書いてしまったんだ」と
読み返しながら思ったと書いていましたが、
読んでみた僕としては、そんなにすごく悲しい話には思えないんですよ。
そりゃ、登場人物たちは人生のなんやかやに縛られて自由ではない。
でも、自由ではないなりに、
そのなかでの自由を獲得できているように読み受けました。
与えられたカードはよくなくても、
それをどう使っていくかというのは比較的できている人たちが主要人物でした。
著者は、登場人物たちの持って生まれた星周りというか、
やっぱり与えられたカードというか、
そういうのに対して「悲しい話」と言っているのではないかなと
そういう気がしました。
さらに言えば、そこからぱたぱたと大空へはばたくようなことは
できなかったりする人たちだから、
そこにも悲しみというものは感じられるわけです。
ただ、鎖に繋がれたような状況の中での自由に甘んじている人には、
その悲しみは感じられないのかもしれない。
そういう意味で、僕がすごく悲しい話には思えなかったのには、
僕自身がはたからみたら悲しみを感じてしまうような状況に
あるのだろうなあなんて、考えてしまったところでした。
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違うから好きになるのに、違うから届かない。
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本作には91ページに上記の一節がありましたが、響きましたね。
その人と自分には違いがあるからその違いによって
その人に惹きつけられたのに、
その違いゆえに手が届かない、
違いゆえにはばかられる、というのはあるよなぁと思った。
はたして、僕に対してもそう感じる人はいるのかどうか。
なにげない気持ちから何かをつかみとる感性がすごいですよね。
下町の良さっていうか、スローな街のよさ、
かけがえのなさも感じられて、そういうところもよかったです。
おもしろかった。
出てくる人物たちに愛おしさを感じて、
読み終わると名残惜しいのはおもしろかった証拠です。 -
Posted by ブクログ
読み終えてあとがきを見てわかったのだけど、これは3.11の震災のことを思って書かれた小説なのだそうです。
よく「死と隣り合わせ」と言うけれど、そうじゃない状態で生きている人なんてこの世の中にはひとりもいないと思う。
事故にあって1時間後に死ぬかもしれない、急病で明日死ぬかもしれない、だけどそのときはそんなことを少しも考えずに生きている。
みんな同じ条件で生きていて、特別な人間がいるわけではないと思う。
この小説は、冒頭で大切な人をなくした主人公が、自分も死の淵から生還したあと、半分生きていて半分死んでいるような人間に生まれ変わって、少しずつ自分を取り戻して再生していく物語。
でも、それを経験した前の状態には絶対に戻れない。
失ったもの、新しく得たもの、自分を見つめなおした結果。新しい自分として歩いていく決意。
大事な人を失って、そこから再生していく過程やスピードって人それぞれ違うけれど、自分のことを思い返すと自分のことが愛おしくなる。
もがいて苦しんで、だけど自分はきちんと生きるんだって思いを強くしたりして。
そういうのって過ぎ去ったあとに輝いて見えるものなのかもしれない。そのときは苦しい気持ちのほうが圧倒的に強いから。
物語の中に、「もしも自分が恋人や伴侶よりも先に死んで、その相手が自分とは別の人と結婚して子どもをつくって…っていうのが空の上から全部見えてしまったら?」みたいな話が出てくるんだけど、自分だったらどう思うのか想像してみた。
たぶん嫉妬するし何で自分じゃないの?って悲しくなるしむかつくとも思うけど(笑)、ずっと鬱々と死んだ自分のことを思って泣かれるのはもっと辛いし、たまに思い出してもらえるくらいがいちばん綺麗なのかもしれない。
想像でしかないけど。
死んだあと何も見えないのなら、ただただ幸せになってねと思えるんだろうから、やはり人間はエゴイストなんだろうな。(私がそうなだけか?笑)
沖縄のユタ、青森のイタコ。
幽霊を信じるか?信じないか?
それも人それぞれだろうし、証明する方法もないけれど、そういう世界の中で生きている人にとっては、真実なのだろうと思う。 -
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【本の内容】
由美子は久しぶりに会ったいとこの昇一と旅に出る。
魔女だった母からかけられた呪いを解くために。
両親の過去にまつわる忌まわしい記憶と、自分の存在を揺るがす真実と向き合うために。
著者が自らの死生観を注ぎ込み、たとえ救いがなくてもきれいな感情を失わずに生きる一人の女の子を描く。
暗い世界に小さな光をともす物語。
[ 目次 ]
[ POP ]
双子の姉妹を母親に持ついとこ同士の由美子と昇一。
大人になった昇一が突然、由美子の前にあらわれたのは、過去の忌まわしい出来事から、由美子を解放するためだった。
身近で根源的な幸せと、慈しみの大切さを教えてくれる、愛と救済の物語。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]