よしもとばななのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ文庫版にて再読。
理由もなく物悲しくなるという件は、とてもよくわかる。
自分自身、そうしたことが時々あるので。
犬などの動物との愛情について
『擬人化はもってのほかだけど、愛は確実に双方にかよっている』
というのはとても秀逸な表現だと思った。
人間と同じ価値観を押しつける愛情はどうかと思うけれど
それでも動物というのは人間が思っているよりとても頭が良くて
無償の愛情を返してくれる。
丁度、大人が思うほど子供が子供じゃないのと同じだと思う。
私はどちらかと言えば小食だし偏食だけれど
誰かと美味しい物を食べることをとても幸せだと思うし
そういうことにかけるお金や時間の余裕が
ある程度大人にな -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本を手に取ったきっかけは、お友達からのメールでした。
この本の中に、よしもとばななさん的『青森の人』が書かれている一節があって、そこに書かれていることが私のイメージにぴったり当てはまる、とそのお友達が言っていて、気になって手に取りました。
よしもとさんの小説はよく読んでいたけれど、エッセイ集を手に取るのはたぶん初めて。
件の『青森の人』の節は「そうか~」と嬉しくなりながら読み(そのイメージが嬉しかった)、そして読み進め…。
特に感動させようとかという雰囲気もないし、悲しい話は一切書いていない。だけど特に最終章では、『生きるということ』について考えながら読んだりしていて、無意識にほろっと涙が -
Posted by ブクログ
強いメッセージのあるエッセイ集。
いろんな所に行って、いろんな人と出会ってて、
そんな彼女だからこそ書ける内容で、説得力もある。
心の中で、なんとなくいつも自分も思ってたことだけど、
それを活字で見て、はっとさせられる内容が多かった。
「そう!そうだよね!」って。
高知の話も出てきて、なんか嬉しかったな☆
ばななさんいわく、生きるってことは
死ぬ時に持っていく「思い出」をたっくさん作ることなんだって。
死ぬ時には、思い出以外は持っていけないからね。
そして、あとがきにこうあった。
「人生は自分のもので、そして思い出を、
絶対に人にはゆずることのできない、
自分だけのもの -
Posted by ブクログ
よしもとばななのファンではないと思う。でも、よしもとばななを読んでいる時は、その特別な世界に浸れるようでうれしい。王国シリーズでは、呪術の力を持つ女性の言葉で語られる。その4になって、娘から見たこれまでの歴史が再認識できる。あ〜、物語は脈々と流れて行っていたのだ。パパとママとパパ2と呼ばれている彼らが、それぞれ誰であるかに想い至り、来し方を思えば感慨深い。雫石と片岡と楓の微妙なバランスのトライアングルが、雫石の娘ノニの存在で均衡を保ち、つながりを深めていった様子。これまでの時代のいろんなことが、今を迎える必然のように思われる。いろんなつらい事、悲しい事のある人生でも、自分を偽らず乗り越えていけ
-
Posted by ブクログ
2008.09
書店で目に付いたので購入、再読。
疲れきった心身には、よしもとばななさんの文章がとことん沁みるなぁ。
日々の暮らしを見直すのに、ちょっとした自己啓発本よりよっぽど効く。
何者かになることを夢見て自分に向いていないことを無理無理がんばったりしないで、自分も市井の人々の一員だからと楽な心構えで、自分にできることを自分にできる範囲でがんばって、それで毎日気持ちよく眠りにつける生活をしても大丈夫なんじゃないのかな、と思った。
まだ入社数ヶ月の身としては、自分に向いてなかろうが明らかに無理な仕事だろうがまだまだ頑張らなきゃいけないのだけど・・・。
世界中の旅のお話を読むのも楽し -
Posted by ブクログ
すごく楽しく読めました。ばななさんがアルバイトしていた喫茶店の店長さんのお話が印象に残りました。大成功しなくたって、ふつうの人生だって、その「ふつう」がとても大切で輝くものなんだと気づかせてもらえました。あと、イタリアに留学したお友達の話もよかった。精一杯学んで、大恋愛して、失恋して、大いに食べて、相当太って…(笑)、傷つくことを恐れずに開かれた心で、すべてにぶつかっていった彼女の生き方はかっこいい。私も会社員時代、失敗したり恥をかいたり、いろいろ周りから言われてたけど、でも精一杯やったことを、間接的にばななさんに誉めてもらえた気持ちになって、ちょっと嬉しかったです。
-
-
Posted by ブクログ
文庫版あとがきに書いてあった、「弱っているときにしか価値がないともいえるが、弱っているときにじんわりとしみてくる気がする」という言葉が、まさにぴったりな表現だと感じました。
この言葉自体は著者自身の作品に対しての評ですが、よしもとばななさんの作品全体にあてはまる言葉ではないかと思います。
ストーリーのなかで大きな出来事が起こるというよりは、登場人物がゆっくりと時間をかけて回復していく様子が描かれている。リアルな人間の姿ですよね。
だからこそ、平坦でおもしろくないと感じる人もいるとは思います。ただ、人生の重みに耐えられなくなったときに読むと静かに寄り添ってくれるような、そんなお話が多いと感じます