よしもとばななのレビュー一覧
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ネタバレ視力の弱い占い師のパパ、薬草茶作りの達人のママ、そしてパパを愛するパパ2…。3人の親の愛を一身に浴びて育った片岡ノニは、陽光降るミコノス島で運命の出会いをした。その相手は、“猫の王国の女王様”と死に別れた哀しみの家来・キノだった。
その自信以外に、死ぬときに持っていけるものはなにもないんだよ。
あなたはとても優しい子に育ちました。優しい言葉しか言えないくらいに。
登場したときのカリスマ性があまりにもすごすぎて、私はあなたにすっかり夢中になってしまった。これからずっと、どんなに離れていてもきっといつでも心の底からあなたの人生がいいふうであるように、と思う。雨があたるときは少しでも優しく、風があるときにはいつもあたたかい部屋の中にいられるような、そんなふうになにかに包まれるような人生でありますように。最後の最後のお祈りだった。
もしかしたら永久にいなくなってしまうかもしれない、この淋しい世界で。
なんか3で最後だと思ってたから、彼らのその後が知れるのがすごくうれしくて思わず手に取ったけれど、雫石と楓の血を引いた女の子の目線で書かれていてとてもびっくりした。
けど、そこまで違和感も嫌悪感も感じずに普通のことのように受け止められた。
むしろこれまで通りの3人を書いていたらシリーズ化を狙ってるんだなとか考えてしまったかも。(それならそれでもちろん、うれしいのだけれど)
最後の王国1・2・3のあらすじに長編三部作って書いてあるのを見て、長編というより中篇だし3部作ってことはきっと雫石から見た視点で書かれてるのが3作目で終わったからだろうなって思った。
一瞬スターウォーズみたいにノニ編も3部作にするのかなって思って、それならおばあちゃん編・雫石偏・ノニ編ってしたらいいんじゃないかなとか考えた。
内容自体は吉本ばななはこんなかんじだったな~、でもやっぱり王国シリーズの雰囲気や人が吉本作品の中でダントツに好きだな~って感じで、前よりもよみやすくなってる気もした。
ただ、驚いて違和感やちょっと好きになれなかったのが雫石が奔放というか控えめさをなくしてたとこかな。
そんな感じの人ではなかったはずだ・・・と思ってしまった。 -
Posted by ブクログ
恋愛と家族と人生、つまり、人間個体で言えば、全てのこと。
普通じゃない人を偏愛してるとまでに思われる作者は、時に、普通じゃない家庭を上手く見せる。
ゲイのカップルに、飛び込んだ田舎娘とその娘の家庭は、普通じゃないのに、自分の育ってきた家庭を思い起こさせ、自分よりもずっと、品良く育った娘の家族への思いに共感した。
失恋が意味するものと、そこからの回復が意味するもの、私には作者が、同じこと考えてやしないかとさえ、思わせた。
それを表現する言葉の加減には、引っかかるところが多くある。ラストのシュチュエーションは素敵だが、ストレートに物思う作中人物に長々引っ張らせすぎで、作者の人生論を押し付けられたように思う読者も多いだろう。ばなな教信者の私でも、あのシュチュエーションを満喫できなかった。
よしもとばななが鼻にかかる人は、世の中に多い。私小説的なあまり、ばなな作品に寄り添える人はある特定の人だろう。
だけれども、私は、久しぶりに、作者の作品で、楽しめたので、アンチばなな派にこの作品をぶつくさ言われたくないなぁと。
だから、嫌いな人は、読まないでください(^_-) -
Posted by ブクログ
ネタバレ文庫版にて再読。
理由もなく物悲しくなるという件は、とてもよくわかる。
自分自身、そうしたことが時々あるので。
犬などの動物との愛情について
『擬人化はもってのほかだけど、愛は確実に双方にかよっている』
というのはとても秀逸な表現だと思った。
人間と同じ価値観を押しつける愛情はどうかと思うけれど
それでも動物というのは人間が思っているよりとても頭が良くて
無償の愛情を返してくれる。
丁度、大人が思うほど子供が子供じゃないのと同じだと思う。
私はどちらかと言えば小食だし偏食だけれど
誰かと美味しい物を食べることをとても幸せだと思うし
そういうことにかけるお金や時間の余裕が
ある程度大人になって出てきてから、より執着するようになった。
『空気や環境は自分だけではなんともできない。でも、体に入れる食べ物だけは、自分で選択することができる。』
というのは全くその通りで、だからこそ吟味した美味しいものを
大切な人たちと向かい合って食べることには意味がある。
『昔に戻って自然な暮らしをしたい奴はタイムマシンで行ってみろ、不潔さや環境にびっくりするから』
というのには溜飲が下がった。
時期的に、東日本大震災の影響で節約ムードなことについて
「今までが可笑しかったのよ」としたり顔で言う人たちに
それもそうだけどそれだけじゃないでしょう、と思っていた気持ちが
やはりこう思う人だっているよな、と思った。
死ななくていい人の数がどれだけふえたか
とてもありがたいことで、すごいことで、
別にロハスとかスローフードとかを否定はしないけれど
良い面しか見ていない気がする。
『でも1番したいのがおいしいものを食べることなのはげんなり。他にやることがあるだろう』
というのも同意。
東京は地元のアマチュアの演奏を聴いて満足度することが、マイナーに分類されているというのも、確かにその通りだと思った。
自然がなくて、人工物を自然だと勘違いしていて
私には臭くて拷問かというような汚い川の流れる公園で
みんなが喜んで水浴びしたりお弁当を食べたりしているのを見て
びっくりすることがあるのだけれど、
本当に東京は本当の意味での自然が少ないし、
音楽以外にも、何をするにも人目を気にしたり届けがいったり
お金がかかってしまっていて
自由に本来の意味に乗っ取って行動することがうまくできない。
あれこれ考えず興味と勘の赴くままに生きるべき。
忘れかけているけれど、それがとても本来の生き方だし
大切なことなのではないかと思う。 -
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ネタバレこの本を手に取ったきっかけは、お友達からのメールでした。
この本の中に、よしもとばななさん的『青森の人』が書かれている一節があって、そこに書かれていることが私のイメージにぴったり当てはまる、とそのお友達が言っていて、気になって手に取りました。
よしもとさんの小説はよく読んでいたけれど、エッセイ集を手に取るのはたぶん初めて。
件の『青森の人』の節は「そうか~」と嬉しくなりながら読み(そのイメージが嬉しかった)、そして読み進め…。
特に感動させようとかという雰囲気もないし、悲しい話は一切書いていない。だけど特に最終章では、『生きるということ』について考えながら読んだりしていて、無意識にほろっと涙が出るような感覚に陥った。
感動でも悲しくて、でもなく泣く。切なくて温かい感じ?
そういう気持ちにさせる本、恐るべし、と思いました。
この本の中のある一節が物議を醸したらしい。
よしもとさんが知人と都内で食事会をしたときの話を書いた節。持ち込みが禁止されているそのお店に、その日は本当に特別な日で、特別なワインを持ち込んだ。だけどどれだけ頼んでも(周りにお客は誰もいないのに)店主は受け入れてくれなかった。そのことに対して、「人間の幅の狭さ」と苦言を呈している節です。
こういう問題は受け取り方如何だなぁ…と。
ルールは確かにあって、そのルールの中で楽しんで欲しい、と思い融通を利かせない店主の行動はけして間違いではない。1人だけ許してしまうと、その先どんどんルールを崩さなきゃいけない結果にもなりうるし。
私は1人の飲食店経営者として、その店主の気持ちもすごーくよく解ります。
だけどやっぱり気持ちも大事。対象に合わせて臨機応変に対応するのも必要なことだ、とも思う。
そこでの行動如何で、相手の気持ちって如何様にもなると思うから。不快な気持ちで帰らせるよりは、気持ちよく、また次も来たいねって思いながら帰ってもらいたい。
よしもとさんの言いたいことはそういうことなんじゃないかな、と思った。
ほんとに難しいことですけど。私も痛い経験してるから解る(笑)
人間の心の豊かさ。幅の持たせ方。思いやり。
それを意識するかしないかで、人の人生は大きく変わってゆく。
だから意識して生きよう…この本を読んで、そんなことを思いました。 -
Posted by ブクログ
よしもとばななのファンではないと思う。でも、よしもとばななを読んでいる時は、その特別な世界に浸れるようでうれしい。王国シリーズでは、呪術の力を持つ女性の言葉で語られる。その4になって、娘から見たこれまでの歴史が再認識できる。あ〜、物語は脈々と流れて行っていたのだ。パパとママとパパ2と呼ばれている彼らが、それぞれ誰であるかに想い至り、来し方を思えば感慨深い。雫石と片岡と楓の微妙なバランスのトライアングルが、雫石の娘ノニの存在で均衡を保ち、つながりを深めていった様子。これまでの時代のいろんなことが、今を迎える必然のように思われる。いろんなつらい事、悲しい事のある人生でも、自分を偽らず乗り越えていけば、いずれ振り返ってしみじみできるような時も来るのだと。登場人物の中で、私は以前から、毒舌でもえげつなくても片岡が気に入っていた。やっぱり、いいやつだし、素敵に歳をとった彼の言葉が聞けてうれしい。
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Posted by ブクログ
2008.09
書店で目に付いたので購入、再読。
疲れきった心身には、よしもとばななさんの文章がとことん沁みるなぁ。
日々の暮らしを見直すのに、ちょっとした自己啓発本よりよっぽど効く。
何者かになることを夢見て自分に向いていないことを無理無理がんばったりしないで、自分も市井の人々の一員だからと楽な心構えで、自分にできることを自分にできる範囲でがんばって、それで毎日気持ちよく眠りにつける生活をしても大丈夫なんじゃないのかな、と思った。
まだ入社数ヶ月の身としては、自分に向いてなかろうが明らかに無理な仕事だろうがまだまだ頑張らなきゃいけないのだけど・・・。
世界中の旅のお話を読むのも楽しい。
2010.07 -
Posted by ブクログ
すごく楽しく読めました。ばななさんがアルバイトしていた喫茶店の店長さんのお話が印象に残りました。大成功しなくたって、ふつうの人生だって、その「ふつう」がとても大切で輝くものなんだと気づかせてもらえました。あと、イタリアに留学したお友達の話もよかった。精一杯学んで、大恋愛して、失恋して、大いに食べて、相当太って…(笑)、傷つくことを恐れずに開かれた心で、すべてにぶつかっていった彼女の生き方はかっこいい。私も会社員時代、失敗したり恥をかいたり、いろいろ周りから言われてたけど、でも精一杯やったことを、間接的にばななさんに誉めてもらえた気持ちになって、ちょっと嬉しかったです。