よしもとばななのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「よしもとばなな」と名乗っていた時代の、最終盤のころの作品か。
先日読んだ、宮本輝との対談のなかで触れられたいた作品。
その後の「ふなふな船橋」「不倫と南米」といった作品より、より昔読んだ、ばなな作品のトーンをまとっていて、懐かしい。
まこと嵯峨、信頼関係でむすばれた若い二人、近親の死が身近くただよう雰囲気もデビュー当時の作品を思い出させる(もう、かなり遠い昔で、かすかな記憶だが)。
ストーリーも、あまりない。というか、物語の起伏もあってないようなもの。
設定と、会話、彼らを包み込む世界の空気感を楽しめれば、ばなな作品はOKだ。
「ここに出てくる人たちは脇役も含め、みんな「鳥たち」なんだと思って、このシンプルなタイトルにしました。」
と、著者あとがきに記されている。
鳥に、どんなイメージを抱いているか、個々人で差がありそうだけど、自分は、主人公のふたりは、作中でも、すこし触れらた、「ニーム」のようだと思った。
「ニームは寒さに弱いから、冬は当然家の中で育てる。」
そんな植物のような二人だった。
見事な、言葉遣いに絶えず感心しながら読んだ。
どんな形容詞も、ただ使ってない。「優しい」も、そのままでもいいのに、どんな風に優しいのか補ってある。うまいなあ、そういうところ。 -
Posted by ブクログ
何気ない日常の中に
ふと現れる非日常が綴られている
別離が待っていると分かっているのに
人はどうして触れてみたくなるのだろう…
出逢って 触れて 得て 恋をして…
当たり前のように生きていることが
実は絶妙なバランスの上になりたっていて
とても危うい世界の中を 奇跡の連続で
歩んでいるのだと気づかされる…
ちひろや中島くんの
慎ましく 誠実で 嘘がないところが好きだな
過去に傷を負ったふたりだからこそ
寄り添いながら
相手を想いやる言葉 一つひとつに
懐の深さを感じる
全ての感情に共感するわけではないけれど
ふと見せる断片的な輝きに救われた想いになる…
いつも淋しさの果てまで
連れていかれる文章なのに
最後には必ず 心の拠り所を
ちゃんと残してくれている
ばななさんの言葉たちは
私にとって心を調律する大切な贈り物です -
Posted by ブクログ
ネタバレ田舎ならではの暖かさや人との繋がりの温度感は伝わってくる。しかし、登場人物の大半に超能力(?)があるのは予想外で、運命だと無理やりこじつけている気がした。
主人公への感情移入もできない。
18歳からの8年を不倫相手だけに捧げたからなのか、多面的に物事を見る力に乏しい。
不倫という関係性において、病気の奥さんよりも自分の方が辛いという意見は私には聞き入れがたかった。
全体を通して見ると、すっきりとまとまっており、主人公が失恋から立ち直るまでの心境の変化が丁寧に書かれている。彼女がこの先どの道を選ぶか、どの道に進むのかは分からないが、この本を通して成長は遂げたと思う。
この作品において、私はみつるの母が一番好きだ。
病床に臥せったとしても、ただ死を待つのではなく、自分の気持ちと折り合いをつけ、回復をじっと待っているその姿は、私が今1番手本とするべき考え方だと思う。
失恋した時に見ると、また違う感想を抱くのだろうか。今はあまり、ピンと来ない。 -
Posted by ブクログ
さやかの義理のお母さん、すっごく素敵な人だなあ。
どんなことも自然に受け止めて自分で解釈して慌てない、憧れる。
バリ島出身だったり登山やスポーツが趣味だったり、自然に近い精神の人が多く出てくる。
自分も母がそんな側面も持っている上に田舎育ちだったので、懐かしい気持ちも持ちつつ読んだ。
スピリチュアルな感覚についてはあまり共感できないが、人の想いが伝染して大きな力になる、というのはわかる気がする。
年を経たらスピリチュアルもわかるようになるものなのか…?
"人はたまにふるさとを訪れたほうがいいのよ。そうすると思ってもみないくらい素直に、気持ちが原点に返っていくから。"
上記はとても共感する一文。