山本弘のレビュー一覧

  • SF JACK

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    いろんなジャンルのSFがある。
    楽しくてワクワクってよりも、ちょっと手を伸ばすのに躊躇してしまう怖さを含んでいるかのような。

    山田正紀著
    「別の世界は可能かもしれない」
    以降はそんな感じに思えた。

    宮部みゆき著
    「さよならの儀式」
    はホロってくる感動作

    夢枕獏著
    「陰態の家」
    有名で知ってはいたけど初読。読みやすいし、傀儡(くぐつ)屋の妖的な話に引き込まれる。

    新たな作家さんの発掘にもなったかな。

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    2016年05月11日
  • 神は沈黙せず(下)

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    ネタバレ

    上巻で論じられている、ファフロツキーズ、ダーウィンズ・ガーデン、ドーキンズ・ガーデン、アーフとミーム、フェッセンデンの宇宙、中国語の部屋などについて、膨大な情報を蓄えれば蓄えるほど、下巻をより楽しめると思われる。

    上巻は情報量が膨大で学術論文を読んでいるように感じたが、下巻は上巻より物語主体だったので楽しめた。

    月に現れた「神の顔」はどんな顔なんだろう、ありとあらゆる超常現象が頻繁に発生する世界に入り込んで見てみたい、「怖い物見たさ」の興味をそそられた。

    「正しく生きたいから、正しく生きる」という優歌の思想には共感できた。

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    2016年03月01日
  • 地球移動作戦(下)

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     山本弘の小説で鼻白むのは人物造形。何だかアニメみたいで、読んでいる方が気恥ずかしくなってしまう。と思いながら、「アニメみたい」ということの内実をきちんと論ずるのが難しいことに気づく。なぜアニメみたいと思うのかうまく言語化できないのだ。登場人物たちの会話がアニメに出てきそうな感じだからというのもあるだろうが、人物造形そのものにアニメ臭さがあるようにも思う。だからといって人物に葛藤がない、というわけでもない。だが、何だか人物が複雑じゃない。
     そこまで考えて、こんなことを思いついた。アニメの登場人物はまずは絵として演出されたものが作られ、その後に、声優が声で演ずる。アフレコである。極言すれば作画

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    2016年02月07日
  • アイの物語

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    ネタバレ

    SFは苦手意識があったけど、この本のお話はどれも読みやすいし、いい感じでまとまってた。
    仮想現実の世界の話や宇宙の果ての話など、いろんな世界観の話があって飽きずに読める。
    「詩音が来た日」は長いけど、最後は感動できた。こんな世の中になったらいいなって思える。

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    2021年06月23日
  • トワイライト・テールズ 夏と少女と怪獣と

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    『トワイライト・テールズ 夏と少女と怪獣と』山本 弘 著  角川文庫刊

    山本 弘による怪獣小説『MM9』3部作の世界で起こるスピンオフストーリー4編を集めた短編集。正統派な怪獣SF小説として描かれた一作目の『MM9』でみられたハードなドラマ展開から一転、『MM9―invasion―』『MM9―destruction―』に観られるボーイ・ミーツー・ガール、少女と怪獣といったライトノベル寄りのコンセプトを継承するストーリーではあるものの、少年の自立、ミステリー仕立ての冒険譚、疎まれた者の心と神の存在、自然と文明といったシリアスなテーマを「怪獣のいる世界」の中で短編で描き切った秀作ぞろい。
    中でも

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    2015年12月11日
  • 怪獣文藝の逆襲

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    大倉崇裕「怪獣チェイサー」がよかった。自分、MM9シリーズみたいな怪獣に関する架空の職業について書かれた小説が好きなのかもしれない。プロフェッショナルは格好良い。

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    2015年09月30日
  • 神は沈黙せず(下)

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     神は存在せず、死後の世界はなく死すればすべて無になるのであれば人間存在意味はない。人間は人間に都合のよい神を創作し、有はしない死後の世界を語る。ならばこの世界の存在理由とはなんなのだろう。てなことを考えてみて眠れぬ夜を幾夜過ごしたことだろう。この症状を世の中では中二病発症という。本書は真っ向から中二病に立ち向かった内容となっている。これはこれなりに評価は高い(笑

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    2015年07月21日
  • 神は沈黙せず(下)

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    上・下巻と神が人間世界とどのように関わっているかを議論している本作品。
    考えたこともない視点から描かれていて、
    とても興味深い本となりました。
    そして、気になる結論は、私の好きな感じで終えておりました。
    この本を読んだ方々と自分の考えを議論したくなる作品でした。

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    2015年07月08日
  • 神は沈黙せず(上)

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    著者の知識の豊富さに驚かされる作品。
    フィクションなのか、ノンフィクションなのかが分からなくなってしまうほど巧妙な構成。
    この本は強い影響力を持つと感じる。
    また、万人受けする内容ではないと思う。
    しかし、超常現象やオカルト、都市伝説などが好きな方は非常に興味深いものとなると思われる。

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    2015年07月03日
  • 怪獣文藝の逆襲

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    2013年に刊行された「怪獣文藝」の続編として、怪獣と怪獣が跋扈する世界をこよなく愛する映像作家(監督)と小説家による持ち前のセンスを生かして書き上げた怪獣短編小説で構成したアンソロジー集の第二弾。
    前作が怪異な世界観をメインテーマに据えて構成したミステリー、ホラー色の強い怪奇小説作品集としての仕上がりは≪怪獣小説≫を期待した読者の評価が二分した結果を踏まえ、今回はより具体的に怪獣の暴れまわる事件に焦点を当てたビジュアル的なストーリー展開の作品で構成されている。映像でストーリーを読ませる映画監督による文章表現と、文章を用いてビジュアルをイメージさせる小説家の双方が「怪獣」をテーマにした競作は≪

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    2015年11月05日
  • 闇が落ちる前に、もう一度

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    SF短編集。しかしもともとホラー文庫で出すために書かれたそうで、そういう風味で読みやすい。しかし科学で原理や未来について考える必要がある問題は、哲学に近くなるね。高度な人工知能は心を持つと言えるのか、とか。

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    2015年01月19日
  • ゴーストハンター ラプラスの魔【完全版】

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    評価★★★:そのジャンル(ゴーストハンターや、ホラー系TRPGや、クトゥルフやら)が好きなら手を出してみてもいいかも

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    電源ゲームはやったことはない。
    TRPGでゴーストハンターシリーズは遊んだことがある。
    以上の状態で、実は「ラプラスの魔」を読むのは初めて。

    TRPGのリプレイなどで登場人物の何人かは把握できていたし、クトゥルフ系ネタも少しは理解できたので、読むのがラクチンだった。

    傾向はホラー、SF。
    ついでに1920年代に興味があるとなお読みやすい。

    導入はいわゆる幽霊屋敷探検だが、後半は一転して舞台が広がる。
    恐怖の規模も大きくなるのだが、逆に大きすぎて読

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    2014年10月12日
  • MM9 ─destruction─【文庫版】

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    前半のラノベ展開にはちょっと引く。だって怪獣=災害という話なんだからこれ災害小説なんでしょ? ラノベにするなよぉ・・・。書いたの3.11以降なんだし。1巻は災害小説だった気がするだけに。
    ただ後半の怪獣大戦争は燃える。これ以降は完全にきぐるみ特撮の映像で読める。特撮からの引用もいっぱい。

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    2014年09月12日
  • MM9 ─destruction─【文庫版】

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    新たなストーリー展開の『MM9』、前作からの「神話は怪獣の物語だ!」のテーマで怪獣の存在を古くから伝えられる世界の神話になぞらえたハッタリの利いたトンデモ設定でノリノリな完結編的展開が楽しかった。そのテーマ故、妙に理屈をこねまわす大人な解釈で話を進めるよりもラノベ調へ振った展開は返って肩がこらずに明るい気分で読めたので正解だろう。 特撮映画や特撮ドラマ好きへの小ネタも満載。しかし、怪獣小説の難しさ故にネタの膨らまし方にも限界が視えてきた感もあり、「ここらが潮時!」っといった≪潔さ≫も気持ちが良く三部作を堪能できた。

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    2015年11月04日
  • MM9 ─invasion─【文庫版】

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    ウルトラマン世代ってどのくらいの幅があるのだろうか。Qを含むウルトラマン・シリーズへのオマージュ。舞台は2012年の日本のように見えるが文中で時折語られる歴史が一部改変されていることからここがパラレルワ―ルドであることが分る。自然災害の代りに怪獣災害が繰り返される世界を描いたシリーズ第二作。ウルトラマンの役を巨大怪獣少女が務めるという元祖オタク作家的展開。当初は激しく違和感を覚えるも知らぬ間に設定に馴染んでいる私がいた。お約束の三分間ネタも出てくる。見方を変えれば異類婚姻譚という伝統的物語世界とも言える。

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    2014年06月26日
  • MM9 ─invasion─【文庫版】

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    好きなジャンルであり、初作も楽しめたのでハードカバー版もすぐにでも読みたかったのだが文庫本をコレクションしている身としては 文庫版になるまで「じっと我慢の子」は長かったなぁ。
    前作のコンセプトが、元々は特撮を用いた大人向けの怪奇ミステリーシリーズ『アンバランス』から派生した『ウルトラQ』の形態を踏まえており、大人でも楽しめる「気特対」の面々の視点でドラマが構成されて≪怪獣版・怪奇大作戦≫となっていたのに対し、第2部の本作は最初から少年向けの特撮冒険活劇として企画された『ウルトラマン』のド!ストレートなリスペクトであり、巨大ヒーローストーリーを照れることなく真摯に胸を張って挑んでいる所が気持ち良

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    2015年11月04日
  • MM9【文庫版】

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    プロットそのものはハチャメチャで奇想天外であるにも関わらず、登場人物自体が常識的な範囲なので、実際にあってもそうなるのではないかと言う感じで現実感がある。特殊能力を持つ特定のヒーローが登場するわけでもないのに、ストーリーが展開していく面白さが印象的。さりげなく散りばめられた人間としての存在意義と自然との関わり合いとの間の矛盾点に考えさせられる。シリーズ物のようなので、次にも期待。

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    2013年12月20日
  • 去年はいい年になるだろう

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    ネタバレ

    アンドロイドが改編した時点でパラレルワールドになるとしても、過去の人類の生活を改善しようとタイムトラベルしに来るというお話。うーん、そういう思考をするようになるかな。。
    AIの思考は、人類と接触するのであれば、チューリングマシーン的にある程度相互理解が可能なやり取りを出来るようでなければならないとは思うのだけど。どうもその思考にリアリティを感じない。
    超越者が神様にしろ、宇宙人にしろ、未来人にしろ、アンドロイドにしろ、物語にするために、顕現させるとこういう発想になりました、ということかな。
    2300年で概ね人類の幸せのためにやれる事はやり尽くして、後は過去を改編して幸せに感じる人間の総量を増や

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    2013年04月30日
  • UFOはもう来ない

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    異星人とのファーストコンタクトものではあるが、そもそも異星人二抱くイメージというか幻想というものが地球人全般的に広く誤った認識で捉えられていることが、少し少しの嘘と意図的な事実の隠ぺいにより、蓄積された歴史によって積み重ねられたものであり、この辺りの蘊蓄が作者らしいところではあるが、逆にここに拘り過ぎたが故に、物語が小さくなっているのではないかと思われる。全く価値観も世界観も異なる異星人とのコミュニケーションや、異星人側の思考が地球人と殆んど変らないこととか、異なる進化の過程を経て、同じ生物ではあるものの、同じ大気組成や同じ重力下で生存できるのも違和感が残る。ただし、確かにファーストコンタクト

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    2013年01月27日
  • UFOはもう来ない

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    宇宙には神も仏も存在せず、生命体は死んだら全て無に帰すという世界観には一抹の寂しさを覚えるなぁ。

    そもそも、死んだら何も残らない非情な世であれば、おそらく不死が究極の目的になるだろう。

    にもかかわらず、宇宙の開闢以来、数多の文明が未だそれを実現(努力)していないというプロットになっている。

    それはいいとして、

    もしも科学の発達によって目出度く不死身の生命を手にしたとする。

    そうなると、無常(世代交代)を断ったそれはもはや生命の定義から外れて、永遠の停滞が約束される。それから逃れるには自殺が唯一の手段となる寂寞たる世界。

    否、自殺さえ不可能な状態かもしれない。

    う~ん恐ろしいですね

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    2013年06月21日