あらすじ
数百年後の未来、機械に支配された地上で出会ったひとりの青年と美しきアンドロイド。機械を憎む青年に、アンドロイドは、かつてヒトが書いた物語を読んで聞かせるのだった――機械とヒトの千夜一夜物語。
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特に第6話がいい
おそらく作者山本弘の代表作と思う。この作者の小説は時々説教臭が鼻につくことがあるがこの本はその点が薄めで読みやすい。
特に最近進歩が顕著で身の周りにあふれ出し始めているAIの未来像 その光と影を描き出し問題提起している。もちろん単なる啓発書ではなくSF小説としても素晴らしく面白い。特に第6話の最終行など、出来のいい映画の一画面を見るような思いがした。
Posted by ブクログ
SFが苦手な私でも楽しく読める作品でした。アイビスが読んだ物語、どれも好きだけど、特に「詩音が来た日」が好きでした。介護業界で働く身としては、ぜひ実現してほしいな。長編小説としても、短編小説としてもおもしろかったー。
Posted by ブクログ
アンドロイドと人間に関するお話。
短編集と長編が混じったような形で、読み進めていくにつれて、物語の世界観とアンドロイドの目論見が明らかになっていくので非常に面白い。
「詩音が来た日」は特に好き。面白いだけでなく考えさせられる内容。読み終えた後、瑠璃色の地球を初めてフルで聞きました。
2000年代の美少女ゲームにあった壮大なスケールのSF作品を思い出しました。
Posted by ブクログ
マシンが君臨する未来の地球。アンドロイドが僕に語るのは、人間とロボット(AI)の関係性の物語。
過去に発表した短編を組み込む構成のすごさ。ヒトとは何かをマシンとの関係性から見出す。絶望の遙か先にある希望を掴むのは物語(フィクション)の力。それが嬉しい。
Posted by ブクログ
【人間はみんな痴呆症だ】
原文ママではないが、まあ上記の一文を目にした瞬間に星5評価が確定
久々に痛烈なキラーワードに出会えた
「この一言のために作品全体を執筆したのでは?」
そう思いたくなるほど個人的には目の覚めた痛烈な一文
映画も漫画も人間関係も職場での出来事も何でもかんでも、何もかも寸分たがわず覚えている人なんていない
無意識か自意識か、何か引っかかった断片的なワンシーンだけが後から頭の中のスクリーンに投射される
だから、個人的に突き刺さるワンワードを持つ作品は、それだけで自分の中で高い価値があるはずだ
AIという人ならざる存在から通した人の不完全さ、人の見たいように見てしまう生まれながらの自己防衛本能
これらを巧みに、7つの物語を通して説いてきたわけだが、
【人間はみんな痴呆症だ】
スカッとする善き一文
多分これは、生涯忘れないキラーワード
Posted by ブクログ
人類が衰退しマシンに支配された世界で
語り部である「彼」はアイビスというマシンに物語を聞かせられる
その目的とはなんなのか
物語はフィクションであり真実ではない、が真実以上の力がある。
人間はフィクションの中で生きている
外界を内面に映し出し、それを主観的現実と認識して行動や思考を決めている。
その認識に齟齬が生じた場合、マシンであれば修正し正しい考えに書き換えることに抵抗を持つ事はない
しかし人間はしばし自らの考えに固執し、正しい情報を拒否してしまう(ゲドシールド)
そしてそれを自覚することが難しい
詩音の言う「すべてのヒトは認知症なのです」はヒトの確信をついていると思う
しかし、人と違いマシンはヒトが劣っていることを蔑むことはせず許容する事ができる
世の中には問題の本質や答えであると思える物語が溢れているし
ラビが「自分の嫌なことを隣人にしてはならない」という明快な答えに辿り着いているというのに
なのに、間違いがなくなる事がない
全てのヒトがその物語を読んでいないから、知っていないからということもあるだろう
或いはゲドシールドに阻まれて、その本質を見る事ができないということもあるだろう
ヒトが愚かであることを許容し、正しいことをしようと何度も思うしかない
物語としても面白い上に、ヒトとはなんなのか、自分とはなんなのかを考えさせられる物語
何度でも読みたい
Posted by ブクログ
人類が衰退したあとの世界で、主人公とアンドロイドのアイビスが出会うところから物語が始まる。アンドロイドを憎む主人公にアイビスが話したのは、いくつかの物語だった。
この作品は、作者の過去作をアイビスが語るスタイルで読むことができる短編集であり、話が繋がることで長編になるように構成されています。
ひとつひとつのお話も面白く、すぐに読み終わってしまいました。本当にアンドロイドがいたら、こうなるだろうな、こんな問題が起こるのだろうなとリアルに想像ができた。本当、きっとこうなる。
「紫音が来た日」では、人の心を救うということについての答えを見た気がする。「ミラーガール」では、子供の頃に人形を友達にしていた気持ちを思い出し、「宇宙を僕の手の上に」では物語のもつ力を、インターネットを始めたばかりのときの気持ちと合わせて想像して感じた。
後半、自分の想像を超えてアイビス、アンドロイドたちが別種の生き物として懸命に生きて見えた。ひとにこの話が書けるならまだ大丈夫なんだと思えました。同じことを願うひとがきっと居る。居たらいいな。
アンドロイド語に少しはまりました。
(5+7i)
Posted by ブクログ
豊崎由美のあとがきに共感する。
山本弘は物語で世界を変えようとしている。
『アイの物語』は強いメッセージのこもった本だ。
あらすじの通り、アイビスが読み聞かせるのは6つの物語。
「宇宙をぼくの手の上に」
「ときめきの仮想空間」
「ミラーガール」
「ブラックホール・ダイバー」
「正義が正義である世界」
「詩音が来た日」
「アイの物語」
こうして並ぶからこそ多少の差は出るが、すべて☆5でいい作品たちだ。
書き下ろしは最後の2作品だけだが、その他は初出の時期がバラバラで、それを一冊にまとめてひとつの物語を紡ぐという構成力がすごい。
一つ一つの物語を見ても、構成の上手さが光る。
SFなので都合の良い設定を生み出しやすいとはいえ、それをどう使うかは力量次第。
この作品では設定されたものは使いつくされる。
情報に無駄がない。
構成をいじって、山本弘がよりうまく伝えようとしたものは何か?
それは「i」だよ「i」。
人間というものは、とにかく自分のものさしではかろうとする生き物だと考えさせられる。
作中にある通り、「フィクションは『しょせんフィクション』ではない」。
現実の言葉だろうがフィクションの中の言葉だろうが、その言葉自体の重みは変わらない。
それどころか、物語の方が現実より正しいことは往々にしてある。
『アイの物語』には真実が書かれている。
たくさんの人に読んで欲しい。
Posted by ブクログ
#日本SF読者クラブ 自殺騒動も記憶に新しい山本弘氏の作品。人類が衰退し、マシンたちが繁栄する、まるで「ターミネーター」のような未来の地球(ここ重要です)。美しい女性型アンドロイドに囚われた「僕」。彼にいくつかの物語を聞かせるアンドロイド「アイビス」。そう未来の千夜一夜物語だ。
そもそも本作は、作者が別々に発表した短編に書下ろしの2編を加え、インターミッションで繋いで一つの長編にしている。それぞれの短編も面白いし、長編としてもうまく構成されている。特に書下ろしの第6話が効いている。そして最終話で、前述した重要ポイントの真相が明らかにされる。7回日本SF大賞候補、吉川英治文学新人賞候補になるのもうなづける。
Posted by ブクログ
いやー,久しぶりに続きを読みたくなる小説を読んだ。作者の山本弘氏があのトンデモ学会の初代会長だとは知らなかった。あのトンデモ系統の本なら,ずいぶん読んだけど…。
本書は,近未来,AIが人間にとって変わっている地球の社会を描いたものなのだが,それに至るまでの話(それは,小説内小説となっているのだ)が面白かった。〈以前人間が書いたという設定の6つの話〉と〈主人公のAIアイビスの生い立ちの話〉の計7話でできている。
現実なのか小説なのか,フィクションなのかノンフィクションなのかが,そんなに大切なのか…という呼びかけが随所にあって,それがまた説得力を持って迫ってくる。
「分かってる。ヒトは『真実の物語』というやつに感動するものだから」アイビスは僕の考えを引き取った。「それが真実じゃないと知ると,感動が色褪せるように感じる。でも,それはフィクションという物の価値を否定することにならない? 現実にあったかどうかを,物語の評価判断にするのはおかしいわ。現実の物語には,三流のフィクションより出来の悪いものは山ほどある。それらは現実だというだけの理由で,フィクションよりも優れているの?」(p.73)
だいたい,人間が支配していた世界より,AIが支配している今の世界の方が,「ヒトの夢を叶えている」という点では,完全に上をいっているのだから。
アイビスはいう…。
私たちにとって,差異は差異でしかなく,それ以上のものではない。…中略…一部のヒトは,AIにはヒトの感情が理解できないと批判する。それは事実である。たとえば私たちには「蔑む」という感情は理解できない。スペックやボディ・カラーや出身地の違いがなぜ憎悪や嫌悪を生むのか,論理的にも感覚的にも納得できない。ヒトが犬やネコや熱帯魚に愛情を注ぐ姿を目にしているのだからなおさらだ。ヒトよりも知能が低く,言葉を喋らず,ヒトとまったく異なる姿をした生き物を愛せるのに,なぜヒト同士で愛し合えないのか? (p.499)
わたしは「まったくそのとおりでございます」としか応えられない。アイビスというAIの言葉は,ヒトの持つ矛盾を容赦なくついてくる。そして,ヒト同士が争わない世界は,AIが支配してくれる世界なのではないかと思えてくる。ヒトは,自分たちだけではみんな仲良く生きていけないように「感情」を持っているのだろうか。
一部のヒトが,AIを壊そう,滅ぼそうとしていること(バチャクル,反TAIテロ)に対して,アイビス曰く。
「私たちはバチャクルや反TAIテロを容認しているわけではありません。そうした悪しき問題の根絶を強く望みます。しかし,それは暴力や恐怖によって成し遂げられてはなりません。暴力に暴力で,恐怖に恐怖で対抗するのは,決して正しいことではありません。」(p.534)
そんなことAIに言われるまでもなく分かっているよ。分かっているのに,このヒトが支配している地球からはなくならない。そう,ヒトはアイビスほどにはわかっていなんだよね。
本書の最後の次の一言が,秀逸です。
わたしたちはヒトを真に理解できない。ヒトも私たちを理解できない。それがそんなに大きな問題だろうか?理解できないものは避けるのではなく,ただ許容すればいいだけのこと。それだけで世界から争いは消える。/それがiだ。(p.544)
アイの物語のアイとは「アイビス」であり「i(複素数,虚数)」であり,「愛」なのだろう。ホント,壮大な物語だ。
スマホやパソコンでのゲームなど全くやったことのないわたしでさえ面白く読めたのだから,バーチャルな世界に興味がある人は,もっともっとのめり込んで楽しめると思う。
ほんと,オススメの本。
バーチャルな世界のほうがまともかも知れない…と思ってしまう。
「死んでもなんども生き返る世界」を体験しているから命を粗末にするようになるなんてウソだ。ヒトは,バーチャルな世界がないときから,一つしかない命を粗末にしてきたのだから。
今こそ,バーチャルな世界からの警告をしっかり受けとめよう。
Posted by ブクログ
人工知能による調和のとれた『ハーモニー』(著.伊藤計劃)と世界規模の少子化におけるシンギュラリティ。
人工知能は憎しみも愛も無いから調和された世界を作り出す。
これはユートピアなのか、人類のポストアポカリプスか。
Posted by ブクログ
いやー本当に久々に興味をそそられた!!この本でのアイとはAIで人工知能の物語。
普通のSF小説だと思っていたら何とも唸ったです。
自分の人工知能に対して無知な事と、いかに人間は論理的でないかと思い知らされた。そして人間は感情の生物だと痛感!
物語は基本的に短編集だけど、主人公達が短編を論じていくので深みにが出てくる。
特に「詩音が来た日」は名作だと私は思う。人間を論理的説明して、AIはこう考える!というのが至極納得させられる。
そして主人公の感情移入に全く同感なのだが、詩音に論じられた時の感情は読者として凄く腑に落ちて私は唸った…
SFだろけど…今までに無い本を読んだ感じで大満足!久しぶりに、作家の氏名を心に刻みました。
Posted by ブクログ
アンドロイドの語り部が人間の聞き手に過去の物語を読み聞かせる、未来版『千夜一夜物語』という表現がぴったりな一作。『ターミネーター』しかり『マトリックス』しかり、いつの時代もSF作品内でのロボット、機械、アンドロイドは人間を脅かす存在だった。本作もその例に洩れず、機械の反乱によって荒廃してしまった近未来が舞台となっている。
何故人間は機械の反乱を恐れるのか?機械と人間の真の共存とは何なのか?という問いかけを巡る7つのストーリーはどれも考えさせられる。「ミラーガール」「ブラックホール・ダイバー」「詩音が来た日」「アイの物語」は特に読み応えがあった。それぞれを独立した短編として楽しむこともできるし、一冊の中で作者が主張したい要素を盛り込んだ連作として楽しむことができるのが凄い。
機械を生み出したヒトが偉いのか、ヒトよりも高度な知能を持った機械が偉いのか、その答えのヒントが見つけられる名作。
Posted by ブクログ
小説としては連作効果が良く働いていると思えないし
作者の好みを上手く見難くしてより良く受ける話にできると思うが
SFとして最後の大ネタは実に素晴らしかった
たんに知らないだけだろうけれど今までにない転換で
サイエンスフィクションでもサイエンスファンタジーでもどちらでも良いが
物語発想として見たことなかった
読んで良かった
追記:『都市と星』とどちらを先に読むかで評価が変わる好例
Posted by ブクログ
読み終えた時、人間はなんて不完全で不安定な生き物なのだろうと感じた。だからこそ深みや面白みもあるのだろうな、とも。人間は基本的にエラーを起こす生き物である事を意識するってかなり衝撃でしたし、新しい価値観を得られました。
この物語には、心穏やかに生きる為の「ヒトのあり方」が書かれているような気がします。
SFものではあるがとても読みやすいのも素敵です。
AIが普及している現代社会、それぞれが身近に本当に起こり得そうな話が多く没入できました。
Posted by ブクログ
新しい年が明けたけど、年賀状もおせちも無いお正月はさしずめ『門松は冥土の旅の一里塚めで度くもありめで度くも無し』といった具合。
その年頭に読む、衰退した人類に代わりマシンが支配する未来のお話。これが深い。
食料を盗んで逃げる途中に女性型アンドロイドに捕獲された“僕”。
アイビスと名乗るそのアンドロイドは、僕に対しロボットや人工知能に纏わる7つの物語を読み聞かせる…。
題材以外に関連性もない物語は、しかし、マシンと人の歴史の真実を少しずつ露わにする。
6つ目の「詩音が来た日」で介護用アンドロイドが辿り着いた結論に唖然とし、最後の「アイの物語」で語らえるマシンの価値観と行動に慄然とする。
ヒトが如何に非論理的で非倫理的であるかが浮き彫りにされ、これからどれだけ経ってもヒトが達することはない高みがあることを思い知らされながら、それでもヒトがヒトとして生きる美しさと未来への可能性を示唆する。
Posted by ブクログ
この本のここがお気に入り
「僕は彼らにこっそりと新しい物語を伝える。ヒトを不幸にするだけの自虐的な歴史ではない、ヒトが誇りを持てる物語を。たとえマシンには勝てなくても、ヒトには誇るべき点があるということを。それは夢見ること。理想を追うこと。物語ること。」
Posted by ブクログ
人類が衰退し、マシンが闊歩する時代。食料を盗み、捕らえられた僕はアイビスと名乗るアンドロイドによって人工知能やロボットを題材としたいくつかの物語を聞かされます。なぜマシンが地球を支配するようになったのか?
私たちの暮らすこの社会でも、AIの普及や、ロボットの活躍を目にする機会が増えています。便利になること私たちの生活を豊かにするかもしれません。ですがその分人間が本来持つ能力を衰退させてしまうことにも繋がるのではないでしょうか。
Posted by ブクログ
自律した被造物のアレする世界、は作品の底で通底してゐる。
松田聖子が偉大であると知れる。
ロボの進化と言ふのはどう言ふものかが突き付けられる。
いい感じ。
Posted by ブクログ
長年積んでいた1冊。
個々で自我を持つようになったAIと人間とは共存できるのか。
一昔前から沢山のアニメや映画、小説などで使われてきたテーマ。
とても読みやすいのでSFに馴染みがない人でもすんなりと読めることが出来る作品だと思う。
人間の手から生み出されたアンドロイド達だが
なんと言うか…あぁ待っていてくれたのね、ずっと。
人間の本質というものを改めて考えたくなった。
優しさもあるが、良くよく考えると薄ら寒くもなる。
Posted by ブクログ
「人類は全員認知症である」
「人の倫理観は麻痺している」
「理解出来ない物を退けるのではなく許容する事、それだけで争いは無くなる、それがiだ」
SFって面白い!ってなった小説。
Posted by ブクログ
AI元年と呼ばれていた2015年が既に過ぎ、さてこれからどうゆう進化が進むのか、ブレイクスルーと言われる時点がいつくるのか、色々興味は尽きないわけだけれど、SFというものの魅力、物語の持つ力、というものを改めて深く感じる作品だった。
ゲドシールドを築きあげてしまうと、もはや「自分の信じたい」ことを真実と疑わないわけで、コレは怖いよなぁ、と。
現代人の抱える様々な問題も、このゲドシールドが根本であるのは間違いない。
ヒトとはかくも愚かで、頼りないあやふやな存在なのか。
Posted by ブクログ
作者の美少女趣味が全開だが、内容は至って真面目。AI=人工知能を持つマシーンと人間の交流がテーマ。本筋の物語はもちろん、“作中作”も粒ぞろいで飽きさせない。特に介護用アンドロイドの話が秀逸。最後の「アイの物語」では、AI同士の会話が意味不明なのがかえってリアルっぽい。山本弘らしい、読み易いのに奥深いSF。「詩羽のいる街」も読みたくなった。
Posted by ブクログ
AIの世界、言語すごく難しかった。根気強く最後まで読み切ってやっとこの本の良さが分かった!私も無意識のうちに自分で作った物語の中に生きているんだろうなぁ。。
限りなく現実に近い世界観!良かった☺️
Posted by ブクログ
SF。
7作の中短編を、プロローグ、インターミッション、エピローグで繋いで長編とする構成。
それぞれの短編は、ライトノベル的な軽いノリと、ゲーム的な設定。
そのなかで「詩音の来た日」が素晴らしかった。個人的には本多孝好『MOMENT』の「FIREFLY」に似た読後感。
表題作はアクションシーンが好きではない。ただ、最後のインターミッションとエピローグで挽回。
読みやすく、読み応えがある、人に勧めやすいSF。良作。☆3.5。
Posted by ブクログ
人間とAI(ロボット)の物語。これからの未来の世界で本当に起こるのではないか思える内容もあり、面白かった。改めて感じたが、人間は脆い。体力も知性もAIに勝てないかもしれないが、人間には想像し、物語り、夢を持つことが出来る。自分にも出来ることがあるのだと希望が持てた。特に詩音の話が印象に残っている。自分だけで生きるのではなく、共存して生きていければと思った。また、自分の価値観にハマることの怖さを改めて感じた。専門用語に対して、自分の理解が追いつかず、読むのに時間がかかったが、内容は素晴らしかった。
Posted by ブクログ
もしAIが人間を支配する社会を構築したとして、人間を絶滅させるか、管理するに留めるか、ひとつの可能性がまるで実際起こったことのように描かれていた。ただ、ロボットに存在の目的をどうインプットしても、人類の自由度はかなり減るように思う。今みたいに思いつく限りの欲望を実現することはできなくなるんだろうな。