山本弘のレビュー一覧

  • 闇が落ちる前に、もう一度

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    ホラーがかったSFの思考実験が中心の話5つ。もしも世界が8日前に始まったものだったら、AIが殺人のために、別の人格を持った人物を想像したとしたら…等。

    思考実験的なAIの話は、わかるんだけど他の作品よりも怖くもないし意外性も少なく、何でこれだけSFマガジンに収録で、あとのは単行本のための書き下ろしなのかなあ?という印象。

    小松左京「こちらニッポン」みたいな「審判の日」と「屋上にいるもの」は非常にシンプルなホラーでありSFなので、万人向けに読みやすいのだが、他の作品はちょっとメタな世界観を理解できない人には辛いかもしれない。

    買う場合は、電子書籍もおすすめします。ちょうどいいボリュームなの

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    2015年11月17日
  • プロジェクトぴあの

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    この世界の延長線上にありそうな未来を書かせたら、やはり筆者は随一ではなかろうか。10数年後の日本が舞台のSFだが、圧倒的なスケール感…それは銀河系や宇宙と言う広さのスケールではなく、ぴあのが見つめ、彼女が持つ熱意と狂気のスケール感。

    UGCとネットの功罪も、筆者の従来作同様によく描かれているが、今作は特に、筆者が言うように「自分なりのボカロ小説」なのかもしれない。「サイハテ」がとても効果的に使われ、本作の着想は20年前らしいが、今だから書けたであろう作品になっている。ハードSFだが平易に書かれ読みやすい秀作。

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    2015年08月29日
  • 神は沈黙せず(下)

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    メンテが弱い方はお勧めできないね、SFと言うより論文に近いような気がする。…上手く言えないが、まさに今色んなミームが私の中に“受精”した、ちょっぴり感動、微かに怖い

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    2015年08月02日
  • 怪獣文藝の逆襲

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    9人の著者による怪獣ものアンソロジー第2弾。ほとんどのお話は「怪獣 vs 人間」的でわかりやすかったのですが、有栖川有栖「怪獣の夢」だけは抽象的で理解に苦しみました。

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    2015年07月31日
  • 怪獣文藝の逆襲

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    「はじめに」にあるような『「生命」「生命体」としての怪獣と、(中略)同じ生物である人間との、死力を尽くした闘いを描き出すことに主眼が置かれている』というほどに、『今度は戦争だ』のようなバトルものは少なくて、『MM9』をイメージしてるとやや肩透かし(大倉崇裕「怪獣チェイサー」くらいか)。概ね怪獣幻想的ではあったが、それでも怪獣の圧倒的な存在感がページから伝わってきて、引き込まれながら読めた。

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    2015年07月05日
  • 怪獣文藝の逆襲

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    怪獣大好きなおじさんたちが自分の怪獣をふがふが生み出す。和む。
    「大江戸恐龍伝」読まなきゃなのだった。「荒神」も怪獣小説とな!?読むぅ。

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    2015年05月29日
  • MM9 ─destruction─【文庫版】

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    MM9シリーズ第3弾。第2弾の続編になっている。巨大怪獣同士の戦いがクライマックス。少年、少女と怪獣(?)の恋愛要素をも入っていて、ちょっと切なくさせる。3作を通じて過去の特撮番組、映画へのオマージュと強い愛情が感じられる。実写化されていたらしいが、ぜひ観てみたい。

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    2015年02月08日
  • MM9 ─invasion─【文庫版】

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    MM9シリーズ第2弾。今回は前作と違い、気特隊ではなく少年、少女と怪獣(?)が主役。細かいネタがちりばめられているところがGOOD。個人的にはコンダラネタが良かった。ラブコメ要素もあり。

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    2015年02月08日
  • MM9 ─destruction─【文庫版】

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    怪獣災害小説で円谷プロのパロディーとして1冊目は物凄く衝撃的だったのに、いきなりラブコメウルトラマンパロディになった。

    ハードコアSFとしてはちょっとなぁ~


    でも、物語としては面白いから楽しめた。

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    2015年01月23日
  • MM9 ─invasion─【文庫版】

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    続編になったら、ちょっとラノベのラブコメ要素が強くなって、1巻の世界観の説明や怪獣が存在する理由付けの辺りのSFらしいところが吹っ飛んだ気がする。

    まあ、読み物としては面白いのですが、1巻ほどの感動はないかな?

    ウルトラマンが、実は少女で、思春期の悩みを抱えてるって言うパロディ小説になってます。

    1巻のファンとしては残念。

    小説としては面白いので満足。

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    2015年01月23日
  • プロジェクトぴあの

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    主人公に美少女アイドルを据えてハードSFをやるのは良いアイディアだなぁとなんとなく読み進めていくうちに「ピアノ・ドライブ」って何か聞いたことあるなぁと思い返してみて、『地球移動作戦』の前日譚ということにようやく気付きました。熱力学の第二法則を破る発電機やピアノ・ドライブの原理の説明などは、流石はと学会会長と感心する出来です。近未来を想定して描かれた発明品がいくつも登場しますが、資本主義の行き詰まりを打開するためには、科学や技術の大きな進展が不可欠ではないかとあらためて考えてしまいました。

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    2014年12月17日
  • プロジェクトぴあの

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    ネタバレ

    相変わらずのオタクよりの話ではあるが、作者お得意のトンでも本のマッドな話とありそうな実際の物理天文のオタク的な知識を組み合わせて、いかにもありそうな話として成立させて、読ませる作品として成立している。これはなかなかよかった。

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    2014年10月23日
  • プロジェクトぴあの

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    ネタバレ

    タイトルをみて、地球移動作戦に出てきた、ピアノドライブの話しだろうと、発明者は女の子だったはずなので、この天才少女が主人公だろうと思って読んだら。やっぱりその通りでした。さすが山本弘先生。

    相変わらず、細かい過去の事件などが詳しく紹介されるのだが、未来の事件ももっと作ってもいいんじゃないかと思う。2013年以降の数十年に事件などが異様に少ないように見える。

    こういう開発秘話的なお話は非常に読んでて楽しい。

    AIやARなどが日常生活に溶け込もうとしている過渡期の様子が興味深い。ただ、視点が少しおたく文化方面よりすぎるのが気になる。

    主人公自体は、名被害者・一条(仮名)の事件簿の一条に近い

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    2014年10月27日
  • 去年はいい年になるだろう

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    ネタバレ

    山本さんはSFという仮定の世界設定の中での人の心理や行動を推察するのがすごく上手で、納得させられる。
    今回は未来からタイムマシンでアンドロイドがやってきた。
    その目的は人を不幸から守ること
    さて、人類はどうする?っていうお話し。

    人は決して論理や倫理だけの生き物ではない。
    意地や信念、楽観や誤解それに過剰な利己心や理由のない悪意などによってどうしようもない間違いをする。
    ここら辺はトンデモと戦い続けている山本さんの考察はホントに感嘆の域。
    どうしてこんなバカなことをするの?それでもしてしまうのが人間なんだよ的な...

    アンドロイド側も強引すぎ
    アイの物語でもでてた、「自分がして欲しくないこ

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    2014年08月17日
  • 詩羽のいる街

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    詩羽と一緒に街を歩き、様々な人の考えや奇跡に出会えます。

    自分の中のモヤモヤしたものや誰しもが抱く黒い感情が、詩羽によって肯定されてゆく感じがとても好きです

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    2014年07月25日
  • 詩羽のいる街

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    ネタバレ

    自分も無意識のうちに手段が目的になってるコトあるなぁ…とシミジミ。これからは小さなことからでもちょっとずつ善意を回そうかなと思える一冊でした。

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    2014年07月24日
  • MM9 ─invasion─【文庫版】

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    怪獣SFシリーズ。今回は一話完結ではなくて長編でした。また、前作はハードに現実的にしようとしていたが、今回は少し漫画っぽい。でもそこが魅力。ラブコメ展開は個人的に好きでないけど、バトルシーンは最高でした。「3分間」の下りは笑ったー。

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    2014年06月25日
  • 神は沈黙せず(下)

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    新旧の宗教、超常現象、死後の世界、霊魂、
    これらを論理的に解釈
    というと否定しているようにとられるかもしれないが
    そうではなく、怪しげで想像力に乏しく、合理性に欠けた
    穴だらけ、突っ込みどころ満載の解釈に飛びつくな。
    国民・愛国心、人間であることについても同じ。
    人は信じたいことだけ信じ、理解を超えたことに目をつむる
    それが知性のある人類のすることか。
    神を人間のサイズで考え、理解するな。
    そういうことを言っているのだろうか。
    とても、考えさせられる。
    また、理屈、理屈というと堅苦しく、血が通わない印象を
    持たれるかもしれないが「詩羽のいる街」と同様
    人が自分に/他人に対して善であることは

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    2014年05月20日
  • 神は沈黙せず(上)

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    多彩で大量の怪奇現象、超常現象の「それ知ってる~」
    から初耳、そして後日譚まで網羅しており、
    そちらをじっくり読んで興味を持つなんて読み方もあるが、
    それらの現象を本当・ウソと切るのではなく、
    ココにあらわれていないであろう作者の膨大な知識も含め
    理屈に合うとか合理的、論理的という切り口ではあるものの
    こうやってエンターテインメントに仕上げる
    それらに意味を与える物語を作り出した想像力が
    楽しい(羨ましい)。
    回顧の形で描いているので「現在はどうなってるの?」
    と思う気持ちで下巻に突入。

    難しく考えることもできて、難しく考える必要もなく
    それでいて作者の主張を作中人物に語らせながら
    作者自身

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    2014年05月17日
  • 詩羽のいる街

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    『解説・有川浩』とあったので購入。
    親切、善意、幸福の物語。
    多くの人との繋がり、かかわりを実現させ、実感すると
    人間、人生が幸せな方向に変わり、世界が変わる、
    独りは嫌だ、と思わされた。
    途中途中の小さなエピソードが、次の話につながって
    最終的にまとまっていくのが心地よい。

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    2014年04月24日