山本弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ホラーがかったSFの思考実験が中心の話5つ。もしも世界が8日前に始まったものだったら、AIが殺人のために、別の人格を持った人物を想像したとしたら…等。
思考実験的なAIの話は、わかるんだけど他の作品よりも怖くもないし意外性も少なく、何でこれだけSFマガジンに収録で、あとのは単行本のための書き下ろしなのかなあ?という印象。
小松左京「こちらニッポン」みたいな「審判の日」と「屋上にいるもの」は非常にシンプルなホラーでありSFなので、万人向けに読みやすいのだが、他の作品はちょっとメタな世界観を理解できない人には辛いかもしれない。
買う場合は、電子書籍もおすすめします。ちょうどいいボリュームなの -
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルをみて、地球移動作戦に出てきた、ピアノドライブの話しだろうと、発明者は女の子だったはずなので、この天才少女が主人公だろうと思って読んだら。やっぱりその通りでした。さすが山本弘先生。
相変わらず、細かい過去の事件などが詳しく紹介されるのだが、未来の事件ももっと作ってもいいんじゃないかと思う。2013年以降の数十年に事件などが異様に少ないように見える。
こういう開発秘話的なお話は非常に読んでて楽しい。
AIやARなどが日常生活に溶け込もうとしている過渡期の様子が興味深い。ただ、視点が少しおたく文化方面よりすぎるのが気になる。
主人公自体は、名被害者・一条(仮名)の事件簿の一条に近い -
Posted by ブクログ
ネタバレ山本さんはSFという仮定の世界設定の中での人の心理や行動を推察するのがすごく上手で、納得させられる。
今回は未来からタイムマシンでアンドロイドがやってきた。
その目的は人を不幸から守ること
さて、人類はどうする?っていうお話し。
人は決して論理や倫理だけの生き物ではない。
意地や信念、楽観や誤解それに過剰な利己心や理由のない悪意などによってどうしようもない間違いをする。
ここら辺はトンデモと戦い続けている山本さんの考察はホントに感嘆の域。
どうしてこんなバカなことをするの?それでもしてしまうのが人間なんだよ的な...
アンドロイド側も強引すぎ
アイの物語でもでてた、「自分がして欲しくないこ -
Posted by ブクログ
新旧の宗教、超常現象、死後の世界、霊魂、
これらを論理的に解釈
というと否定しているようにとられるかもしれないが
そうではなく、怪しげで想像力に乏しく、合理性に欠けた
穴だらけ、突っ込みどころ満載の解釈に飛びつくな。
国民・愛国心、人間であることについても同じ。
人は信じたいことだけ信じ、理解を超えたことに目をつむる
それが知性のある人類のすることか。
神を人間のサイズで考え、理解するな。
そういうことを言っているのだろうか。
とても、考えさせられる。
また、理屈、理屈というと堅苦しく、血が通わない印象を
持たれるかもしれないが「詩羽のいる街」と同様
人が自分に/他人に対して善であることは
範 -
Posted by ブクログ
多彩で大量の怪奇現象、超常現象の「それ知ってる~」
から初耳、そして後日譚まで網羅しており、
そちらをじっくり読んで興味を持つなんて読み方もあるが、
それらの現象を本当・ウソと切るのではなく、
ココにあらわれていないであろう作者の膨大な知識も含め
理屈に合うとか合理的、論理的という切り口ではあるものの
こうやってエンターテインメントに仕上げる
それらに意味を与える物語を作り出した想像力が
楽しい(羨ましい)。
回顧の形で描いているので「現在はどうなってるの?」
と思う気持ちで下巻に突入。
難しく考えることもできて、難しく考える必要もなく
それでいて作者の主張を作中人物に語らせながら
作者自身