山本弘のレビュー一覧
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イャ~楽しかった。
アイドルにしてマッドサイエンティスト。人に対して愛を感じる事が出来ないが、宇宙に対する愛に溢れ、ただ一人がむしゃらに宇宙に飛び出す事を目指す少女・結城ぴあの。
周辺を固める人物造形も良いですね。語り手でぴあのに恋する「男の娘」下里昴、プロダクションの社長・真下・・・・。特に同じアイドルグループのライバル・青梅秋穂とぴあのの会話は秀逸です。
充分な教育も受けず、独学で難解な数式を操り、実験を繰り返し、最後には熱力学の法則を超えて新エネルギーを考え出しちゃう。良き頃のホーガン的大ぼら話。そこに風変わりな美少女というジュブナイルの要素を加えて・・・。
一人乗りのテスト機を使った宇 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【人間はみんな痴呆症だ】
原文ママではないが、まあ上記の一文を目にした瞬間に星5評価が確定
久々に痛烈なキラーワードに出会えた
「この一言のために作品全体を執筆したのでは?」
そう思いたくなるほど個人的には目の覚めた痛烈な一文
映画も漫画も人間関係も職場での出来事も何でもかんでも、何もかも寸分たがわず覚えている人なんていない
無意識か自意識か、何か引っかかった断片的なワンシーンだけが後から頭の中のスクリーンに投射される
だから、個人的に突き刺さるワンワードを持つ作品は、それだけで自分の中で高い価値があるはずだ
AIという人ならざる存在から通した人の不完全さ、人の見たいように見てしま -
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他人に親切にする事を仕事にしてお金を一切手にせずに生きる詩羽のお話
自分の描きたいマンガと編集者が言う売れるマンガへの修正に悩む男
公園で小学生達のカードゲームの三角トレード、果ては五角トレードまでこなし、すべての子に利益を配る女性 詩羽に出会う
「デートしよう」と誘われて行った先々で経験する詩羽の生き方
人に優しくすることで、お金ではない対価を得て生きている詩羽
人々が何を望み、何を提供できるかという情報を巧みに繋ぎ合わせて相互に利益を得るネットワークを構築している
世の中の不条理に失望して自殺を試みようとしている少女
証拠を残さずに自分は捕まらない程度の悪意を振りまくことに愉悦を感じ -
購入済み
特に第6話がいい
おそらく作者山本弘の代表作と思う。この作者の小説は時々説教臭が鼻につくことがあるがこの本はその点が薄めで読みやすい。
特に最近進歩が顕著で身の周りにあふれ出し始めているAIの未来像 その光と影を描き出し問題提起している。もちろん単なる啓発書ではなくSF小説としても素晴らしく面白い。特に第6話の最終行など、出来のいい映画の一画面を見るような思いがした。 -
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私立探偵リジーとその助手のクリスタル。彼女たちが出くわすさまざまな事件は、常識では考えられないようなものばかり。しかしそもそも、彼女たち自身がその常識からもかけ外れた存在であり、第一話から度肝を抜かれること必至のホラーミステリ連作集です。
ミステリ好きにはもちろん、ホラー好きにも楽しい。そしてSF好きならさらに楽しめるのではないでしょうか。特に「軽はずみな旅行者」が凄い。SFに関しての知識はあまりないのですが(むしろ食わず嫌いの苦手意識だけがある)、きちんと理解できた気がするし、充分に楽しく読めました。まさかあんな人が登場するだなんてー。
リジーの過去が明かされる「ペンドラゴンの瓶」にほろりと -
Posted by ブクログ
他校とのビブリオバトル
偏った思想を持つ相手に対してどうするか?
三益先生がいなくなった後の部長の変わり身がウケる
途中まではザマァ!と思って読んでいたけれども、朝日奈先生の言葉で読んでいた自分もぶん殴られる
正義の究極は悪なんだよなぁ……
自分が正義だと思っている奴ほど歯止めが効かない
だって、正義なんだもの
悪を自称するのであれば罪悪感という言葉があるけど、正義にはないものなぁ
その正義の根拠は何だっていう話ですよ
朝日奈先生の指摘の通り、楽しそうに発表してた伏木さんの発表が一番読みたくなった
いや、一番は「小学4年生の世界平和」なので、2番目かな
概要を聞くだけでゲームが複雑な -
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人類が衰退しマシンに支配された世界で
語り部である「彼」はアイビスというマシンに物語を聞かせられる
その目的とはなんなのか
物語はフィクションであり真実ではない、が真実以上の力がある。
人間はフィクションの中で生きている
外界を内面に映し出し、それを主観的現実と認識して行動や思考を決めている。
その認識に齟齬が生じた場合、マシンであれば修正し正しい考えに書き換えることに抵抗を持つ事はない
しかし人間はしばし自らの考えに固執し、正しい情報を拒否してしまう(ゲドシールド)
そしてそれを自覚することが難しい
詩音の言う「すべてのヒトは認知症なのです」はヒトの確信をついていると思う
しかし、人と違い