山本弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
趣味で一次創作をするための参考になればと思い読ませて頂きました。
失礼ながら山本さんの作品を読んだことがなく、SF作家さんなのかー、くらいの認識だったのですが
最近見返した「魔法少女まどか⭐︎マギカ」のwikiにSF作家の山本弘も絶賛したみたいな記述があってこの方か!……となりました(笑)
山本さん自身が試行錯誤して作品を生み出してきた方なのでアドバイスもかなり実用的です。
印象に残ったアドバイスはキャラクターの性格を箇条書きで書かない、細かい設定を作って満足するのではなくまず本文を書いてみる、大好きな作家の作品を何度も読み返し分析する、とかかな。
日々意識して少しずつでも成長していきたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレp.310
愛そのものに力なんかないんです。それは単なる衝動であり、動機であり、願望にすぎないんですから。
愛は地球を救うのか?
いつやるの?今でしょ!
皮肉を感じつつも、なんだかんだ詩羽の過去が気になったり…。
最近の漫画に多い回想編でキャラクターにどんな暗い過去があったとかどうとか…。
そんなことを求めてしまっている自分がいますね。
行動を正当化する理由を無意識のうちに探しているんでしょうか?
言い訳作りのような気もします。
お話は爽快で面白かったです。
それでいて、自分の内面を考えさせてくれる場面も多かったように思います。 -
Posted by ブクログ
いじめられっこの光輝はある日橋から突き落とされ、アントン症候群という不思議な障害を負ってしまう。
失明しているにもかかわらず、本人には周りのものが見えているという。
触覚、嗅覚、聴覚によって、視覚を構成しているらしいのだ。
そもそも、視覚というのは脳が合成したイメージに過ぎないため、目が見えなくても視覚イメージが存在する可能性があるという。
実在する症状だそう。
そんな少年が絶世の美少女(といっても少年が作り出したイメージの姿)と出会う。
彼の障害は「想像力」という一つの能力であるとも言え、その力を使って少女と二人で数々の謎を解いていく。
それにしても、文章がうまい。
500ページ近いのにすらすら読める。
1ページ当たりの文字数が少ないわけではないし、ラノベみたいなスカスカの文章でもない。
なのにこんなに読みやすいのは、自然な日本語だからなのだろう。
格好つけたり、難解だったり、回りくどかったり、不自然だったりしない。
普通に高校生が話すような、生きた日本語だ。
そんな文章で、きちんとテーマ性とエンターテインメント性を兼ね備えた物語を書くものだから、私は山本弘が大好きなのだが、侮っていた。
SFだけではなくてミステリも書けるとは。
私はミステリはあまり読まないし、本作もすごく複雑なトリックがあるわけではないが、ちゃんと文章内の情報で謎が解けるようにはなっている。
「こんなラノベみたいな人間いるわけないだろ」とか「なんか障害者バカにしてないか?」と文中で気にかかったところは必ず真相に関わっているし、気が付かなかった伏線も出て来る。
作中作のミステリの謎を光輝が解くというのもおもしろい。
物語の中に空想の探偵を登場させてしまうのだ。
設定自体は実在のものでジャンルはミステリでも、その使い方はやはりSF作家ならでは。
その謎は、現実の事件の謎とも関係してくるのだが、米澤穂信の『愚者のエンドロール』と同じ驚きがあった。
作中作で一つだけ気になったのは、織江はそんな危険な場所に美緒を送ったのは不自然じゃないか?ということくらい。
脳に損傷を受けて視覚に異常をきたした世界で美少女と出会うというのは、2003年のPCゲーム『沙耶の唄』を思い出す。
小説の中にも「沙夜の歌」が出て来て、山本弘に限ってありえないと思いつつも、何か関連があっておどろおどろしい展開になるのではとちょっとびくついてしまった。
どうやら関係なさそうで、明るい小説だった。
「いじめ」とか「障害」とか重たいイメージの付きまとうテーマが出てきて、恒例の著者の主張もある。
でも受け入れやすい主張だし、1つの短編に1つくらいなのでそんなに嫌悪感は抱かないのではないだろうか。
私が慣れてきただけか?
全体としてのテーマは『アイの物語』や『詩羽のいる街』に比べると弱かった。
その分連作短編形式なので話は広げられそうだし、シリーズ化に期待。
そうそう、詩羽と言えば第2話でちょろっと出てきて感動した。
物語は終わってしまったけど、まだ人助けしてるんだなぁと。
アニマ・ソラリスの2015年のインタビューでは、著者が以下のように語っていて、ますます続編の期待が高まった。
「実は『僕の光輝く世界』と『詩羽のいる街』を本格的に合体させたミステリを書きたいと思ってるんです。詩羽がらみの大きな事件が起きて、光輝がそれを解き明かす。しかも話全体が光輝の書いたミステリだというメタ設定で……ただ、構想だけ大きくて、まだぜんぜんまとまらない。書くとしても何年か先になるでしょうね。」 -
Posted by ブクログ
複数巻を同時に読破。いつぶり?
オカルト研究家の大和田氏との対談から、神の意図を探る主人公兄妹。世界中で起こった脈絡のない超常現象の数々に、そもそも意図などというものが有るのか?その帰り、空から子供が降ってくるという現象に遭遇する…。
案の定、上巻を忘れてしまっていたうえ、「私」という一人称で、数々の超常現象の解説が続くため、あれ?評論だっけ?と思ったが、そういえば上巻からそういうノリだったな。大和田氏の名前が出てきたところでようやくわかるようになってきた。
その後は急展開ということなのだろうが、割とあっさりと人がいなくなったり、とんでもないことが起こっても、あれれ?と思うほど読み飛ばすレベルで書かれているので、月に顔が出てきたあたりも一瞬なんだっけ?と戻って読み返した。
下巻の早々に、終盤であり結論に収束していくのだが、多少息切れというか、終わりたいという意図を感じざるを得ないような、同じような内容を畳み掛けるような記述が続く。逆に言うと「神の意図」という一番書きたい内容を繰り返して解説してくれるわけなので、こういう話が苦手な人にも読みやすいであろう。
社会問題やシミュレーションなどを交え、卑近な内容でわかりやすく展開。ヘブライ語から脳神経学(心理学?)まで、相変わらず良く調べてあるなーと感心する。
その割には、神と遭った人が聖書からのみ解説されているのは、ここまでやったのなら他の宗教や神話からも有ってよかったかなと思う。