山本弘のレビュー一覧

  • 怪獣文藝の逆襲

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     怪獣映画はガチのリアリズムがないとだめだ。非現実としかいいようのない怪獣を召喚するにはまわりからリアルに固めていかねばならない。某ゴジラ映画には夢オチのが一本あって子供心にもあれは腹が立ったな。しかしまた、映画においてはとにもかくにも怪獣が出てきて、それが「絵」としてよくできていたら、放射能で巨大化したとかいうしょぼい設定であっても、それだけで説得力を持つ。何しろ人間は視覚をもっとも信じるのだから。
     だから視覚を欠く怪獣小説は最初からハンディを負っているのだと思う。

     本書は『怪獣文藝』の続編。続編といってもそもそもアンソロジーだから、話がつながっているわけではなくて、第2弾ということで

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    2016年02月26日
  • トワイライト・テールズ 夏と少女と怪獣と

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    地球に現れるようになった怪獣たちと出会ったヒト。彼らの間に紡がれる物語。ホントはそうだったんだと哀しく、最後はそうなるのねと嬉しく、あぁ神様 神様!と涙を流し、生き残ることは出来たけど静かに泣ける。四つの心に残るお話でした。ゴジラやモスラ、バルタン星人からカネゴンまで日本の怪獣たちにも出会いがきっとあったと思えるから不思議。

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    2015年12月17日
  • プロジェクトぴあの

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    ネタバレ

    近未来、リアルとバーチャルが入り乱れる世界で
    天才少女がアイドルを経由して宇宙を目指す物語。
    物理の用語や解説が難しすぎてわかりにくいが、
    それを差し引いても楽しく読めました。
    SFは壮大なホラ話と言う通り、いろいろと「そんなわけないやろ」みたいな所もありますが、この話は好きです。
    初音ミクの「サイハテ」初めて聞きました。

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    2015年09月20日
  • UFOはもう来ない

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    ネタバレ

    日常SF?…本町・山科・茨木と舞台が関西ということもあり、非常に親近感の湧く作品。テーマとしては異星人SFのベタ…もとい王道たる「第一種接近遭遇」モノだけど、そこは山本作品。「ET」とか「未知との遭遇」なんかとは全く違うテイストをまとわせて楽しませてくれる。

    トンデモ科学、カルト宗教批判部分については賛否分かれるところだろうなぁ。俺は「カルトやトンデモを笑い飛ばそう」という姿勢が大好きなんだけど、生真面目にそれらを信じている人らには不愉快だろうし、唯物論・無神論あたりに触れてくる後半に至っては、俺も少々抵抗を感じないわけでもなかったし。もっともそこを含めてノンフィクションなんだから、その抵抗

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    2015年09月10日
  • 詩羽のいる街

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    ★★★★☆ “恩”売りの少女は”交換循環”を使って、善意と恶意,理想と現実,ギブ&テイク,希望と絶望,奇跡と日常を回る

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    2015年08月29日
  • プロジェクトぴあの

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    頁が進むにつれ増してゆく高揚感、頭の中を駆け巡るアドレナリンが理解力を遥かに超えてフル回転。超メガトン級の破壊力。
    そして叶える夢。
    心が空く。
    脱力感。
    途轍もない。

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    2015年07月27日
  • プロジェクトぴあの

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    ネタバレ

    マイミク氏の大絶賛を受けて読んでみた。絶賛するはずだやわ。こりゃすげえ大傑作だ。

    天才マッドサイエンティストがアイドル?んで、そいつが宇宙に飛び立つ?
    いかにもヲタが好みそうなベタ設定。
    語り手は女装(しかも気合十分)趣味の男子。女装が好きなだけで同性愛者ではない。恋愛嗜好は女好きという、これまたヲタ好きしそうな設定。

    と学会の人ってこういうことやりそうやなぁ。今度は何に対してどうケンカ売るんだろう、みたいな醒めた気持で読みだしたところが、エエ方向に期待裏切ってハマるわハマる。

    主人公と語り手やライバルアイドル達、プロダクションの社長ら個性的な登場人物たちの生き生きとした絡み、身近に感じ

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    2015年07月03日
  • プロジェクトぴあの

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    ネタバレ

    今年最高の本決定です。ぴあのはアイドルグループの一員で変り種担当。しかし、彼女は物理学の天才少女。アイドルでいるのは宇宙それもカイパーベルトを超えて太陽系外に行く為の技術を開発し自らが飛び立つことを目的としていた。まず手始めにブラウン運動を利用した第2種永久機関を作り世間を驚かせ、遂にはタキオン粒子の理論を構築し、これが宇宙空間におけるダークエネルギーであることを突き止めるとともに、それを利用した飛行機関「ぴあのドライブ」を開発してしまう。本には難解な物理用語が頻出し、理論を説明している文は私には全く理解できない。しかし、それはこの本の面白さをコケオドシ的に増すだけなのだ。様々なスポンサーから

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    2015年01月20日
  • プロジェクトぴあの

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    アイドルなのに超理系頭脳を持った結城ぴあのが主人公の近未来SF。古き良きSFを体現しているかのような良作で、物語に登場する数々のガジェットには思わずニヤリとさせられます。

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    2014年10月15日
  • MM9 ─destruction─【文庫版】

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    おもしろかった。2冊目の長編からの続きとなる長編になりますが、単純にヒメが戦うだけの話ではないし、いろいろな要素が絡まって、作品世界全体にすごく奥行きが出た印象です。
    怪獣と神話を関連づけるアイデアはおもしろいです。そのぶん少々前置きや説明が長くなってしまっているので、そこを嫌う人もいるかもしれませんが、そこも含めて楽しむ本ですね。
    MM9本編としてはやりきってしまった感がありますが、この後は続くんでしょうか。

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    2014年08月25日
  • ソード・ワールド・ノベル サーラの冒険1 ヒーローになりたい!

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    ネタバレ

    サーラの冒険シリーズの1作目。
    少年の夢が詰まっているシリーズ。まずは冒険へ。

    実は能力があって、努力によって実現していくってお話は結構好きで、最近読んだマンガでいえば、はじめの一歩やベイビーステップなんかの同じなのかもしれない。

    ただ、3巻まではまさに少年の夢的なお話ではあるんだけど、4巻以降どんどん暗いお話になっていくので、好き嫌いが分かれるとおもう。

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    2014年08月23日
  • MM9 ─invasion─【文庫版】

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    いやぁ、おもしろかった。ヒメをこう使ってくるか!
    怪獣が出現する理屈とか、光速を超えられる理屈とか、本当によく考えられていて、単なる怪獣特撮オマージュではないところがすごい。どっしりとした設定の上に、少しコミカルだけどしっかりと練られたストーリーが乗る。これは、おもしろいですよ。
    あとがきで触れられていましたが、アニメ化はぜひやって欲しいなぁ。

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    2014年07月24日
  • MM9 ─invasion─【文庫版】

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    MM9続編。

    今度の主人公は、宇宙物理学者・案野悠里の息子の一騎。前作では小学生だったけど、あれから7年。健全な高校生。
    一騎が主人公のせいか、少年漫画か!ってベタなラブコメみたいな展開もあるんだけど、読み終われば面白かった。

    こういうエンターテインメント性の高いものも、たまに読みたくなる。無駄にだらだら冗長(重複w)してもいないし、流れも読みやすい。

    この後読んだのがつまらなかったので、これを口直しに再読しようかと思ってるくらい…。

    次作も文庫化待ってます。

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    2014年06月03日
  • 詩羽のいる街

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    不思議な人 詩羽 。人と人のネットワークなんてそんなに簡単じゃないよね。そんな彼女は現実にはいないと思う反面、いて欲しい気もある。ホントにいたら毎日が刺激的になる気がする、きっと面白いよ。

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    2014年04月14日
  • 詩羽のいる街

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    「人に親切にすること」を仕事としている主人公、詩羽。初っぱなからその「才能」を見せつけられ圧倒された。子どもたちがカードゲームの交換で悩んでいるところで三角トレードなんのその、四角、五角トレードまでひょいひょいっとこなしてみせるのだから、「このお姉さんただ者じゃない...!」と感じたのは子どもたちだけでなく多くの読者も同じだろう。
    他にわかっていることはいうと、「家がないこと」と「お金を一度も触ったことがない」ということだ。「どうやって生きてるんだろ?」と思った人はすぐに本書を手に取ったほうがいい。「詩羽ネットワーク」に参加したいと思うはずだ。

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    2014年03月07日
  • MM9【文庫版】

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    怪獣系のSF(?)。地震や台風と同じように、自然災害の一つとして「怪獣災害」が存在するパラレルな日本で、怪獣対策に携わる気象庁の人達の話。科学的には存在できないはずの怪獣が何故存在できているのか、という理由付けがある理論として提示されるのですが、その理論を用いて「怪獣と人間が同時に生きる世界」観がしっかりと作られていて、なるほどそれならこういうこともあり得るかも、とちょっと思ってしまいます。特に始めの方は有川浩の自衛隊三部作を思い起こさせますが、長編と短編、自衛隊と気象庁、何より人々の心理描写よりも怪獣対策や怪獣の存在そのものに焦点が当てられているなど、似て非なる作品でした。

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    2014年02月26日
  • 詩羽のいる街

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    人に優しくすることで、幸せを提供することで生きていけるか??
    答えは”イエス”であると思わされる力がこの本にはありました

    お金が無くても、家が無くても、親切することでみんなから親切を返される
    だから食べていけるし、寝るところにも困らない

    現代人が抱える苦労とか辛さとか、そんなんもうどうでもいいからとにかく人に親切にしろ!
    そうしたら幸せは回りまわって、大きくなって自分に返ってくるから!
    ・・・と思わされる暖かくも力強い話でした

    物語の最後はちょっとした「奇跡」が起きます、そして必ず暖かい気持ちになります
    暖かさを感じたい方、おすすめです

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    2014年01月31日
  • 神は沈黙せず(上)

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    UFO、霊、AI、都市伝説などなど、オカルト満載かつそれぞれが、それなりに説得力のある理由付けがなされており、話としてまとまっているところが秀逸。
    ミームという概念や、遺伝的アルゴリズムについてこの本で初めて知った。なかなか印象深い概念である。
    脱線してウンチクがやや長いきらいはあるが、自分は好きな本である。

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    2013年11月30日
  • 神は沈黙せず(下)

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    凄いタイトルだけど、それに負けない内容を持ち合わせた一冊。
    読後には、違う世界にひとっ飛びしてきた錯覚を覚える程。

    SFって夢物語でしょ?とか思ってた自分を、
    一挙にSF好きに変えてくれた一冊でもある。

    諸々の研究から得られた結果を組み合わせた思考実験のようなもので、
    そのいくつかは、世の中の真理に迫っていくものなのかもしれない。

    本著は神やら宇宙といった壮大なテーマの基に繰り広げられるけど、
    リサーチやロジックがしっかりしており、
    こんな現実もありだよね?と感じて安心して読めるし、
    その中で読者一人一人が色んなものを感じ、そこから考えるハズ。

    SFと聞いてウキウキしちゃう人、
    昔の自

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    2013年07月29日
  • 闇が落ちる前に、もう一度

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    表題作「闇が落ちる前に、もう一度」を含めた5編で構成された短編集。
    ジャンルはSF・ホラー。
    擬似的な体を与えられたことで心・意識を獲得し、アイドルとして活動しているAIの少女と、AIには心などないと考えるタレントの男性、二人の問答で展開される1編「時分割の地獄」が特にお気に入り。
    自分の認識している世界の姿は本当に正しいのかを考えさせられる異質な世界のあり方を描いた表題作や、誰もが一度は妄想するような世界の終わりに翻弄される少年少女を描いた「審判の日」など粒ぞろいで楽しめた。
    ホラー色の強い残り2編も独特の雰囲気のある話だった。

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    2013年04月18日