山本弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「誰かを救えるわけじゃないないのに、こんな本を読むことに何の意味があるのか。
意味はある―――と信じたい。根拠はなくても、そう思いたい。ビブリオバトルを通じて、俺のように、この世界のことをもっと知りたいと思う人間が増えて、熱心にいろんな本を読むようになれば、いつかそれが人々を救う活動の種になるんじゃないか。目に見えないほど小さな一歩であっても、何かが前進してるんじゃないだろうか…。」
はい、青春大爆発の『BISビブリオバトル部シリーズ』最終巻です
いやでもね、結局このシリーズって山本弘さんが大好きな本を青春小説っていう舞台で語りまくりたかっただけなんじゃないかっていうね
たぶん間違ってない -
購入済み
久しぶりにワクワク
久しぶりにワクワクしながら読み進めることができる作品に出会った。作者山本浩司の作品は「アイの物語」や「詩羽のいる街」など何冊か読んだが、いわゆる「説教癖」が鼻について純粋に作品を楽しむことができなかった。しかしこの作品は、最終部分を除いて「説教」は登場せず、素直に読み進めることができた。とりわけヒロインの人物造形が見事で、このような才能 性格の持ち主の典型としてもっと言及されていいような気がする。
なお、作者山本弘氏は今年3月に亡くなったとのこと。御冥福をお祈りいたします。 -
Posted by ブクログ
イャ~楽しかった。
アイドルにしてマッドサイエンティスト。人に対して愛を感じる事が出来ないが、宇宙に対する愛に溢れ、ただ一人がむしゃらに宇宙に飛び出す事を目指す少女・結城ぴあの。
周辺を固める人物造形も良いですね。語り手でぴあのに恋する「男の娘」下里昴、プロダクションの社長・真下・・・・。特に同じアイドルグループのライバル・青梅秋穂とぴあのの会話は秀逸です。
充分な教育も受けず、独学で難解な数式を操り、実験を繰り返し、最後には熱力学の法則を超えて新エネルギーを考え出しちゃう。良き頃のホーガン的大ぼら話。そこに風変わりな美少女というジュブナイルの要素を加えて・・・。
一人乗りのテスト機を使った宇 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【人間はみんな痴呆症だ】
原文ママではないが、まあ上記の一文を目にした瞬間に星5評価が確定
久々に痛烈なキラーワードに出会えた
「この一言のために作品全体を執筆したのでは?」
そう思いたくなるほど個人的には目の覚めた痛烈な一文
映画も漫画も人間関係も職場での出来事も何でもかんでも、何もかも寸分たがわず覚えている人なんていない
無意識か自意識か、何か引っかかった断片的なワンシーンだけが後から頭の中のスクリーンに投射される
だから、個人的に突き刺さるワンワードを持つ作品は、それだけで自分の中で高い価値があるはずだ
AIという人ならざる存在から通した人の不完全さ、人の見たいように見てしま -
Posted by ブクログ
他人に親切にする事を仕事にしてお金を一切手にせずに生きる詩羽のお話
自分の描きたいマンガと編集者が言う売れるマンガへの修正に悩む男
公園で小学生達のカードゲームの三角トレード、果ては五角トレードまでこなし、すべての子に利益を配る女性 詩羽に出会う
「デートしよう」と誘われて行った先々で経験する詩羽の生き方
人に優しくすることで、お金ではない対価を得て生きている詩羽
人々が何を望み、何を提供できるかという情報を巧みに繋ぎ合わせて相互に利益を得るネットワークを構築している
世の中の不条理に失望して自殺を試みようとしている少女
証拠を残さずに自分は捕まらない程度の悪意を振りまくことに愉悦を感じ