山本弘のレビュー一覧

  • 詩羽のいる街

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    人に親切にすることを仕事にしている詩羽が親切をする人を主人公にした連作小説。
    マンガ家を夢見る青年、自殺をしようとしている中学生、嫌がらせを趣味にしている人の話、ガルテリのイベントにからんだ話がどれもおもしろく、後でまた出てくるところがよりストーリーへの思い入れを深くしているように感じる。
    詩羽は触媒で、人と人をつないでいくが、少しネガティブなことを持っている人にポジティブを与えていく。本、マンガが物語のポイントになるのも、本読みには個々に楽しめる点と思う。

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    2025年11月29日
  • 君の知らない方程式 BISビブリオバトル部

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    「誰かを救えるわけじゃないないのに、こんな本を読むことに何の意味があるのか。
    意味はある―――と信じたい。根拠はなくても、そう思いたい。ビブリオバトルを通じて、俺のように、この世界のことをもっと知りたいと思う人間が増えて、熱心にいろんな本を読むようになれば、いつかそれが人々を救う活動の種になるんじゃないか。目に見えないほど小さな一歩であっても、何かが前進してるんじゃないだろうか…。」

    はい、青春大爆発の『BISビブリオバトル部シリーズ』最終巻です

    いやでもね、結局このシリーズって山本弘さんが大好きな本を青春小説っていう舞台で語りまくりたかっただけなんじゃないかっていうね
    たぶん間違ってない

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    2025年09月20日
  • 僕の光輝く世界

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    すごく面白かった!とある事故(事件)で視力を失ったが「アントン症候群」のため「見えている」と感じる主人公の一人称で進んでいくので、ハラハラドキドキしながら読み進めました。

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    2025年06月10日
  • BISビブリオバトル部3 世界が終わる前に

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    このシリーズは登場人物たちと一緒に、本の話をしているように楽しめる。 出てくる本も、ノンフィクション、SF、ミステリー、科学、BLと多岐に渡って面白い。この巻は何といっても後半に驚かされた!もう一度読み返さなくちゃ

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    2025年06月10日
  • 詩羽のいる街

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    有川浩の『レインツリーの国』の解説が山本弘で知った作品。
    詩羽の生き方に目からうろこでした。 「他人に親切にすること」が仕事で、お金の代わりに食べ物だったり泊めてもらったりするというのは、なかなか難しいこと。 私は「幸せとは常にあるもの。それに気づくかどうか」という考えなので、詩羽の「私が幸せにしてあげる」という考えには共感は出来ません。しかし、自分の考えをしっかり実行している彼女に、尊敬の念を抱きました。

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    2025年06月10日
  • アイの物語

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    SFが苦手な私でも楽しく読める作品でした。アイビスが読んだ物語、どれも好きだけど、特に「詩音が来た日」が好きでした。介護業界で働く身としては、ぜひ実現してほしいな。長編小説としても、短編小説としてもおもしろかったー。

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    2025年06月10日
  • 詩羽のいる街

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    もう最初から最後まで良かった。詩羽と出会った時からその存在が魅力的で目が離せない。この子のためならなんでもする、自分も変えたくなる。
    街の様子を想像しながら読むのも心地よい。読み心地の良い一冊でした。次は作品中の引用文献に当たりたい。

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    2025年03月16日
  • ソード・ワールドRPGリプレイ集スチャラカ編3 終わりなき即興曲

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    小説vsリプレイ

    小説は殺陣等の戦闘表現が難しいとされる。しかし、TRPG(テーブルトーク型ロールプレイングゲーム)は、ダイス(サイコロ)の目による意外な結果が、論理を超えた面白さを生じさせる。クリティカルヒットによる強敵の瞬殺や、三下に意外な苦戦を強いられるシーンは見ものである。🎲また、ゲームのリプレイには、小説のように練り上げられた伏線は作り難い。ところが、プレイの結果により、驚くべき伏線が作り上げられることがある。ケインの得意呪文スネア(転倒)の、最終局面での使われ方は凄すぎて爆笑だった。🎲

    #笑える

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    2025年03月06日
  • ソード・ワールドRPGリプレイ集スチャラカ編2 モンスターたちの交響曲

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    正義の盲信キャラ登場!

    表題作「モンスターたちの交響曲」は、正義神ファリスの神官戦士達が、モンスター種族のうち悪ではない個体を討伐しようとするものだ。本作の影響で、ニコニコ動画等の二次作品において、正義の盲信者キャラが数多く登場したものと思われる。日本TRPG史のトピックの一つだろう。🗡️ところで、「きさまを倒すのはこの私だ!」の元ネタってハカイダーだったのか。有名なのはベジータだが。唐突に、本筋から程遠い無駄話が挟まれることも、小説とは異なるリプレイという読み物の面白さである。🗡️

    #笑える

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    2025年02月13日
  • アイの物語

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    アンドロイドと人間に関するお話。
    短編集と長編が混じったような形で、読み進めていくにつれて、物語の世界観とアンドロイドの目論見が明らかになっていくので非常に面白い。
    「詩音が来た日」は特に好き。面白いだけでなく考えさせられる内容。読み終えた後、瑠璃色の地球を初めてフルで聞きました。
    2000年代の美少女ゲームにあった壮大なスケールのSF作品を思い出しました。

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    2025年02月07日
  • ソード・ワールドRPGリプレイ集スチャラカ編1 盗賊たちの狂詩曲

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    日本TRPG草創期の快作

    本書はTRPG(テーブルを囲んで会話して遊ぶロールプレイングゲーム)のリプレイ(戯曲風のゲームプレイ実況・解説)である。GM(ゲームの審判役)は前年逝去した作家の山本弘。初出は昭和末(80年代末)頃。🎲往時、カピバラKSは高校生であった。ロードス島戦記(水野良著)を友人から借りて読んだり、クラシックD&D(ダンジョンズアンドドラゴンズ)で遊んだ時にワガママなプレイスタイルを指摘されたものだ。🎲久しぶりに本書を読んで、今なお古びない面白さや意外さを楽しみつつ、昔を懐かしく思い出した。🎲

    #笑える

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    2025年01月29日
  • プロジェクトぴあの

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    久しぶりにワクワク

    久しぶりにワクワクしながら読み進めることができる作品に出会った。作者山本浩司の作品は「アイの物語」や「詩羽のいる街」など何冊か読んだが、いわゆる「説教癖」が鼻について純粋に作品を楽しむことができなかった。しかしこの作品は、最終部分を除いて「説教」は登場せず、素直に読み進めることができた。とりわけヒロインの人物造形が見事で、このような才能 性格の持ち主の典型としてもっと言及されていいような気がする。
    なお、作者山本弘氏は今年3月に亡くなったとのこと。御冥福をお祈りいたします。

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    2024年12月02日
  • プロジェクトぴあの(上)

    プロジェクトピアノこれは漫画が面白いようです。
    3巻(中編)はいつ頃出るの?

    #シュール #憧れる #共感する

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    2024年11月14日
  • アイの物語

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    マシンが君臨する未来の地球。アンドロイドが僕に語るのは、人間とロボット(AI)の関係性の物語。
    過去に発表した短編を組み込む構成のすごさ。ヒトとは何かをマシンとの関係性から見出す。絶望の遙か先にある希望を掴むのは物語(フィクション)の力。それが嬉しい。

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    2024年06月16日
  • プロジェクトぴあの

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    イャ~楽しかった。
    アイドルにしてマッドサイエンティスト。人に対して愛を感じる事が出来ないが、宇宙に対する愛に溢れ、ただ一人がむしゃらに宇宙に飛び出す事を目指す少女・結城ぴあの。
    周辺を固める人物造形も良いですね。語り手でぴあのに恋する「男の娘」下里昴、プロダクションの社長・真下・・・・。特に同じアイドルグループのライバル・青梅秋穂とぴあのの会話は秀逸です。
    充分な教育も受けず、独学で難解な数式を操り、実験を繰り返し、最後には熱力学の法則を超えて新エネルギーを考え出しちゃう。良き頃のホーガン的大ぼら話。そこに風変わりな美少女というジュブナイルの要素を加えて・・・。
    一人乗りのテスト機を使った宇

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    2024年04月26日
  • 去年はいい年になるだろう

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    24世紀から人類の不幸を取り除くため ロボットがやって来た。
    主人公は山本弘本人。実在の人物や事件を踏まえて展開する歴史改変SF。
    大きな災害を防ぐため、結果として多くの人が幸せになるなら、多少の犠牲は仕方ない? 合理的ではない人間の幸せとは。

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    2024年02月24日
  • MM9【文庫版】

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    ずっと読みたいと思っていた怪獣小説。とても面白かった!科学も物理学も数学も民俗学も宗教も使って怪獣を研究、特定、対策を練る気象庁特異生物対策部の活躍はカッコ良かった!

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    2024年02月17日
  • アイの物語

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    ネタバレ

    【人間はみんな痴呆症だ】

    原文ママではないが、まあ上記の一文を目にした瞬間に星5評価が確定

    久々に痛烈なキラーワードに出会えた
    「この一言のために作品全体を執筆したのでは?」

    そう思いたくなるほど個人的には目の覚めた痛烈な一文

    映画も漫画も人間関係も職場での出来事も何でもかんでも、何もかも寸分たがわず覚えている人なんていない
    無意識か自意識か、何か引っかかった断片的なワンシーンだけが後から頭の中のスクリーンに投射される

    だから、個人的に突き刺さるワンワードを持つ作品は、それだけで自分の中で高い価値があるはずだ

    AIという人ならざる存在から通した人の不完全さ、人の見たいように見てしま

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    2023年12月09日
  • 詩羽のいる街

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    他人に親切にする事を仕事にしてお金を一切手にせずに生きる詩羽のお話


    自分の描きたいマンガと編集者が言う売れるマンガへの修正に悩む男
    公園で小学生達のカードゲームの三角トレード、果ては五角トレードまでこなし、すべての子に利益を配る女性 詩羽に出会う
    「デートしよう」と誘われて行った先々で経験する詩羽の生き方
    人に優しくすることで、お金ではない対価を得て生きている詩羽
    人々が何を望み、何を提供できるかという情報を巧みに繋ぎ合わせて相互に利益を得るネットワークを構築している

    世の中の不条理に失望して自殺を試みようとしている少女
    証拠を残さずに自分は捕まらない程度の悪意を振りまくことに愉悦を感じ

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    2023年10月06日
  • 詩羽のいる街

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    10年近く前に読んで、懐かしくて今回再読しました。
    いまだに読んだ時の揺さぶられ感が残っていて、影響を受けた小説トップテンに君臨中。

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    2023年10月01日