あらすじ
秋学期が始まり、“校内コスプレ大会”ワンダー・ウィークで盛り上がる美心国際学園(BIS)。ビブリオバトル部も、地区大会出場者を決めるバトルに向けて、日々の活動に力を入れていた。一方、思いがけず二人の異性から告白をされてしまい、つらい選択を迫られる空。空をめぐって対立することになった武人と銀は、周囲に秘密の“決闘”で決着をつけようとしていた。しかし空は……。大人気、ビブリオバトル青春小説シリーズ!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「誰かを救えるわけじゃないないのに、こんな本を読むことに何の意味があるのか。
意味はある―――と信じたい。根拠はなくても、そう思いたい。ビブリオバトルを通じて、俺のように、この世界のことをもっと知りたいと思う人間が増えて、熱心にいろんな本を読むようになれば、いつかそれが人々を救う活動の種になるんじゃないか。目に見えないほど小さな一歩であっても、何かが前進してるんじゃないだろうか…。」
はい、青春大爆発の『BISビブリオバトル部シリーズ』最終巻です
いやでもね、結局このシリーズって山本弘さんが大好きな本を青春小説っていう舞台で語りまくりたかっただけなんじゃないかっていうね
たぶん間違ってない
でも分かる
もう共感しかない
だって語りたいもの
大好きな本の魅力は語りたいもの
しかも今回のテーマは漫画とライトノベル(山本弘さんはBLにも造詣が深いw)
そしてそんな本オタ魂が炸裂しまくってる中に、しれっと冒頭のようなセリフを滑り込ませてくる
こんなんもう刺さるわ!血がでるわ!人間は体内の3分の1の血液を失うと死んでしまうんやぞ!(山本弘さんに身に覚えのない説教)
他にも、本好きにうんうん分かるーっていう話がたくさんあって、でも青春も爆発してて流血しまくりの一冊でした!
Posted by ブクログ
メインとなる物語展開に関しては、真っ直ぐど真ん中を貫き通したなあという印象。
世間の評価とは別に、自分が好きなものを好きでいるということ自体が救いとなることが描かれているのが素敵。
これはしっかりと伝えたい。だからこの本を推そう。
Posted by ブクログ
巻末の参考図書ではほとんど未読のため、読みたい本がまた増えてしまった。こう何度もタイトルが出てくる『フェッセンデンの宇宙』はそろそろ読まなくちゃかなあとか。二人の対決も上手い決着。そして空ちゃんの決断。そうでなくっちゃね。そしてエピローグで次巻への期待高まる。
Posted by ブクログ
んもう、すごくいい!
空ちゃんがどんどん魅力的になっていくし。
昔のつらい話や、いやな連中との再会など、胸をえぐるような展開もありつつ、仲間たちとの絆にぐっとくる。
最後はまた次への布石が打たれているし、次巻も楽しみ。リアルタイムで追いかけられるシリーズって幸せだな。
Posted by ブクログ
空を巡っての三角関係は、とんでもない着地点に落ち着きました。落ち着いたのか?
価値観の違いとかの前に、あの結果は個人的感情として受け入れがたいんですけど。
好きな相手を一人占めしたくて何が悪いの?という。行き過ぎるとダメですが。
自分の彼女が空みたいなこと言いだしたら、カンベンしてくれよ、ってなりますよ。
よくもまあ、納得してくれたものだ。
さてさて、物語はSFというジャンルにおいての空のライバルであろう存在が現れたところで、次巻へ続く。
知識を誇る以前に、読書を楽しみましょう。という展開になるのかな?
Posted by ブクログ
モラルが人を不幸にするならモラルの方を変えてしまえば良い。より幸せになるためにルールそのものを変えてしまおう。
↑この思考って案外難しのだけど、なるほど多くの世界を知る本好き、物語好きなら、比較的発想しやすいのかも。
本好きのための小説と言っていいシリーズ4作目のテーマはマンガとラノベ。BB部内恋愛では三角関係が発動し、人間模様の変化と本の紹介が入り混じりワクドキ楽しい展開になっている。そしてまた読みたい本が30冊くらい増えた。
恋愛模様の決断は、キャラ的な意外性はあれど複数愛肯定派としては有り。
Posted by ブクログ
急展開でいきなり三角関係。青春です。恋の行方も気になるけれど、ビブリオバトルで紹介される本も、あいかわらずバラエティに富んでいて面白いし、紹介の中に込められたメッセージがすごい。こんな本あるわけないよってのが、ちゃんと存在するのがこのシリーズの良いところで、でも、巻末リストを見て紹介されている本の多さに気後れして、読むところまで行かないのが、贅沢な悩み。
Posted by ブクログ
ーmuziki ri dawa za binadamu
ームジク リ ダワ ザ゛ ビナダム
スワヒリ語です。
私の友人にケニアの音楽をされておれる素晴らしいミュージシャンがいます
その方が創った「歌」がこのスワヒリ語の「歌」です。
ー音楽は人間の薬だ 。人が悲しみに包まれたとき 、どうしようもない苦しみを抱いたとき、 その心の病を治すもの それが音楽なのだ
そんな内容の「歌」です。
ビブリオ・バトル・シリーズに登場する素敵な「活字中毒者」たちは その「音楽」のところを「本」に入れ替えて読んでいました。
ー読書は人間の薬だ。 と言ってしまえる気がします
今回の「君の知らない方程式」で 一層、その気配が濃厚になった気がします。
いつものように、知っている本も知らない本も興味深く自分の中に落とし込ませてもらいました。
Posted by ブクログ
銀が空に貸した『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』から、あの決断にもっていくとは驚きました。 ミーナがビブリオバトルで紹介した、平坂読の『ラノベ部』は私も大好きな作品なので嬉しかった。
Posted by ブクログ
私は優しくない世界で優しくあろうとする物語が読みたい。
優しくあるために残酷な選択をすることになったとしても、それは美しいと思う。
本作のテーマは「モラル」、そして「作品が読者に与える影響」について。
物語の主軸は空をめぐる銀と武人の三角関係で、空はどちらを選ぶか思い悩む。
しかし、空は途中で「どうしても一対一の関係でないといけないのかな?」という考えが浮かぶ。
それは、LGBTに対する偏見のような古いモラルと同じなのではないかと。
「それはダメだろう」と私は反射的に思いつつも、「なぜならモラルに反するから」という決めつけで考えていたことに気付いた。
だから、どうしてだめなのか少し整理して考えてみた。
まずLGBTについては、私は社会的にその存在を認められるべきだと思う。
人が愛し合うのは自由だ。
婚姻関係が結ばれることもいいと思う。
でも、もっと枠を広げて、たとえば所得税の配偶者控除を適用しようという話になると別だと思う。
なぜなら、彼らは男女の夫婦と違って子供を作ることができない。
子供を作って、社会の発展に寄与する可能性があるのなら、婚姻関係にある相手の扶養に税制上の優遇を与えましょうというのはわかる。
それができないのだから、社会的に男女の夫婦と同列に扱うべきではない。
養子をとれば適用可能とかならいいかも。
この例であれば、女性の社会進出が進む中で、配偶者控除なんていうものが先に無くなってしまうだろうけど。
さて何が言いたいのかというと、モラルには理由はあるということだ。
LGBTの場合は、子を生せないということ。
動物は子孫繁栄が目的であるのだから、それに貢献できない関係は認めるわけにはいかなかった。
しかし、社会の発達に伴って生き方が自由になり、その目的が子孫を残すことだけではなくなった結果、LGBTも認められるようになってきた。
それでも、人類の繁栄に寄与するかという点でラインを引いて考えるべきだ。
つまり、モラルが古いからって切り捨てていいわけではなくて、そのモラルの意味に考えを巡らせるべきだということ。
では、男女関係についてはどうか。
必ず一対一であるべきなのか?
私の答えはイエスだ。
参加する人が納得すれば、一夫多妻でも一妻多夫でも、究極は一つの共同体の中で自由恋愛でもいいのかもしれない。
日本でも昔は一夫多妻制が普通にあったわけで、一夫一婦制になったのは最近のことといえる。
しかし、現代の子供がほっとかれて大人になるということはまずありえず、金銭面・教育面で親の責任は重くなった。
それを全うするためには、責任の所在が明らかな一夫一妻制が適しているのだ。
そんな社会にいる高校生が変な付き合い方を覚えて、「これもアリなんだ」と勘違いしてしまわない保証がどこにある?
「恋愛は自由に複数人としていたけど、結婚はちゃんと一人とする」なんて柔軟に動くことは難しい。
そもそも空は、一方の男の相手をしているときに、もう一人の男が嫉妬するということを考えられないのだろうか。
自分の中途半端な選択のせいで、誰かが不必要に傷つき続けることに思い至らないのだろうか。
ちゃんと一人を選べば、痛みは一時で済むかもしれないのに。
銀と武人も、高校生なのにその柔軟な付き合い方を許容するのも無理があると思う。
何事も独占したいお年頃だろう。
だから、結婚は一対一であるべきだし、その前段階にある恋愛も一対一でするべきだ。
そのために誰かを切り捨てることになっても、それは仕方のないことだし、その決断は美徳である。
空の発想は、いじめられていた女子がいきなり男二人に告白されて調子に乗っちゃったパターンとしか思えない。
フィクションは何を書いてもいい。
暴力だろうが殺人だろうが、不倫だろうが近親相姦だろうが、どんな物語があっても現実の人が困るわけではない。
でも、それが佳作になるかどうかは全くの別問題だ。
物語に意味がなければ、どんなに刺激的な内容を書いたところで駄作にしかならない。
何を書いてもいいからといって、モラルを無視してもいいからといって、登場人物が現実を見ない選択をすれば、それは違うといいたくなる。
Posted by ブクログ
物語仕立てのブックレビューというかな。このシリーズ、好きなんだよね。本好きの人たちが、本について語っている部分にも引き込まれるし、登場人物それぞれの物語も面白い。表紙がアニメ絵なので、自分の年を考えると、微妙だけど。この本で読んでみようと思った本はたくさんある。小説に限らず、いろんな本でビブリオバトルしてくれるものだから、読書の幅が広がっていいね。本書を読んで、『冷たい方程式』は読みたいと思ったな。
Posted by ブクログ
な、なんだってー!!!
びっくりした。
いや、タイトルが「冷たい方程式」からだってことは途中でわかりましたし、もしかすると「君の知らない物語」もかけてるのかな?(あれもそういう曲だし……なんなら本編もそうだし……)と思ってたんですが、いやほんとに知らない光景、知らないパターンのエンディングを見せてもらいました!逆ならたまにあるけど、うん、これはすごい。
Posted by ブクログ
ビブリオバトルがテーマの小説。作中でもビブリオバトルが行われ、実際に市販されている小説やマンガが沢山出てくる。
この本を読むと読みたい本が増えてくなぁ。