山本弘のレビュー一覧
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人類が衰退したあとの世界で、主人公とアンドロイドのアイビスが出会うところから物語が始まる。アンドロイドを憎む主人公にアイビスが話したのは、いくつかの物語だった。
この作品は、作者の過去作をアイビスが語るスタイルで読むことができる短編集であり、話が繋がることで長編になるように構成されています。
ひとつひとつのお話も面白く、すぐに読み終わってしまいました。本当にアンドロイドがいたら、こうなるだろうな、こんな問題が起こるのだろうなとリアルに想像ができた。本当、きっとこうなる。
「紫音が来た日」では、人の心を救うということについての答えを見た気がする。「ミラーガール」では、子供の頃に人形を友達に -
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豊崎由美のあとがきに共感する。
山本弘は物語で世界を変えようとしている。
『アイの物語』は強いメッセージのこもった本だ。
あらすじの通り、アイビスが読み聞かせるのは6つの物語。
「宇宙をぼくの手の上に」
「ときめきの仮想空間」
「ミラーガール」
「ブラックホール・ダイバー」
「正義が正義である世界」
「詩音が来た日」
「アイの物語」
こうして並ぶからこそ多少の差は出るが、すべて☆5でいい作品たちだ。
書き下ろしは最後の2作品だけだが、その他は初出の時期がバラバラで、それを一冊にまとめてひとつの物語を紡ぐという構成力がすごい。
一つ一つの物語を見ても、構成の上手さが光る。
SFなので都合 -
Posted by ブクログ
#日本SF読者クラブ 自殺騒動も記憶に新しい山本弘氏の作品。人類が衰退し、マシンたちが繁栄する、まるで「ターミネーター」のような未来の地球(ここ重要です)。美しい女性型アンドロイドに囚われた「僕」。彼にいくつかの物語を聞かせるアンドロイド「アイビス」。そう未来の千夜一夜物語だ。
そもそも本作は、作者が別々に発表した短編に書下ろしの2編を加え、インターミッションで繋いで一つの長編にしている。それぞれの短編も面白いし、長編としてもうまく構成されている。特に書下ろしの第6話が効いている。そして最終話で、前述した重要ポイントの真相が明らかにされる。7回日本SF大賞候補、吉川英治文学新人賞候補になるの -
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フィクションだからできること、そしてSFだからできることの限界に挑んだ小説と、ある意味言えるかもしれません。
自分の中での小説10選を選ぶとしたら、その内の一作は山本弘さんの『アイの物語』です。
作品で描かれた人間への絶望と、人間の想像力と技術への希望は、自分の中の人間観や読書傾向を方向付けたものの一つだと思います。
その『アイの物語』と、上巻のレビューで少し触れた同著者の『詩羽のいる街』。この二つの作品の到達点が『プロジェクトぴあの』なのかもしれないと思います。
上巻の終盤で、ついに宇宙へ行くための足がかりとなる理論にたどり着いたぴあの。しかし、その理論の実証やロケットの開発には、様々 -
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悪意や閉塞感に満ちた現実を吹き飛ばし、そして世界を変革するヒロイン。
山本弘さんの『詩羽のいる街』という作品のメッセージとそのヒロイン像に、初めて読んだとき大いに惹かれました。そしてこの『プロジェクトぴあの』の上巻を読み終えた時の感情も、それに近いものを感じます。
AR技術などが進歩した近未来の日本。ある日貴尾根すばるは、秋葉原の電気街でマニアックな部品を買い漁る地味な女性と出会う。彼女の名前は結城ぴあの。常人とはかけ離れた思考と頭脳を持つ彼女は「宇宙へ行く」という夢を語る。そして夢のためぴあのは自宅で実験を続け、一方で資金と賛同者を得るためアイドル活動しているらしく……
ぴあののキャラ -
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ネタバレいやー,久しぶりに続きを読みたくなる小説を読んだ。作者の山本弘氏があのトンデモ学会の初代会長だとは知らなかった。あのトンデモ系統の本なら,ずいぶん読んだけど…。
本書は,近未来,AIが人間にとって変わっている地球の社会を描いたものなのだが,それに至るまでの話(それは,小説内小説となっているのだ)が面白かった。〈以前人間が書いたという設定の6つの話〉と〈主人公のAIアイビスの生い立ちの話〉の計7話でできている。
現実なのか小説なのか,フィクションなのかノンフィクションなのかが,そんなに大切なのか…という呼びかけが随所にあって,それがまた説得力を持って迫ってくる。
「分かってる。ヒトは『真 -
移籍・文庫版ですね
https://booklive.jp/product/index/title_id/283382/vol_no/001
こちらの、移籍・文庫版ですね -
購入済み
紙の本(寺田克也氏の装画の方)で読んで電子版も購入。
SF・オカルト詰め込み放題のエンタメ小説。推理要素はあまり無い。ヒロイン二人とも愛着が湧くので続編が欲しいけど、難しいかな。 -
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いやー本当に久々に興味をそそられた!!この本でのアイとはAIで人工知能の物語。
普通のSF小説だと思っていたら何とも唸ったです。
自分の人工知能に対して無知な事と、いかに人間は論理的でないかと思い知らされた。そして人間は感情の生物だと痛感!
物語は基本的に短編集だけど、主人公達が短編を論じていくので深みにが出てくる。
特に「詩音が来た日」は名作だと私は思う。人間を論理的説明して、AIはこう考える!というのが至極納得させられる。
そして主人公の感情移入に全く同感なのだが、詩音に論じられた時の感情は読者として凄く腑に落ちて私は唸った…
SFだろけど…今までに無い本を読んだ感じで大満足!久しぶりに、 -
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待ちに待った文庫化、第3弾。
「なぜ小説というスタイルなんでしょう?」(中略)「小説っていうスタイルだから 背景にストーリーがあるから面白いんです」。
ただの書評ではなく、小説という形でキャラクターに熱く語らせることで、より一層読んでみたくなる。まさにこのシリーズを的確に表現したセリフだと思います。
読みたい本が増えて行く一方なのはいつも通りですが、それだけでは終わりません!
今回のテーマは「ミステリ」ということで、ビブリオバトルで様々なミステリを紹介していますが、それ自体が仕掛けの一部となっていて、実に完成度が高い!
あれだけ物語を通して教わったはずなのに、あっさり騙されるもんですね・・・ -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公のライターは、オルタマシン=とても出来のよい未成年型のセクサロイドとのコミュニケーションやセックスを通じて、”彼”を”愛する”ようになるが…という、現代的な感覚で忌避感の強いペドフィリアをモチーフにとった考えさせられる本。
主人公は未来の人だが、愛と性が一体化している2000年代的な考え方の人。
お金を払えば、他者の肉体を自由にしてよいのか?という問いにはなんとなくNOと思う人が多そうだ。では、愛があればセックスしていいよね?という主人公的な考え方もどうなのかなと思わせる、かえって愛の方が乱暴ではないでしょうか。
なお、作中でオルタマシンの売春会社を運営する社長が語る過去の経緯の部分で