山本弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私は優しくない世界で優しくあろうとする物語が読みたい。
優しくあるために残酷な選択をすることになったとしても、それは美しいと思う。
本作のテーマは「モラル」、そして「作品が読者に与える影響」について。
物語の主軸は空をめぐる銀と武人の三角関係で、空はどちらを選ぶか思い悩む。
しかし、空は途中で「どうしても一対一の関係でないといけないのかな?」という考えが浮かぶ。
それは、LGBTに対する偏見のような古いモラルと同じなのではないかと。
「それはダメだろう」と私は反射的に思いつつも、「なぜならモラルに反するから」という決めつけで考えていたことに気付いた。
だから、どうしてだめなのか少し整理して -
Posted by ブクログ
複数感を平行に読破に超大作を1作。
AIによる、進化をベースとしプログラミングで、数々のソフトウェアを開発する天才技術者を兄に持つ主人公和久優歌。過去には両親を失うなどの過去を持つが、大学を中退後、フリーのライターとして、オカルトを中心に取材を重ねる。そんな中、兄とともに議論を進めていったところ、「この世界は"神"によるシミュレーションなのではないか」という疑念に到達する…。
長いし、手記として書かれているため、人の動きなどがないにもかかわらず、全く飽きずに読めるのはすごい。実際に動いているのは、過去の何点かと、「昴」の取材、上巻最後の対談くらいで、今の所あらすじを書い -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作はウルトラQを彷彿とさせるような短編連作形式で、怪獣と人間の戦いを硬筆な文体で描くのが気に入ってあっという間に読んでしまったのだが、同様の作品を期待して読み始めたら、あまりにも内容が違うので驚いてしまった。怪獣ものであるということは変わらないのだが、本作は高校生が主役のボーイ・ミーツ・ガールもの。しかも、少年が出会うガール(少女)は実は怪獣・・・ときた。
あとがきを読むと、著者はこのボーイ・ミーツ・ガール部分を楽しく書いたということなのだが、読者のこちらはかなりの置いてけぼり感がある。アクション映画を見ようと男同士で映画館に入ったら、実は恋愛映画でした・・・というような感じの気まずさとい -