山本弘のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
異星人と地球人のファーストコンタクトを描いたSF小説。
異星人の設定自体はなかなか独創的だったし、登場人物達によるオカルトや宗教批判の部分は読んでいて小気味が良く、「と学会」会長の面目躍如!といった感じだったが、肝心のストーリーが、地球に取り残された異星人の誘拐とその奪還劇にほとんど終始し、全体的にスケール感に乏しかった点は、少し残念だった。
勿論、ストーリー自体は展開がスピーディーで、それなりに緊迫感があるし、某有名SF映画を髣髴させるシーンも何度かあって、決して退屈はしないが、壮大なスペースオペラ的なものを期待して読むと、肩透かしをくらうかも... -
Posted by ブクログ
ネタバレスターファインダーの言い回しとか、進化や体格などの性質的にこういう言い方になるだろうと考えられていて、山本弘さんらしさを感じる。
特に、女の子を食べるって表現が伏線になっているとはおもったけど、比喩でもなんでもなくそのままの意味だったのはちょっと驚いた。たしかにそんな進化を遂げた生物がいても不思議ではない。
最終シークエンスは人類滅亡かとおもったけど、そうなったら、山本弘さん的に滅亡になっちゃいそうだし、どうするのかと思ったけど、最後の着地点は違った方向だった。
シークエンスの様子はちょっとみたかったけど、それはそれで蛇足かもしれない -
Posted by ブクログ
ネタバレ山本 弘 『MM9』
(2007年11月・東京創元社)
地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。
有数の怪獣大国である日本では、怪獣対策のスペシャリスト集団「気象庁特異生物対策部」
略して「気特対」が日夜を問わず日本の防衛に駆け回っていた。
多種多様な怪獣たちの出現予測に正体の特定、そして自衛隊と連携するべく直接現場で作戦行動を執る。
世論の非難を浴びることも度々で、誰かがやらなければならないこととはいえ、苛酷で割に合わない任務だ。
それぞれの職能を活かして、相次ぐ難局に立ち向かう気特対部員たちの活躍を描く、本格SF+怪獣小説!
●収録作品
「緊急!怪獣警報発 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読ませることは、読ませる作品。
ブログやホームページなどの文章に近い、
ネット的な文章。
いかに読ませるか、に主眼が置かれている
(作者自身も、作中で、そんなようなことを
書いている)。
普通、小説は電子版になると一気に読みにくくなるが
(青空文庫でもわかるように)、
この小説は、電子版になってもわりと普通に「読ませる」
のではないかと思う。
出だし100ページくらいは、
主人公(作者の山本)が未来から来たアンドロイドと
延々と話をしているだけで、何の展開もないが
(ウルトラセブンの例えが出てくる)
それでも読ませるし、引き込まれる。
設定もしっかりしていて、ワープやタイムトラベルは、
人 -
Posted by ブクログ
上下巻なんとか読破。いやぁ、長かった。
前半では、それこそ大量の「オカルト」めいた怪しい話から、「学術的」な話まで幅広い分野を網羅しながら「神」の正体に迫っていくというスリリングな息もつけない展開だったので、その核心に触れる後半ではどんな結果が待っているのかわくわくドキドキしながら読み進めていったが、ちょっと肩透かしをくらった感は否めない。
「未来予測」的な世界観を構築しすぎたせいで、登場人物が単なる「説明係」に終始し、それぞれ人間らしい感情を吐露する場面もあったはあったが、あまり感情移入できず、小説としてちょっと機能不全な部分が目立つ。
おそらく著者の「いいたいこと」が全面に出過ぎたせい