山本弘のレビュー一覧

  • UFOはもう来ない

    Posted by ブクログ

    異星人と地球人のファーストコンタクトを描いたSF小説。
    異星人の設定自体はなかなか独創的だったし、登場人物達によるオカルトや宗教批判の部分は読んでいて小気味が良く、「と学会」会長の面目躍如!といった感じだったが、肝心のストーリーが、地球に取り残された異星人の誘拐とその奪還劇にほとんど終始し、全体的にスケール感に乏しかった点は、少し残念だった。
    勿論、ストーリー自体は展開がスピーディーで、それなりに緊迫感があるし、某有名SF映画を髣髴させるシーンも何度かあって、決して退屈はしないが、壮大なスペースオペラ的なものを期待して読むと、肩透かしをくらうかも...

    0
    2012年12月30日
  • ソード・ワールドRPGリプレイ集スチャラカ編1 盗賊たちの狂詩曲

    Posted by ブクログ

    TRPGの元祖リプレイ本。TRPGを面白そうだと思いつつ、楽しさがいまいち分からなかったのだが、本書ではルールなり進め方なりから説明してくれるので、「TRPGってそうやるのか~!」と目から鱗が落ちる思いだった。キャラクターメイクから解説し、プレイヤーは初心者ばかりなので、易しい。ゲームマスターがとても大変そうだ。楽しかったので、次も読むかな。

    0
    2012年12月15日
  • MM9【文庫版】

    Posted by ブクログ

    怪獣のいる風景。現実世界と怪獣世界を組み合わせただけじゃなく、更に神話や妖怪なんかの民俗学を合わせてきてるのが面白かった。翻訳されて海外でも読まれているもよう。

    0
    2012年12月09日
  • UFOはもう来ない

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    スターファインダーの言い回しとか、進化や体格などの性質的にこういう言い方になるだろうと考えられていて、山本弘さんらしさを感じる。

    特に、女の子を食べるって表現が伏線になっているとはおもったけど、比喩でもなんでもなくそのままの意味だったのはちょっと驚いた。たしかにそんな進化を遂げた生物がいても不思議ではない。

    最終シークエンスは人類滅亡かとおもったけど、そうなったら、山本弘さん的に滅亡になっちゃいそうだし、どうするのかと思ったけど、最後の着地点は違った方向だった。

    シークエンスの様子はちょっとみたかったけど、それはそれで蛇足かもしれない

    0
    2013年01月22日
  • MM9【文庫版】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    山本 弘 『MM9』
    (2007年11月・東京創元社)

    地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。
    有数の怪獣大国である日本では、怪獣対策のスペシャリスト集団「気象庁特異生物対策部」
    略して「気特対」が日夜を問わず日本の防衛に駆け回っていた。
    多種多様な怪獣たちの出現予測に正体の特定、そして自衛隊と連携するべく直接現場で作戦行動を執る。
    世論の非難を浴びることも度々で、誰かがやらなければならないこととはいえ、苛酷で割に合わない任務だ。
    それぞれの職能を活かして、相次ぐ難局に立ち向かう気特対部員たちの活躍を描く、本格SF+怪獣小説!
    ●収録作品
    「緊急!怪獣警報発

    0
    2012年09月25日
  • 去年はいい年になるだろう

    Posted by ブクログ

    読み始めは「ああ、こういうタイムパトロール的なやつね」って思いながらガーディアン到着まで進んだけど、某SF作家個人にストーリーの焦点があたり、タイムパトロールの個人との関わり合いという要素が組み合わさることで、物語は深みを増してゆく。誰もが自分の家族が大切で、自分の身が大切。「自分」の側がどんな規模なのかの考え方は人によって違うけど、規模が違うだけで結局は身勝手なんだよなと。終わり方が山本弘らしいともらしくないとも言えて印象的。

    0
    2016年01月17日
  • MM9【文庫版】

    Posted by ブクログ

    最終章に登場する「クトウリュウ」が古典怪奇小説ラヴクラフトの「クトゥルフ」に見えて、気になって仕方なかった。
    巻末の参考資料で発見して、、、納得。

    0
    2012年08月12日
  • 去年はいい年になるだろう

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読ませることは、読ませる作品。
    ブログやホームページなどの文章に近い、
    ネット的な文章。
    いかに読ませるか、に主眼が置かれている
    (作者自身も、作中で、そんなようなことを
    書いている)。
    普通、小説は電子版になると一気に読みにくくなるが
    (青空文庫でもわかるように)、
    この小説は、電子版になってもわりと普通に「読ませる」
    のではないかと思う。

    出だし100ページくらいは、
    主人公(作者の山本)が未来から来たアンドロイドと
    延々と話をしているだけで、何の展開もないが
    (ウルトラセブンの例えが出てくる)
    それでも読ませるし、引き込まれる。

    設定もしっかりしていて、ワープやタイムトラベルは、

    0
    2012年07月29日
  • 地球移動作戦(上)

    Posted by ブクログ

    山本弘はどんどんヒューマンドラマを描けばいいと思う。20世紀後半風の宇宙飛行SFで始まり、架空の技術革新がなされた未来、地球を救うためにどうすればいいかという物語になる。なぜ未来を語らせると、みな老化防止と寿命の伸びを出すんだろうか。
    ニコニコ動画を元ネタにしたと思われる~Pが出てくる。「南極点のピアピア動画」の印象が強すぎて二番煎じに思えてしまった。本書の方が先に出版されたのは間違いないので、単なるインパクトの問題です。

    0
    2012年06月07日
  • 地球移動作戦(下)

    Posted by ブクログ

    クライマックスの地球移動作戦の描写は手に汗握った。

    仮に文明が消滅するレベルの災厄が現実に起こった時、本書のように人類は団結できるのかと考えてしまう。きっと、本書で描かれたようなテロリズムが発生するのだろう。そういう、愚かな行動に走る人間の描写が現実感があると感じる。

    0
    2012年05月06日
  • MM9【文庫版】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「怪獣」が自然災害として位置づけられる「if」の世界のお話。SFの旗手らしく、荒唐無稽な設定もうまく消化させられているように思いました。
    この手の話っていかにその設定にリアリティを持たせられるかが肝だと思うんですがそのあたりはさすがですね。

    まあ内容はお気楽な連作短編な感じですが、「24時」のようにバカっぽくまとめてある話もあれば、最後の「トンデモ」系の話もあれば・・・
    最終的な落とし所がトンデモ系になってしまったのが自分の好みからははずれてしまっていてちょっと残念。

    0
    2012年04月02日
  • 神は沈黙せず(下)

    Posted by ブクログ

    上下巻なんとか読破。いやぁ、長かった。

    前半では、それこそ大量の「オカルト」めいた怪しい話から、「学術的」な話まで幅広い分野を網羅しながら「神」の正体に迫っていくというスリリングな息もつけない展開だったので、その核心に触れる後半ではどんな結果が待っているのかわくわくドキドキしながら読み進めていったが、ちょっと肩透かしをくらった感は否めない。

    「未来予測」的な世界観を構築しすぎたせいで、登場人物が単なる「説明係」に終始し、それぞれ人間らしい感情を吐露する場面もあったはあったが、あまり感情移入できず、小説としてちょっと機能不全な部分が目立つ。
    おそらく著者の「いいたいこと」が全面に出過ぎたせい

    0
    2012年01月03日
  • 地球移動作戦(下)

    Posted by ブクログ

    やっぱり主人公が好きになれない。
    が、やっぱり世界観は楽しい。
    で、歌が流れる場面は胸熱。
    終わり方も好き。

    0
    2011年12月07日
  • 闇が落ちる前に、もう一度

    Posted by ブクログ

    日本を代表するSF作家の初期短編集。

    山本弘氏のすごいところは、SF世界のバックボーンとなる科学知識が非常に卓越しているところである。

    とくに人工知能に関する理論的記述は凄まじい。

    そんな山本氏であるが、本書は各章によって若干完成度にばらつきがあり、「審判の日」「闇が落ちる前に、もう一度」は短いながら熟成された世界観があるが、「屋上にいるもの」や「夜の顔」など若干オカルト方面に傾きすぎた話もある。

    山本SFの入門書としてはおすすめ。

    0
    2011年12月03日
  • 神は沈黙せず(下)

    Posted by ブクログ

    神がこの世界を創造した目的が明らかにされています。
    「ああ、成程ねえ」とは思いましたが、特にビックリ仰天するという程のこともありませんでした。上巻を読み終えた時点では、神の正体やその目的について、とてもワクワクしていたのですが、少し肩透かしにあった気分。
    話が長すぎて最後の方はちょっと飽きてきたっていうのもありますし、前半の盛り上げ方に対して後半の収束の仕方がちょっと雑な感じがしてしまいました。分量的にこの半分で丁度良かったような気がします。

    0
    2011年11月09日
  • 神は沈黙せず(上)

    Posted by ブクログ

    神は存在するのかしないのか。小説の形ではありますが、様々な心霊現象やUFO、科学的に説明のつかない不可思議な現象を事例として挙げながら論証が進められていきます。さすが「と学会会長」山本弘というところでしょうか。ただ、後半はあまりにもうんちくが多すぎて少々うんざりしたというのが正直な感想です。下巻ではいよいよ神の正体が解き明かされていくということなので楽しみに読み進めて行きたいと思います。

    0
    2011年11月03日
  • 地球移動作戦(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作者が言っているように、どのようにして地球を動かすのか、また、何故地球に向かってくる星が発見されなかったのか、がSF的アイディアとして大変良い。人工意識と人間の関係も興味深い。だが、ストーリーとしては、予定調和的で、盛り上がりに欠けたように思う。この作者は、私のお気に入りだが、いつも主人公の魅力が今一つだと思う。

    0
    2011年10月15日
  • MM9【文庫版】

    Posted by ブクログ

    最近wowowでウルトラQを放送していて、親が喜んで観ていたので、一緒に観ていたが、まさにそんな感じの小説である。世界中で怪獣が頻発に登場し、それを防ぐための機関が気象庁の中に存在するというなんとも子どもゴコロをくすぐられるストーリー。
    ドラマ版もたまに観ていたけど、あっちはほとんど怪獣が姿を表さなかったので、そういう話かと思っていたら原作はガンガン登場してきた。
    これ、続編でてるので、是非読みたい。むしろそれを読むために、一巻目を買ったにすぎなかったりする。

    0
    2011年09月11日
  • 闇が落ちる前に、もう一度

    Posted by ブクログ

     最近凝っている山本作品をまとめて借りた。短編集である。

     文庫版で「闇・・・」を、ハードカバー版で「審判・・・」を借りたのだが、中身は同じだった。タイトルを変えて発刊したんだなぁ。もう少し考えて借りればよかったかな。

     作品は、ラスト1行が素晴らしい冴えを魅せる「闇が落ちる前に、もう一度」、オカルト風でイマイチの「屋上にいるもの」、AI・仮想現実のひとつの解釈となる「時分割の地獄」、ディックあたりが書きそうな(というか実際に書いている)「夜の顔」、発想がユニークだが昇華しきれていないと思う「審判の日」。

    まぁまぁかな。

    0
    2011年09月03日
  • MM9【文庫版】

    Posted by ブクログ

     日常的に怪獣被害が多発する世界。このモンスター・マグニチュードってな概念で災害規模を表す世界でのSF。

     面白い。とにかく面白い。なぜなんだろう? 怪獣の存在をシュレディンガーの猫まで使って量子的に仮想存在させるあたりのこだわりが面白いのである。

     観察者である未来の人間が信じるからこそ、過去が存在するってセリフは、量子論の最もわかりやすい解説のように思える。 いやぁ、楽しいなぁ。続編に期待したいなぁ。

    0
    2011年09月01日