宇佐美まことのレビュー一覧

  • 夜の声を聴く

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    リサイクルショップ「月世界」には七十代の野口タカエと、全く血縁関係がない大吾が二人で暮らしている。

    その店に時折持ち込まれる奇妙な相談事。
    主人公の堤隆太は、二人と共に事件を解決して行く。

    前半は軽い推理小説の体を成しているが、読み進めるに連れ夜の闇が深く濃く変化し終盤はその表情が一変する。

    一見関係ないと思っていた事件から点と点が繋がり1本の線になった瞬間、11年前に起きた一家殺人事件の真相が明らかになる。

    理不尽さと哀しみ、歪んで伝えられる報道、やり切れなさに胸が詰まる。

    夜明けを感じるラストにようやく安堵した。

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    2023年02月16日
  • 角の生えた帽子

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    一本の話かと思ったら短編集だった。しかし難しいよね、短編って。良質な短編にはなかなか出会えないからこういった感想にもなる。

    12篇の物語のうち、ほう!というのは2、3かなー。夏休みのケイカク、犬嫌い、あなたの望み通りのものを、あたりかな。

    全体的にキライではないんだけども、文字通り小品感があって消化不良よね。あら、もう終わりなのね、と。

    ちょっと不気味なってところで行くと、世にも奇妙な某の原作みたいな感じだ。サクッと読めるので軽く活字慣れしていきたい時には良いのかな。

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    2023年02月10日
  • 超怖い物件

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    物件を題材にした怪談集。一部小説では無いものも含む。怪奇現象的なストーリーばかりかと思ったがそう言うわけでもなく、どちらかと言うと現実の人間が一番怖かったり

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    2023年02月05日
  • 超怖い物件

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    一応、「家」にまつわる怪談、ということになるのかな。(読んでいる最中それが強く意識されるという感じでもないのだけど。)

    全体的にはきちんとそれぞれ「作品」になっているので、素人っぽいノリで集めた聞き書き怪談、みたいな雰囲気ではなく、しっかり読み応えがあるものが多かった。

    ただ、なんというか、「物件」と冠されたタイトルと内容とはちょっとズレがあるように思う。「怖い家」くらいの方が適当なんじゃないだろうか。あんまり、不動産としての物件にまつわる怪という方向性ではないので、いわゆる事故物件怪談みたいなのを期待していると「およ?」となるかも。

    個人的に印象に残ったのは、福澤徹三『旧居の記憶』、黒木あるじ『牢家』、平山夢明『るるろいの家』あたりだろうか。

    『旧居の記憶』は、大きな山場のある話というよりも、文章とその時代背景から浮かび上がる全体の雰囲気に独特のグロテスクさとノスタルジックな空気感があって、妙につらつらと惹き込まれるように読み進めてしまう。

    『牢家』は、黒木さんらしいといえばそれまでなのだけど、地方に伝わる民間伝承や土俗的な風習を現実とからめてエンターテイメントに仕上げた感じ。

    『ろろるいの家』は、純粋に怖い話。どこかで聞いたことのあるような設定が色んな角度から登場して、最初は「あれ?この設定、どこかで…」と思って怖いというよりは「きたきた!」と楽しみながら読んでいる感じなのだけど、トータルでいうと楽しいというよりジワジワと怖くなっていく。

    秋の夜長に楽しませてもらった。

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    2022年11月23日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    角川ホラー文庫ベストセレクションのアンソロジー。
    小松左京の「骨」は既読でしたが、久々に読んでも怖いと思った。震災の後の大洪水というくだりが東日本の震災のことを書いてるようで、それが1972年に書かれていたというところにまた戦慄。
    坂東眞砂子「正月女」何かのアンソロジーで読んだか、それとも同じような別の話だったか…ホラーというよりイヤミス的な面白さだった。
    小林泰三「人獣細工」のラストが一番おぞましかった。
    これは角川ホラーセレクションの第二弾らしい。
    第一弾「再生」の方も読みたい。

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    2022年11月20日
  • ドラゴンズ・タン

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    古代中国に始まり現代日本へと至る超絶幻想ロマン。それぞれが独立した5つの物語で紡がれる連作形式だ。
    1人の男が世界の破滅を望み、その呪いから生まれた謎の存在“竜舌”。分かち難い絆で結ばれた2人の男女が、宿命により輪廻転生を繰り返しながら“竜舌”を討つ機を窺う。
    5篇それぞれに読み応えがあり、あちこちに伏線やヒントが散りばめられている。そのすべてが収斂する第五章は圧巻だ。
    まさに今、この時代にこそ、本書が出版された意味がある。

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    2022年10月05日
  • るんびにの子供

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    るんびにの子供 / #宇佐美まこと

    07年にデビューした作家さん!
    初めて読みました。中国の呪具、ラン・ポォーの話が好み。人を呪い殺すという狼の脚を巡り戦時中のストーリーと現代での使い方が描かれる。文章や言葉の選び方もとても上品で大変好ましい作家さんでした!他の作品もぜひ読みたい。

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    2022年09月28日
  • るんびにの子供

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    宇佐美真まことのホラーってことで、個人的・夏のホラー特集の一環として。7編を収める短編集。やっぱりでも、根っからのホラー好きではないのかな。それなりに楽しめはしたけど…みたいな。

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    2022年09月06日
  • 死はすぐそこの影の中

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    伏線回収は見事なものですが、伏線が伏線とわかりやすすぎて、張った時点で結末まで読めてしまうのが残念。
    トリック?は、綾辻行人的な感じとだけ記しましょう。最後の急展開にもついていけず…
    この作者は最後はいつも急展開なの?

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    2022年08月10日
  • るんびにの子供

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    初めましての作家さん。
    るんびにの子供・柘榴の家・手袋・キリコ・飛び出す絵本・
    獺祭(だっさい)・狼魄(ラン・ポー)
    デビュー作 7つのホラー短編集

    これがデビュー作だなんて、恐ろしい
    既に完成されていると言っても過言ではない
    何かを予想させながら、軽くかわして
    我慢して我慢して復讐を遂げるという感じで
    別の意味でもゾっとする。

    やはりホラーって、色んな怖さがあった方が
    面白いし、うわぁ・・・って思わせてくれるのも
    それらを淡々と語ってくれるのも、ホラーの醍醐味だと
    思ってしまう今日この頃です(^◇^;)

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    2022年07月25日
  • 夜の声を聴く

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    前に読んだこの作家の本がとても良かったから期待して読んだ。文体は読みやすく、ストーリーテラーとしてのうまさはあったが、でも期待ほどではなかった。

    一番の謎が、主人公がそこまで女性に惹かれた理由が良く分からなかった事で、ここが引っ掛かってしまい感情移入できなかった。とは言えどのエピソードもミステリー要素があったり切なかったりで、それなりに面白かった。

    思い出と今が交差するちょっと不思議なシーンは綺麗。

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    2022年07月25日
  • 骨を弔う

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    小学生の時の悪ふざけで骨格標本を埋めた‥それはホントに骨格標本だったのか?ラストはまた意外な展開になって‥楽しく読めました。

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    2022年05月06日
  • 骨を弔う

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    " [..] それでええ、と答えた。「真実が人を助けるとは限らん」"
    なんか重いな、、と途中思いながら、結局最後まで読み終えました。

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    2022年04月24日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    坂東眞砂子さんの『正月女』と恒川光太郎さんの『ニョラ穴』が印象的。
    平山夢明さんと小林泰三さんのはもう何度も作品読んだことあるけど、相変わらず好き。

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    2022年04月17日
  • 夜の声を聴く

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    ディアトロフ峠事件ってそういうことだと推測されているのか、と思いました。参考文献を読もうかと思いました。

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    2022年04月02日
  • 黒鳥の湖

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    犯人が誘拐した女の持ち物を家族に送りつけてくる事件。疾走した高校生の一人娘が事件に巻き込まれたのではないかと憔悴し心配する両親と、その両親が隠している過去の秘密。過去の事件と現在の事件が奇妙に一致し、真相に近づいていくミステリー小説。

    読み始めは面白くてあっという間にひきこまれていくが、中盤で「あー、この人がこの人だよね…」となんとなくわかってくる。で、物語の軸はいったいどれなんだ?と思うくらい話があっちこっちへ行き「この話はちょっとあんまりかな…」と思いかけるも、終盤パタパタパタっと全部つながっていき、最後は一気読み!なるほど、きれいに終わったな、面白かった。

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    2022年03月26日
  • 角の生えた帽子

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    強大なモンスターも派手な怪奇現象も出てこないけど、ただひたすらに気味が悪い感じの「静かな怪異」が日常に滑り込んでくるような話が中心。
    でも基本的にただ胸糞悪いだけの話はないので読後感は意外とすっきり。
    『世にも奇妙な物語』のコメディ話なしバージョン(感動系は多少あるよ!)みたいな感触だった。
    同じ状況下なら自分でも普通に抱いてしまいそうなネガティブ感情が話のとっかかりになってるパターンが多くてぞわぞわする……

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    2022年03月14日
  • 熟れた月

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    がんで余命半年と宣告されたヤミ金業のマキ子。
    落ちぶれた取り立て屋の乾。
    陸上部のエース阿久津先輩に憧れる高校生の結。
    生まれてから車椅子の生活しか知らない身体の不自由な博。
    いったいどこで彼らが結びつくのかと思いながら読んだけれど、第五章で話が急展開を迎える。

    最近"人と人とのつながり"を主としたものを読む機会が多いので、絶対に思いがけない人物でつながるものと覚悟していたのに…それでも予想外だった。

    「世界はつながっているんだ。時とか空間とか。それから人と人も」
    「世界は輪っかのようにつながっているのだ、という気がした。一度も会ったことのない人と人も、実は深い関係があり、昔起こった些細な出来事が、今日の出来事を引き起こす、というようなことが。」

    風が吹けば桶屋が儲かる…じゃないけど、全然関係のないようなことでも実は影響を受けているということが、意外と世の中にはあるのかもしれない。パッと見では分からないし、私達も無意識の範囲内だから気づいていないだけで。

    ラストは少しばかり明るい。けれど、マイナスがゼロになっただけである。
    "ウーピーパーピーの木の下に埋めた。そこに埋めたら、何もかもなかったことになる。初めっからやり直せる。すべてはうまくいく"。そう、何もかもなかったことになって、初めっからやり直せるだけなのだ。
    そこから自分を変えるかどうかは、自分にかかっている。

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    2022年03月11日
  • 熟れた月

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    面白くありませんでした。取ってつけたようなエンディングも予想どおりで、前半の不快さが消えることはありませんでした。凝った作りなのでしょうが残念ながら私には合いませんでした。この著者はもう終了します。

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    2022年02月22日
  • るんびにの子供

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    四人の園児たちが池で見たのは自ら上がってくる少女。
    少女は幼稚園「るんびに」まで付いてきた。
    仁美は、その少女を時折見かけた。

    女の家に居候を決め込んでいた男は、その家を追い出されることになってしまった。
    泊まる場所も無い。途方に暮れた男は一軒の古家に入り込む。
    その家に住む老婆は男を孫だと思い込み、男を招じ入れる。
    その古家には柘榴の木があった。

    他5編。

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    2022年02月17日