宇佐美まことのレビュー一覧
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気鋭の若手からベテランまでが一堂に会した「最恐」の物件怪談アンソロジー。
家や土地をテーマにしたホラーアンソロジーです。
作家陣が豪華で、個人的には外れなしでした。どれを読んでもじっとりと湿度のある話が楽しめます。
珍しい方だと、事故物件検索サイト「大島てる」の管理人・大島てるさんのお話なんかも掲載されています。サイト自体は見たことがありますが、文章も書いているとは初めて知りました。
実際に届いたメールや、自身が本を出すための取材で回った際に見聞きしたものについて書いているお話や、伝染する呪いを扱ったような作品も多く、虚構と現実が曖昧になる感覚がしてそれもまた良かったです。現実に侵食してくるような話は不安になる感じが好き。
個人的に気に入った2作は、その土地に憑く”ナニカ”の不気味さが存分に楽しめる平山夢明さん『ろろるいの家』と、恐ろしくも耽美な化物の話、郷内心瞳さん『トガハラミ』。
でも、それ以外のどの話もそれぞれ味わいが違っていてどれも面白いですよ。 -
Posted by ブクログ
宇佐美まことさんのデビュー作。
受賞作を含む短編7篇が収録された作品でした。
夏だし暑いしたまにはホラーでも…
と思って手に取った作品。
いやぁ、まず文庫の装丁…怖すぎます。
ブックカバー必須ですね笑
るんびにの子供
柘榴の家
手袋
キリコ
とびだす絵本
獺祭
狼魄
解説は岩井志麻子さん
さてさてホラー作品って初めてでしたが、意外にサクサク読めました。そして読み進めるにつれ、次第に高まるゾワゾワ感。なかなか楽しめました。
映画や漫画と違って、特にこの様なホラー作品では読者がこの世界観をどの位想像して、脳内で展開し彩り良く描けるかが肝ですね。
その意味で、どの作品も注意力散漫になることなく没頭させるストーリーでした。
短編だけに凝った伏線回収等はありませんが、その分直球勝負で面白かったです。割と女性目線が強いので、女性の方が没入しちゃうかもしれません。
私は特に『柘榴の家』と『とびだす絵本』が印象に残りました。
ホラーというか地上波の『世にも奇妙な物○』みたいな不思議な物語でした。 -
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公園で、自分の目の前で女性が、リストカットし、その切ったカッターナイフを渡される。
彼女とのそんな出会いから引きこもり生活をしていた少年は、彼女の通う定時制高校に進学する。その学校で知り合った同級生の男の子と、幾つかのミステリーを解決しながら、最後は、その男の子が巻き込まれた一家殺人事件の解決という大きな流れになる。
参考文献からもわかる様に、ちょっと変わったミステリ解決もあり、工夫されているなと思う。そして、引きこもりだった少年や殺人事件の生き残りの少年、リストカットがやめられない少女が、それでも、毎日通学する定時制高校とそれを支える先生との青春の一年のお話でもあるかな。 -
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幼い時、母親を病気で亡くした女性。父親と姉に大切に育てられる。
二十歳になった彼女は、姉の夫に惹かれてしまう。大人しげな姉が不倫の末結ばれた男だった。
過ちは一度だが、彼女はその気持ちを引き摺って40過ぎまで、恋愛には不向きであった。
そんな彼女は11歳年下の男性と付き合う。男は、彼女に夢中になり別れ話の後、自殺する。
そんな、仕事はできるし自立心もある自由な生き方をしていた女性の、恋人だった男の自死、姉の夫との再会から揺れ動く気持ちを、四国遍路の一人の女性の手記に自分を重ねて、女としての醜い部分に恐れを感じる。そして、思わぬ罠にハマっていく。
遍路の日記が、出来すぎているのが、不自然な感じがあったけれど、ラストのほうで、その日記の本当の意味がわかり、女達は怖いなって思う。
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物件、つまり家や土地にまつわる怪談集。
表紙に並んだ著者名を見てほしい。
どれもこれも怪談の名手じゃないか!
一作品既読があるだけで、他は全て初めて。
なんだよー全然怖くない、なんて思っていたが、やっぱり夕暮れ時から夜にかけて思い出したり読んだりするとぞわぞわする。
「牢家」は、座敷牢というキーワードに引っかかってしまうと、最後にひっくり返される。
そして、ホラーにはお決まりの(作中でも言及されているが)地元の老人が「はいっちゃいかん!止めろ!」という。
もう絶望しか無いフラグが立つ。
そしておそらくその通りになる。
が、みなまで言わず余韻を残すところは作者の技量。
大島てるの「旧居の記憶」は、ほんとうに大島てるにこんな手紙が届いたんじゃないか、と思わせる。
だが、職業作家と比べると、ちょっと怖さは弱め。
「ろろるいの家」はさすが平山夢明。
意味不明の言葉が不気味さを増長する。
そして意味を知った時、背筋が凍る。
これは今が冬だから、じゃないよな。