櫻井祐子のレビュー一覧

  • 〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

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    ポーターの競争戦略論をコンパクトに学べるエッセンシャル版。
    何百ページにもおよぶ書籍を読むのは時間的にも体力的にもシンドイという人(私)も、これなら読める。

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    2018年10月21日
  • 不合理だからうまくいく 行動経済学で「人を動かす」

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     日常生活とビジネスのどちらにも実践的に活用できる素晴らしい本である。
     著者の前作「予想通りに不合理」の続編。実験に裏付けられた説で人間の不合理な行動を学ぶことができる。

     自分でも気づかぬうちに不合理な行動を取ってしまっており、本書のおかげで行動を改めることができた。

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    2018年10月19日
  • 不合理だからうまくいく 行動経済学で「人を動かす」

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    第一部「職場」、第二部「家庭」に分けて不合理な行動を社会科学的に解き明かす。若い頃は、職場の同僚の働きぶりに「もっと合理的にやればいいのに」と秘かに思っていた。しかし、不合理な余裕もあるものだと経験的に感じる今日この頃。「働くことの意味」は興味深く、しかし今の自分が金銭のため以外に意味を見出していないのではないかと自問せずにはいられなかった。職場でも家庭でも報復・悪感情の行動はダメなんだな~ そして、分かっていても不合理な行動をなかなかやめられないということも理解して行動しようと思う。

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    2018年09月21日
  • OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

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    休暇先のメキシコで最愛の夫の急死で亡くした著者による、悲嘆からの回復さらには成長のOPTION Bのマインドセットの養い方。自責化、普遍化、永続化の「3つのP」を脱し、「人間としての強さを自覚する」「感謝を深める」「他社との関係を深める」「人生により多くの意味を見出す」「新たな可能性を見出す」ことで成長さえもできること。
    辛さに浸るのも仕方ないけれど、それを固定的に受け止める必要はないし、幸せになっていい。辛さを抱える人にどう向き合い支えることができるのかを教えてもらった。LGBTQ(本書ではQはクィア)という捉え方も初めて知った。
    18-105

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    2018年08月16日
  • OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

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    ネタバレ

    苦難からの立ち直りを妨げる3つのP、「自責化」Personalization 自分が悪いのだと思うこと、「普遍化」Pervasiveness ある出来事が人生のすべての側面に影響すると思うこと、「永続化」Permanence ある出来事の余波がいつまでも続くと思うこと。

    もっと悪い事態を想像することが立ち直りを助ける。
    部屋の中のぞう=誰もが見て見ぬふりをしている問題 を追い出す。

    病の彼女に、大丈夫よ!ではなく、、これから何が起こるかはあなたにも私にもわからない、でもあなたひとりにつらい思いはさせない、私もずっとそばにいるから。
    話したくなったら私はここにいるから。。と言ってあげればよかった。

    苦しんでいる人にはボタンが必要。自分で状況をコントロールできると思えることでストレスに耐えることができる。

    聖書のゴールデンルールは、自分が扱ってほしいように他人を扱いなさい、であるが、誰かが苦しんでいるときにはプラチナルールの方がよいことも。他人が扱ってほしいように他人を扱いなさい、だ。
    誰に頼るか?は、リングセオリーによる。悲劇の中心人物を円で囲み、その周りに一回り大きな円を書き悲劇から2番目に影響を受ける人の名前を書く、その外側の円に3番目に影響を受ける人、円が大きくなるにつれて悲劇から受ける影響は小さくなっていく。(心理学者スーザン・シルク)

    悲劇の5段階、人は喪失に直面するとまず「否認」ついで「怒り」「取引」「抑うつ」を経て「受容」、ただ段階的に進行しないことも。一緒に乗り越えようと言ってあげることが大事。

    砂の足跡という詩、語り手は神と浜辺を歩いた夢を思い出している。砂浜にはいつも2組の足跡があったが、「苦しみや悲しみ、失意」に打ちひしがれていた時には、一組の足跡しかなかった、見捨てられたように感じた語り手は神に問いかける、「わかりません、なぜあなたを一番必要としていた時にお離れになったのですか」と。神は答える。「一組の足跡しかなかったのは、わが子よ、おまえを抱き上げて歩いていたからだ。」

    ジャーナリング、書くことで色々な感情を処理できる。今日できたことを3つ挙げること、感謝すること。

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    2018年06月30日
  • OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

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    ネタバレ

    困難を乗り越えた後の成長。

    高い壁にぶつかっている最中、本人には見えないけれど、必ずその先には「成長」が待っています。

    失敗は、学ぶ機会。
    その通りだと思います。

    たぶん 私は自分でも困難を乗り越えた(と思っている)経験があるので、次に壁が立ちはだかってきたとしても、何とかなるでしょう。

    けれど、渦中ではそう思えないものです。

    乗り越える力=レジリエンスは、自分で鍛えることができる。
    冷静な時にはわかっていても、パニックになっているときには、到底無理。

    レジリエンスを鍛えるためにも、定期的に読み返したい本です。

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    2018年05月26日
  • 英国一家、フランスを食べる

    購入済み

    好きなことを突き詰めていく姿勢

    食に対する著者の気持ちに、敬意を表します。本当に勉強家で努力家です。テレビの「日本を食べる」のアニメーション部分がどうしても納得できませんでした。原作のほうが著者の真摯な気持ちがよくわかります。彼は決してふざけてはいません。

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    2018年05月06日
  • SPRINT 最速仕事術―――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法

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    一年ぶりに読み返してみたけど、感想はやはり「最高かよ!」。デザインスプリントやってみたくて仕方ない!!

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    2018年04月25日
  • Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学

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    ネタバレ

    今まで漠然と、概念として知っていたこと。
    どうしたらもっと良くなるのだろう。
    そういった疑問の幾つかを、この本は解決してくれた。

    「一人の臓器提供者から、臓器を求める複数の人たちに提供する方法。」

    「合コンパーティーのような形で、男女が互いに、第一希望第二希望・・・第N希望を出し合った時、誰もが納得する方法」

    この方法の素晴らしいところは、パソコンに「この方法でマッチングを行う」と、予め入力さえしておけば、参加者が自分の希望を出し次第、直ぐに処理してくれる。
    とにかく早いのだ。世の中には無駄なマッチングで溢れてる。そのせいで不幸になる多くの人がいる。
    今後、様々なケースに適したマッチング方法が確立され、広がっていくことを予感させる、未来が楽しみになる本だ。

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    2018年04月13日
  • OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

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    LEAN INよりも人間味があるというか、源体験がもたらす強さというか、すごい1冊だった。

    #optionb #sherylsandberg #レジリエンス

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    2018年01月26日
  • SPRINT 最速仕事術―――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法

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    月曜日から金曜日までの5日間で、試したいアイデアの絞り込みからプロトタイプの作成、顧客インタビューをしてフィードバックを得るまでをやってしまう「SPRINT」の手法を解説した本。これをそのままやってみるのはなかなか難しいけど、限られた時間で答えを出す、必要なところだけ作る、顧客の声を聴く…などなど、仕事に活かしていきたい考え方がたくさんあった。一回、何かしらの形でやってみたいなぁ。

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    2018年01月14日
  • ずる 嘘とごまかしの行動経済学

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    人は、どのような時にずるをするのか、ずるに焦点を当てた本。耳がいたい。
    「そこの解答だけ見るつもりで見えてしまった隣の問題を、自分で解けたことにして、なんとなく出来ている気になる」よくあることだ。この導入部分からすでに引き込まれた。

    本書では様々な実験について記述されているのだが、その中でも「偽物を身につけるとずるをしやすくなる」という実験が興味深い。
    クロエのサングラスを 本物・偽物(偽物と伝えていても本物を使用)・なにも伝えない という3つのグループに分けて、サングラスをかけたままテストを行う。
    すると、偽物だと伝えていた人がずるを多くしたという結果になった。偽物で他人は騙せても自分は騙す事が出来ないのだ。
    また、偽物のサングラスを掛けた人は、他の人に対しての疑心も強くなるという実験もある。
    他人を疑い深くなるということ。「自分がそうなんだから、他人もそうに違いない」という心理なのだろうか。
    他人は自分を映す鏡という言葉がとても良く当てはまる。
    反対に、サングラスが本物だと伝えられたグループは、なにも伝えていないグループよりも、ずるをしないという結果になった。
    奮発して買ったバッグや靴を身につけていつときはシャンとした気持ちになるもの。
    女性は、下着にお金を掛けなさいと言いますが、気持ちの問題というものは行動に現れるから、そういう風に言われるのかもしれないと思った。

    日常生活に使えそうだと思ったのが、コイントス決定法。ただのコイントスで決めるわけでない。
    まずは、どちらか迷ったときにコイントスを普通に行う。ここまでは、普通のコイントスと同じだ。
    大切なことはその結果に対して自分がどう思うか。
    少しでも「もう一回やり直したい」と思ったのなら、もう一方を選ぶ。コイントスの意味がない!と思ってしまうが、真理を突いている方法だ。コイントスをどちらか決定する手段としてではなく、自分でも分からない自分のの気持ちを知るための道具として使う。
    選択に迷ったときは、試してみようと思う。

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    2017年12月22日
  • イノベーションへの解

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    今後の仕事の進め方を考える上で、非常に参考になりました。
    自分の会社の商品サービスの向かうべき方向も何となく見えてきましたし。

    時間を見つけて、また、読み直したいと思います。
    きっと、読み直すたびに、新たな気付きがあると思います。

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    2017年11月12日
  • 〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

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    まさにこのような本を待っていました。競争戦略の古典とも言われるマイケル・ポーターの「競争の戦略(Competitive Strategy)」ですが、この本(エッセンシャル版)にも何度か記述があるように、僕自身が「競争の戦略」を”誰もが読んでおけばよかったと思うが、誰も読みたいとは思わない”と思っていた一人だからです。

    そんな中での[エッセンシャル版]です。私自身、これまでポーターを避けていくつかの戦略本を読んできたという邪道にもほどがある読書歴の持ち主ですが、まさに古典として「戦略」のベースとなる考え方がすべて書かれていると感じました。構成・章立ても、そもそも「競争とは何か?」という導入から戦略の必要性を語り、次に「戦略とは何か?」で我々がやるべきことが書かれるという構成になっており、とても読みやすく、且つ腹落ちしやすいです。さすが[エッセンシャル版]と銘打つだけあります。

    また、冒頭で述べられているように、この著書が「やらないこと」を明確にしていることも好感が持てます。すなわち、学術的な本は目指さない、ポーターの研究のすべてを要約しようとしない、ポーターの研究を拡張するものではない、ハウツー本ではない、ということを明確にし、“どのように考えるべきか、その指針を示し、優れた戦略とそうでない戦略を見きわめ、まっとうな戦略と一時的な流行に踊らされた戦略とを区別する方法を示す本”を目指したと宣言しています。

    事例紹介も定番のサウスウェスト航空やIKEAなどを筆頭に、ファストフード(In-N-Out Burger)やアパレル(ZARA)、医療(アラビンド)、自動車(BMW)などなど、多岐に渡る最新の事例が盛りだくさんで、読んでいて楽しいです。

    戦略に少しでも関りながらも、論文やポーターの原著までは手が出ない、、、という方はたくさんいると思います。そのような方々にも、この本をぜひ読んでいただきたい。オススメの一冊です。

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    2017年08月19日
  • 〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

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    ビジネスにおける競争と戦略について、マイケルポーターによって定義されたその用語について、丁寧に解説されています。まさにこの分野を勉強する教科書として必読のものではないでしょうか。陥りやすい間違い、戦略に対する、業界に対する、自社の立ち位置。間違ったまま使っているケースがあまりにも多いため、それがその形で広がってしまっているように感じます。どのように考えれば間違わないのか。そのコツを身につけるためにも読む必要のある本だと思います。

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    2017年07月06日
  • 〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

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    ネタバレ

    ポーターの言う「競争戦略」とは何かを学べました。
    世にある「コアコンピタンス」「自社の自信のある戦略」と「競争戦略」がいかにかけ離れているかを知りました。
    戦略は「価値提案」だけの需要サイドだけで成り立つものではない。それはマーケティングだけ考えている。十分条件だ。
    そして、戦略の必要条件は、「供給サイド」にある。
    いわゆる「バリューチェーン」の各活動がコストをかけて価値を生み出し、ある活動を行うことで別の活動を毀損するような活動を意図的に選択することで「トレードオフ」を行う。
    この「バリューチェーン」内の活動の選択の「トレードオフ」効果により、他社は容易には、自社を模倣できない。つまりハイパーコンペティションや価格競争、「最高の経営」競争に陥らない。「トレードオフ」のおかげで、「バリューチェーン」の活動の1つを模倣できる確率が90%になるとすると、活動が4個あるだけで、模倣できる確率は51%にも下がる。10個あるならなおさらだ。
    さらに、バリューチェーンを「適合化(フィット)」することにより活動間の効果を増幅することができる。
    これらの戦略を構築する上で必要なのが「(価値提案を変えないで)継続性」を保つこと。バリューチェーンとトレードオフとフィットは、いきなりは構築できない。
    そうしているうちに市場の状況は変わる。しかし、基礎的な「価値提案」を自社の顧客に提案したまま、バリューチェーン、トレードオフ、フィットを微調整し続ける継続性が必要だ。この「価値提案」は市況によらず維持する。顧客からの自社のイメージ(認識)がズレないようにするため。しかし、供給サイドは変えていく。こちらは、顧客のイメージとは無関係で、かつ、経済的効果が高いから。
    ざっくりいうとこんな感じでした。

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    2017年05月31日
  • 〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

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    経営学では、スーパーメジャーなマイケル・ポーターの競争戦略のほぼ公認といえるエッセンシャル版。
    同質的な競争を好まず、独自性を貫き競合他社との競争回避と何かを捨てるというターゲティングを戦略の本質と捉えている、競争戦略の要諦がコンパクトに理解できると思います。
    おそらくですが、経営学の概論本で学んだ方の大半は、ポーターの競争戦略をかなり誤解しているかと思います。
    原本がベストかと思いますが、それよりコンパクトで安易な記述の本書がお勧めです。
    「競争の戦略」よりも「競争優位の戦略」の方を読んでみたいと思いました。より実践適用の理解を目指して。

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    2017年05月07日
  • 最古の文字なのか? 氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く

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    ラスコー洞窟のような見事な絵を描ける人びとが、原始的な文字を持っていてもおかしくない、と思う。この記号が表した意味も絵画の表した世界もすでに失われてしまったのだろうか?ほんの一部でも今の私たちに受け継がれているのだろうか?いろいろ想像すると面白い。

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    2017年02月07日
  • 〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

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    ファイブフォースとバリューチェーンにより、経営に携わる人間で知らない人はいないマイケル・ポーター。ただ、それを知っていることと理解していることはまったく違うことだという重要なことを思い出させてくれる一冊だった。むしろ十分に理解しない人間こそ、それをさも知った顔をするのが虚構の常である。確かにポーターの理論は難しいし、『競争の戦略』も『競争優位の戦略』も軽く手を出すにはハードな論文であるが、このエッセンシャル版はこれら2冊の主張とその後の動きを十分に盛り込んだ現時点で最高のポーター本だと言えるでしょう。この本を読んで自分なりに理解したポーターの理論をまとめる。

    ■戦略とは
     一言で定義するなら、「好業績を持続的にもたらす優れた競争戦略」のことである。我が社の戦略は優れた人材ですとか、重要なM&Aを行うことですとかいったことは戦略ではない。なお、ポーターが扱う戦略とは事業における競争戦略であり、企業全体の戦略である企業戦略を指すのではない。

    ■競争優位とは
     一言で定義するなら、「企業が実行する活動の違いから生じる『相対的価格または相対的コストの違い』」である。我が社の競争優位は技術力ですとか、ブランド力ですとか、低コストですとかそういったことは競争優位ではない。ちなみに、ポーターは価格優位とコスト優位を明確に区別するため、差別化(differantiation)を価格優位に限定して定義していて、一般的に経営者がいう差別化(different)とは違う扱いをしている。

    ゆえに、彼の述べる競争とは、最高を目指す競争ではなく、他社と異なる道筋を選ぶ相対的なポジションの問題である。つまり、競争の目的はシェアを高めることでも売上を拡大することでもなく、利益を上げることに他ならない。優れた戦略は業界平均を上回る業績をもたらす。このあたりの主張はブルーオーシャン戦略とも関係するし、クリステンセンの破壊的イノベーションとも関係する。

    ✕最高を目指す競争
     ・一位になる
     ・市場シェア重視
     ・「最高」の製品によって「最高の」顧客に対応する
     ・模倣による競争
     ・ゼロサム競争:誰も勝てない競争
    ◯独自性を目指す競争
     ・収益を高める
     ・利益重視
     ・ターゲット顧客の多様なニーズを満たす
     ・イノベーションによる競争
     ・プラスサム競争:複数の勝者、多くの土俵

    重要なことは業界平均を上回る利益を持続することであり、「利益=価格−コスト」であるという構造から捉えると、競争優位とは「競合他社と比べて相対的に高い価格を要求できるか、相対的に低いコストで運営できるか、もしくはその両方」という結論に行き着く。ここで競争優位を解きほぐす2つのフレームワークが登場する。それがファイブフォースとバリューチェーンであり、前者は業界構造を捉えるものであり、後者は相対的なポジションを探るものである。

    ■ファイブフォース
     ・業界の収益性の決定要因を分析の焦点とする
     ・業界の平均的な価格とコストが分かる
    ■バリューチェーン
     ・活動における違いを分析の焦点とする
     ・相対的な価格とコストが分かる

    ファイブフォースについては、よく誤解されているような、ただ業界が魅力的か否かを図る静動的なツールではない。業界構造を明らかにして、変化を能動的に予測するものである。なぜ業界構造がそこまで重要なのかというと、主に3つのポイントが挙げられる。
    ・どんなに異なる業界においても、競争要因は「既存企業同士の競争」「サプライヤーの交渉力」「買い手の交渉力」「新規参入者の脅威」「代替品・代替サービスの脅威」の5つである
    ・業界の収益性を決定するのは業界構造であり、規制の強さや製造業かサービス業かといった業態の違いではない
    ・技術や製品の移り変わりは早いが、業界構造とその収益性は非常に硬直的である
    なお、同様に構造把握に使われるSWOT分析については、定性要因が大きく結局主観的になり裏付けが薄いことからポーターは否定している

    バリューチェーンについては、よく誤解されているような、研究開発から販売・保守までの流れを左から右に並べるだけのものではない。バリューチェーンとは関連しあう活動の集合だということは知っていても、だから何なのかということは理解されていない。戦略を考える上では、マーケティングや物流といった職能で捉えるのは概念として広すぎるため、サプライチェーンの管理・営業部隊の運営・製品開発・配送などなど「活動」で捉える必要がある。バリューチェーンとは企業を戦略的に意味のある活動に分解するツールであり、競争優位の源泉(つまり、価格引き上げかコスト引き下げ)をもたらす特定の活動に焦点を当てる。これにより、一つ一つの活動が単なるコストではなく、最終製品・サービスに何らかの価値を加えるべき段階として捉えられるようになった。


    こうした前提をもとに、競争優位を分析していくが、分析の手順は大きく分けて「まず定量化し、次いで分解する」となる。
    <定量化>
    収益性は一時的な要因に左右されるため、過去5〜10年程度の長期的なスパンで分析する。(業界によって収益構造は異なるため、分析すべき期間も異なる。サービス業の回収は早く、製造業は遅いなど)
    これによって、業界の問題と自社の問題かを切り分けることができる。業界構造に影響を及ぼす要因と相対的ポジションを左右する要因はまったくの別物である。
    1. 自社の各事業の収益性は経済全体の平均(例えば全企業の株主資本利益率)に比べ高いか低いか
    2. 自社の業績は業界平均と比べて高いか低いか
    <分解>
    自社の問題だと分かった場合、要因に分解する。優れた戦略を持つ企業は、戦略を損益計算書に結びつけることができる。
    3. 自社の業績が業界平均を上回る/下回るのはなぜか?相対的価格と相対的コストに分解する
    4. 相対的価格と相対的コストをさらに分解する
     ・価格:特定の製品ライン?顧客?地理・地域?値引き?
     ・コスト:業務コスト(損益計算書)?資本運用(貸借対照表?)

    では、競争優位を実現するためにはどうすればよいか。そこで出て来るのが「業務効果」であり、一般的に「実行(execution)」や「ベストプラクティス」と呼ばれるものと同じだ。企業が類似の活動を競合他社よりも優れて行う能力のことである。ただし、業務効果と戦略を混同してはいけない。業務効果を高めるだけでは堅牢な競争優位は得られない。業務効果はすぐに模倣され、持続しない。業務効果にかけては日本企業の右に出るものはいないが、業務効果での競争に囚われたせいで、最も優れた日本企業でさえも慢性的に低い収益性に悩まされていることが、ポーターがほとんんどの日本企業には戦略がないという所以である。

    ✕ライバルと同じ活動をより優れて行う
     ・同じニーズをより低いコストで満たす
     ・コスト優位性、ただし維持するのが困難
     ・最高を目指す競争、実行で勝負する
    ◯ライバルと異なる活動を行う
     ・異なるニーズを満たすか、同じニーズをより低いコストで満たす、またはその両方
     ・高価格か低コスト、またはその両方を維持
     ・独自性を目指す競争、戦略で勝負する


    まとめると、優れた戦略を支えるのは5つの条件である。
    1. 独自の価値提案
     自ら選んだ顧客層に特徴ある価値を適切な価格で提供しているか
    2. 特別に調整されたバリューチェーン
     独自の価値提案を実現するのに最も適した一連の活動は、ライバル企業の行う活動と異なるか。なお、アウトソースの可否選択は慎重になるべきだ。ただの定型非定型といった作業難易度で分解するものではない。アウトソースすべきは、企業のポジションに合わせて意味のある調整ができない活動であり、戦略に合わせて特別に調整できる活動はアウトソースできない。
    3. 競合企業とは異なるトレードオフ
     自社の価値を最も効率的、効果的に実現するために、やらないことをはっきり定めているか
    4. バリューチェーン全体に渡る適合性
     自社が行う活動は、互いに価値を高めあっているか。つまり、「一貫性」「補完・補強」「代替」をもってバリューチェーン全体が相互に良好な依存をしているか。なお、優れた戦略がたった1つのコアコンピタンスから成り立つというのは大きな誤解である。業界の全企業がまったく同じコアコンピタンスを求めるのは誤りであるし、戦略がいくつかの独立した選択から生まれることもない。
    5. 長期的な継続性
     組織が得意なことに磨きをかけ、活動の調整、トレードオフ、適合性を促すことができる十分な安定性が、戦略の核にあるか。ここでは柔軟性との関係も重要だ。どんな素晴らしい戦略も特に詳しいまたは具体的な将来予測をもとにしていることはまずない。不確実な時代において戦略が将来予測の上に成り立つということは誤りである。といえども、柔軟であればよいというものでもない。柔軟性を戦略の代わりにすげ替えた瞬間、戦略を失ったことと同じである。重要なのは、適切な契機をもって戦略変更を行うことだ。戦略変更が必要なタイミングは大きく3つある。
     ・顧客のニーズが変化するうちに、企業の価値提案が完全に時代遅れになるとき
     ・様々なイノベーションによって、戦略の基盤である重要なトレードオフが効力を失うとき
     ・技術や経営面でのブレークスルーが既存の価値提案を完全にだめにするとき

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    2018年02月03日
  • Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学

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    ネタバレ

    価格では需要と供給が一致しない市場の存在。臓器移植の患者とドナー、研修医と病院プログラム、人気企業への就職、公立学校の割り振りなど。そうした市場にある、抜けがけ、混雑などの問題、ネットやコンピュータの利便性や処理速度によって拡大している一方、最適・効率的なマッチメイキングを目指すマーケットデザインの工夫もITを通じてなされていることが分かる。
    現実の役に立つ経済学だと感じるが、例えば人気企業への就職でも双方のグループとも相手方の十分かつ平等な情報を持ってはいないし、結局のところ就職・採用してみて改めて分かること・変化することもありうるので、最適はモデルでしかないとも感じる。
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    2016年05月14日