櫻井祐子のレビュー一覧
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ファイブフォースとバリューチェーンにより、経営に携わる人間で知らない人はいないマイケル・ポーター。ただ、それを知っていることと理解していることはまったく違うことだという重要なことを思い出させてくれる一冊だった。むしろ十分に理解しない人間こそ、それをさも知った顔をするのが虚構の常である。確かにポーターの理論は難しいし、『競争の戦略』も『競争優位の戦略』も軽く手を出すにはハードな論文であるが、このエッセンシャル版はこれら2冊の主張とその後の動きを十分に盛り込んだ現時点で最高のポーター本だと言えるでしょう。この本を読んで自分なりに理解したポーターの理論をまとめる。
■戦略とは
一言で定義するなら -
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ネタバレ価格では需要と供給が一致しない市場の存在。臓器移植の患者とドナー、研修医と病院プログラム、人気企業への就職、公立学校の割り振りなど。そうした市場にある、抜けがけ、混雑などの問題、ネットやコンピュータの利便性や処理速度によって拡大している一方、最適・効率的なマッチメイキングを目指すマーケットデザインの工夫もITを通じてなされていることが分かる。
現実の役に立つ経済学だと感じるが、例えば人気企業への就職でも双方のグループとも相手方の十分かつ平等な情報を持ってはいないし、結局のところ就職・採用してみて改めて分かること・変化することもありうるので、最適はモデルでしかないとも感じる。
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具体的にイノベーションを起こすためにマネジメントが意識すべきことを記した書。
要約すれば、①成長している中でも絶えず破壊的技術の探索を継続すること。②破壊的技術の推進者がモチベーション等を維持できるべく小集団での運営とすること。③マネジメントが積極的に関与すること。という3つである。
実際には『言うは易く行うは難し』となるが、実践している好事例を通じて、実務の上で留意すべき点が記載してあり、前作との連携も判りやすい。
加えて特筆すべきは、10年以上も前に書かれた本書が言い当てていることが今も当てはまるということである。経営における良書の1つと言えるだろう。 -
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[大流の解明]ただでさえ予測が難しくなっている国際情勢の「100年先」を見透そうと試みた意欲作。分析と予言の狭間に位置するかのような予測が、想像力をかきたててくれること間違いなしの作品です。著者は、アメリカの軍や政府機関に向けた講義や情報提供を行っているジョージ・フリードマン。訳者は、『選択の科学』等の翻訳もされている櫻井祐子。原題は、『The Next 100 Years: A Forecast for the 21st Century』。
まずは予測の内容が読み物として純粋に面白い。21世紀においては日本・トルコ・ポーランド・メキシコが大国として浮上することなど、「マジか」とツッコミを -
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2009年に出版された2100年くらいまでの世界を予測した「未来の歴史預言書」と言える本。「影のCIA」と呼ばれる情報機関の分析だけあって、ロシアのクリミア併合などをピタリと当てる。予測は必ずほとんど当たらないだろうが、そのアプローチの仕方は知っておけば世界の動きが良くわかります。
内容もほどよくストーリー仕立てになっており、地政学的な推測の流れがウンチク臭くないのて読みやすく、そのストーリー描写もリアル(ありえそう)なのでまるで映画を見てるように未来が想像できます。
その100年はなかなか衝撃的で、以下はネタバレなので、ストーリーを楽しみにしている人は読まない方がいいかもしれません。
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地政学的な予測本。
序章に書いてある手法の説明がわかりやすく、この本が単なるSF本ではない、信頼性の高い本であることを教えてくれる。そこには、
地政学的な予測はチェスに似ており、国家の行動はチェスの指し手と同じように非常に合理的である。無限の選択肢がありそうで、実は打てる手はかなり限定されている。
「統治行為とは、ほとんどの場合必要かつ論理的な次の一手を実行に移すことに過ぎない。」つまり、誰が指導者になるとか、指導者が何をするとかではない。戦前の日本は、資源の問題から海外へ行くしかなかったし、ヒトラーのドイツはベルサイユ条約の賠償金の問題からフランスなどに出ていくしかなかった。日本にヒトラー的 -
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人々の行動の不合理性を行動経済学の視点から考察してベストセラーとなった『予想どおりに不合理』『不合理だからすべてがうまくいく』に続く著者の第3弾。本書ではさらに突っ込んで不正行為について述べている。不正と言っても紙面を賑わすような汚職や粉飾決算などの話ばかりではなく、身の回りのちょっとした「ずる」について、人はどんな時に不正を働くのかを検証したものだ。人々を不正行為に駆り立てるものは何なのだろう。
簡単な問題を解き自己申告した正解の数によって報酬が支払われるという実験を行い、様々に条件を変えて正解数のごまかし(報酬金額の不正な上積み)がどれくらいの割合で起こるかを調べると実に興味深い結果になる -
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顧客そのものではなく、顧客が置かれている状況、求めている成果でセグメントする。
ニーズは片付けるべき用事。
シェークは朝はドライブのお供に、夜は子供へのご褒美に雇われていた。同じ商品でも求められている成果が違う。これが属性でセグメントできない理由。
シェークは競合のシェークの売上を奪ってもシェア獲得にならない。単なる値引き競争を生むだけ。無消費や仕方なく使われている他の商品の売上を奪う必要がある。(求人なら派遣?)
コダックの使い捨てカメラ。画質はイマイチだったが、ユーザーは『写真が1枚もないこと』に比較の基盤を置いたため、この画質で満足した。(シェークのカロリーが気にならないのと同じ -
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前書「イノベーションのジレンマ」の改訂版と内容が一部重複しているので、本書だけ読んでも全体がわかるかな。
製品やサービスを改良・改善していくのには持続的な技術と破壊的な技術があって、持続的なのか破壊的なのかは「相対的」なもので、ひとつの技術がある企業にとっては持続的でも別の企業から見ると破壊的となることがある。
いままでの成功体験からつながるのは持続的であるが、この持続的な技術はいつかは顧客の要求レベルを超えてしまい、顧客はその性能向上に価値を見出さなくなり、価格の上乗せを拒否する。
破壊的な技術は最初は(主要な)顧客の要求を満たさないかもしれないが、いつかは満たすようになる。
破壊的な技術は -
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誰でも、「ずる」不正行為をする。しかし、自分が悪い人間だとは思いたくない。そこで「自分は正直でまっとうな人間だ」と思うための物語を紡ぎ出す。
人間はどういうときに、ずるをすることが多いのかということを、さまざまな心理学の実験をすることで、解き明かしていく。このさまざまな実験を考え出すということがすごい。「なるほどなぁ。でも、どうやってこんな実験を考えついたのだろう」と思ってしまう。
これこそ創造性だろう。
忘れるといけないのでメモしておこう。
「ずるを助長する要素」
正当化の能力
利益相反(サービス提供者がふたつの方向に引き裂かれる状況):歯科医のCAD/CAM機器の例
創造性(知能は -
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「イノベーションのジレンマ」に続くクリステンセン教授のイノベーション論第2段。前作が「破壊的イノベーション」の理論構築を主眼に述べられていたのに対して、本作では実践面でのポイントを解説している。
クリステンセン教授は2011年のThinkers50で「最も影響力のある経営思想家」のトップに選出されている。「破壊的イノベーション」戦略論が多くの人を惹きつけるのは、そのダイナミズムからだろう。「破壊的イノベーション」は市場を動的に捉えているだけでなく、組織の中での意思決定プロセスも組織力学を考慮した提言をしている。
また「イノベーション」という経営戦略論の最先端分野を扱いながら、ドラッカー、 -