朝井まかてのレビュー一覧
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植物学者として唯一無二の存在という牧野富太郎の生涯を描いたストーリー。話を読み進めるうちに、小説の感想というより富太郎の人生に色々と言いたくなるのは、文章のうまさか表現の巧みさか、いずれせよ丁寧に彼の性格、思考、思想なりを書き込んもので、牧野ワールドに引き込まれていった。
あまりに好き勝手、学歴も、お金にも無頓着というか全ては自分の植物に対する愛情と探究心を優先する生き方に腹立たしくなる。どれほどすごい研究成果を出したとしても人間としてどうなんだ、とか思う気持ちもストーリー展開そのもの、いや富太郎の人生そのものか。
朝ドラのらんまんで神木隆之介が演じた優しい人の良さそうな雰囲気とはかなり違って -
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第150回直木三十五賞
第3回本屋が選ぶ時代小説大賞
幕末の動乱を駆け抜けた登世(中島歌子)のドラマティックなノンフィクション小説。
江戸の裕福な商家で育ったお嬢様の登世は、水戸藩士の林忠左衛門に嫁ぎ、その半生はあまりにも過酷。
愛する夫と過ごした時間はどれだけあったんだろう。
賊徒の妻子として投獄されてからの様子は、あまりにも酷いと思ったけど、まかてさんは容赦なくじっくり描写されている。
先に処刑されていく婦人たちが残した辞世の句や、会えない夫を思って詠んだ登世の句がとても切ない。
「君にこそ恋しきふしは習ひつれ さらば忘るることもをしえよ」
激しい恋心が伝わる印象的な句だと感じた。
貞 -
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時代小説は得意ではないけど、朝井まかてさんならと手に。
牧野富太郎を描いた「ボタニカ」が面白かったからな…。
久々のファンタジー小説。
学生の頃きちんと国語と歴史を勉強していなかったので、わからない単語や漢字ばかりでなかなか進まない。こういう時、もう少しちゃんと勉強すべきだったな…と思う。(でもルビが頻発するので大丈夫でした笑)
中盤までいけば後は勢いついてイッキ読み。
青姫の郷という隠れた山郷にいる姫とその郷の秘密を廻る物語。
「香君」や「レーエンデ国物語」がお好きな方は愉しめるはず。
弥生時代以降、日本人は稲作を中心として生きてきた訳で、戦は米を育むことの出来る土地の奪い合い。
青姫 -
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現代日本へとつながる、幕末から明治、大正にかけて食で時代を開いた西洋料理店の隆盛を、主人の妻の目線から描いた一冊です。
時代は江戸の幕末。唯一の外国との貿易の窓口であった出島を抱える長崎で、西洋料理屋『良林亭』が暖簾を掲げた。主人の丈吉は幼き頃から苦労をし、オランダ商船で働きながら料理修行をし、ついに得た己の店だった。そこに訪れるのは時代に志して世に名を遺す名士の面々。主人公のゆきは、料理を通じて、また食とその在り方を通じて、なにか大きなことを成し遂げようとしている夫の丈吉を支え、時にともに働き、時に表から退くことで目まぐるしい時代の潮流をともに過ごしていく。初めは長崎の自宅の客間から始 -
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2012年の作品。昔から男女の組み合わせは東男と京女がよいといわれているが、この話は東女と難波男子の組み合わせ。文化の差異に本人の出自の違いも重なり、場面が次々と展開していき一気に読み進められた。江戸中期の設定でものの流通が問屋ー仲買で安定した供給を維持していた歴史が読み取れ、それに終盤で生産者と市場を結ぶ運搬業者「青田師」まで登場して、今につながる流通の仕組みを知ることができた。それにしても値上がりを期待して思惑買いをして流通が滞るところは今のコメ値上がりに通じるところだと思った。しっかりした時代考証とそんなことないでしょうというお話し部分と織り交ぜて朝井まかてさんのおもろい話でした。
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知らなかった。こんな女の人が日本にいたなんて。
朝井まかての本によく抱く感慨ではあるけれど、これは群を抜いていた。
前半は痛快だ。
ご一新直後の明治、「わたくしも開化致したく候」と書き置きを残して笠間から江戸まで歩き通す。連れ戻されても絵が描きたいという熱は冷めない。
東京ではできたばかりの芸術大学を試験だけでもと受けて合格し、ついには通うことになる。
やがて師を失い、友に誘われ教会に入り、ついにはそこからロシアへ留学する。
ロシアでの日々は読むこちらも苦しかった。冬の暗さや寒さ、押し込められたような空気がりんをますます追い詰める。彼女の姿は青ざめ彷徨う宗教画の登場人物そのものだ。
「聖