朝井まかてのレビュー一覧

  • 秘密の花園

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    様々な歴史上の人物は、
    どこか破綻していて、
    だからこそ人には成し遂げられないことを
    成し遂げられたのかと胸が熱くなった。

    だけど、馬琴はしんどいー。
    本人もしんどいけど、周りもしんどい。
    何か胸が熱くならん。

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    2024年04月07日
  • 白光

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    面白かったんだけど、ずーっと重い、苦しい話だった。あまり好きになれない主人公だったな。

    「道を知るというは、重荷を背負うことにございます」

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    2024年03月26日
  • 落花狼藉

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    江戸中に散っていた傾城の場をひとつに集めた「吉原」
    大火事や幕府からの移転命令にもまけず
    しぶとく生き残ってゆく吉原の姿を
    ひとりの女将の目線で描いた作品

    吉原って最初から浅草にあったわけじゃないんだ・・・

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    2024年03月14日
  • 朝星夜星

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    長かったけど・・・楽しめたかな。
    朝井さんの作品は6冊くらいしか読んだことないので、
    これを機に、未読の作品を読んでみようかな。
    読もうと思っていて、読まないままの本が結構ある。
    敬遠の原因は、本の厚さかも。
    ただ、こういう書き方というか進め方は、
    時間がかかるけど、読み手のストレスは少ない。
    安心の筆力。朝ドラになりそう。

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    2024年03月13日
  • 秘密の花園

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    バーネットではありません。なんか、ぽくないタイトルですが「南総里見八犬伝」で有名な曲亭馬琴の一生を描いた歴史小説です。
    最近のまかてさんは、歴史上の人物を虚飾することなく史実に沿って描こうとしているようです。いわばリアリズム。この作品もそうで、武家の二男として生まれた馬琴は悪人では無いものの吝嗇で教条的、作品に対しては偏執的で版元や摺師を辟易させる。奥さんの百も強烈で、癇性で周りに毒のある言葉を吐き続ける一方で、幼児には我が子でなくても気を遣う。病弱な息子の宗伯は父に対しては従順だが、母や妻女には母譲りの癇性を発揮する。そんな崩壊寸前の家庭の中、馬琴は膨大な量の小説を描き続ける一方で、何度も滑

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    2024年02月24日
  • 朝星夜星

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    実在の日本初の洋食店を開いた料理人をモデルに、料理人の奥さん視点で書かれた物語。
    幕末や明治の歴史上の人物も多数登場し、新しい時代や国のために熱く生きる様子も感じられ、とても面白かった。
    大阪の中之島に明治にそんなレストランやホテルがあったのかと、今の中之島の様子から想像しながら読むのも楽しい。

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    2024年02月24日
  • 秘密の花園

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    ネタバレ

    馬琴についての小説を読むのは、確かこれが初めてではない。だが、これほどドキュメンタリーに近いものは読んだ事がなかった。
    滝沢興邦という名をもつ、武士の次男であった馬琴は、幼い頃から、武士の立場ゆえの、苦しみが絶えない人生を送ってきた。書に親しみ、俳号をもち、読み本作家として押しも押されぬ立場となっても、武士の誇りを捨て切れなかった馬琴。滝沢家の武士の矜持を現代の自分が思い計ることはできないが、馬琴にしてみれば当然、子も孫も、男子は武士として育てねばならなかったし、子女は武士に相応しいところへ嫁さねばならなかった。そのために、筆耕で稼いだ金が費やされた。

    その生き方は、師である東山京伝と対比さ

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    2024年02月22日
  • 類

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    舞姫のエリスとは結ばれなかったが、子供達にドイツ風の名前をつけた森鴎外。於菟(おと)、茉莉(まり)、杏奴(あんぬ)、類(るい)。偉大なる父鴎外亡き後の森家の様子が、不肖の薬子を自覚する類の目を通して描かれる。。類と茉莉、杏奴との葛藤の中で小説とは何かについて考えさせられる。

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    2024年01月31日
  • 藪医 ふらここ堂

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    朝井まかてさんの著作は安心して読んでいられる。
    この著作の主人公、三哲と娘おゆんを中心にお話は進んでいくけれど、亀婆さんのキャラクターが何とも言えなくよい。
    終盤、おゆんの悩み事をぶらんこに乗りながら解いていく亀婆さんの姿は美しくもある。
    結末は嬉しいハッピーエンド。

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    2024年01月29日
  • 最悪の将軍

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    五代将軍綱吉と言えば、生類憐みの令で、評判が良くないのは広く知られているところ。
    その時代と、綱吉の真意は?
    新たな角度から描いた作品です。

    五代ともなれば世は穏やかで繁栄しているというイメージがありましたが。
    当初はそういう空気でもなく、過渡期だったのかもしれない。
    将軍になるとは思わずに育った綱吉は勉学好きで、理想主義者。
    戦国時代の荒々しさが残る世の中を憂い、命の大切さを説こうとしていた。
    動物愛護の精神まで先取りした先駆者だったのではないかという。
    そんな彼を理解していたのが正室の信子。公家の出で教養はあるが、大らかで形式ばってはいない女性。

    生類憐みの令は、跡継ぎに恵まれない綱吉

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    2024年01月20日
  • 福袋

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    久々に昨年末本屋さんに行って、お正月に読もうと思って買った「福袋」。
    朝井まかてさんは贔屓の作家なので、タイトルだけで...
    庶民の暮らしは切ないね、笑いのなかにも哀しさが溢れてる。

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    2024年01月13日
  • ボタニカ

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    牧野富太郎。すごい人がいたものだ。
    好きなことに情熱を注いで何もかも注ぎ込んで、周囲の犠牲的献身やサポートも吸い尽くしながらどんどん前進していく。誰もやらないことをやる人、偉人と奇人は紙一重だと思う。
    この人が自分の家族だったら、誇らしく思えるだろうか。嫌になってしまうかもしれない。
    彼を裏から表から支援して、彼の能力を発揮させてくれた人々に賛辞を送りたい。

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    2023年12月29日
  • 最悪の将軍

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    綱吉に対する見方が180度変わった。頭が硬すぎたのが悪かったのか。もっとABテスト回して良い悪い吟味しながら政策進められる世の中だったらなあ。

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    2023年12月03日
  • 朝星夜星

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    本格的な西洋料理店を起こした夫婦のお話。

    貧しい家に生まれたふたり。
    妻は幼い頃に女中奉公に出され。
    夫は酒に溺れた父親の代わりに少年の頃より、家計を支えた。
    外国船にのったり、下働きから文字も読めなかったが蘭語、英語、支那語を使えるようになり、料理を覚える。
    働き者で工夫をたやさない丈吉は、美味しい料理人となる。

    激動の幕末から明治の時代を、歴史の教科書に登場するような人々が客となり、友人となる。

    一代期。どちらかというと丈吉の妻である「おおおんな」のゆきが主人公。

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    2023年11月30日
  • ボタニカ

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    朝ドラの題材にもなった牧野富太郎の物語。好きなものに対してはどこまでもまっすぐで情熱的。でもそれ以外には無頓着。牧野博士の人間味あふれる人柄と粘りさと呆れ怒りながらも彼を見捨てない周りの人達の力強い人生に魅了されました。

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    2023年11月25日
  • 類

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    森鴎外の息子である類氏の生涯の物語である。
    父鴎外をパッパと呼んで愛し、なに不自由なく少年期を過ごし、父を失ったあと、画家を志してパリへ進学した青年期。そして戦争に終戦の昭和と、明治から平成の日本を生きた物語。
    類はずばぬけた画才も文才もないけれど、どちらの世界にも手を伸ばしたいと願い続けるけれども華々しい花が咲くことはない。けれどときどき原稿依頼などあるのであきらめきれずに生涯とりかかる。
    彼の生きた明治から令和まで。その克明な描写が全体をかたどった作品だ。
    キャラクターというより、その人が生きた背景を楽しむのに目がないかたにオススメです。

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    2023年11月12日
  • 朝星夜星

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    まかてが小説のネタにする人物と歴史にはいつも感嘆する。そして、その料理の仕方が格別だ。いい味を出して最後まで飽きさせず、一緒に時代を駆け抜けさせてくれる。

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    2023年10月30日
  • 朝星夜星

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    ネタバレ

    ボタニカを読んで
    頭で考えたりするミステリーや
    心が動かされてしまうほのぼの系や
    感動系の小説ではなく
    つらつらと文字と話だけを
    追いかけれる小説にはまってしまい、
    朝井先生のシリーズを手に取ってしまった。

    時代にもまれながら
    この人も一生を料理に支えた草尾丈吉さん。
    料理で日本を支え、そのうえ
    料理でたくさんの人を幸せにしてきた。

    妻のゆきも分からないながらも
    自分なりに夫と店を見事に支え、
    浮気にも肝の座った態度で受け流し
    さすがああああと
    ゆきをさらに好きになった。

    料理の描写も美味しそうで
    お料理系が好きな人は
    長いかもしれないけど
    ぜひ読んでみてほしいです

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    2023年10月25日
  • ボタニカ

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    ネタバレ

    植物そのものにまた世間の人が
    触れておらず名前の知らない草花が
    たくさんあった時代。

    これは何という名前だろう
    この花とこの花は似ているから
    同じ系統の花かもしれない
    それをこの牧野富太郎を筆頭に
    日本の植物図鑑がどんどん
    華やかに埋め込まれていった。

    植物を愛し、植物に愛された人
    己の探求心を生涯一度も止めることなく
    ただただ生えている草花を愛で
    解明を続けた人。

    私たちが今、花の名前を知ることができるのも
    すべてこの方のおかげだろう。

    この人の研究の裏で
    妻や子供が少しだけ犠牲に
    なってしまったのではないかなと
    母の目線で思わずにいられなかった。

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    2023年10月25日
  • ボタニカ

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    何かを成す人は何かに突き抜けている事が多いけれど、牧野富太郎さんはその最もたるものだなあ。と…笑
    自分勝手ともとれる行動の数々に、周囲の人の苦労を思って苦笑いしながら読んだ。私だったらこの人のそばにいるのは無理だなぁ。
    文体がとても読みやすい。

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    2023年10月21日