朝井まかてのレビュー一覧

  • どら蔵

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    470頁の厚みに若干怯みましたが、読んで良かった!
    軽快なストーリーに、骨董商の世界や様々な人間模様も面白かったです。

    道具商の跡を継ぐはずがやらかしてしまい、骨董商の世界に足を踏み入れることになったどら蔵。
    茶道具や生活用品など道具が好きで見る目はあるけど、態度や物言いが軽くて少々心配になる。
    でも、このどら蔵、何か面白いことをしてくれそうな予感と期待感がずっとありました。

    目まぐるしい展開で先が気になって仕方がない!
    どら蔵の“心の声”に何度もクスリ、騙し騙されな展開も楽しい。
    ブチブチ言いながらも何だかんだ真面目に目の前のことに頑張って取り組む姿が可愛いくもありました。

    登場人物は魅力的だし、骨董商の商いの裏側のあれこれは興味深くておもしろい。“競り”の駆け引きにはドキドキ……。
    くるくると変化する状況に、どら蔵のひとりごとや軽快な会話が楽しくて最後までスルスル読めました。面白かった!
    どら蔵の今後が気になります。

    こちらの作品を読んで、江戸時代の商いについて描かれた作品をもっと読んでみたいと思いました。

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    2026年01月18日
  • 秘密の花園

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    とても面白かった。
    大河ドラマ「べらぼう」に出てきた左の字がのちの曲亭馬琴と知り、読むに至ったのだけれども、「べらぼう」に登場したあの人この人も居り、脳内では彼らが群雄割拠した。
    里見八犬伝は映画で見たのみなので、改めて読んでみたい。

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    2026年01月07日
  • ぬけまいる

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    馬喰町の猪鹿蝶こと、アラサーのお以乃、お志花、お蝶が仕事も家庭も放り出し伊勢参りに出かける。
    その道中、次々とトラブルに巻き込まれるが、勧善懲悪の胸がスッとするような方法で解決していく。
    人情話、任侠物、そしてちょこっと胸キュンの恋話もあったりと、最後まで楽しく一気に読み終えました。

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    2025年12月23日
  • 朝星夜星

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    ネタバレ

    面白かった。読者タイムは、電車の中か、寝る前と決めているので、久々に早々にお布団に入る日々でした。

    大阪弁の表現は、田辺聖子さんのちょっとやさしくて、ちょっと色っぽいのが好きですが、朝井まかてさんのもいいですね。もちろん、長崎ことばも、よかったなぁ〜。

    歴史的な事件もあり、読み進むにつれて、物語は厚みをまして、どんどんパワーアップしていきます。
    亡くなっていく登場人物も、思いのほか多かったかな…でも、なにより、決してパーフェクトではない主人公ゆきの人柄が魅力的です。さらに、松竹梅トリオ、最高でした!!

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    2025年12月19日
  • 銀の猫

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    介護がテーマの時代小説
    実際の介護の厳しさまでは描いていませんね
    主人公の母親との関係や周りの人たちとの関係はとても良く描けていたと思う
    現代と違って介護をしてたほうが給料が良いってのは羨ましい
    現代は介護の給料なんてすずめの涙ですからね
    主人公の仕事ぶりからして指名されるのは不思議じゃない
    最後は母親へのわだかまりもなくなって
    めでたしめでたしのラスト
    時代小説としては読み応えのある1冊でした

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    2025年12月19日
  • どら蔵

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    どらちゃんがおもろい!!なぁんか言うてることテキトーやし、調子が良すぎて信用ならん。でもなぁんか憎めへん。時代もの始めて読めた。朝井まかてさんの他の作品も読みたい。

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    2025年12月13日
  • どら蔵

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    朝井さんの作品では、「銀の猫」や「すかたん」「ちゃんちゃら」以来、久しぶりの架空の人物によるフィクションものでした。

    相変わらず主人公の人物描写が面白い。本作の“どら蔵”こと寅蔵は、お調子者で口数が多く、失敗も重ねるけれど、玄人も舌を巻くような目利きの才能を併せ持つという魅力的なキャラクター。

    そんな“どらちゃん”が百戦錬磨の骨董商たちと丁々発止の勝負を展開する競りのシーンはまさに手に汗握る緊張感。何やら続編も描かれるのでは?と思わせるような粋な終わり方も小気味よい。

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    2025年12月09日
  • どら蔵

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    飄々としたお調子者のドラ息子「どら蔵」のおしゃべりに笑った。「道具商は金と権勢を持つお人ら相手の商いや。金がすべての世の中で、黄金色の泡を啜って回ってる。目利きや学識や度胸を看板にしたとて、所詮は幇間やないか」

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    2025年11月30日
  • ぬけまいる

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    朝井まかてさんの作品が好きで、続けて読んできました。この本は友人から紹介されて。3人の特徴は昔こんな仲間がいて、こんなやり取りしたな。そんな思いでどこか懐かしく面白がって読みました。内容もホームドラマ風に展開。作者の別の手腕を感じました。言葉の巧みさ、表現の豊かさ等、軽い作品なれど、やっぱり朝井まかては、朝井まかてです。

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    2025年11月26日
  • すかたん

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    気持ち良いラストまで、心地良い思いで読めた。
    仕事とは、働くとは、を考えさせられる。勧善懲悪の痛快さも美味しい料理も大満足。良い話だったなぁと余韻に浸れる。

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    2025年11月15日
  • 恋歌

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    朝井まかてさんのお話を読むのは2作目。

    実在する歌人の中島歌子さんを主人公にした物語。
    生来の純粋さを持ちながらも、時代に振り回されながら生きてきた彼女が、どうして歌人として生きることになったか。

    登世の物語に引き込まれて読み進めるなかで、知らず知らず緻密に張り巡らされていた一つ一つが一気に回収される最後に圧倒された。登世と以徳さまとを結びつけた歌のことと思っていたけれど、手記に書かれる最後の歌を読んだ時に、このタイトルがぐっときた。

    全て知った後に、また歌人として生きたパートも含めて改めて読み返したい。

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    2025年11月09日
  • どら蔵

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    面白かった!
    上方で勘当された陽キャなボンの江戸での道具屋修行。
    主人公のどら蔵が気持ちのいい人物で、読んでると胸がスカっとした。
    最後の方は大塩平八郎の乱が描かれ、政治に翻弄される町人の姿に、現代を重ねる部分があったが、しっかりと身を立てて世間を渡るどら蔵に力をもらえる。すらすら読めて読後感もよき。

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    2025年11月03日
  • どら蔵

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    ネタバレ

    どら蔵

    著者:朝井まかて
    発行:2025年9月8日
    講談社
    初出:2023年3月~2025年2月新聞掲載(陸奥新報ほか)

    朝井まかてによる時代小説の新刊本。地方紙9紙に順次連載した作品。大阪は船場・北久太郎町にある道具商「松仙堂」の長男・松井寅蔵が主人公。舞台は主に江戸、時代は幕末に近い天保年間(主に1830年代)。寅蔵は船場・高麗橋にある骨董商「龍仙堂」で丁稚として修業の身だが、すでに18歳になっている。松仙堂は龍仙堂の別家筋で、何代か前がのれん分けされて開業した店。血のつながりがない「別家筋」。

    血のつながりがないので、何代を経ても家臣のごとき身分で、盆暮れには音物(いんもつ)を携えて挨拶し、龍仙堂の主人・平河惣右衛門に平伏する。松仙堂の跡取りは主家たる龍仙堂で7年間丁稚奉公を勤めねば跡目を襲うことを許されない。ところが、寅蔵は故あって丁稚奉公に上がるのが遅く、一昨年天保3年、16歳になって修業を始めた。母親は根っからの道具商だったが、早逝し、その妹である静江が我が子のように可愛がってくれ、修業に出るときにちょっとしたお金を握らせてくれた。そのお金で、寅蔵は高麗橋近くの遊里・蟹島通い。寅蔵はどら蔵と呼ばれている。

    ある日、朝帰りの寅蔵を龍仙堂の主人はじめ店の面々が待ちかまえていた。バレていた。寅蔵は丁稚風情ではあったが、見る目にはどこか鋭い物があり、それは主人も内心、一目置いていた。しかし、生意気な口を叩く。結局、追い出された。帰るところがないが、家に戻ると、父親にも勘当された。跡継ぎは腹違いの弟に。それは別に構わない。とりあえず、高津の種樹屋(うえきや)「梅治」へ転がり込む。叔母の静江がよくしてくれる。叔父は二本差しで学者の中斎先生と通じている。

    江戸へ下ることにした。そこからが話の本筋となっていく。わらしべ長者的な展開、偶然に出会った悪連中が実は心眼するどい商人や職人だったり、人情家だったり。どら蔵と呼ばれた寅蔵の道具に対する見る目を内心で評価し、受け入れて一人前に育て上げていく。そうした登場人物たちとの交流の心地よさ、前半の布石が後半に生きてくる構成のよさ、豊富な歴史的語彙など、朝井まかての腕は益々上がってきたように感じる。朝井まかては、連作短編形式より長編の方がはるかに面白いと思う。とくに商売ものは、商売に関するアイデアが商魂ものにも通じる要素ありで実に楽しい。今回も最後の締めくくり(の弱さ)以外は満点。

    話を戻せば・・・
    江戸へ下る際、中斎先生から伊勢のある酒問屋に文を届けてくれと頼まれる。叔母の静江からお金を渡されたが、期待した大金は入っておらず、江戸までの旅費にはならない。宿先で薪割りなどを手伝いながら行くしかない。しかし、伊勢の酒問屋に文を届けると、駄賃として古丹波の小壺をもらう。これが、わらしべ長者のような話に展開していくことになる。

    江戸につくと、通行人とトラブルになり、ぶつかられて小壺が箱の中で割れてしまっていた。相手の男とその子分達はそれを見て驚き。自分たちが作った贋古丹波だと。火を入れて古いものに上手に見せかけた傑作だった。男の名は権兵衛。白浪屋という道具商だが、陶工や絵付師を率いる直し屋であり、屑拾い、すなわちリサイクル業者でもあった。割れた〝古丹波〟を取り上げられ、屑拾いをさせられるが、屑が別のことに生かされたり、お金になったりすることを学んでいく。

    そんな白浪屋に連れられ、ある蔵の入札に参加した。蔵の中は見せずに札を入れるという博打のような入札。寅蔵が担当することに。そこで「鍋善」の若旦那と出会い、競い合うことになり、寅蔵が落札した。蔵に入ると、大した物はないが、一つだけ超値打ちもの、一休宗純師の書があった。ところが、なんとその入札は白浪屋として参加したのではなく、寅蔵の個人参加扱いだった。41両の借金が白浪屋の権兵衛に出来た。書は担保として取り上げられた。

    〝古丹波〟が返還された。修繕され、繋ぎ合わさった形で返される。またも見事な道具になっていた。

    白浪屋一家で修業し続けようとしていたら、突然、富山の薬売りのもとへと追い出される。訪ねて来た久太郎についていけ、そこで修業をしろという。関東組の定宿暮らしになる。久太郎は重い荷物を背負わされて、ついていくだけ。客の前では喋るな、聞いておけと言われる。ここでも、いろいろと学び、人脈を拡げていくことになる。久太郎の客の一人、浄瑠璃の女義太夫の桃之介もその一人。久太郎が国に帰って百姓をすることになり、寅蔵は桃之介が買った道具の処分を蔵一つ分、任されることになる。これが商売のものにもなる。

    久太郎の引退にともない、白浪屋に戻ったが、今度は道具屋の師匠で町人学者でもある田端棭斎のもとで修業させられる。やっと、本当の師匠に出会う。師匠宅で居候しながら、店舗を持たない道具屋として独り立ちを目指す。露店での販売や無店舗営業に限界を感じる中、手紙商いを思いつく。今でいう通販である。カタログを印刷し、全国にばらまいて購入希望を募る。基本的には早い者勝ち。富山の薬売りルートでばらまいてもらうようにもした。鍋善の若旦那と一緒にスタート、これが当たって順調に稼ぎ始めた。

    そんな中、大阪で焼き討ちがあったと読売で知る。大塩平八郎の乱だった。中斎先生が反乱を起こした。実家は焼けたのか?幼馴染みが継いだ近所の書肆はどうなった?いてもたってもいられず、大坂に帰ることにした。手紙商いは鍋善の若旦那にバイアウトした。

    帰ると、焼けていた。しかし、家族はどうやら無事だった。弟を引き連れ、一面の焼け野原を回って拾いものをする。白浪屋で学んだ屑拾いのノウハウが生きる。少しずつよくなり、家を建てるべく頑張る。そして、死んだ母親が過去に売った道具とも出会い、それを取り扱うことにもなる。自ら売り立て会を開催して、道具を販売。江戸で学びの場となった売り立て会は玄人ばかりの参加だったが、彼が開催したのは素人も含めて参加できる会だった。江戸で学んだ商売が、大坂で人情や愛のフィルターにかけられつつ生かされていく。

    **********************

    大坂
    松井寅蔵:骨董商「龍仙堂(高麗橋)」の丁稚、18歳
    松井弥兵衛:寅蔵の父、道具商(北久太郎町)「松仙堂」の経営者、龍仙堂の別家筋(血のつながりがない)、入り婿、四代目弥兵衛
    君江:死んだ母
    静江:叔母(死んだ母の妹)
    治兵衛:静江の夫、種樹(うえき)商「梅治(うめじ)」五代目
    田鶴:義母、天満の同心の姉
    佐次郎:腹違いの弟、12歳
    おせい:女中

    るう:幼馴染み、書肆河忠(かわちゅう)の一人娘
    中斎:大塩平八郎、梅治と付き合いがあった

    龍仙堂関連
    平河惣右衛門:龍仙堂当主
    鮎川:中番頭の馴染み、蟹島の遊女、海老兆
    鯉菊:鮎川と仲良し、寅蔵の贔屓
    花鯛太夫:蟹島で1,2の人気

    東下の途中
    三左衛門:伊勢・河崎の酒問屋
    *駄賃に古丹波の真物(と思った)をもらう

    白浪屋一家
    権兵衛:権兵衛長屋、直し屋親分、屑拾い
    おれん:絵付師、娘
    金助:陶工
    末吉:陶工仲間

    道具屋「鍋善」
    鍋善貫太郎:寅蔵初の入れ札蔵、若旦那
    鍋善嘉兵衛:若旦那の父
    さつき:中を非公開で入札させた蔵の持ち主の寡婦、貫太郎と出来ている、長男、次男、赤児の子持ち

    富山の薬売り
    久太郎:廣斎堂、富山の薬売り
    重兵衛:廣斎堂関東組頭
    鶴吉:江戸の薬種商手代

    久太郎の客
    竹本桃之介:浄瑠璃語りの女義太夫
    染太夫:かつては義太夫だった婆さん、桃之介と同居

    師匠
    田端棭斎(えきさい):彦左衛門、有名道具商「温古堂」、町人学者

    道具屋「鱗屋」
    浦沢銀四郎:日本橋の道具商「鱗屋」三代目
    おりょう:受付の娘、銀四郎の妹(腹違)、貫太郎(若旦那)の許嫁
    正吉:鱗屋の手代、おりょうといい仲に

    吉原・玉屋での遊興
    玉屋山三郎(さんざぶろう):吉原名うての大見世、玉屋の主人
    伊右衛門:「京屋」主人、光悦の旦那
    鱗屋、美濃屋、京屋、炭屋、松仙堂

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    2025年10月10日
  • どら蔵

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    2018年のニッポンのファンタジー『雲上雲下』を最後に、それ以降はずっと市井の人物を主人公にした歴史小説を書いてきた朝井さん。久しぶりのエンタメ系の長編時代小説です。
    大坂の道具商の放蕩息子の寅蔵(どら蔵)は、ひょんなことで奉公先に大損害を与えてしまって勘当されます。江戸に流れ着いたどら蔵は、自慢の目利き力を生かして骨董屋として一旗上げようと目論むも、拾ってくれた親方やその仲間、どら蔵が預けられた師匠も一癖も二癖もある連中で・・・。
    全6章。2章目当たりで「これは良い」と思ったのですが、その後はあまり盛り上がらず。次から次に登場するキャラクターの濃い登場人物たちを朝井さんが廻し損ねたのか、私が付いて行き損ねたのか。それでも最終章はちゃんと盛り上げて終わりましたが。
    すっかり幼馴染と所帯を持つのかと思えば、またまた放浪の旅に出た主人公。これは続編アリという事ですかね。
    主人公の大阪弁と放埓さから司馬遼太郎の『俄―浪華遊侠伝』をちょっと思い出した作品でした。

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    2025年10月05日
  • 御松茸騒動

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    HCUで暇していたら、母が鞄に入れていた文庫を貸してくれた。初めて読む作家だったけど、面白くて一気に読み終わってしまった。
    どの人物もいいキャラクターで、読み終わるのが惜しかった。

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    2025年10月04日
  • 朝星夜星

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    中華街で今はない中華料理屋二代目の娘に生まれた。二代目のボンボン、中国人に嫁いだ日本人の母。昭和一大観光地に成長すり横浜の日々を重ねて読み終えた。

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    2025年10月01日
  • 白光

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    ネタバレ

     文明開化、下級武士の娘が絵画を学ぶ苦労が読み取れる。お雇い外国人の表と裏、「先進国」での日本人の扱われ方、日本での女性の地位など、さまざまなことが書かれている。

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    2025年09月21日
  • 残り者

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    あまりに平凡な感想になってしまうけれど、まず思い浮かぶのはやはり大奥版 黒書院の六兵衛かな。
    徳川家の家臣としての最後の矜持という芯は似ているけれど、行動や知識が非常制限されていたであろう当時の女性の限界と、その中でも力強く生きる姿がとても朝井作品らしいです。
    また、最後に維新後の様子が少しだけ入っていたのも、まるで外伝を読んでいるようで良かったです。

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    2025年09月20日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    明治神宮の創建をテーマにした本。杜や社殿をつくる話が中心かと思ったが、そうではなく日本人にとっての明治という時代とは何か、そして明治天皇や昭憲皇太后の人物像について迫るストーリーに引き込まれる。

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    2025年09月13日
  • 眩(新潮文庫)

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    葛飾北斎の娘、お栄(葛飾応為)が光を求めて生きていく物語。面白かった。


    「たとえ三流の玄人でも、一流の素人に勝る。なぜだかわかるか。こうして恥をしのぶからだ。己が満足できねぇもんでも、歯ぁ喰いしばって世間の目に晒す。やっちまったもんをつべこべ悔いる暇があったら、次の仕事にとっとと掛かりやがれ」
    オランダ商館の依頼で取り組んだ西洋画の出来に満足できていない弟子達に、親父どのがかけた言葉。一番印象に残っている。
    もともと北斎についてそんなに知識があるわけではなく、「変わった人」というくらいのイメージしかなかったが、読み進めるうちに絵や仕事に対する凄まじい情熱を感じて熱くなった。


    登場する絵にもストーリーを感じられてとても良い。
    「大きな波が天に届かんばかりにうねり、今、まさに砕け散らんとしている。その波頭は飛沫を上げ、お栄は己の顔に潮を浴びたような気さえする。
    荒波に揉まれているのは、江戸に向かって懸命に繰る三杯の荷舟だ。それぞれの舟には何人もの男たちが身を伏せ、波の勢いにただひたすら身をまかせているようにも見える。
    ふだんは穏やかで、江戸と気軽に行き来できる神奈川沖なのだ。魚や薪炭を運んで、それを暮らしの生計にしている。
    けれどいざとなれば海はかくもそびえ立って、襲いかかってくる。波に舟ごと呑まれて死ぬか、それとも乗り切れるかの瀬戸際がここには描かれていた。だが人々は、これらの舟は決して沈まぬと信じるだろう。
    絵の中心に、富士の山が描かれているからである。
    ふだん、江戸のそこかしこで見上げ、霊山として拝みもしてきたその山があることで、人は希みを見出すのだ。己ではどうしようもない境涯であっても、富士の山はいつも揺るぎなく美しい。
    死んじまうその刹那まで、生き抜こうじゃねぇか。
    親父どのの呟きが響いたような気がした。深刻な声じゃない。いつものように肩の力が抜けた、洒落のめすような物言いだ。
    紙の左上には「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」と画題が刻まれ、北斎改為一筆と落款が記されていた。」
    お栄から見た神奈川沖浪裏の描写だ。己丑の大火(文政の大火)で大きな被害を受けながらも、富嶽三十六景の大勝負で再起を図る西村屋や北斎たちそのもののを見ているような気にもなってくる。これは希望の絵だ。


    さて、当のお栄。
    父北斎に似て絵以外の事には頓着しない性格。親父どのとの日常のやり取りは、常識を欠くが見ていて面白い。特に西瓜をもらった時の下りが印象的だった。
    絵については親父どのの信頼も厚いが、父と同様にどれだけ描いても満足せず、自分の絵を求めてもがいていたように思う。その中でお栄が見出したのが光だ。西洋画っぽい色彩を取り入れつつも、日本画っぽい構図という独特の世界観を感じる。オランダ商館の仕事がとてもいい伏線になっている。夜桜美人図や吉原格子先之図を見ると、光の陰影とそこから伝わる温もりを感じる。とても素敵な絵だと思う。
    そしてお栄自身も絵に人生の光を見出して、齢60にして旅に出るのだ。



    太田記念美術館(原宿)
    **葛飾応為 吉原格子先之図
    **葛飾北斎 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏

    北斎館(小布施)
    **葛飾北斎 富士越龍図

    メナード美術館(愛知県小牧市)
    **葛飾応為 夜桜美人図

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    2025年09月08日