朝井まかてのレビュー一覧

  • すかたん
    数々の問題に真剣に、しかも大胆に取り組んでいく2人の行動力に目を見張ります。そして清太郎と知里の心の揺れ具合にこれまた、どうなるんや⁉️と言う期待と不安が交差する。読後の清々しい気持ちと、ああ良かったと言う満足感が残る一冊です。
  • 悪玉伝
    大坂豪商 辰巳屋の跡目争いが、大岡越前守、吉宗公を巻き込む騒動になっていく。

    さすが朝井まかて、一気に読んでしまった。
    時代小説の好きなところは、ストーリーも楽しめながら当時の文化や風習、経済など知らなかったことがわかるところ。

    主人公は木津屋吉兵衛の視点で進んでいくが、知らず知らず応援していた...続きを読む
  • 雲上雲下
    知ってる話や知らない話。昔話を、朝井まかて流に語りなおした作品なんだな……と思って読み進めていったら、やがて、「物語とは何か」という壮大なテーマに流れ着き、満腹になった。ただのほっこり系連作短編集かと思いきや、大満足だった。
  • 恋歌
    もう一度読み返して見て、結末はわかっているのに、こんなにも、心をえぐられる話だったかと、幕末を駆け抜けた、人々に思いを馳せ、日本人とは…と考えてしまいました。どんな時代も誰かを愛すること、家族を想う事、その心底は変わらない。今も内戦が止まない国は世界に有って、同じ様に血を流し苦しみを味わった日本が、...続きを読む
  • 恋歌
    読んでいて今まで感じたことのない気持ちになった…苦しくてやめたいのに、やめられない。
    状況が悪くなるにつれ、以徳と登世の恋がより鮮やかに美しく変化したように思う。

    幕末は人気の題材と思うが、水戸藩の内紛で多くの血が流れたことは知らなかった。
    戦は誰の為、何の為か。幸せは志を持って死ぬことか、生き抜...続きを読む
  • 銀の猫
    江戸時代の介抱人のお話。おばあさんを看取るシーンで、猫ちゃん看取ったときのことを思い出した。主人公のお咲ちゃんの心持ちがすごく分かるなぁ。これ先に読んでたら、もっと心穏やかに看取ってやれたかもしれない。
    介抱人の負担にならない介抱指南書を出版しようとするお話が出てくるけど、この小説がまさにその指南書...続きを読む
  • 眩(新潮文庫)
     葛飾北斎の娘、お栄。絵を描くことが好きだが「北斎の娘」という肩書きが重い…しかし、あまりに偉大な父の影響を受けながら自分も絵師となり、父に負けない、いい絵を描こう…だが…父にはかなわない………と、もがくお栄。
    兄弟子への恋情、納得のいく作品が描けないことへの苛立ち、借金の尻拭い…

    地べ...続きを読む
  • ちゃんちゃら
    父が引っ越しの手伝いに行って
    本をたくさんもらってきた中にあって
    適当に手にして読みはじめたけど
    出会ってよかった

    朝井まかてさん 初めてだったので
    他の作品も読みたいと思える
    作家さんに偶然みたいに出会えて嬉しいです

    日本庭園 見に行こうと思った
  • 眩(新潮文庫)
    楽しかったー。

    葛飾応為こと、お栄の半生。百日紅は嫁ぐ前の話だったが、こちらは離縁したあとのお話。

    数少ない(よく知らないけど)史実から、ここまで人物像を描けるなんて。

    お栄は、しっかりと自分の絵の仕事に向き合う。口うるさい母親、介護、とんでもない甥っ子、恋心。心が乱れそうになっても、仕事と向...続きを読む
  • 御松茸騒動
    面白かった!

    社会の理不尽や人間関係の摩擦といった、どことなく現代的な要素が盛り込まれた時代小説。

    石の上にも3年とはよく言ったもの。
    エリート意識が鼻に付く若造だった小四郎の成長振りが読んでいてとても快いし最後の大逆転には大変スカッとする。
    ほんとうに素晴らしい読後感。

    ちなみに松茸同心とい...続きを読む
  • 銀の猫
    「介抱人」として身も心も削りながら働く主人公のお咲。
    心底ウンザリする、だらしのない母親との暮らしを支えるために誠心誠意、老人たちのために尽くす

    江戸の人たちの人情たっぷりの作品。
  • ぬけまいる
    恋、仕事、子育て、生き方と、どの時代でも悩みは同じなんだなー、と思わせてくれるお話でした。
    猪鹿蝶の3人がお互いに何かしら羨ましくも尊敬しあってるのがすごく伝わってきて、とても読みやすかったです。同じ女性として、共感して泣けるし、笑えるところもあって一気読みしてしまいました(^^)
  • 銀の猫
    江戸時代の介護のお話。当時は長男が親の世話を最後までみるから家督を譲られるということを知った。お金持ちは介護を今でいうヘルパーさんに頼み、彼女がやさしく対処するなかでのお話。人に優しくできる人は何らかの痛みを知っている人だということも描かれている。
  • 眩(新潮文庫)
    歴史小説としてはやや短いけど、葛飾親子の生涯が1章ごと1作品ごと、人生の節目をコンパクトに描いていて疾走感がありました。北斎大好きだし長命だったのでもっと読んでたいなぁとは思ったけど。。日本人本来の職人気質と少しのドロ臭さがカッコよくて、日本が誇る偉人だと再認識しました。北斎に滝沢馬琴が喝を入れるシ...続きを読む
  • すかたん
    まかてさんの浪花もの
    デビュー三作目の長編とは思えないストーリー。
    この作者に共通する話のテンポが個人的には好きです。
  • 阿蘭陀西鶴
    井原西鶴と盲目の娘おあいの物語。
    あー、こういう親父いるわ、と思いながら、嫌でたまらなくても、その親の面倒を見るのはおあい。
    俳人でありながら、俳句ではなく草子ものが当たってしまい、その間に天才芭蕉が西鶴の先をいってしまう。
    巻き込まれる娘はたまらないよなぁと思いながら、それでも私もあおいと同じ事を...続きを読む
  • ちゃんちゃら
    朝井まかての本を初めて読んだ。心地よい。次はデビュー作から順に読んでみたいなと思った。

    「季節の中で風がいちばんうまいのは、夏の初めだ。」という文章で物語は始まる。これは題名にあるちゃんちゃらが口癖のちゃらの言葉。浮浪児だった彼は庭師辰蔵に声かけられ、庭師としての修行、腕をあげていく。序章から第一...続きを読む
  • 眩(新潮文庫)
    北斎の娘・お栄。父同様に絵の道を進む、彼女の熱い生涯を描く。
    第一章 悪玉踊り  第二章 カナアリア  第三章 揚羽
    第四章 花魁と禿図 第五章 手踊図    第六章 柚子
    第七章 鷽     第八章 冨嶽三十六景 
    第九章 夜桜美人図   第十章 三曲合奏図 
    第十一章 冨士越龍図  第十二章 吉...続きを読む
  • 落陽(祥伝社文庫)
    明治という時代を生きた人々の気持ちを想像しながら読める作品でした。
    読み終えてから、冒頭部分を読み返しました。
    もう一度読みたいと思う作品。
  • 残り者
    幕末、江戸城明け渡しの前夜

    大奥に残った5人の女性たち「残り者」
    彼女たちは何故残ったのか。

    大奥勤めという特殊な境遇なれど
    仕事に誇りを抱く女たち。
    江戸城を追われるくやしさ

    女たちの矜持が美しい