朝井まかてのレビュー一覧
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ネタバレ実在の人物をあつかう物語にはそれなりの制約がある。事実を歪めての展開はできない。にもかかわらず、これだけの広がりを物語に持たせる朝井まかてさんはさすがと思う。
綺羅星の如く、幕末明治の歴史をを作ってきた人々が次々と表れるが、彼らはこの物語の中では、時代の背景にすぎないとさえ思われる。事実の隙をつくように、いきいきと描かれた庶民たちが、時代の中で精一杯生き、次の時代へと命を繋ぐ物語だ。
草野丈吉の妻であるゆきについても、どれだけの資料があったのか。色白で大柄ということくらいしかわかっていないようだ。そこからこんなにも個性的な人物に仕立てられて、見事というほかない。
引田屋の女将の凛とした佇ま -
Posted by ブクログ
朝井まかての大奥もの、というか、幕末ものでしょうか。
仕事に生きてきた女性たちの、江戸城最後の日を描きます。
江戸城の無血開城が決まった後。
天璋院篤姫が出立前に一同を集め、粛々と城を出ていくように諭します。
荷物はすべて後から送ってくれるはずだからと。
天璋院が去った後、奥勤めの女中たちは皆右往左往して、出来る限り荷物を持って我先に出ていくのでした。
呉服之間に勤めるお針子だったりつは、もう一度部屋を確かめたくなり、戻ります。
お蛸という女中が天璋院の猫を追いかけているのに出くわし、一緒に捜し歩きます。
すると、ちかという女中もまだ残っていました。
さらには御中臈のふきと、和宮のほうの呉