朝井まかてのレビュー一覧

  • 阿蘭陀西鶴

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    大矢博子さんの解説を読んで、そうだったのか!とスッキリした。読み初め、やや物語に入り込めない感があったのだが、「おあい」を見ていた自分が、いつしか「おあい」として見るようになっていき、すっかり作品世界に没入していたからだ。大矢さんが書かれている「思えば、目が見えない ー 映像情報がないということは、テキストのみで構成される小説を読む行為と似ている、と言えるのではないか。さらに本書はおあいを語り手にしたことで、物語の中にも人の目鼻立ちや風景の直接の描写はまったく出てこない。しかし読者の目には、台所に立つおあいの姿がはっきり目に浮かぶ。桜鯛を捌く彼女の手が、彼女が出会った人々の様子が、それぞれの読

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    2022年10月08日
  • 福袋

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    可愛くてしみじみする江戸情緒あふれる短編集
    銭湯の女の子の話が一番好きかな
    ラストの両親の会話で心がぐっともっていかれた

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    2022年09月07日
  • 落花狼藉

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    ネタバレ

     戦国乱世が終わって、吉原が出来上がるまでの物語を一人の女将の目から描いた作品。

     元々、新しいものが作り出されていく作品が大好きな私には最高に面白かったです。

     葦しか生えず、水はけも悪い最悪の土地に売色の場所を作ろうという江戸幕府の思惑から始まった吉原の計画。

     土地を埋め立て、ここで生きていくためのルールを定めて、ここへの力への入れ方は凄いなぁと思いながら読んでいました。

     戦国の時代は終わって新しい時代を自分たちで作っていくのだという巨大なエネルギーと売られてきて色を売る女たちの哀しさ。その対比の見事なこと。

    朝井さんの小説は本当に面白いです!

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    2022年08月23日
  • 銀の猫

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    江戸時代の介護ヘルパー…という設定の職業人の話。
    全く知らない世界観で、どの老人に話も非常に興味深かった。
    介護しながら指南書を作るために自分自身の気持ちを見つめ直すくだりでは、今の介護にも通じる落としどころがあり、妙に納得した。

    介抱人としてはベテランで引く手あまたの主人公も、プライベートは恵まれているとはいえず、仕事をしながら気持ちの通じ合いにくい母と付き合い、わかれた元亭主とも借金返済のために会うという、そこを読むときはこちらの気持ちも沈んでしまう。
    ただ、周りには主人公の理解者がいて、なんでもすべて味方だというのではなく、必要な意見をちゃんと伝えてくれる。年齢層の離れた友人というか、

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    2022年07月29日
  • 阿蘭陀西鶴

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    井原西鶴と言えば、「好色一代男」を書いた坊主頭の人という知識くらいしかなかったが、読みやすく、登場人物がとても魅力的で非常に面白かった。

    盲目の娘おあいの目を通して、父として、また、俳諧師、草子書きとしての井原西鶴を描いている。自尊心が強く何よりも自分が大好きで、自由奔放に人間臭く生きる西鶴が活き活きとしていて良い。

    天下泰平の江戸、将軍綱吉の時代を背景に、俳諧が世間を席巻していくさまは、現代にも通じるワクワク感があり、松尾芭蕉や近松門左衛門など、歴史上の人物も登場し、歌舞伎や浄瑠璃といった文化が熟成されていく過程を垣間見ることができる。

    盲目の娘おあいの作る料理の数々も、全部美味しそう

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    2022年07月26日
  • 雲上雲下

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    「物語が世界から消える?」

    昔、むかしのそのまた昔。
    「草どん」が子狐や山姥に語る「昔話」

    物語が消えてしまう世界はどうなってしまうのか。
    「草どん」の本当の姿は。

    雲上から雲下へ降りてきた存在は。

    壮大で「語る」ことの大切さを感じる1冊

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    2022年06月12日
  • 残り者

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    歴史の「その時」を描くとともに、しっかりしたお仕事小説でもあった。
    多くの人に読んでほしい良作。

    幕末、開城前夜の江戸城大奥。
    大奥はハーレムではなく、女性が自らの才知と器量を発揮し、矜持を抱いて働く、数少ない場だった。
    政治と戦争の影響によって、働く場が消失する。
    その場に臨んだ5人の大奥女中が、去り難く、信じたくない思いで、職場であり家であった大奥に留まる。
    彼女たちの思いに共感した。
    いよいよ開城の日、占領する側の男たちの態度ときたら! 憤りを禁じ得なかった。
    女性の働く場を土足で荒らした男たちに、言い得ぬ怒りを感じるのは、現代の諸々を想起させるからと思った。

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    2022年05月30日
  • 藪医 ふらここ堂

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    神田三河町の小児科医 天野三哲 娘 おゆん

    お話しは ずっと長屋の人たちと薮医と言われててもツボはしっかり押さえてる

    でも いい加減なお医者の話し

    と思ったら

    なんと 天野三哲は 御殿医の家系の息子だった!

    なんて話しになる。

    毎日 手伝っている娘のおゆんも 父親がどこで産まれて 親は誰か

    なんて話しは聞いたことがなかった。

    乳飲み兄弟で幼馴染の次郎助は 身近すぎて なかなか恋心は いだけない。

    もと武士だった男前の佐吉には ぽおっとしてしまう。

    佐吉の別れた奥さんが出てきたり 佐吉と勇太が長崎にいくことになったり

    当初 予想してたのとは違う展開

    ふらここ とはブランコ

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    2022年02月21日
  • 眩(新潮文庫)

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    お栄がかっこいい。
    この時代に女性がこういう風に活躍するのはむしろ稀だったんだろうなと思うから、誰もやっていないことを先駆けてやる女性はやっぱりかっこいい。
    ドラマで演じた宮崎あおいさんもかっこよかったです。

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    2022年02月20日
  • 銀の猫

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    この本 うちにあったはず

    でもなんで読まないまま終わっちゃったんだろう?

    と思い 又 取り寄せて読みました。

    前は まだ 母を見送ったばっかりで読めなかったのかもしれません。

    江戸時代にも 介護人なんていたのかなあ!

    長寿の人もいたらしいし 世話はしなくちゃいけないから いたのかもしれませんね。

    行く先々で 様々なひとの介護をし その家族やまわりの人の状況もみんな違う。

    その仕事の大変さより 自分の母親との関係が大変!

    別れたまえの亭主も はんちくな奴

    この主人公お咲 勤め先の鳩屋と 世話しに行ったお宅で とても認められている。

    介護に行った先の元気なおぶん そして長屋のお

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    2022年02月19日
  • すかたん

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    最初のとっつきは 悪かったです。

    寺子屋を首になった頃は やたら江戸うまれを押し通す やな女です。

    青物屋の女子衆として 働き始めてから やっと心根がシャンとしたような。

    食べることが好きなことが 人生をいい方に向かわせます。

    美味しそうに食べる っていいことなんですね。

    ご飯作った人も 食べるの見ているひとも気持ちがいい

    この美味しいものいっぱい食べる ということが気持ちも素直にさせ いろんな人が目をかけてくれる。

    難しく気難しい御寮さん

    何故か 裏の畑の世話を知里に任せる。

    ここでいろんな野菜を人に聞きながら育てる。

    これが 心を耕したのかな?

    たぶん 若くして死んだ

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    2022年01月28日
  • 最悪の将軍

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    政治を志す人に一読してほしい施政者の難しさが、描写されている一冊。
    元禄時代、徳川綱吉、その教科書的なイメージとはかけ離れた、苦悩の連続であった将軍の姿、そして当時の民衆の困難具合が手に取るように伝わる作品。
    経済、社会的に混迷を極める現代に、読まれる歴史小説ではないか。泣ける。

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    2022年01月28日
  • 雲上雲下

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    ミヒャエル・エンデさんの
    「はてしない物語」の中で、
    主人公のセバスチャンが、
    ある一冊の「物語」を読んでいくうちに、
    その物語の中に入り込んでしまって、
    あの愛嬌のあるファルコンと一緒に
    旅を続けていく中で、
    とてつもない経験と、
    とてつもない勇気を
    身につけていく…
    あのセバスチャンの「奇跡」の感覚が
    この「雲上雲下」を読みふけるうちに、
    自分自身に起きていることに
    感動してしまいました。
     なんと面白く
     なんと壮大な
     なんと身に沁みてくる
    おもしろき「物語」でありましょう!

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    2021年12月17日
  • 草々不一

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    久しぶりの時代小説&朝井まかて
    やっぱり朝井まかては良いなぁ。

    8編からなる短編集です。
    一話約60ページ…
    無駄な表現なく、読みやすく、笑いありのホロっと涙

    表題作の草々不一には泣かされました。

    長編もいいけど短編は上手さが際立ってます(^ ^)



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    2021年11月19日
  • 草々不一

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    ネタバレ

    朝井まかてさん、大好き(^^)

    短編集だったので、一編ずつ楽しみました。

    やはり彼女の作品はいい!

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    2021年11月08日
  • 銀の猫

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    母が婚家にした借金を咎められ、離縁されたお咲。
    介抱人として働くことになる。
    丁寧な仕事ぶりが認められ、差配する口入屋の鳩屋主夫妻にも一目置かれるようになる。
    介抱した老人たちは、みなそれぞれの過去を思わせる、一癖ありそうな人物ばかり。
    どうやって人間関係を作って、介抱させてもらえるか。
    そこが一つの読みどころでもある。

    しかし、このお話には、もう一つの筋がある。
    母親との相克だ。
    母の佐和は器量自慢で、長年妾奉公をしてきた。
    お咲は幼時から養い親の下で育ち、たまに来る佐和に抱かれた思い出もない。
    離縁された後、母と二人暮らしをはじめるが、派手で金遣いも荒く、家事を一切しない母にイライラを募

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    2021年11月07日
  • 御松茸騒動

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    秋ですね。

     茸のおいしい季節となりましたが、高級食材の松茸を庶民が口にするには、相当な覚悟が必要です。
     江戸中期の尾張藩でも事情は同じようで、藩の特産品として方々のお偉いさんにご進物するのですが、近年は不作続きで、全く足りません。足りない分はどうすのかといいますと、商人から買いつけます。ただであげるものを商人から買うのですから、お金はすべて持ち出し。ただの見栄のためだけに、莫大なお金をつぎ込むます。名古屋らしいといえばらしいのですが、藩の財政は悪化の一途。今の世なら財政破綻自治体入り確実です。さあ、ここで御松茸同心の出番です。

     その任についたのは江戸詰めの若き藩士、小四郎。優秀だが融

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    2021年10月26日
  • 草々不一

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    紛者/青雲/蓬莱/一汁五菜/
    妻の一分/落猿/春天/草々不一

    信次郎の心、真吾の想い、波津の愛、伊織の料理、りくの心意気、野口の返答、芙希の望み、忠左衛門の不一

    誰にも、語りつくしていない思いがある。それを思いやる人がいる。大事にしたいことだ

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    2021年10月18日
  • 悪玉伝

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    時の権力に叩き潰されそうになりながら、文字通り不撓不屈で挑む主人公。大団円とは言い切れない結末も、続きが読みたくなる一冊

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    2021年10月14日
  • すかたん

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    数々の問題に真剣に、しかも大胆に取り組んでいく2人の行動力に目を見張ります。そして清太郎と知里の心の揺れ具合にこれまた、どうなるんや⁉️と言う期待と不安が交差する。読後の清々しい気持ちと、ああ良かったと言う満足感が残る一冊です。

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    2021年08月29日