朝井まかてのレビュー一覧

  • グッドバイ

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    序盤は少し読みにくさを感じたものの、100ページ目をこえたあたりからは圧巻。
    人の想い、信念、つながりが伝わる良本。
    出会えて良かった1冊。

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    2024年08月22日
  • 先生のお庭番

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    初めての朝井まかてさんの作品でしたがハマりました。他も片っ端から読んでみたい。

    お庭の風景が描写が心地よく、幸せな時間が共に過ごせたような気分です。この長崎弁もとても可愛くて、響とリズムが心地よかった。

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    2024年08月19日
  • 銀の猫

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    ネタバレ

    星6つにしたいほどの面白さ。

    自分の境遇と重なる部分もあり、言語化できずにいた気持ちをふわりと示してくれる巧みさにも唸る。

    25歳の介護人お咲は所謂シゴデキで、雇用主にひっきりなしに頼りにされる。自宅に於いても休む暇はなく働き詰めだ。別れた亭主に借金を返さねばならず、気持ちも沈むし時に苛立つ。妙な達観を見せず、自分事はぐずぐずと同じところに留まっているが、人の事となると心の機微に聡く核心をつく。そこがリアルで魅力だ。 
    今だと35歳位の感覚だろうか。中堅どころ。
    傍から見れば仕事をそつなくこなせる頼れる人材だが、本人は時に「私は玄人」と自分を鼓舞しながら必死に仕事に食らいつく。その内面がと

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    2024年07月09日
  • 白光

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    序章 紅茶と酒とタマ―トゥ/開化いたしたく候/
    工部美術学校/絵筆を持つ尼僧たち/分かれ道/
    名も無き者は/ニコライ堂の鐘の音/終章 復活祭

    絵師になりたい りんの眼鏡に適う師匠はなかなかいない
    西洋画を極めようとするも 留学先ではイコンしか学べない
    彼女のじりじりと焦りに似た気持ちが伝わってくる。
    絵を学ぶための手段に見えた信仰が少しずつ心になっていくようにも見える。
    そんな事をしてもいいの?と思う時もあったけれど、絵画への望みを見つめ続ける彼女がまぶしい

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    2024年06月25日
  • 銀の猫

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    よかった。ほんとによかった。
    お咲も佐和も庄助もおぶんも、みんなほんとによかった。
    登場人物が全員魅力的。

    江戸東京博物に行きたくなったので、調べてみたら2025年まで(予定)長期休館中でした…

    好きな人が老いて弱っていくのは悲しい。
    そんなとき私は笑って介抱できるだろうか。優しい声を掛けられるだろうか。
    そのときになってみないとわからないけれど、もし思い詰めたときは『銀の猫』を再読したいと思います。

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    2024年06月22日
  • 銀の猫

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    介護をテーマとした時代小説。
    違和感なく、すっと入ってくるのは、老いや家族といったテーマは時代を越えるのだと納得できるうえ、
    それでも江戸時代の雰囲気がきちんと描かれているから。
    憎たらしい母と、どう決着するのか興味津々で読み進めた。いい感じに終わって満足。、

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    2024年05月27日
  • 先生のお庭番

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    長崎におたくさという銘菓があります。昨年初めて知ったのですが、砂糖が掛かったパイのような食感で、花びらのような形状のとても美味しいお菓子で、以来何度か買い求めています。馴染みのない名前を軽く調べ、紫陽花のことらしいとまでは認識していたのですが、その由来にこんな物語があったとは。
    シーボルトが密命を帯びていたのか、それとも純粋な学者であり医師であったのかは分かりませんが、少なくとも日本を愛したことと、日本に残した功績は揺るぎないものだと思います。
    とても良い本でした。

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    2024年05月16日
  • 類

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    森鴎外の末子、森類が大正から昭和、平成を生き抜く物語。
    偉人の息子として生まれた森類の煌びやかな少年時代と、偉大すぎる親を持った故の懊悩を描いている。

    類は森鴎外の事をパッパと呼ぶ。
    それだけで、当時の森類の生活レベルが分かるようだ。
    大正時代に海外文化を生活に積極的に取り入れ、食事や芸術を楽しんでいる森家の雰囲気がなんともモダンで、読んでいるとなんだか羨ましくなる。
    現代のように日本の生活と海外の文化が混ざり合っておらず、それぞれを大事にし、意識を持って向き合い大切にしている空気に、この時代特有の豊かさを感じた。

    誰もが名前を知っている森鴎外という作家の人間像も温かく描かれる。
    妻と子供

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    2024年04月10日
  • 草々不一

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    朝井まかてさんの短編集、
    決して楽しい話ばかりではないのに、心が休まる。
    表題の「草々不一」、隠居してから妻が遺した書を読むために子供に交じって文字を習う姿、我が身に置き換えてみる。

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    2024年04月09日
  • 銀の猫

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    今で言うところの介護ヘルパーを通して江戸時代の介護の様子を描いた物語。
    当時は後継ぎである男性が両親を介護することが当然だとか、今と変わらない年齢まで生きている人がいたとか、意外な情報はあったけれど、今も昔も介護を取り巻く苦労は同じですね。介護を美化することなく、苦労ばかり語るでもなく、あるがままを受け入れて最期を見送ろうというメッセージが心に沁みました。

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    2024年03月20日
  • 類

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    森鴎外の末子、明治時代のお坊ちゃんである森類の生涯。
    550頁超の読み応えだが、類さんの名前も知らなかったくらいなので、どのような展開になるのかがわからなくて、ずっと面白い。こういう人の小説こそ読みたい。

    甘ったれで勉強ができず、社会に出て苦労したことがなく、パッパのような何者かになろうとするが、画家としても作家としてもなかなか芽が出ない。贅沢をして煙草ばかり喫んでいる。
    森家の財産を食いつぶしていく様子、特に鴎外の版権が切れた後、戦後は読んでいて恐い。それでも、お坊ちゃん特有のおおらかさ、無邪気さ、善良さのため、どこか話が深刻にならないのがおかしい。

    「役に立つ立たないじゃないんですよ。

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    2024年03月15日
  • 恋歌

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    朝井まかて、すごい!凄腕!思わず引き込まれてぐんぐん読みました。ラストはこらえきれず、目頭が熱くじーんとなってしまった。知りませんでした。中島歌子がこんな人物だったなんて。もちろん萩の舎のことは知っていたし、一葉さんの師匠だということも知っていたけど。超ド級の純愛物語でした。短歌に限らず芸術に命をかけるって、私には想像もできないけれどその境地に至れるのはこの上ない幸福なのでしょう。萩の舎のあった安藤坂界隈は私の母の育った町。私も学生時代初めてバイトした土地なのでとても思い入れがある。今度訪ねてみよう。

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    2024年03月03日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    明治神宮外苑内苑は人工の杜である。この事業のとてつもない苦労は想像できました。それだけでも、興味深いのですが、更に明治天皇の人柄にもスポットライトが当てられ、あっと言う間に読み進んでしまいました。明治から大正、昭和と時代は移り変わり、杜も豊かに育っている。そして、現代は令和、明治天皇のお人柄と今上天皇のお人柄、共通する所が多く、変わらない皇室の姿勢に胸が熱くなりました。世界一歴史のある天皇と言う存在を守り続ける日本。私はなんと素晴らしい国に生まれて来たのか、今、とても感動しています。日本人の在り方を今一度考え、忘れてはいけないと思いました。

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    2024年02月28日
  • 銀の猫

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    久々の五つ星。
    人生の道しるべの様な作品、朝井さんの引き出しの深さに驚きました。
    介護の道しるべにもなるんだとうと思ってます。

    巻末解説の秋山さんの言葉も感慨深いものです。

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    2024年02月26日
  • 恋歌

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    時代の流れ、運命は悲しくて
    歴史で学ぶと「尊王攘夷」「水戸藩士」「内乱」と点で終わってしまう事柄に、ひとりひとりの人間のドラマがあることにはっとさせられます。
    ひとりの女性がきゅんと恋をして力強く愛を貫いていく姿に胸が熱くなりました

    その人の今に至るまでに、どんな人生があったか。
    これまでもこれからも出会う相手を、その人の生きてきた過程も含めて大切にしたいなと思いました

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    2024年02月24日
  • 恋歌

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    主人公で小説家の三宅花圃が萩の舎を開き樋口一葉の師として知られる中島歌子の過去を手記を読む形で振り返る形で物語が進む。手記を通した読んだ水戸藩内での天狗党と諸生党の争いが凄まじく壮絶で言葉を失った。

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    2024年02月15日
  • 朝星夜星

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    日本で初めて洋食屋を開いた草野丈吉の妻の視点で書かれ、女性の立場に大いに感情移入しながら読んだ。幕末から明治にかけて、長崎、大阪の文明開花の様子、著名人との交流も興味深かった。壮大な映画を観た気分。

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    2024年02月12日
  • 朝星夜星

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    ネタバレ

    実在の人物をあつかう物語にはそれなりの制約がある。事実を歪めての展開はできない。にもかかわらず、これだけの広がりを物語に持たせる朝井まかてさんはさすがと思う。

    綺羅星の如く、幕末明治の歴史をを作ってきた人々が次々と表れるが、彼らはこの物語の中では、時代の背景にすぎないとさえ思われる。事実の隙をつくように、いきいきと描かれた庶民たちが、時代の中で精一杯生き、次の時代へと命を繋ぐ物語だ。

    草野丈吉の妻であるゆきについても、どれだけの資料があったのか。色白で大柄ということくらいしかわかっていないようだ。そこからこんなにも個性的な人物に仕立てられて、見事というほかない。
    引田屋の女将の凛とした佇ま

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    2024年02月02日
  • 眩(新潮文庫)

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    余韻の残る良い話でした。場面転換が激しくて途中着いて行くのに苦労したところはありましたが、その分主人公の生き方の迫力は増したと思います。親しい人たちが去って行くところは寂しかった。絵画は何も分からないのですが吉原格子先之図は素晴らしいと思います。

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    2024年01月29日
  • 眩(新潮文庫)

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    朝井まかてさんらしい今回も、化粧っ気のない女性のストーリーでした。エピソードが絵の名前ごとに別れていて、絵をネットで検索して見ながら読むと面白かったです。天然の絵の具で絵を描くことは一苦労である事がわかり、自分の中で昔の絵の価値がグッと上がりました。

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    2024年01月24日