朝井まかてのレビュー一覧

  • 眩(新潮文庫)
    葛飾北斎の娘、応為の視点で彼女自身と北斎の絵にかける想いを綴った作品。
    いずれかの代表作が完成するまでの過程を描きながらも作品そのものへの描写ではなく、あくまでそれが完成するまでの過程を父娘の生き方を交えて辿っている。
    各作品の肝となる部分が、もしかしたらこんな背景から生まれたものかもと想像しながら...続きを読む
  • 雲上雲下
    本の中で本を読む感覚ですね、たくさんの民話、御伽噺を読めて、何気ない話が実は深い意味があるので。小太郎の話は初めて聞きました。お母さんに会えるのとお父さんに育てのお母さんとみんな意味があるから、自分の使命があるから。草どんが雲上人だったと、それが命尽きると、最後には現代を風刺していて、間違いなんだな...続きを読む
  • 御松茸騒動
    また渋い分野を選びましたけど、知らない知識があるのと美味しい松茸を食するイメージが浮かぶ本ですね。3ベエのアクセントがこの醍醐味なのかも。とにかく出てくる出てくるし、頼りになるって言う。いつの時代も仕事が出来ないで世の中の害になる人間は存在するのですね。お母さんが別れてそのまま会わないのもちょっと残...続きを読む
  • 落花狼藉
    なんだろうこれって、昨日も一気に読み終える金と銀、まさかやーあさいまかてをほんの1日で終えるとは。よっぽど面白くて朝井まかてが合うんだろうな、吉原に新吉原に街を一から作るという物語で、歴史も読めたし花魁の粋も素敵だな。甚右衛門の生き様が一本通る、死に際もだよ、貢献して最後はひっそりとか。清五郎にトラ...続きを読む
  • グッドバイ
    大浦慶の名前を知りませんでした。お恥ずかしい限りです、知ってるであれっ。もはや歴史教科書の登場人物なんですね、ヲルトに登場人物は実在するし長崎事件も本当でした。これが原因で没落するのだが、そこから不死鳥の姿になるって事 大河ドラマにもなれるって事 いやあ知らない事が恥ずかしいとまたも思う お祖父さん...続きを読む
  • 銀の猫
    介護士。当時はいなかったのだろう。人間は必ず死ぬ、それは今も同じこと、現代の病院では心臓が止まるまで死んだと認められないから、延命措置されて、死んだらみんながどうして死んだんだと嘆く。頑張って最後まで行きたねと言う人はいない。この主人公は最後の日々をどう過ごすのか分かる人だよ
  • 先生のお庭番
    じっくりとシーボルトを読んだ訳じゃないけど、ここで知識入れてもいいかなと思うけど、一遍でも知るのもいいかと思う。あくまで熊吉の話だから。出島を舞台にする話も意外に読んでない、オランダ人が出て来るのでなく庭師を一心にやり遂げる熊吉が染みる。12冊ですね、やっぱり読み応えある
  • 眩(新潮文庫)
    始まりからぐいっと引き込まれ、晴れ晴れと終わる。小気味よい一冊だった。
    決して明るく楽しい日々が描かれているわけではない。思うようにいかないことの方が多く、理不尽に苦しめられ、親しく心を通わせた人たちとも死に別れ、富にも名誉にも縁がないまま、年老いていく。こう書けば鬱々とした暗い物語になりそうなもの...続きを読む
  • 御松茸騒動
    現代にも通ずるような話でとても面白い。

    御奉行への説明シーンでの、赤松と松茸の関係は主従関係という例えはとてもわかりやすく良いシーンだったし、主人公小四郎がさらっと重ねた年月分成長して人柄が練れてきているのがよくわかった。

    朝井まかての小説でこの薄さ。
    初心者向けにおすすめだな。読みやすく、かつ...続きを読む
  • グッドバイ
    長崎で油を扱う大浦屋の身代を継いだお希以は外国人向けに茶葉を販売するビジネスを行い財を為し、亀山社中(後の海援隊)を援助する。
    その後、熊本藩士遠山一也、元大通詞の品川藤十郎に持ちかけられた煙草葉の商いで詐欺にあったもの、そこから復活し横浜製造所の経営を杉山徳三郎と共に行う。幕末の女商人大浦慶の一代...続きを読む
  • 恋歌
    間違いなく自分の記憶に残る作品だな、と思いました。壮絶な人生の中で、女性の生き様、使命、男性とは違った強さやしなやかさを感じます。現代の女性にはもしかしたら残っていないところなのかも、と思いつつ、本質は変わっていないのだろうか?自分にもそんな強さがあれば良いなと思えた作品です。
  • 類

    歴史系小説と朝井まかてにハマるきっかけになりそう。好きな部分→でもパッパ、パッパがいないと花の名を教えてくれる人がぼくにはいません。
  • 恋歌
    幕末という時代がいかに激動だったかがよくわかる。こういう地獄のような状況の中でも失われない人間性が泣かせる。
  • 朝星夜星
    これもまた傑作!ボタニカの時も感じた「色彩や景色が目の前に広がるような」作品.
    今回はそこに「料理の味や香り」までも感じられるようで,鮮やかで,爽やかで,躍動感あるれる作品.
    出だしからまるでNHKの朝の連続テレビドラマを見ているかのよう.牧野富太郎はボタニカが原作となることはなかったが,これこそ映...続きを読む
  • 眩(新潮文庫)
    お栄さん、格好良かった。善さんとの関係は切ないけどなんか分かる気がする。
    時太郎が憎い。
    本物を見てみたいな

    「もう六十かもしれないが、先々のあたしから見たら、今日のあたしがいっち若いじゃないか」
  • 朝星夜星
    時は明治維新後です。

    西洋文化に追いつこうと、外国人との饗応にも
    使える西洋式のホテルやレストランを大阪で始
    めた草野丈吉。

    その妻であるおゆきという女性が主人公です。

    あの五代友厚をはじめとして、名だたる歴史上
    の登場人物が顧客として描かれています。

    「細腕繁盛記」ではなく、おゆきは体も大...続きを読む
  • 朝星夜星
    長崎の丸山で女中をしていたゆきは食べっぷりを見染められて料理人丈吉の妻となる。西洋料理を世に広め長崎から大阪へと場所を移し、幕末から明治を国作りにかけた人々とも交流を持ち視線の先に常に公があった。妻目線で語られる草野丈吉のそこかしこにゆきのおおらかで力持ちで自然体なところが表れて、とても暖かい物語に...続きを読む
  • 最悪の将軍
    タイトル通り、一般には悪評高い将軍綱吉。有名な生類憐れみの令の背後にあった綱吉の真意、綱吉が目指した政治、それらへの新しい解釈を知る事が出来てとても良かった。もちろんこれもまた、一つの綱吉像に過ぎないだろうが、歴史をみるとき、様々な解釈があってこそ、現代に役立てられる視点を得られると思う。
  • ボタニカ
    今年のNHK朝ドラ「らんまん」の主人公牧野富太郎の生涯を描いた長編小説、本当に明治の人は偉大であった、それも土佐出身だ、その割に高知県は冷たいのではないか坂本龍馬のような銅像もないのではないか、そう言う小生も植物学に興味が無かったので、今日までまるで知らない人物だった。しかし今日でも続くアカデミズム...続きを読む
  • 眩(新潮文庫)
    とにかく面白かった。北斎の娘がかっこよすぎる。男前すぎる。
    最後の数ページ、なんだかぐっと来てしまった。
    なんか、背中を押してもらえた感じ。
    なんか、素晴らしい読後感。