朝井まかてのレビュー一覧

  • 銀の猫

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    老いに対して如何に支え合うかという普遍的な課題、時代は変われども、江戸時代も現代と同じ悩みや葛藤を持ちながら、介護看護に取り組んでいたんだと教えてくれるストーリー。

    仕事とは言え、他人の介護看護には親身になって尽くすのに、自分の母親には素直になれない主人公の葛藤、現代も変わらないのではないかと、共感してしまった。
    武家時代の忠孝という規範の縛りがあるとは言え、親の介護看護に疲弊し、家族関係が崩壊しかける描写は、制度や仕組みが新しくなった今の時代の「老老介護」や「手厚くならない介護職」の問題に対して何も変わっていないのだな。

    介抱人の仕事を通して、死に向かう時間に寄り添い、老いの豊かさに少し

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    2026年07月29日
  • 朝星夜星(上)

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    長崎の丸山遊郭で女中として働くゆきがオランダ領事の専属料理人であった丈吉が長崎で洋食屋自由亭を開業し、2人力を合わせながら幕末、明治、大正の世を乗り切っていく物語。上巻では2人の出会いから長崎での開業、舞台を大阪に移し、自由亭も洋食屋レストランからレストラン兼ホテルへと進化して行く。

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    2026年07月26日
  • 銀の猫

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    浅井まかてさんは同年代なので親近感が有り、話がストレートに心に入ります。江戸時代の介抱人の話です、読む前は、介護の苦しくて辛い淀んだ空気の苦労話だろうと思ってましたが、読み終わった後の爽快感心地良い風、ニッコリ微笑みました。もう一度読もうと思います。次に違う小説が読みたくなりました。

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    2026年07月26日
  • 銀の猫

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    まかてさんプレゼンツ、江戸の介護実態。派遣の介護人お咲が一生懸命に介護をしながら紡がれる人情噺。面白かった。

    お咲は介抱屋として仕事をしている。40歳くらいの母を養っている。江戸では当主になる者が介護をする。孝を幕府が大事にしているせいだ。
    料理屋の主人が3日間家を空けるのでと仕事を頼まれた。中風の後で半身不随だが、頭はしっかりしている模様。お咲は母の借金を背負っているので働かなくてはならない。母はお咲の嫁ぎ先からお金を無心して、お咲は離縁された。給料の前借りにも来る。

    道楽婆さんの相手を頼まれる。釣りに連れて行かれて、お咲は酔ってしまった。10日間と言われているがほとほと疲れる。何をやっ

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    2026年07月24日
  • グロリアソサエテ

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    ネタバレ

    とてもよかった。私の身体や心によい小説。
    もういちどはじめから読みたいと思う小説はほぼないけど、これはもう一度読みたい。

    輝ける仲間たち、前から好きだったが、ますます好きになれた。
    鮮やかにつぶさに情景がうかぶ。
    朝市で「いいね」と目を輝かせる人々と後に続く大蔵大臣。
    ねえやの目を通して、その時代の新しい価値観が生まれる瞬間を味わえた。
    「グロリアソサエテは三人だけじゃない。奥様、家族、そしてたくさんのひとの心が光を放っている。」と沖縄で思うねえやの佇まいもとても美しい。

    10年も前になるが、壷屋で自分で探して買い求めた小皿たちがある。毎日使いながら日々の暮らしの中に用の美を感じられて豊か

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    2026年07月11日
  • どら蔵

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    歴史物が苦手なので時代小説もあまり得意ではなく、義母に勧められて一度借りるもあまりの分厚さに手が出ず…
    リベンジともう一度手にしたら、あまりの面白さに驚く。

    上方落語のような、調子のよさ。
    読んでいるはずなのに、まるで落語を聴いているのかのように会話のやりとりが心地よい。
    意味がわからない単語が次々でてくるけれど、平気の平左で読み飛ばせる。でもストーリーは追える。私でも読める!という喜び。

    私が時代小説が苦手なのは、日本語なのに単語がわからないからなのかもなぁ。
    子どもの頃、本を読むとわからない言葉ばかりで読むのをやめてしまった日々を思い出す。

    この本は、先の展開が全く読めないし、全然期

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    2026年07月02日
  • 恋歌

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    『恋歌』は、幕末の歌人・樋口一葉…ではなく、樋口一葉の師として知られる中島歌子の半生を描いた、第150回直木賞受賞作品です。

    特に印象に残ったのは、崇徳院の百人一首の歌です。

    瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ

    「今は離れ離れになっても、最後にはまた会えると信じている」という恋の決意を表した歌で、この物語全体を象徴しているように感じました。

    物語は、歌子のおてんばな少女時代から始まり、恋をし、やがて水戸藩の天狗党の乱に巻き込まれます。投獄されるなど過酷な運命に翻弄されながらも、一人の人を信じて待ち続ける姿には心を打たれました。

    また、二度と内乱が起こらない

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    2026年06月29日
  • グロリアソサエテ

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    柳宗理のバタフライスツールやキッチン用品は知っていたが、その両親については初めて知った
    奉公をしているねえや、サチの目を通して描かれる一家の美しい暮らし、哲学、仲間たちとの交流が鮮やかに描かれている
    日本の生活に根づいた工芸や文化に光を当てた彼らの活動や、信念に心を打たれる
    奥様を筆頭に家族みんながお互いを尊重し合い、奉公人達にも優しく、だからこそ彼らも忠義心を忘れない
    日本の素晴らしいクラフトマンシップが継続しているのも、柳宗悦らの人生をかけた活動があったからこそなんだと日本文化を誇らしく思った

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    2026年06月19日
  • 眩(新潮文庫)

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    自分の描きたい気持ちと向上心を信じてひたすら描き続けた人の物語。歳を重ねるごとに自分だけの美学が備わってきた様子が描かれているのが良いですね。北斎に似た部分が出てくるのも(笑)

    普通とか常識にとらわれずに自分の人生を自分の意思で生きている様子がカッコいいです。

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    2026年06月14日
  • グロリアソサエテ

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    大正から始まった民藝
    柳宗悦の家で女中奉公を始めた少女を
    通して河井寛次郎や濱田庄司との交流
    民藝の発展とその紆余曲折
    経済を支えた柳家の才能ある妻
    それぞれ個性豊かで暮らし方が伝わってくる

    日々の暮らしを丁寧に工夫しながら
    過ごす大切さを感じさせられる
    最後は奉公していた少女は琉球の出で
    時代に翻弄された一族の末裔だった
    苦労した彼女にも希望が灯りそうな
    場面で終わる

    こんな作品が好きだ

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    2026年06月13日
  • 朝星夜星(下)

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    天皇の午餐会(ごさんかい) (承前)/故郷/二人づれ/流れる星の音/星々の宴(うたげ)

    男は志を持ち目指すものに向かって邁進するのがあたりまえ
    女は嫁に行き子を育て家を整えるのがあたりまえ 

    そこからはみ出す人は? あたりまえ?

    ゆきさんや彼女の周りのおんなたちが大好きです
    飄々と自分の感じるままに自分の道を歩いているのが素敵です

    江戸の時代から明治へ
    鎖国から開国へ
    激動の時を諸外国と国民の間に立って
    考え 歩いてくださった方々に感謝します
    ありがとう

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    2026年06月08日
  • ボタニカ

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    牧野富太郎の波瀾万丈な人生を朝井まかてが軽妙な筆で書き上げた。小さな頃から植物が好きで、官に媚びずあくまでも在野の研究者としての人生を全うしたが、まあ人格破綻というか金銭感覚まるで無し。2人の奥さんが彼を支えてくれた。そう、この物語は牧野富太郎が主人公ではなく、最初の妻、猶と遊学中の東京で知り合い最後まで添い遂げたスエが主人公だと思う。富太郎の研究を経済的に支え、最後は破産手続きを完了した猶の健気さ。江戸っ子の粋を感じるスエの楽天的な性格。この二人に守られて富太郎の学問は成就した。学問以外は何も分からない、何もできない富太郎、最初の娘を亡くしたところでは思わず、何しとんねんと声に出してしまった

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    2026年05月30日
  • 銀の猫

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    介護の大変さと大切にしたいことについて、考えさせられました。母娘関係について、離れてもよいと思っていても離れず納得の行く関係に持っていくお咲の生き方が素晴らしいと思いました。

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    2026年05月20日
  • すかたん

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    人情溢れる、どの登場人物も素敵。
    着物が見たくなるし、葉物が食べたくなる。
    NHK朝ドラのような清々しく温かい終わり方。

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    2026年05月17日
  • 朝星夜星

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    すごく読みごたえのある物語。
    細かい所まで書かれている。
    1つの実写ドラマができるかと。
    こうして歴史を学べるのはとても楽しい。

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    2026年05月15日
  • 銀の猫

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    母が祖母たちを介護していたときのことを思い出す。
    自分ができる自信がない、怖い怖いとずっと思ってるけどこの作品読んでちょっと前向きに捉えられそう。

    朝井まかてさんの作品は本当に温かく登場人物、みな奥行きがあり好き。

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    2026年05月13日
  • 御松茸騒動

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    とても楽しく読めました。お松茸同心というお役目が、冗談のように感じられました。松茸を通じて藩を改革しようとする小四郎が最高です!

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    2026年05月12日
  • 豆は煮えたか

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    第1話 ささげやの名物豆餅はお玉の夫が亡くなってから、美味しく作れない。一方手相占いは人気で目当てで来る人がいる。夕刻、庭から指のちぎれかけた男性が入ってきて手当して匿う。

    第2話 老夫婦がやってきて、娘夫婦はうまくやっているが、娘が遊びすぎてお金を使うので、お金の入った巾着を託された。が、どこにやったかわからないので、占ってほしいときた。街で占いをしているお玉の噂をきき、探し出そうとする。

    第3話 花の苗を育てて売っている伊織。息子が出て行ってだいぶになる。ある日お玉に占ってもらう。

    第4話 ちょっとばかし未来の見えるおかつは、そのために嫌われていく場所がなく、ささげやに置いてもらって

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    2026年05月08日
  • 朝星夜星(下)

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    幕末から明治初期を西洋料理と外国人の接待で国を支えた草野丈吉と妻のゆき、そして家族と草野のもとに集まった人物たち。まったく知らなかったが、この人物にもっとスポットが当たってもいいのではないか。
    大河ドラマにもなりそうな作品

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    2026年04月15日
  • グロリアソサエテ

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    日本民藝運動の創設者・柳宗悦と、声楽家の妻や子どもたちの暮らしを、女中サチの目を通して描いた物語。史実に基づく面白さに加え、語り手であるサチが少しずつ成長していく様子が心に残った。
    柳宗理のミルクパンやフライパンが好きなこともあり、その父である宗悦の人生を知ることができたのも嬉しい発見。良書と出会えて嬉しい!
    どこか原田マハの『晴れの日の木馬たち』に通じる空気も感じられる一冊。

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    2026年04月15日