朝井まかてのレビュー一覧
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朝井まかての本を初めて読んだ。心地よい。次はデビュー作から順に読んでみたいなと思った。
「季節の中で風がいちばんうまいのは、夏の初めだ。」という文章で物語は始まる。これは題名にあるちゃんちゃらが口癖のちゃらの言葉。浮浪児だった彼は庭師辰蔵に声かけられ、庭師としての修行、腕をあげていく。序章から第一章に入り心惹かれる施主の娘の言葉としても「風がいちばんおいしいのは夏なのよ。」があり、終章 ちゃらが亡き後、辰蔵の娘お百合が「季節の中で風がいちばんうまいのは、夏の初めだ。」と石積みの階段を駆け上がるという情景描写がある。
序章 緑摘み、第一章 千両の庭、第二章 南蛮好みの庭、第三章 古里の庭、第四 -
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朝井まかてデビュー三作目。
江戸時代の大阪が舞台の、笑えて威勢のいい商家物です。描かれる業界は、植木屋から離れて、青物屋へ。
大坂城へ赴任した武士の夫と共に、知里は生まれ育った江戸から大坂へやってきました。
ところが、頼みの夫が急死。
食い詰めかけたが~ひょんなことから、青物問屋の老舗「河内屋」で働くことになります。
それも、お家さん(女主人)の志乃に仕える上女中として、びしびししごかれることに。
仕事を紹介してくれた若だんな・清太郎は、家にろくに寄り付きもしない道楽息子という噂。
しかし、野菜にかけては真剣で、農家にも熱心に顔を出している。
さまざまなトラブルに一緒になって奔走し、河内屋 -
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たまーに、上方落語の番組を観ます。流れるようなしゃべりと、様々な人を一瞬で演じ分ける演技は毎回すごいな、と思うのですが、その落語の演目にこの『すかたん』の冒頭を入れてもいいのではないかなあと、思ってしまいます。
夫に共に江戸から大阪に移り住んだ智里ですが、その夫が急死。智里は子どもたちに手習いを教えることで、糊口をしのいでいます。
しかし、大阪の子どもたちに言葉遣いをからかわれ職を失い、その上空き巣に入られ、家賃が払えないという状況に。そこに現われたのが青物問屋の若旦那である清太郎。ただ、この清太郎がなかなかのくせ者で。
智里と大阪人たちとの小気味の良いやり取りと語り口、江戸から来た智里の -
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江戸幕府の5代将軍であった徳川綱吉の物語である。
“最悪の将軍”という題名が酷く目立って、同時に強く好奇心を刺激されたので当初は然程気に掛からなかったが、表紙イラストに犬が描かれている。徳川綱吉と言えば、“犬公方”なる綽名を賜った人物で、平和になった時代に君臨して、「犬を大事にする」というような、何やら不思議な政策を採っていたというイメージが在るかもしれない。そしてそんなイメージがふわふわと漂う他方に、「どういう人物だったのか?」ということを正面から捉えて描き出そうとするような小説や映画やテレビドラマのようなモノが思い浮かぶのでもない。
そういう中、本作『最悪の将軍』は、徳川綱吉という人物が将 -
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明治天皇の崩御にともなって、明治神宮が出来る。
神聖な人口の森(杜)を作る為の、ストーリーが楽しめる。
日本という国が、江戸という共和国からから脱却して一つの国になった。
その初代元首の苦悩と人となりが軸となり、本書が進んでいくのが良く分かる。
自分自身、どんな元首になるべきなのかに一人で悩み、考え、口を出さず、態度と詞華でもって政治に接し、明るかった人となりが、日露戦争を境に寡黙になっていく。
自身のことを二の次にして、国務に精励する。
日本をひとつにし、世界と対等になる為に駆け抜けたのが明治時代。
伝統と風習を守りつつ、欧州の近代国家を目指すという、ジェットコースターな統治。
模倣す -
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篠山十兵衛景義と対面した時、清太郎を助けた知里の口上がカッコよかった。
後家であること、奉公先の若旦那には恋仲の芸妓がいること、そもそも若旦那がすかたんであること、、
そんな理由から知り合うに連れて湧き出る清太郎への恋心を畳んでくるんでしまい込もうとする。
夫婦を語るときにこんな話を聞いたことがある。
長年連れ添うとその人を好きになった理由こそ、嫌いなところになる
向こう見ずで危なっかしい、でも周囲に好かれる清太郎。いつか知里はそんなところが嫌になるのかな、と思った。
河内屋のお家さん、志乃の言葉。
仕事いうもんは片付けるもんとちゃいます。どない小さなことでも、取り組んだ物事の質をちょっと -
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この著者の時代劇小説はどれを読んでもおもしろくて、飽きない。
生物、特に植物に詳しく博識なので、いろんな知識が得られる。
大阪出身の人なので、一度はお目にかかりたいかたである。
昔も変わらないお役所仕事、窓際族の典型の武家さん達が松茸の偽装や産地偽装して、お上にごますり、忖度、手柄横取り、横領、していてるバブル世代と右にならえの上司たち。このままではいけないと 藩政改革をすることになったその御松茸同心に命じられた今時の次世代部下が松茸の知識も何もないまま松茸山を舞台に奮闘する、松茸をよみがえらせ里山を循環させた物語り。歳月をかけて松茸の生態を勉強してちゃんと松茸が育つ環境に戻して里山資本主義 -
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ネタバレ西鶴の盲目の娘「おあい」からの視点で描いた井原西鶴。
最初の部分は、「おあい」は父親の西鶴の人となりに対して、常に嫌悪感をいだき、それが読者にも伝播し、途中で読むのを止めようかなと思ったほどだった。
人を集めてはお山の大将になり、ひときわ騒がしく、人間の欲望の厭らしさを凝縮したような西鶴が、時を経るに従い、特に俳諧で身を立てようとした西鶴が、草双紙の戯作者へと変貌する当りから、娘の「おあい」は、血の通った情の厚い父親として見直していく。
同時代に活躍した俳諧の西山宗因、其角、芭蕉や、浄瑠璃作者の近松門左衛門などが登場し、この時代に興味をそそられる。
特に、芭蕉は西鶴を厳しく批判し、「点者と