朝井まかてのレビュー一覧

  • 藪医 ふらここ堂
    朝井まかてさんの著作は安心して読んでいられる。
    この著作の主人公、三哲と娘おゆんを中心にお話は進んでいくけれど、亀婆さんのキャラクターが何とも言えなくよい。
    終盤、おゆんの悩み事をぶらんこに乗りながら解いていく亀婆さんの姿は美しくもある。
    結末は嬉しいハッピーエンド。
  • 最悪の将軍
    五代将軍綱吉と言えば、生類憐みの令で、評判が良くないのはよく知られているところ。
    その時代と、綱吉の真意は?
    新たな角度から描いた作品です。

    五代ともなれば世は穏やかで繁栄しているというイメージがありましたが。
    当初はそういう空気でもなく、過渡期だったのかもしれない。
    将軍になるとは思わずに育った...続きを読む
  • 福袋
    久々に昨年末本屋さんに行って、お正月に読もうと思って買った「福袋」。
    朝井まかてさんは贔屓の作家なので、タイトルだけで...
    庶民の暮らしは切ないね、笑いのなかにも哀しさが溢れてる。
  • ボタニカ
    牧野富太郎。すごい人がいたものだ。
    好きなことに情熱を注いで何もかも注ぎ込んで、周囲の犠牲的献身やサポートも吸い尽くしながらどんどん前進していく。誰もやらないことをやる人、偉人と奇人は紙一重だと思う。
    この人が自分の家族だったら、誇らしく思えるだろうか。嫌になってしまうかもしれない。
    彼を裏から表か...続きを読む
  • 最悪の将軍
    綱吉に対する見方が180度変わった。頭が硬すぎたのが悪かったのか。もっとABテスト回して良い悪い吟味しながら政策進められる世の中だったらなあ。
  • 朝星夜星
    本格的な西洋料理店を起こした夫婦のお話。

    貧しい家に生まれたふたり。
    妻は幼い頃に女中奉公に出され。
    夫は酒に溺れた父親の代わりに少年の頃より、家計を支えた。
    外国船にのったり、下働きから文字も読めなかったが蘭語、英語、支那語を使えるようになり、料理を覚える。
    働き者で工夫をたやさない丈吉は、美味...続きを読む
  • ボタニカ
    朝ドラの題材にもなった牧野富太郎の物語。好きなものに対してはどこまでもまっすぐで情熱的。でもそれ以外には無頓着。牧野博士の人間味あふれる人柄と粘りさと呆れ怒りながらも彼を見捨てない周りの人達の力強い人生に魅了されました。
  • 類

    森鴎外の息子である類氏の生涯の物語である。
    父鴎外をパッパと呼んで愛し、なに不自由なく少年期を過ごし、父を失ったあと、画家を志してパリへ進学した青年期。そして戦争に終戦の昭和と、明治から平成の日本を生きた物語。
    類はずばぬけた画才も文才もないけれど、どちらの世界にも手を伸ばしたいと願い続けるけれども...続きを読む
  • 朝星夜星
    まかてが小説のネタにする人物と歴史にはいつも感嘆する。そして、その料理の仕方が格別だ。いい味を出して最後まで飽きさせず、一緒に時代を駆け抜けさせてくれる。
  • 朝星夜星
    ボタニカを読んで
    頭で考えたりするミステリーや
    心が動かされてしまうほのぼの系や
    感動系の小説ではなく
    つらつらと文字と話だけを
    追いかけれる小説にはまってしまい、
    朝井先生のシリーズを手に取ってしまった。

    時代にもまれながら
    この人も一生を料理に支えた草尾丈吉さん。
    料理で日本を支え、そのうえ
    ...続きを読む
  • ボタニカ
    植物そのものにまた世間の人が
    触れておらず名前の知らない草花が
    たくさんあった時代。

    これは何という名前だろう
    この花とこの花は似ているから
    同じ系統の花かもしれない
    それをこの牧野富太郎を筆頭に
    日本の植物図鑑がどんどん
    華やかに埋め込まれていった。

    植物を愛し、植物に愛された人
    己の探求心を...続きを読む
  • ボタニカ
    何かを成す人は何かに突き抜けている事が多いけれど、牧野富太郎さんはその最もたるものだなあ。と…笑
    自分勝手ともとれる行動の数々に、周囲の人の苦労を思って苦笑いしながら読んだ。私だったらこの人のそばにいるのは無理だなぁ。
    文体がとても読みやすい。
  • 類

    中盤までなかなか読み進められず苦戦していましたが、類が困窮し、苦労し、人間味が増してからはスピードが急に加速。結論としてはとても面白かったです。

    結婚後、妻が老けたり、痩せたり太ったりするのは、夫の甲斐性のせい・・・ってことは逆も然り・・・

    いろいろ考えるところがありました。
    志げさん、好きです...続きを読む
  • 類

    ああ、読み終わってしまった
    残りが少なくなるのを感じる度にあともう少しで終わってしまうと寂しくなった
    私は不勉強で、森鴎外氏も森類氏も詳しく知らない
    何となく、「椿姫」の人だったよなぁ位の知識だったため
    どんな人生だったのか、ネタバレもなく話しに入り込んでいった
    庭の描写では花が浮かび、食事の描写で...続きを読む
  • 類

    森鴎外の末子 類 を中心に、両親や兄姉が描かれる。雲の上の家族が少し近づいた感じ。
    今より”家”が重い時代、同じ家に生まれたいとは思わないなぁ私は。
  • ボタニカ
    牧野富太郎の生涯を描いた朝ドラ「らんまん」をみているので読んでみた。ドラマは随分優しく万人受けするように描かれているし、牧野先生は笑っている写真しか知らなかったが、壮絶な人生を歩んで来られた方なんだ。日本人の手で日本中の植物相フロラを明らかにする。誰もが手に取る植物図鑑を作る。地位も名誉も関係ない。...続きを読む
  • グッドバイ
    知人に薦めらめて初めて読む朝井まかてさんの作品。大浦慶の素敵な人生、幕末から明治の長崎での出来事、ワクワクしながら読み進みました、勘を磨け!の言葉は私にもビビッときた。他の作品も読みたい。
  • 類

    森鴎外の家族のことは全く知りませんでした。父親の死後もお金には不自由なく生活していたのに戦争後は一転食うに困る困窮生活。こんな人もいたのかと驚き
    とともに晩年は苦労しながらも家族には恵まれてホッコリさせられる話でした。個性的な2人の姉の茉莉と杏奴の話も面白く、今度茉莉の本も読んでみたくなりました。
  • 類

    この作家さん、
    以前は他の作品を読み進められなかったのにこれは面白かった。

    昔森茉莉教みたいになってたことがあり、
    彼女から見た他の兄弟は知っていたものの
    視点が変わるとこうも違うのか。

    母親の志げさんは
    前妻さんが産んだ長男との確執もあり、
    自分が産んだ男の子こそ長男のようであり、
    可愛い末っ...続きを読む
  • 類

    なんだか先が気になって、読み進めてしまった。
    きっと、一人では生きてはいけないんじゃないかというくらい、頼りない主人公。
    でも不思議とどこかから手が差し伸べられて、手を引かれながら、歩んでいく感じ。
    類の考え方に「どうして〜」と歯痒く思いながらも、嫌な感じはなくついつい弟を見るような目で見守るように...続きを読む