朝井まかてのレビュー一覧
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秋ですね。
茸のおいしい季節となりましたが、高級食材の松茸を庶民が口にするには、相当な覚悟が必要です。
江戸中期の尾張藩でも事情は同じようで、藩の特産品として方々のお偉いさんにご進物するのですが、近年は不作続きで、全く足りません。足りない分はどうすのかといいますと、商人から買いつけます。ただであげるものを商人から買うのですから、お金はすべて持ち出し。ただの見栄のためだけに、莫大なお金をつぎ込むます。名古屋らしいといえばらしいのですが、藩の財政は悪化の一途。今の世なら財政破綻自治体入り確実です。さあ、ここで御松茸同心の出番です。
その任についたのは江戸詰めの若き藩士、小四郎。優秀だが融 -
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大坂豪商 辰巳屋の跡目争いが、大岡越前守、吉宗公を巻き込む騒動になっていく。
さすが朝井まかて、一気に読んでしまった。
時代小説の好きなところは、ストーリーも楽しめながら当時の文化や風習、経済など知らなかったことがわかるところ。
主人公は木津屋吉兵衛の視点で進んでいくが、知らず知らず応援していたほどキャラクターが魅力的に描かれている。
残り50ページになったとき、ここからどうやって挽回できるのか、するのか、とハラハラしてしまった。
誰が悪玉なのか、捉え方によって異なる。
大阪大学教授 高島先生の解説は本編を読んだ後に読むとよい。
当時の金銀貨の価値、経済、裁きなどなど着目点がわかりやすく -
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朝井まかての本を初めて読んだ。心地よい。次はデビュー作から順に読んでみたいなと思った。
「季節の中で風がいちばんうまいのは、夏の初めだ。」という文章で物語は始まる。これは題名にあるちゃんちゃらが口癖のちゃらの言葉。浮浪児だった彼は庭師辰蔵に声かけられ、庭師としての修行、腕をあげていく。序章から第一章に入り心惹かれる施主の娘の言葉としても「風がいちばんおいしいのは夏なのよ。」があり、終章 ちゃらが亡き後、辰蔵の娘お百合が「季節の中で風がいちばんうまいのは、夏の初めだ。」と石積みの階段を駆け上がるという情景描写がある。
序章 緑摘み、第一章 千両の庭、第二章 南蛮好みの庭、第三章 古里の庭、第四 -
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朝井まかてデビュー三作目。
江戸時代の大阪が舞台の、笑えて威勢のいい商家物です。描かれる業界は、植木屋から離れて、青物屋へ。
大坂城へ赴任した武士の夫と共に、知里は生まれ育った江戸から大坂へやってきました。
ところが、頼みの夫が急死。
食い詰めかけたが~ひょんなことから、青物問屋の老舗「河内屋」で働くことになります。
それも、お家さん(女主人)の志乃に仕える上女中として、びしびししごかれることに。
仕事を紹介してくれた若だんな・清太郎は、家にろくに寄り付きもしない道楽息子という噂。
しかし、野菜にかけては真剣で、農家にも熱心に顔を出している。
さまざまなトラブルに一緒になって奔走し、河内屋