朝井まかてのレビュー一覧

  • 阿蘭陀西鶴

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    おあいが父、西鶴の本音というか気持ちに、少しずつ気づいていく様子がとても良かった。
    おあいの目線なので、読んでいる方も最初は西鶴のことをうとましく思い、理解不能だと感じるように引っ張られている。
    それが、辰彌、それから荒砥屋、そしてお玉らの言葉によって、父の内面、知ろうとしなかった気持ちに気づかされる。
    見えていれば、もしかしたら、言葉と表情が違うことがもっと早く分かったかもしれない。でも、おあいには口に出された言葉が全てだった。でもでも逆に言えば、言葉がしっかりしていればなんだって伝わるってことなのかも。

    西鶴の造形もなかなか興味深かった。けしていい父親ではなかったけれど、

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    2017年10月29日
  • 阿蘭陀西鶴

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    井原西鶴とその娘おあいの物語。

    亡き母親から炊事洗濯を仕込まれた盲目の娘おあい。
    見栄っ張りで威勢だけはよく、娘の気持ちを忖度しない父西鶴を嫌っているのだが――。

    日常の音や匂い、人の声、季節の気配を繊細にとらえるおあいの一人称で書かれているため、あらゆる描写が新鮮に感じられます。
    かたくななおあいの心。
    近くにいるのに互いに伝わらない父と娘の気持ち。
    物語が進むにつれて変わっていく様子が、温かくも切ない。
    すべて読み終えて、帯にある「お父はんのお蔭で、私はすこぶる面白かった」という言葉を見ると、ぐっとくるものがあります。

    大阪弁の会話、ってなんかいい。
    感情とか情感が加味されて、表現と

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    2017年05月29日
  • 阿蘭陀西鶴

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    井原西鶴の娘の視点で書かれてあるので、西鶴の俳句に対する思いや取り組み方などが新しい角度で読む事ができたと思います。
    あいという娘に対する気持ちや扱い方で西鶴の愛情の示し方も独特のものがあると思いました。

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    2017年05月01日
  • 阿蘭陀西鶴

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    正直なところ、あまり面白いと感じずに早く読み終わりたいと思いながら読んでいましたが、最後の1ページから巻外にかけて、ジーンと来ました。
    読んで良かった。

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    2017年03月11日
  • 阿蘭陀西鶴

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    歴史の教科書では井原西鶴に関する記述はたったの数行だが
    その数行が実に生き生きと膨らんだ。江戸時代に市井の人々が何を食べどのように暮らしていたのか西鶴の盲目の娘を通して語られる。久しぶりに読んで楽しかった。井原西鶴の好色5人女など現代語版があれば読んでみたい。

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    2017年01月19日
  • 阿蘭陀西鶴

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    井原西鶴は文学史で覚えるべき一人、というだけの存在だったけれど、この本でちょっと視点が変わった。
    人間味が溢れる人柄と作品に一気に興味が持てて、来年は西鶴作品を読んでみようと思った。

    実際はどんな人だったのか、もちろんわからないけれど、現実でもこの作品のように、おあいは西鶴の娘に生まれて、幸せであったことを願います。

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    2016年12月31日
  • ちゃんちゃら

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    植物や庭師の仕事へのアプローチがとても詳しくて面白い。
    主役のちゃらが良い。お百合も可愛い。師匠がかっこいい。敵役が悪い。
    意外な人が意外な動機でそういう結果になるどんでん返し。ひどいことになるけど、そうか、と思ってしまう。憎めない!
    人情もあり、伝奇的でもあり、お仕事小説でもあり、可愛い恋模様もあり。江戸時代後期ならではの葛藤もあり。
    とても贅沢な時代小説。

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    2016年09月11日
  • ぬけまいる

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     若いころは「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれ、ブイブイ言わせていた三人娘も、それぞれの人生や家庭に、鬱屈と閉塞感を感じる年齢になってきた。その三人がふとした思い付きと勢いから、伊勢参りに行くこととなり…

     旅の醍醐味がいっぱいに詰まった小説です。旅先での様々な人との出会いは、クスリとさせることもあれば、しんみりとさせられるところも。だんご屋を営む老夫婦の家に居候したり、奥さんに尻を敷かれるご主人を叱咤したり、はたまたお金をだまし取られたり、危ない男との恋の予感があったり…

     三人娘の個性の強さも読んでいて楽しく、旅先での様々な事件、出来事もどれも読ませます。それは三人娘以外のどの登場人物たちにも

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    2016年08月20日
  • ぬけまいる

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    2015年9月23日
    女3人のお伊勢まいりは抜けまいり。
    幼馴染の3人は長所短所を知り尽くし、気のおけない仲間で、ずけずけものは言うけど、放っておいてほしいと察することもうまくやる。 みすずちゃんにしてやられたときの団子屋の切り回しや朝顔尽くしの小間物屋、博打で稼ぐきっぷの良さが痛快。みすずちゃんへの仕返しもすごく良い。
    でも今思い返すと3匹のおっさんシリーズと似たところあるかも。
    博打で稼ぐのは結構いろんな本に出てきてた。
    おしかちゃんがまたあの家に戻るのか。ようやくできた恋人から離れていくおいのもせつない。元の鞘に戻ろうとも心持ちはかわってる。成長物語だね。
    すごく面白くて好きな本です。

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    2015年09月23日
  • ちゃんちゃら

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    ネタバレ

    チャペックのエッセイからこの小説を読むという順番、読書の神様もイキな計らいをしてくれるものである。

    造園業を舞台にした時代小説。人情モンであり、推理モンであり、恋愛モンでもあり意外や意外に怪奇譚の一面も持った盛りだくさんな中身。盛り込みすぎかなと思いきや、庭・空仕事と言うしっかりした幹を据えているので意外と腰の据わりが良い読み心地。

    主人公のまわりを囲む登場人物たちの人物像が爽快。出来すぎかと思うくらいのキャラ設定、江戸時代にそんな生き様するヤツおらんやろと思う部分も少々あるも、読み心地損なうには至らず。

    朝井まかて、前から気になっている小説家だったけど、かなり好みの小説を書く作家のよう

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    2015年03月30日
  • ぬけまいる

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    ネタバレ

    お以乃、お志花、お蝶3人が
    最初は欠点ばかり目につき、バラバラ状態なのに
    欠点は美点、短所は長所、3人集まればなんとか
    痛快で、やさしくて、楽しく、あたたかい
    伊勢へのお参りの道すがらを一緒に旅した気分
    とっても面白かった~

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    2014年12月28日
  • ちゃんちゃら

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    ネタバレ

    よかった!さらっと読めてしまうけれど、江戸の職人気質がささる。妙青尼の優しくも凛とした言動も心が洗われた。

    人ってのはすごいもんだ。一度小さな失敗をしておくと軀が覚えちまう。・・・新セtが過ぎるとその機会を奪っちまう。もしかしたら俺が拵えようとしてた庭は、そういうことなんすか(P83)
    →トレーニングの時には注意しないと!

    あの人たちをいずれ世間に帰すのが私の務めです。ですが、この世は強い人間ばかりではないのですよ。何の希望も持てず辛苦に立ち向かえず、捨て鉢になってしまう人間の方がむしろ多いでしょう。そんな人々をお助けするのが仏の道であるはずなのに、何をして差し上げればよいのかが見いだせず

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    2014年02月26日
  • 藪医 ふらここ堂

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    久坂部先生の解説、よかった。
    医療の本質というか、大事なことが江戸の時代の言葉でもきちんと書かれている。朝井まかてさんの物語を紡ぐ力に恐れ入る。
    物語の三哲さんのモデルが実際にいたとのこと、改めて小説家ってすごいなと思った。

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    2026年03月15日
  • 恋歌

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    読み応えのある作品でした。幕末から明治維新の女性の生活風景から始まり、恋の話に温かい気持ちにもなるが、水戸藩の天狗党など物騒な事件に巻き込まれていく。悲惨な立場に追い込まれた時の描写は壮絶。最後は色々と繋がっていき読後はいい感じ。幕末の歴史は大枠は知っているが、登場した女性達や水戸藩の実態は知らなかった事が多く勉強になった。

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    2026年03月12日
  • グロリアソサエテ

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    今回は、民藝という運動が多くの芸術家と関わっているためだろうか、経緯を登場人物の台詞で説明することが多いのが気になった。一人称ではないのだから、客観的に描かれてもよかったのではないかと思う。

    それにしても、まかてさんの描く女性は相変わらず素敵だ。
    男たちは物事を成し遂げてはいるが、なんとなく印象が薄い。時代の影響もあって、まだ女性の地位は低く、男性優位な社会にも関わらず。
    中島兼子という声楽家の存在感が素晴らしい。彼女は、芸術家として自分を表現する欲求と、家庭の主婦のタスクの間で苦しむ。しかも、柳の活動を金銭面で支えなければならず、そのためには公演会を催して稼がなければならない。
    芸術家とし

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    2026年03月13日
  • グロリアソサエテ

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    日々の暮らしを飾る、美しい手仕事から稼業として生み出された民藝の品々。その目利きの親分が、こんなにわがままで銭勘定ができない、やりたい放題の家長だったとは。奥さんに同情してしまうが、余計なお世話だろうな。
    「なぜ日本は、よその国を自分の国にしてしまったの?」「それは欲しかったからでしょう。」「なぜ、よその国が欲しいの?」「欲望は大きくなるの。大義名分を餌にして肥え太ってしまうの」「あんたたちを守ってやるとか、平和のためとか」ウクライナ侵攻から、明日で早4年…。

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    2026年02月23日
  • 眩(新潮文庫)

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    これまで葛飾応為はさまざまな作品で描かれてきたけれど、この物語の応為像が一番好き。出戻りであったり、炊事や洗濯といった日々の暮らしに不器用だったりと、男社会で理想とされる“良妻賢母”の女性像には収まりきらない存在でありながらそんな価値観に縛られることなく、ただ絵筆一本を頼りに自分の人生を切り開いていく、その揺るがない生き方は凛としていて、とても格好良かった。
    父である葛飾北斎と滝沢馬琴の関係性も魅力的。特に北斎が病に伏した際、馬琴があれこれと助言を与える場面は、健康オタクの側面があったとされる馬琴の人となりがよく表れていて面白かった。
    自分の技ひとつで世の中を渡り自らの道を切り開いていく応為の

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    2026年02月22日
  • グロリアソサエテ

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    大正末期に勃興した「民藝運動」。提唱した柳宗悦、河井寬次郎、濱田庄司の三人が登場して、日本史の授業を思い出した。
    物語は女中サチの目線で描かれていて、日常生活がベースとなっているので、その歴史上の人達に一気に親近感が増した。
    そして、史実に基づいた部分と創作の部分がちょうどいいバランスで書かれていて、面白かった。
    三人の出会いで脚光を浴びた「民藝」。長く愛用している柳宗理さんのキッチングッズを今日も使いながら、ちゃんと今の時代にも引き継がれているなと思った。

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    2026年02月17日
  • グロリアソサエテ

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    もし、この家へのお手伝いが出来たなら、何と面白き出来事であろうか。と、考え出来た小説というか、それ考えついたのが、流石也。

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    2026年02月06日
  • 恋歌

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    中島歌子は、歌人というより、樋口一葉の師としての方が通りが良いくらいだが、しかし明治におけるれっきとした歌人である。私もこれを手に取った時は、古風な和歌を詠む歌子の創作の様子や、上流階級の子女が集まる「萩の舎」について描かれているのだろうと思っていた。
    ところが読み始めると、水戸藩のお家事情と、(のちの天狗党の)武士林以徳に嫁いだ池田登世(歌子)の半生が主な物語で、その内容にとても驚いた。水戸藩のお家騒動の顛末は凄惨であるが、その筆は冷静で、とても読み飛ばそうなどとは思えない。
    有栖川宮織仁親王の第12王女、徳川慶喜の母である貞芳院や、天狗党の武士の妻たちの描写が素晴らしく、しっかりと人格が読

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    2026年02月04日