あらすじ
一膳飯屋の娘・お以乃。御家人の妻・お志花。小間物屋の女主人・お蝶。若い頃は「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれ、界隈で知らぬ者の無かった江戸娘三人組も早や三十路前。それぞれに事情と鬱屈を抱えた三人は、突如、仕事も家庭も放り出し、お伊勢詣りに繰り出した。てんやわんやの、まかて版東海道中膝栗毛!
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Posted by ブクログ
恋、仕事、子育て、生き方と、どの時代でも悩みは同じなんだなー、と思わせてくれるお話でした。
猪鹿蝶の3人がお互いに何かしら羨ましくも尊敬しあってるのがすごく伝わってきて、とても読みやすかったです。同じ女性として、共感して泣けるし、笑えるところもあって一気読みしてしまいました(^^)
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男勝りで博打の才のある「お以乃」
冷静で武芸の達人「お志花」
派手好きで商売の達人「お蝶」
馬喰町の猪鹿蝶と呼ばれた少女たちも
はや三十路手前
さまざまな屈託を抱えてた3人がある日突然
すべてをほっぽり出してお伊勢詣りへ♪
旅の途中でトラブルに巻き込まれたり
自分たちから首をつっこんだり。
果ては大親分との大勝負。
3人のキャラがそれぞれひきたち、最高の読後感
長五郎も恰好いい♪
朝井まかてって、こんな小説も描くのね
引き出しの多い人だなぁ
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若いころは「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれ、ブイブイ言わせていた三人娘も、それぞれの人生や家庭に、鬱屈と閉塞感を感じる年齢になってきた。その三人がふとした思い付きと勢いから、伊勢参りに行くこととなり…
旅の醍醐味がいっぱいに詰まった小説です。旅先での様々な人との出会いは、クスリとさせることもあれば、しんみりとさせられるところも。だんご屋を営む老夫婦の家に居候したり、奥さんに尻を敷かれるご主人を叱咤したり、はたまたお金をだまし取られたり、危ない男との恋の予感があったり…
三人娘の個性の強さも読んでいて楽しく、旅先での様々な事件、出来事もどれも読ませます。それは三人娘以外のどの登場人物たちにも表情があり、個性があるからだと思います。
読んでいる自分も三人と一緒に旅に出ているような、そして自分も旅に出たくなるような、魅力あふれる小節だったと思います。
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2015年9月23日
女3人のお伊勢まいりは抜けまいり。
幼馴染の3人は長所短所を知り尽くし、気のおけない仲間で、ずけずけものは言うけど、放っておいてほしいと察することもうまくやる。 みすずちゃんにしてやられたときの団子屋の切り回しや朝顔尽くしの小間物屋、博打で稼ぐきっぷの良さが痛快。みすずちゃんへの仕返しもすごく良い。
でも今思い返すと3匹のおっさんシリーズと似たところあるかも。
博打で稼ぐのは結構いろんな本に出てきてた。
おしかちゃんがまたあの家に戻るのか。ようやくできた恋人から離れていくおいのもせつない。元の鞘に戻ろうとも心持ちはかわってる。成長物語だね。
すごく面白くて好きな本です。
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お以乃、お志花、お蝶3人が
最初は欠点ばかり目につき、バラバラ状態なのに
欠点は美点、短所は長所、3人集まればなんとか
痛快で、やさしくて、楽しく、あたたかい
伊勢へのお参りの道すがらを一緒に旅した気分
とっても面白かった~
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朝井まかてさんの作品が好きで、続けて読んできました。この本は友人から紹介されて。3人の特徴は昔こんな仲間がいて、こんなやり取りしたな。そんな思いでどこか懐かしく面白がって読みました。内容もホームドラマ風に展開。作者の別の手腕を感じました。言葉の巧みさ、表現の豊かさ等、軽い作品なれど、やっぱり朝井まかては、朝井まかてです。
Posted by ブクログ
以前NHKで観たことがあり、おもしろかったことを覚えている。
もう一度観たかったが、思いがけず本に出会えてラッキーだった。
はじめはお以乃も、お蝶も、自分本位でとても嫌な女だ。
それが旅を続けていくうちに、それが個性となり、いきいきと動きだし、魅力的にすら見えてくるのだからおもしろい。
道中たくさんの人と出会い、いろいろな出来事とぶつかりながら、自分自身の葛藤と向き合いガス抜きができた。
江戸で燻っていた時とは見違えるほど元気になった姿は、こちらにも元気を分けてもらえたと思う。
江戸に戻ってからの3人の続編も読んでみたかった。
2025/05/22 20:13
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非日常に飛び出したくなるよね!わかる!!!
って共感しながら読んだ。
今まで人生なんだったんだろうって思いながらも、培ってきたことに助けられてる。けしてムダじゃないんだよねどんなことも。
江戸に帰った三人のその後が知りたいな。
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前半は3人とも秘密を抱えて、重い雰囲気で進んで行くが、闘いや人助け、恋愛などの展開が次々と出てくるので、後半はあっという間に読み進められた。江戸に戻った後は3人はどうなるのだろうか?
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若い頃は「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれた三人組も今や三十路前。
お以乃、お志花、お蝶は、ある日江戸から伊勢へと旅立った。
それも、抜け詣り!
立場は違えど、家に、境遇に鬱々としたものを抱える三人が、
東海道を旅し、様々な事件に巻き込まれる、道中記。
一膳めし屋のお以乃、御家人の妻お志花、小間物屋の女主人お蝶。
かれこれ半年ぶりの再会が伊勢への抜け詣りとなったのですが、
十八、九歳頃につるんでいた時とは異なり、それぞれの立場の
違い、抱えている問題があります。それでも性格は変わらない。
道中、それが原因で反目し合ったりもするのですが、
いざ事件に巻き込まれると、過去のようにそれぞれの性格と特性を
活かして一致団結する姿は、なかなかのもの。
老夫婦を助ける人情物、恋に身を焦がす恋愛物、賭博場での
立ち回り有りのアクション物と、バラエティーな内容です。
それでいて、江戸、とりわけ東海道の風俗、伊勢詣りの様子等、
きちんと描写されているところは、さすが。
他の登場人物も良かった。特に、柄杓作りの正ちゃん(^^♪
洒脱なご隠居一行も・・・彼等のように将来、三人組がまた、
仲良くお伊勢詣りに出掛けられたら良いなぁと思いました。
しゃんしゃんと♪
Posted by ブクログ
テレビドラマの放送が始まった。
書名は知っていたけれど、読んだことがなかったので、ドラマ第一話を見た。
騒々しくて、内容もガチャガチャしていて、正直、なんじゃこりゃ、と思った。
「昔はいけてたのに」という思いは、もちろん江戸の人にだってあったのだろうけれど、表現がそのまんま。
ネオ時代劇(ミュージカルでもなんでもありのエンタメ時代劇)かと思ったのだ。
それで、第一話で見るのをやめた。
でもー、なぜか原作を読んでみようと思い立ってしまったのだ。
お伊勢参りのガールズ・ロードムービーといった趣の小説。
読んでみると、だんだん猪鹿蝶の三人に愛着がわいてくるから不思議。
三人が自分の境遇を振り返り、自分が行くべき道をそれぞれ納得して進んでいくように変化していく。
端的に言えば、二十八の三人(現代の年齢感覚だとアラフォーくらいにあたるだろう)が、本当の大人の女になっていくお話、と言えるだろうか。
ここ辺りが丁寧描いてあって、納得して受け入れられるからだろう。
特に、男勝りのお以乃の、次郎長との恋と別れはいい。
時を重ねることによって見えてくる人間の多面性みたいなものに着目しているのも面白い。
自分にも、友にも、「昔から変わらないなあ」という面があれば、「前はそんなじゃなかったのに」という面を見出したりする。
ちょっとしたことだけど、それが人物像のリアリティにつながっているのかな、と思う。
Posted by ブクログ
幼馴染のおてんばだった以乃志花蝶の3人が十五年後のある日突然にそれぞれに自身の問題を隠し抱えながらお伊勢さんの抜け詣りに出発するその道中の物語。お以乃がその道中で出会い慕わしく思うようになる長五郎の正体が最後に博徒で売り出し中の清水次郎長であると知り、溢れ出る恋慕の気持ちを抑えて江戸へ戻る決意が切ない。でも名前がおちょうじゃないから次郎長の妻にはならないと初めからわかってしまっていたのだけれどww
Posted by ブクログ
さくさくと読める。
ライトノベルのちょっと大人系かな?
しばらくまともに読書生活してなかったから、リハビリにはもってこい。
もうしばらく作者の本を読んでみよう。
伊勢参り。三人組。どたばた。
恋と人情と・・・なんでも詰め込み!
Posted by ブクログ
そうか、お伊勢参りを題材にしたら、時代物のロードノベルがかけるんや。と、まずは目から鱗。こういう格好の題材の小説に巡り合ってこない俺って、選択眼がまだまだやなぁ。
女性同士の「ゆとりっぷ」小説に江戸時代という設定は違和感があると思う。現代を舞台にした方が、ドタバタする自由度も、登場人物たちが抱えるうっ憤も、もっとこなれて扱いやすいように思うのだが。
なんだか、薄っぺらいコメディ度合いが、いくよくるよ師匠を主人公にして作った30年前の新喜劇的な味わいだと思った。かといって時代設定をイマにしても、日曜夕方にやってる低予算バラエティみたいになるだろうし…。なんの予定もなく流れてしまった週末を惜しみつつ、怠惰な時間を無駄に漂う日曜の午後。
そうか、この小説はそういう風に楽しむ小説なんや!読み終わって気付いた次第。
Posted by ブクログ
2015/12/9
これもおもしろかった。
にわかにまかてさんブーム。
お以乃の恋は成就してもよかったんだけど。
江戸に帰れる人で。
あっちこっちでたくましく稼ぐ3人が好きだ。
ごろちゃんに「逃げろっ」と言われて「やなこったっ」って返すとこも好き。
『すかたん』のときも思ったけど妙に映像化を考えてしまうお話だなー
お蝶が石原さとみってのは私の中で決まったけど後はどうしましょう。
お以乃が難しい。
お志花は松下奈緒にしよう。
お以乃…ガッキーが好きだからもうガッキーで。よし。
ちなみに『すかたん』は東出昌大と井上真央ちゃんと決めました。
映画化してくれんかな。
Posted by ブクログ
同僚に薦められて読んだ、普段は手に取らないジャンルの本。江戸の時代にあったかもしれないリアルさを内側から体験しているような気持ちで楽しめる。幼なじみの年増の女性が旅での出会いに浮かれつつ、置いてきた日常生活を省みる姿が自分事にも感じ、学生時代の友達に「そろそろ集まらない?」の声をかけたくなった。
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3人の幼馴染。江戸からお伊勢さんまでの抜け参り。
いい友達がいるって幸せだなぁと羨ましくなった。旅先でもお伊勢参りの人だと色々宿に安く泊まれたり、稼ぎ口があったりそれもまた羨ましかったり。
でも、旅に半年以上、帰りも合わせたら1年近くかかるのか?
時間がゆっくり流れているなと感じた。
Posted by ブクログ
朝井まかて作品を読むのは確かこれで3作目なんだけど、どれも雰囲気が違う。
解説に書いてあるように、直木賞作品の「恋歌」とは作風の違いで少し戸惑う。
最初言葉遣いが現代風で軽い感じがしてうーん、と思っていたけど慣れたら大丈夫だったかな。
幼馴染のアラサー女3人のドタバタ伊勢参り道中記。
色んな事が起きてストーリーが進み、旅路が進み、なかなか楽しく読んでしまった。
やられたらやり返す猪鹿蝶にスッキリ。
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藤沢周平作品の次は、朝井まかて先生の作品にトライ。朝井さんなんて、今村翔吾先生の教養本触らなかったら一生知らなかったかも。時代小説って現代では使われていない独特の言い回しが沢山でてくる。勿論どれも知らない(なんなら初めて耳にする恥)なのでいちいち検索してはほーとかへーとかなってる。抜け参りとは、家族に黙ってふいっとお伊勢参りしちゃうこと。江戸時代に流行ってんですってよ。
主人公は幼なじみアラサー三人娘。10代で子供生んじゃう時代だから完全なるオバサン扱い(笑)その三人の抜け参りのハラハラドキドキの珍道中、恋あり、博打ありの痛快小説だ。
私時代小説いける口だわ、全然ハードル高くない!むしろ、AIだ、スマホだとめんどくさいデバイスなし、変なトリックなし、義理人情重視、きな臭くなると大立ち回り発生!!読んでると自然に江戸の生活ぶりがよくわかる、そんで結構チップ制じゃない?何かあるとすぐ一粒包んだりしてなんか粋。←すぐかぶれる
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向こう見ずな性格の一膳飯屋の娘・お以乃。自分のことより他人のことを思いやる癖があるものの時にはそれが度を越してしまう御家人の妻・お志花。着飾ることが好きで商才に恵まれ、しかし男のこととなるとだらしのない小間物屋の女主人・お蝶。
幼なじみの3人は若い自分は町内では猪鹿蝶トリオとしてちょっとは名の知れたものだったが、三十路を前にしてそれぞれが事情を抱え思い悩んでいた。
そんな中久方ぶりに顔を合わせた3人が思いついたのはお伊勢詣り、着の身着のままでも柄杓さえ持っていれば伊勢まで行けるという、通称抜け詣りだった。
仕事、恋愛、家庭、きっとどんな時代であっても悩みの種はそうは変わらないもので、江戸時代を描いているけれど現代と変わらない内情に苦笑しながら読み進めた。
女3人江戸から伊勢への道中はもちろん一筋縄でいくわけもなく、巻き起こされる騒動のひとつひとつがとても面白くて、旅がしたくなった。
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権柄尽く。抜け詣る。楽なだけの事にどんな甲斐がある?楽しい事にやり甲斐はあるけどね。ちょこちょこ非常用漢字が出て来て読みにくい。江戸フィクション
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娘時代は馬喰町の猪鹿蝶と呼ばれた一膳飯屋のお以乃、武家の嫁のお志花、小間物屋のお蝶ももうアラサー(三十路)。家庭のゴタゴタや恋愛のドロドロを振り捨てて3人で伊勢参りに出かける。その道中の笑いあり、しんみりありの物語。
博打に強いお以乃が人生をかけた勝負
芯が強く頑固で一途なお志花の初恋
商売とイケメンに目がないお蝶の取引
3者3様のキャラクターが際立っている
Posted by ブクログ
うーん?
三人の関係性が、今一しっくりこなかった。
これだけ性格も嗜好も価値観も違う三人が、大人になっても仲良くできるのか、どうも不自然な感じがして物語に入れ込めなかった。
Posted by ブクログ
全1巻。
三十路前の女三人が急に伊勢参りに旅立つ話。
直木賞作家・朝井まかて版、東海道中膝栗毛。
いや面白い。
江戸→伊勢までの道すがら、
数々の事件に巻き込まれていく、
痛快(元)ずっこけ三人組。
主人公達の設定が秀逸。
女の曲がり角、
青春の終わりを自覚しだす三十路前の女三人。
それなりに背負った人生の哀しみと
センチメンタリズムが、
物語を単純な痛快コメディじゃなくしている。
妙にリアルに胸に沁みる。
惜しむらくはクライマックスのアッサリ感。
他作品でもそうだったけど、
最期に全部の謎が集約して盛り上がるんじゃなくて
駆け足で消化してる感がちょっとある。
結果、女達のそれぞれの哀しみ、
そして哀しみと改めて向き合うこれからについての
掘り下げが浅くなり、
キャラがイマイチ確立しないままで終わっちゃった。
おしいなあ。
でも、
クライマックスに用意されてた驚きは
著者っぽくて好きだった。
Posted by ブクログ
抜け詣りとは、家人の許しを受けないで家を抜け出し往来手形なしで伊勢参りに行く事とのこと。
それぞれ事情のある30前の女3人がかしましく騒動を起こしながらの珍道中。
江戸時代の旅を可笑しく楽しく味わせてもらった感じ。
旅に出れば見えてくるものも違ってくるのは現代も同じかもしれない。
Posted by ブクログ
時代小説には(普通の小説もかもしれないけれど)三人組の主人公という設定が多く、大抵の場合、知性派、武闘派、癒し系の組み合わせです。
この話も主人公が女性達というのは珍しいですが、武闘派のお以乃、知性派のお志花、癒し系のお蝶という役割。やはり安定感があるのでしょうね。
ただ、お蝶のキャラが、完全に癒し系という訳では無く、むしろ愚痴系というか、わがまま系というか。。。グズグズしていてどうも好きになれず一旦投げ出しかけました。
ただ、行く先々の宿場町のトラブルを3人で解決し始め、人情話になっていく頃から面白くなってきました。最後に次郎長が出てきたのはどうかと思いますが。
軽い時代物の活劇です。