朝井まかてのレビュー一覧

  • グロリアソサエテ

    Posted by ブクログ

    「下手物(げてもの)」として軽んじられてきたふだん使いの品々に美を見出し、「民藝」と名づけて世に出した柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司の交わりを、柳家の女中サチの視線を通して描いた作品。

    民藝が大好きなわたしにとって、柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司の3人はまさに神。プラス、女中さんモノも好きなので、読む前から面白いと確信していました。柳宗悦というと、やはり『手仕事の日本』のイメージなので、日本全国津々浦々の、土地に根づいた品々、顧みられることのなかったなんということのない日用品、あるいはもうすでに廃れてしまった工芸品なんかを発掘し、熱い思いを持ちながらも淡々と紹介する、というフラットな印象の人だっ

    0
    2026年03月16日
  • グロリアソサエテ

    Posted by ブクログ

    【民藝】を主催した柳宗悦の家に「ねえや」として奉公したさっちゃんの目を通して語られる、柳宗悦家族と民藝を取り巻く人々の昭和初期までのお話。
    去年だったかな…民藝の美術館で展示会があって、民の中から生まれる美を楽しんだので、その精神が生きている世界での暮らしが楽しめた。
    経済的な事は与り知らない…と公言する柳宗悦に振り回されながらもきっちり自分を貫く奥様が素敵だ。
    河井寛次郎や浜田庄司等々、みんな魅力的。
    そして最後に語られるさっちゃんの事。
    沢山の悲しみや差別の中から、民藝を探し出す事の意義を思う。

    0
    2026年03月15日
  • 最悪の将軍

    Posted by ブクログ

    将軍家綱の綱吉。館林の藩主で、館林宰相と呼ばれている。兄の家綱は病床にあるが、甲府宰相と呼ばれる兄の綱重は既になく、子供の綱豊の代になっている。いよいよ家綱が危なくなった時、大老の酒井は宮家から将軍をいただく案を出す。堀田や水戸光圀の声により、綱吉が次代の将軍と決まる。徳川幕府始まって以来、初めての直系ではない将軍である。

    家綱は治世最後のあたりはもうほとんど幕政に関わっていなかった。まず綱吉は将軍の手に政治が戻るように頑張った。越前松平家を改易し、酒井を大老から罷免し、旧勢力を追い払った。安宅丸も廃した。

    5歳の嫡男徳松が世をさった。7歳の女の子鶴が残ってはいるが、後継がいなくなった。地

    0
    2026年03月12日
  • 恋歌

    Posted by ブクログ

    第50回直木賞受賞作。本屋が選ぶ時代小説大賞も受賞している。水戸藩は内ゲバをやっていたので、明治政府が出来た頃には死に体だったのだ。人材が残っていなかった。だから明治政府に人材を送り込めなかった。あまり水戸藩のことを考えたことがなかったな。

    お宿池田屋の娘のお登世は水戸藩のお侍に恋をしている。そこに桜田門外ノ変が起こった。現場に向かって探すが、参加していなかったのか想い人は見つからない。
    一年後愛しい林さまとお登世は再会した。水戸で怪我を負っているうちに、仲間が討ち入りしてしまったらしく、叔父、弟、知人が桜田門に散ったという。林は既に脱藩していた。林が水戸へ去った後、晴れて許されて中士の身分

    0
    2026年03月10日
  • 眩(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『おーい、応為』を見ていつか読みたいなと思ってた
    朝井まかてさんの『眩(くらら)』
    北斎の三女で弟子のお栄こと葛飾 応為の生涯。
    絵に魅入られ、父を支え、時に悩みながらも技を磨き後に江戸のレンブラントと言われる。
    表紙絵は紙本著色一幅 26.3×39.4㎝ 文政~安政(1818~1860)頃描かれた代表作の吉原格子先之図

    北斎の手伝いをしていたので、北斎に代わって描いている事もたくさんあっただろうが、実際は史実も作品もあまり現存していない。
    それなのに、こんなに素敵に鮮明に書かれていて、さすがまかてさんと思った。
    他の応為を題材にした作品の中でも抜群に読みやすいし面白い。
    最後まで時太郎には

    0
    2026年03月07日
  • ちゃんちゃら

    Posted by ブクログ

    江戸 千駄木の庭師「植辰」
    もと浮浪児の「ちゃら」と、まわりの人々の人情物語

    ・・・のはずが、ひとりのカリスマ的人物のせいで
    とんでもないことに。

    終盤は怒涛の展開で引き込まれます
    ラストはできすぎかなと思いつつ
    まんまとホっとしました(笑)

    0
    2026年03月03日
  • グロリアソサエテ

    Posted by ブクログ

    『青姫』に続いて2冊目の朝井まかてさん。
    『青姫』で心をわしづかみにされた記憶も新しい。
    こちらも素晴らしい作品だった。

    大正から昭和へ。今の私たちからみれば女性は窮屈な時代と思われるが、奥様もサチ子も優しくしたたかに生き、魅力に溢れている。
     「ごまかさないで生きるのよ。」
    信念を貫くことはいつの時代も難しい。


     「とるに足らぬと見過ごされがちな、ごく普通のものにも、一筋の価値はあるのだ、と。」

     戦争の影が忍び寄り、読者に不安を残して物語は終わる。サチ子、奥様、生き延びて幸せになってほしいと願う。

    0
    2026年03月02日
  • グロリアソサエテ

    Posted by ブクログ

    民藝の作品そのもののように
    健やかで、伸びやかで、ほのぼのとあたたかい気持ちになれる
    登場人物。

    柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司、
    民藝に興味があり、その名は知っていたけれど、
    より深く、立体的に、この人たちのことを
    知ることができた。

    その妻たちも、強く、明るく、たのもしい。
    人生という地図を、自ら明るい色合いにして
    冒険を楽しむ、そんな気概が感じられて
    憧れた。

    何より、その登場人物の魅力を
    たっぷりと伝えてくれる主人公サチの目線。
    いじらしい恋心。

    心地よい風に吹かれているような読書時間。
    最後のページは、潮風を感じて、
    いつまでも、そこにいたくなるような思いになった。

    大好きな

    0
    2026年03月01日
  • グロリアソサエテ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    民藝の世界になぜこんなにも惹かれるのか、この小説を読んでほんの少しわかったような気がしてくる
    錚々たる面々が生きて、会話している!3人はこんな関係だったのか、大原孫三郎もここでこんなふうに絡み、志賀直哉!棟方志功まで登場する

    河井寛次郎記念館を数年前に訪ねて感動し、何枚も写真に収めてきた、その写真を眺めながらサチが訪問した夏の様子を思い浮かべながら読んだ

    そしてなんと言っても幸太郎との淡い淡い恋

    串団子のくだりで泣かされ、どうかどうか結ばれてほしいと願いながら読み、結末に安堵した。

    それにしても兼子さんの魅力といったらとてつもない。映像化するなら宮沢りえ一択(笑)
    この人のセリフで感極

    0
    2026年03月01日
  • 類

    Posted by ブクログ

    おびのりさんのご紹介本です。
    おびのりさんありがとうございます!

    第34回柴田錬三郎賞受賞作


    明治の終わりから森鴎外の末子の類の視点で類の生涯と家族関係を主軸に描かれていました。

    鴎外の志げ夫人の前妻の子で長男の於菟、百日咳で亡くなった次男不律、長女の茉莉、次女の杏奴、そして三男の類。

    七光りという言葉が作中に出てきますが、志げ夫人は元々鴎外の小説のファンで自分でも小説を書いています。

    長女の森茉莉は有名ですので語るまでもないですね。
    次女の杏奴も若い頃、文筆にいそしみ、類も晩年には画の道から文学の道に方向を変えて
    『鴎外の子供たち』
    『森家の人びと』
    など自分の家族についての本を

    0
    2026年02月27日
  • グロリアソサエテ

    Posted by ブクログ

    「民藝」という言葉は知っていても、実際にどういったものかは考えた事がなかった。
    民衆の工藝。
    とてもいい呼び方だ。
    奥さまの人柄とパワフルさに元気をもらえる。

    0
    2026年02月12日
  • 最悪の将軍

    Posted by ブクログ

    なぜ生類憐れみの令を発令したのか。
    学校ではただただ愚策としか学びませんでした。
    徳川綱吉を、「犬公方」と思っている方に是非読んで欲しい一冊です。

    0
    2026年02月07日
  • どら蔵

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    500頁近い長編なれど、ほぼ一気読み。江戸と上方の言葉の面白さ、落語のように引き込まれる世界観、そして一癖も二癖もある人物たち、あっと驚く展開が潜んでいたりと、もう、読み出したら止まらない。

    大阪の道具商、母親から道具の目利き譲られたと思い込む寅蔵だが、その目利きを披露したゆえに、奉公先にとんだ迷惑をかけてしまい、実家からも勘当される。仕方なく江戸へ向かう寅蔵が出会ったのは、屑拾いの親分だった・・・。
    江戸時代の道具屋や競りのしきたり、真贋の見分けや骨董の持つ意味、玄人との勝負など、知らない世界が展開されて、ただもうワクワクする。

    キャラクターも個性的だし、これはぜひテレビドラマで見たい。

    0
    2026年01月14日
  • どら蔵

    Posted by ブクログ

    登場人物が面白い。
    どら蔵には
    もう!っと思うところありましたが
    親子の絆が深いところにあって
    最後はほっこりしました。
    飢饉や乱など時代背景が、しっかり
    書かれていて、歴史好きの私は
    本当に楽しく読めました。

    0
    2026年01月12日
  • 名こそ惜しめよ 歴史小説アンソロジー

    Posted by ブクログ

    内容(ブックデータベースより)

    戦乱、陰謀、そして悲恋。鎌倉殿の時代を鮮やかに描きあげる競作集!

    源氏の栄枯盛衰と、北条政子の恋が交錯する(朝井まかて「恋ぞ荒ぶる」)。憂いを帯びた姫に、帝の仕掛けた戯れとは(諸田玲子「人も愛し」)。さる女性から壁絵の依頼を受け、画師の人生が動き出す(澤田瞳子「さくり姫」)。闘うことを運命づけられた坂東武者和田一門の最期を描く(武川佑「誰が悪」)。頼朝亡き後、政子は苛烈なる政戦に挑んだ(葉室麟「女人入眼」)。鎌倉を舞台に、野望、陰謀、そして恋を描いた歴史小説アンソロジー。

    令和8年1月8日~11日

    0
    2026年01月11日
  • 福袋

    Posted by ブクログ

    昔も今も、人は同じよう悩み、喜び、悲しみ、、ただ、昔(江戸時代)は社会のシステムがシンプルで良いなと思った。
    とても読みやすい。

    0
    2026年01月11日
  • すかたん

    Posted by ブクログ

    凄く面白かったが、2人の恋の行方をもっと読みたかった。
    あと、時刻の表記などが昔の物なので調べながら読んだ。

    0
    2026年01月02日
  • 恋歌

    Posted by ブクログ

    再読。一気に読むのが怖く、ちょうど旅行中の4日間で読んだ。題名の恋歌とはどの歌を指しているのだろう。思えばたくさんの歌が出てくる。辞世の歌も、誰かを思う恋歌を秘めているのかもしれない。中島歌子が歌人を目指した理由も書いてあるが、確かに歌にいのちを込めたのかもしれない。明治生まれのひよっこに何が分かる。重い言葉だ。

    0
    2025年12月27日
  • ボタニカ

    Posted by ブクログ

    とても面白かったです。朝井まかてさんのユーモアあふれる文章に惹かれます。富太郎のおとぼけぶりの描写が最高です。

    0
    2025年12月21日
  • グッドバイ

    Posted by ブクログ

    本書は朝井まかて著書の中で一番の女性商人成功記だ。

    本業は油商である大浦屋あるじ主人公、希以。
    その本業とは違う茶葉貿易という世界に挑む勇気。
    そして行動力には尊敬に値する。

    女性の視点で外国人との交渉する姿。
    幕末の志士との面白い交流の場面。
    そして経営を通じて、大きな失敗をした後の
    後悔を跳ねのけて、また前を向かうという
    生き様がかっこいい。

    本書を通じて、改めて、作家『朝井まかて』の
    作品をもっともっと読みたくなってきた。

    0
    2025年12月21日